復興した神戸の学校の震災対策

神戸市立本庄小学校
新しい防災型教育施設

阪神電鉄神戸線と国道43号線に挟まれる形で建てられた本庄小学校は、隣り合わせに建つ本庄中学校と共に建て替えられました。
 両校は、建て替えに当たり教育環境の騒音被害を軽減するため、全館冷暖房を 都市ガスを利用した発電設備を中学校敷地内に設置することにより実現しています。
運動場面積を確保するために体育館屋上にステンレス製のプールを設置する工法を取り入れ、同時にプール用水は防火用水と雑排水に使えるように配管を行っています




太陽光発電設備を持つ同校では、体育館、多目的教室、管理棟に専用コンセントを設けています。

 防災型教育施設の極一部ですが 紹介します

・都市ガス利用の自家発電

・太陽光発電

・全館冷暖房

・井戸水の利用

・大きな多目的教室

・配管の共同溝化

 可動式ネット

 小学校のグランドから中学校のグランドを望むと境界のフェンスがなく、可動式のネットが張られています。災害時の有機的な利用が出来ることを狙っています。

 ブロック塀から鉄製柵へ

震災で多くのブロック製とコンクリート製の塀が倒壊する事例が多くありました。そのため、鉄製の柵に改められました。建て替えに当たり、校地全体のレベルを50ほど上げています。側溝は、会所部分だけを蓋で覆って日常的な清掃の妨げにならないよう、オープンなままです。

 屋根にソーラー発電パネル

 屋根の瓦の上部に見えるのが太陽光発電パネルです。夏休みなどには、需要を超える発電が出来るため、関西電力に買ってもらうことになります。非常時には、体育館、多目的教室、管理棟へ電気を供給するだけでなく、井戸水を汲み上げるポンプを動かす電力になります。

全ての電気は

  学校で発電

 本庄中学校と本庄小学校は、都市ガスを利用した共通の発電プラントで、電気を作り、全館冷暖房を実現しています。太陽光発電による発電電力も加えて一体とした管理が行われています。

 広い多目的教室

 多目的教室は、6教室分の広さがあります。日常的には、クラブ活動、会議室として使われますし、地域にも開放されています。体育館と並んで多目的教室は、避難所として指定されています。 神戸の学校だけでも、大震災では、最大時では16万人の被災者を受け入れましたが、普通 教室が長期に渡り避難所として被災住民の仮住居になったり、理科室などの特別 教室が死体安置場所として利用されたことなど、学校再開の困難な事例が多くありました。
  新しく改築された学校の教室は土足での出入りを前提とした仕様となり、避難所としては想定されていません。

 井戸のある中庭

 憩いの場として整備された中庭には、井戸が掘られて災害時には、太陽光発電で生み出された電気でトイレなどに必要な用水を確保できるシステムが出来ています。

   
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