さくら
夜になると ぼくの胸に たくさんの ひかりが ふりつもり
ぼくは たったまま ゆめをみる
よあけの そらにも さくらは まんかいだ いくど ふりかえっても
さくら さくら
よあけだというのに 目覚めないのか
ねこが あぜみちにひとり すわっている
ねむれないの? きみはねむれないの?
きおくを かきあつめ ゆめみるように 世界をだきしめ みずの
ながれにひたしてみる ぼくは
だれのみたゆめなのか
さくら さくら ぼくとやりたいのか 処女のまま 身をちらし
生きたまま 死んでゆくのか
死を開き 紅をひくのか
さくら さくら ぼくを 誘っているのか 夢もうつつも 星のまたたき
もっとたかくひくく いのちを散らせ!
咲きみだれる小道を 星がひとりで歩いてゆく きっとじぶんを
失くしてみたいんだね
さくら さくら 今年も咲いた
さくら さくら きみは だれの みた夢か
|