せかいのおきく  |
[YOUTH]
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2023 キネ旬[作品賞]
2023 キネ旬[脚本賞]:坂本順治 |
2023.04:日本映画(東京テフトル) |
監督:阪本順治 |
出演:黒木華/寛一郎/池松壮亮 |
佐藤浩市/石橋蓮司/眞木蔵人 |
本山力/峰蘭太郎/他 |
今から映画「せかいのおきく」を観ます! GWの谷間も休みにしました!ちなみに5/1につき「ファーストデイ」で1,100円!
今年のGW、観たい映画は全て観終わってる状況!(「ザ・スーパーマリオブラザース・ムービー」に全く興味が無いので)
このような状況の下、ネットで近郊の単館系を探っていて見つけた映画!
最初は「せかいのきおく(世界の記憶)」?どんな映画だ?と思って、公式サイトに辿り着いたら…
ドンっと「着物姿の黒木華・他3人のモノクローム写真」!
タイトルが大きく書かれているけど、まだ「せかいのきおく」だと思ってる自分!
江戸時代の話しかな?サイトをスクロールダウン!モノクロームのせかい!
「おきく、22歳。声を失ったけれど、恋をした…」えっ!?「おきく」???
ここでようやく「せかいのおきく」だと気付く!
この段階で術中に嵌まった感じ!「おきくのせかい」なら錯誤は生まれなかっただろう!上手い!
何かもう気になって仕方がなく、観たくてしょうがない!
ユーロスペース行ってきます!阪本順治監督作品は3年ぶり!楽しみにしています! |
【STORY】
序章:江戸のうんこは、いずこへ[安政五年・江戸・晩夏]
とあるお寺の裏手にある厠、糞尿を掬う男…下肥買いの矢亮
江戸で糞尿を買い取り、 郊外で肥料として売る!俗に汚穢屋と呼ばれる仕事
降り出した雨を避け、厠の庇の下に駆け込んで来る中次…紙屑の売り買いで生計を立てている男
そこへ…この寺で読み書きの師匠をしている“おきく”も急いでやってくる!3人の奇妙な接近遭遇
中次は、矢亮の新たな相方として下肥買いに足を踏み入れ ることになる
第一章:むてきのおきく[安政五年・秋]
江戸木挽町・次郎衛門長屋
降り続いた長雨、厠から糞尿が溢れ出し困り果てた長屋の住人達が大家を責め立てる
「まあ、乾くのを待つんだな」と呑気な発言をする“おきく”の父源兵衛…藩の不正を上申し藩を追われた武士
矢亮と中次の働きで糞尿も順次片付く…厠に列をなす住人達
源兵衛のもとを訪れる侍、旧知の様子、手渡される書状
第二章:むねんのおきく[安政五年・晩冬]
中次、長屋の厠へ
用足し中の源兵衛…“せかい”って言葉を知ってるか?と源兵衛、理解できない中次
もし好きな人ができたら「おれは “せかい”でいちばん おまえがすきだ」って言え!と源兵衛
仲間と共に再訪した待、刀を腰刺しした源兵衛が付いて行く
父を見なかったか?刀がない!“おきく”は懐剣を手に後を追う!
郊外の林 背中を斬られ息絶える源兵衛!その傍で“おきく”がゼエゼエと苦しげな息を洩らしている
首筋を押さえた指の間から血が溢れる
夜、長屋の住人・孫七の家を訪ねる中次、“おきく”が一命を取りとめたと知る、帰ってくるのは数か月後…
第三章:恋せよおきく[安政六年・晩春]
声を喪った“おきく”が長屋に戻るが…誰が来ても布団にくるまって表に出ない
お寺の住職、孝順和尚が子供達と共に訪問「お師匠」「「お顔見たいです」と子供達が呼び掛ける
「“おきく”さんには役割があってね、読みはできなくても書くことはできる」
和尚の真情溢るる語りかけに心をひらく“おきく”…再び書の師匠として働くこととなる
それを知った中次が“おきく”のもとに“紙の束”を届ける…「おらぁ、こんなことぐれぇしか、できねぇですから」
第四章:ばかばか[安政六年・葛西領・初夏]
江戸郊外、街道筋、下肥を運ぶ矢亮と中次…荷車の車輪が壊れ立ち往生!
肩に担いで運ぶが、半分こぼれていたため農家の主が怒り、糞尿を2人に浴びせかける!
常に蔑まれ、虐げられている2人
けれど、あまりに憐れなおのれの姿に思わず哄笑する矢亮
「こんな世の中、糞食らえと想ってたけどよ、こっちが糞食らっちまったよ、あはは」、つられて笑いだす中次
第五章:ばかなおきく
おきくの部屋、中次にもらった半紙で習字のお稽古
書物に「忠義」という字を見つけ、ひらがなで書こうとして、「ちゅうじ」と書いてしまう
そんな自分に呆然、やがてにやけてしまう“おきく”、寝転がって畳をバタバタと叩き
上気した顔を着物の袖で仰いだり、隠したり…誰もいないのに恥ずかしがっている
パタンと倒れる父源兵衛の位牌…
◇
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クソみたいな時代のクソみたいな底辺生活の中で“もがく”若者達(いやいや若者だけじゃないな)の…
なんなら本当に下肥買い…、クソを売り買いしてる!
彼等が働かねば、江戸の町の長屋の便所はクソまみれ、郊外の農家は肥料として欲しい!
それなのに臭い臭いと言われ、見下され、金を要求され、買い叩かれ、力仕事でヘトヘト、腹ペコペコ
それでも生きてかなくちゃならない!
理不尽な目にあっても、笑い飛ばして…“せかい”を生きていく!
そんな彼等の目の前に現れた…天使?
藩の不正を正したために、藩を追われた武士の娘(高かった気位も今は何処?)
寺で読み書きを教えて糊口をしのぐ“おきく”の接近遭遇!
出会うはずのなかった3人
初めて知った“せかい”という言葉
事件をキッカケに声を失った“おきく”を何かと気にかける男(弟分)だが?
これはクソまみれだが、必死に生きる青春映画!
「おれは “せかい”でいちばん おまえがすきだ」
ああ〜「せかいのおきく」で正解なんだ!納得です!
ちなみにモノクローム映画でなければ耐えられない映像だろう…笑!
各章のラストの印象的シーンだけが一瞬カラー、夢の世界が現実に引き戻される感じ!?
黒木華、寛一郎、池松壮亮、佐藤浩市、石橋蓮司、真木蔵人…全員ハマってます!
(ちなみに佐藤浩市と寛一郎は実の親子、今回共演…知っているとお得感があるかもしれない)
面白い映画だった!が90分の上映時間!
多分、5月1日「ファーストデイ」で、「1,100円」で観ていて満足感があるが
「1,900円払うか」は、皆さんに任せます! |
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公開4日目の第2回(12:15)、145席の映画館で2割程度の入り(ユーロスペース スクリーン2) |