吹田市の西隣にある豊中市では、学校施設の耐震補強工事と同時に徹底した大規模改造工事が順次取り組まれています。

 名神高速道路豊中インターチェンジ南東に位置する豊中市立第七中学校(豊中市庄内栄町)は、平成12年度に3億5122万円の予算規模で校舎の耐震補強・内外装・電気設備・給排水を含む工事を行いました。
 豊中市では、今回の工事の狙いとして学校施設の環境整備、質的水準と生徒の安全性確保の3点を明らかにしています。

   

全館冷暖房

 校舎北側には、機械室が設置され、一見工場かと思えるような冷暖房用の大きなダクトが見えます。(写真 上)

 吹田のように個別に職員室、保健室、音楽室、会議室と整備をしていたのでは、長期的には機器の補修、メンテナンスに膨大な費用と手間がかかります。第七中学校と同様の環境条件にある国道43号線近くに再建された神戸市立本庄中学校・本庄小学校のように、神戸の震災復興に伴う学校整備において都市ガスによる自家発電と全館冷暖房、太陽光発電の設備を統合的に運用する例もあります。

耐震壁増築 

1階には、耐震性向上のために構造壁が増築された部分を見ることができます。

 窓はアルミサッシに交換すると同時に、全ての教室には、新たに換気扇が設置せれました。

 

正門

全長200mの長い校舎の北側中央にある正門周辺の整備状況を見ると、まるで新設校のような雰囲気になっています。植栽は、校舎近くは低木に限定し、その他の地面はカラーブロックを敷き詰めています。

3年生用下足室と廊下

 右は、運動場に接する3年生用下足室。1階廊下床面の色は、ベージュ色で統一されています

カラーコーディネイトされた扉

 あらゆる設備が一新される中で、廊下に面する各室の扉は、ご覧のような色で統一されました。2階廊下床面の色は、クリーム色です。

 2階3年生教室前

空調ダクトの入った廊下天井

 廊下天井には、冷暖房用のダクトが入り、点検用扉も備えられました。照明も40W2灯器具が10m当たり、3基あり十分な明るさです。

 

給排水管も新しく

 男子用小便器は、吹田の一部で整備されている自動洗浄式ではありません。しかし、高価な器具にお金をかけるよりも老朽化した給排水管を交換し、メンテナンス性に優れたハイタンク等を使った定時洗浄式の採用を行った豊中の選択は、大きく評価できます。

耐久性の高い設備仕様

 トイレブースは、耐久性の高いステンレス金具にパネル貼りの仕様になっています。壁のタイルは、床面から天井まで全面貼りとなっています。下部だけのタイル貼りとしている場合、汚れや落書きへの対応が難しくなります。