その男、凶暴につき  |
[VIOLENCE] |
1989.08:日本映画(松竹) |
監督:北野武 製作:奥山和由 |
CAST-1:ビートたけし/白竜/川上麻衣子/平泉成/音無美紀子/岸部一徳 |
CAST-2:佐野史郎/芦川誠/吉澤健/勝部演之/浜田晃/上田耕一/石田太郎/寺島進/遠藤憲一/八木美香/他 |
北野映画第1作、日常のなんでもない(と思い込んでいる)生活と人間関係の中に潜む凶暴なものを描くヴァイオレンス |
【STORY】 内なる凶暴な声に自らを恐れる刑事…我妻諒介、39歳、ただ1人の友・岩城(同僚)、たった1人の家族・灯(妹)、組織を嫌う一匹狼…湾岸の倉庫街、自転車を使い浮浪者を痛めつける少年達、それを見つけた男…我妻諒介、主犯格の少年を追跡、自宅へ押し入り、殴る蹴るの暴行の末に自首させる、全てにおいてそんな調子、異端視される所以… ある日、釣り舟内で発見された麻薬密売人・柄本の死体、捜査を進める我妻…やがて青年実業家・仁藤、そして岩城(防犯課係長)に辿り着く、産まれてくる子供と妻のために金が必要だった岩城…押収した麻薬を横流ししていた、不吉な予感、首吊り死体となった岩城を発見、不審、自殺に見せ掛けた口封じ…、友人を闇に葬り去ろうとする警察、実態は麻薬シンジケートのボス・仁藤、その配下の殺人鬼・清弘、狂気にも似た我妻の怒り、巨大な力に1人対抗する我妻、自らの凶暴性の解放をもって戦うしかなかった…
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北野映画第1作、初めて見た時の違和感と衝撃、それまでのエンターテインメント映画に慣れ親しんでいた自分を不安に陥れる、日常のなんでもない(と思い込んでいる)生活と人間関係の中に潜む凶暴なもの…これをタンタンとあばいていかれては、不安な気持ちにならざるを得ない、また当時は俳優・ビートたけしの演技にも違和感、芸人としての彼しか知らなかったわけだし、一見シロウト以前とも思える”素の状態”の演技、だけど涌き出てきてしまう凶暴性…演技のようで演技でない…
自分しか知らない自分の中の凶暴性と破壊願望に触れてしまったための不安感…解放して回りを壊滅させるのか、押さえ込んで自ら崩壊するのか… |
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