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影響力を解剖する

『影響力を解剖する −依頼と説得の心理学−』

福村出版  \1,890



     「はじめに」      目 次 へ

 本書で扱っているテーマは、「人に影響を及ぼすこと」、逆の面から見れば、「人から影響を受けること」です。私たちはなぜある人からの働きかけに応じ、またある場合には、働きかけに応じないのでしょうか。人に影響を与える、働きかけるとはどのようなことなのでしょうか。人(受け手)に何らかの影響を及ぼせる人(与え手)は、何か特別なものを持っているのでしょうか。何かうまい働きかけ方(影響手段)を知っているのでしょうか。本書では、こうした問題を扱っています。
 本書は、社会心理学の研究テーマのうち、社会的影響、態度と説得、同調行動などに関することを扱っています。こうした現象について、今まで(社会)心理学者が明らかにしてきたことを踏まえながら、なるべく読みやすく、わかりやすく書くよう努力しました。 また、各章において、読者が自分の生活と関連づけながら人に影響を与えることを考えられるように、簡単な事例や問題を挙げています。例えば、次のようなものです。
<身近にいません?こんな人>
 あるミュージシャンやタレントのファンが、そのミュージシャンやタレントと同じ服装をしたり、言葉づかいをしたりする。
 空を見上げている一群の人たちがいると、ついその人たちと同じ行動を取ってしまう。 弟や妹が兄や姉の行動を見て、親からしかられないように要領よく行動する。
 みんなでいっしょに同じ作業をすると、はじめに計画したほど作業がはかどらない。
 医者からタバコを吸うことが肺に悪いと言われ、長年吸い続けてきたタバコをやめた。

こうした現象を(社会)心理学者はどのように解明しているのでしょうか。