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 里見八犬伝 
[ACTION]
1983.12:日本映画(角川映画)
監督:深作欣二     原作:鎌田敏夫 「新・里見八犬伝」
CAST-1:薬師丸ひろ子
CAST-2:真田広之寺田農志穂美悦子福原拓也千葉真一大葉健二京本政樹苅谷俊介松坂慶子
CAST-3:目黒祐樹夏木マリ汐路章萩原流行浜田晃ヨネヤマ ママコ岡田奈々/他
薬師丸ひろ子主演のアイドル映画的伝奇&アクション映画

【STORY】
■雨の中…逃避行を続ける館山城主・里見成義の一人娘・静姫、突如 里見家を襲った悲劇…前触れなく城に攻め込んできた黒装束の騎馬侍達、成義以下を皆殺し!一人難を逃れた静姫…叔父のもとへ、城を奪ったのは蟇田素藤、かつて成義の祖父・義実が征伐した蟇田定包の子!その時に死んだ筈の素藤&素藤の母…毒婦・玉梓が悪霊“御霊様”に仕えることで不死身の妖怪として甦っていた、彼らは静姫の生血を“御霊様”に捧げるべく…姫の行方を探していた ■百姓の身なりの静姫、小さな炭焼小屋で親兵衛と名乗る青年と出会う、不審な様の女性?問い詰める親兵衛、逃走、捕らわれる寸前…巡礼姿の2人連れに助けられる、静姫を探していたという犬山道節&犬村大角 ■“伏姫縁起絵巻”と記された一巻の絵巻物を静姫に差し出す2人、そこには…約百年前に義実が蟇田氏を滅ぼした経緯&玉梓の呪いにより…義実が息女・伏姫を飼犬・八房に授けることとなったこと、そして八房の気を受け懐妊した伏姫の胎内より“仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌”の各字を刻んだ霊玉が八方に飛び去ったことなどが記されていた…、“忠と義”それぞれの霊玉を見せる道節と大角、この世にあと6人…霊玉を持つ者…悪を倒す“犬士”がいる!一刻も早く6人を探し出し…静姫を奉じて素藤らと戦わねばならないと力説、途方もない話…呆然の静姫、ところが2人の言うとおり…1人また1人と集まり来る犬士達、ついに彼らと共に悪と戦う決意をする静姫 ■なおも残る犬士を探す旅、罠にかかり何者かにさらわれる静姫、犯人は「静姫を連れてきた者は侍に…」という素藤の御触れに動いた親兵衛だった…


その昔、NHKで放送された人形劇「八犬伝」を見てから、スッカリと「八犬伝」ファンとなってしまった私、子供向け読み物から出発して「八犬伝」「里見八犬伝」「南総里見八犬伝」などなど複数冊を読んだほど、ところで今回データUPしている映画「里見八犬伝」については映画用に新たに書下ろされた鎌田敏夫の「新・里見八犬伝」によるもので(一応、原作も読んでます)、随分と設定が異なり…原典から約百年後の世界、主人公は伏姫の姪で新キャラの「静姫」…薬師丸ひろ子、親兵衛の恋物語もあり…恋愛映画の面もあり、それから八犬士も探すというよりは集合、それぞれの背景も原典とは異なりますが…それぞれのドラマの取り扱いは少々、敵役も多いので映画では全部を描ききれず…とりあえず薬師丸ひろ子中心というところでしょうか、「(当時の)薬師丸ひろ子ファン」としては嬉しい、また「南総里見八犬伝」ファンとしては…原典である「南総里見八犬伝」とは似て非なるものというか、別物というかであり…なんともコメントしづらいところ、ただの映画好きとしてはどうにもこうにも中途半端な映画で、薬師丸ひろ子と真田広之の恋愛映画はギクシャク、まあ演技も演技だし、それからセットを含めた特撮シーンは…ちょっと寂しかったというか、寒かったとというか…と記憶しております、まあ当時の私にとっては「何はともあれ薬師丸ひろ子の映画を見られて嬉しかった」というところでしょう  (2009.02)
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 八犬伝 
[HUMAN DRAMA]
2024.10:日本映画(キノフィルムズ)
監督:曽利文彦
出演:役所広司内野聖陽寺島しのぶ磯村勇斗黒木華
立川談春大貫夕輔中村獅童尾上右近信太昌之
渡邊圭祐鈴木仁板垣李光人水上恒司松岡広大佳久創藤岡真威人上杉柊平
土屋太鳳小木茂光河合優実丸山智己
栗山千明塩野瑛久真飛聖忍成修吾神尾佑下条アトム/他
働き方が大きく変わって「契約社員・年度更新の身」ゆえに「取るべき有給休暇はしっかり年度内に行使」する方針で働いてる!
私は「休むと会社の心証を悪くして翌年度の契約に響く」なんて恐れる人間ではない!
さあ「映画」を観に行こう!
小学生時代にNHKで平日夕方放映(1973?1975)していた連続人形劇ドラマ「新八犬伝」!
辻村ジュサブローの作り出した人形に魅了され、この時間のTVだけは珍しく必死に確保!
勢いから様々なバージョンの「南総里見八犬伝」を読み続ける!滝沢馬琴が凄すぎた!これが江戸時代の作なのに驚き!
その後1983年、薬師丸ひろ子主演で「里見八犬伝」が映画化されるが、アイドル映画で内容が改変されてて少しガッカリ…
「伏姫」じゃなくて「静姫」が、真田広之演じる「犬江親兵衛」とのラブロマンス映画だった…
それから41年も経過して、今なぜ「八犬伝」なのか分からないが、まあ日本にファンタジーを受け入れる土壌ができたか?
今作は「八犬伝」と「著者・滝沢馬琴」の物語が2軸で描かれるとのこと!
創作の背景が描かれるんだよね!それはそれで楽しみだよ!
というわけで、公開初日の初回を観に行く!

【STORY】
江戸時代の人気戯作家・滝沢馬琴は、友人の絵師・葛飾北斎を前に、構想中の物語を語り始める…
(南北朝時代の房総半島の武将)里見家にかけられた呪いを解くため…
運命によって引き寄せられた、きらめく珠を持つ八人の剣士が過酷な戦いの旅に出るという壮大にして奇怪な物語、題して「八犬伝」
その奇想天外な物語に驚嘆した北斎は、その場で即興の下絵を描くが、馬琴に正式に挿絵を依頼されると…
「文句を言われながら描くのは懲り懲りだ」とその場で下絵を破り捨てる!
しかし続きが気になる北斎は、事あるごとに馬琴のもとを訪れるようになる…
(武士だった滝沢家の再興を考える馬琴)
息子・鎮五郎(のちに宗伯)を大名お抱えの医者にするべく教育中!彼に執筆の手伝い(構成)をさせながら…
大の大人が昼間からくだらない話をしているのが面白くない妻のお百は、何かにつけて毒づいている!
ある時、北斎に誘われて、鶴屋南北の新作「東海道四谷怪談」の舞台を観た馬琴
忠臣蔵の実話に怪談話の虚構をはめ込んだ物語に「辻褄が合わない」と違和感を抱く
馬琴から疑問をぶつけられた南北は、「悪しき者が栄えるこの世の中こそ、辻褄のあわない世界だ」と持論を展開する!
「悪が蔓延る世の中だからこそ、物語の中だけでも勧善懲悪を貫くのだ」と反論する馬琴だったが…
南北の言葉に自身の信念が揺らぐのを感じていた…
「八犬伝」は大人気となり、町中の誰もが続きを待ち望んでいたが、それ以来馬琴の筆は進まなくなってしまうのだった…
(医師として学んだ息子・宗伯が病んで寝込み…日々弱っていく、心配する友人)
(遂には落命、失望する馬琴とお百、言葉が少ない嫁・お路)
葛藤しながらも自らの想いを貫き、書き進める馬琴だったが、長い間「目を酷使」したことが祟り…片目が見えなくなっていた!
それでも執念で書き続け、物語もクライマックスに差し掛かった時…遂に「両目を失明」してしまうのだった…
正義を貫き、私生活でも何一つ間違ったことをしたことがない馬琴だったが、この現実に打ち拉がれ、筆を折って壁に 投げつける!
既に連載開始から25年が経ち、馬琴は73歳を迎えていた…
版元は筆記係を準備すると言ってくれるが…この堅物に付き合えるものはいない(自覚)と断り!
そんな馬琴に、息子(宗伯)の嫁・お路が真剣な面持ちで「私に手伝わせて欲しい」と申し出る!
「八犬伝」を読んだことがあるのか?(文字が読めるのか?)
予想もしなかった申し出に馬琴はわずかばかりの希望を見出す!
失明してもなお書き続けた馬琴が「八犬伝」に込めた想いとは…?


2軸と書いたが、滝沢馬琴の八犬伝創作の物語だった!
あくまで八犬伝の作者・滝沢馬琴を語るうえで…挿話的に「(南総里見)八犬伝」が描かれる!
これを入れないと、今の方には何が何だか分からないだろうから
あれこれ思い出すに「41年ぶり」と前述したが…
舞台「八犬伝」を妻と観に行ったな!(新聞購読者招待に当選して…)まあどうでもよい話
今回を機に、本気で「南総里見八犬伝」を映画化してくれないかな?
アイドル・若手俳優を出しまくって良いから…バカな改悪なしに!面白くなる+αは許容するから!
それを世界に持って行こう!
「戦国ファンタジー超大作」として!今なら受けると思うが?
しかし滝沢馬琴のラストがああだったことをスッカリ忘れていて、思わず感動してしまったが…
ある意味、お得だったな!
余談だが…
パンフレットがなんと「1200円」!
あと100円足せば映画が1本観られるよ!(シニアなのでね)
公開初日の第1回(9:45)、439席の映画館で100人程度の入り(TOHOシネマズ日比谷 SCREEN1)
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