同じ財政規模の枚方市と比較したら

財政規模は
1000億円同士

 同じ大阪府にあって淀川の流域にある枚方市の予算規模は、吹田市と同じ1000億円台。市域面積が広く、農地面積が大きいなど行政の開発関係の財政需要はまだまだこれから拡がると予想されます。
 私たちは、8年前から枚方市を訪問し、教育環境整備の優れた実践を学んできましたが、今回、財政面での 比較研究を行ってみました。


普通の市は、大体こんな感じのグラフになります


あまり見られない
 保健体育費の突出

 吹田のように保健体育費がある年度に突出したり、小・中学校費、幼稚園費を大きく上回るグラフは、衛星都市ではあまり見られません。枚方市の市民体育館は、1996年2つ目の渚市民体育館がオープンしました。

 

枚方市の施設整備
20年超える
「関係7団体協議」



教育委員会2、校長会、教頭会
教職員組合、校務員
1985年から継続的に大規模改造工事を進める  

枚方市では、教育委員会事務局と校長会、教頭会、教職員組合、校務員の組合が20年以上にわたって学校施設に関する協議を積み重ね、学校現場の声を反映した教育環境整備の在り方を調査、研究し実績を積んできました。この取り組みは、教育現場の施設管理に関する意識を高めることになっています。
 学校現場への施設営繕の予算を交付することも、地元企業と学校のつながりを作り上げることになっています。

その結果、枚方規格と言える高いレベルの教育環境整備の指針が実現しています。
 「教室の天井高さ3m」 にしても、天井ボード面は、吹田のように梁が出張ったものではありませんし、サッシの有効開口高さは天井面まであります。
 教室の窓サッシが、上部が大きくて手の届く高さに戸締まり金具があるタイプに統一され、教室の通風と温度管理に優れたものになっています。


  大規模改造工事で
       蘇った校舎

  いち早く国の方針に対応した大規模改造を実施した春日小学校

 阪神・淡路大震災の被害を受けた学校の現状を早急に改善するため、国は大規模改造工事の前提条件に耐震補強工事を実施することを補助金交付の条件にしました。
 枚方市では、1997年に実施した春日小学校において、耐震補強工事を大規模改造工事に合わせて施工しました。

 耐震補強工事に着手
春日小学校では、耐震補強工事の工法として、鉄骨ブレース工法を採用しました。1階と2階サッシの内側に斜めに見えるのが鉄骨ブレースです。

真っ新になる大規模改造工事
枚方の大規模改造工事は、コンクリート躯体を除く全てを取り去り、設備を一新するやり方です。給排水管、電気、天井、床、サッシ等が最新の規格のものに置き換えられます。



黒板は、生徒の成長に合わせ上下出来ます


教室の廊下側サッシも入れ替えます


トイレも配管から、便器まで交換


教室の床、棚,掲示版も新しく

建て替えた学校は

 

 2年生教室と共用スペース

 2クラスとも間仕切りは可動式のため開け放って学年としてまとまった運営に教室と同じ広さの共用スペースを使っています。床の仕上げと照明器具の豊富さに驚かされます。
 全面改築された明倫小学校2年生学級エリア

 管理棟、体育館を建て替え

香里団地にある第四中学校
左が体育館。右の管理棟は、実質5階建になり、エレベーターも設置されました。

 開成小学校

 日本初めての団地と言われる香里団地の中にある開成小学校は、先ず管理棟を建て替えました。
 2階建ての外観。屋根の一部を天窓にして思い切った開放感を取り入れています。
 保健室、家庭科室、地域に開放される多目的ホールが管理棟にはあります。



 大型プロジェクターを備えた絨毯を敷き詰めた多目的教室は、全校集会も出来る広さがあります。

 
設備の規格を統一しない吹田

大規模改造工事でも

バラバラ整備

 1987年から6年間かけて行われた大規模改造工事で、32校が工事対象になりましたが、統一仕様が明示されない中、塗装色、アルミサッシ等は、統一性もないばかりかその学校の既存の部分とも異なるものになりました。

増築工事でもバラバラ整備

 人口急増に合わせて校舎の増築工事が相次いだ学校が、多くありますが、一期、二期、三期と行われた増築工事のサッシがバラバラのメーカー、バラバラの規格というのは当たり前になっています。

耐震補強工事計画は不明確

 四十校を越える対象を明らかにして、十数校の耐震診断を行いながら、耐震診断は、1998年度予算からは見られなくなりました。桃山台小学校で、2000年夏に初めての3階建校舎の耐震補強工事を行いました。2001年夏には山三小学校体育館の耐震補強・大改修工事が行われていますが、校舎の耐震補強工事については、その後の計画はまだ示されていません。

標準規格を決め、整備を進める枚方
建て替え、大改造を振り分け

 枚方市では、老朽校舎の建て替えに1990年代初頭に踏み切ってきました。独自の調査基準を設け、建て替えか大改造かを決めてきたのです。

大改造は徹底して

枚方の大改造は、コンクリートの躯体を残して後は全て交換するような徹底したものです。実際現地を見ても、新築同然の設備レベルになり、その後20年程度はそのまま使えるようになります。

現場の声を反映し

規格統一をさらに改良進歩

1997年実施の春日小学校から、現場メンテナンス性に優れた内側取り外し式のアルミサッシの採用を初めています。

 スロープを備えた耐震仕様プール

 障害者の利用にも配慮されたスロープを備えた氷室小学校プール。耐震仕様で丈夫なだけでなく、プール地下には簡易浄水器を設置して、プールの水を災害時に必要な生活用水として利用できます。



大阪市でも学校改築工事が
 進んでいます

城東区・市立蒲生中学校

時計塔のある
   新しい学校も

淀川区・大道南小学校

 シンボルとしての時計塔を持つ新しく建てられた小学校。1階教室は、直接校庭に出られますが、低学年教室にあてられています。

 

注目される豊中市のライフサイクルコスト研究

豊中市の学校大改造事業

 
   
 
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