2変数関数の無限小解析  

 ・定義:無限小/〜に対して小さな(無視できる)(高位の)無限小"o( ) "/

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総目次 

定義:無限小 infinitesimal


定義


2変数関数 y=f ( x, y )
    
A(x, y)において無限小である」とは、
  
f ( x, y )0 ( xx , yy ) 
となることをいう。  


[文献]
・杉浦『解析入門』§4 (p.113)

類概念: n変数関数の無限小/ベクトル値関数の無限小

 

定義:高位(高次)の無限小、〜より小さな(速い)無限小、〜に対して無視できる無限小
    ランダウの記号 o () Landau's little o 


定義


A(x, y)において無限小となる二つの2変数関数
     
y=f ( x, y ), y=g ( x, y )
について、
A(x, y)において、fgより高位(高次) higher orderの無限小である」
A(x, y)において、gfより低位(低次) lower orderの無限小である」
A(x, y)において、fgより小さな無限小である」
A(x, y)において、fgに対して無視できる無限小である」
A(x, y)において、fが無限小になる速さは、gが無限小になる速さよりも速い
A(x, y)において、gが無限小になる速さは、fが無限小になる速さよりも遅い
とは、
  
f ( x, y )/ g ( x, y )0 ( xx , yy ) 
となることをいう。 

つまり、
A(x, y)において、fgより高位の無限小である」とは、
  
f ( x, y )0 ( xx , yy )
  かつ 
  
g ( x, y )0 ( xx , yy )
  かつ
  
f ( x, y )/ g ( x, y )0 ( xx , yy ) 
が満たされることにほかならない。


[文献]
・『岩波数学辞典』項目166極限G(p.437)
・笠原『微分積分学3.1 (p.82). 
・高木『
解析概論』§15付記(p.41).
・杉浦『解析入門』§4定義1(p.114)
・吹田・新保『理工系の微分積分学2章§3-I(p.54).
・黒田『微分積分学5.2.5(pp.175).
de la Fuente, Mathematical Methods and Models for Economists, PartI-4-3Differentiability(p.170)


記号


・記法「
f ( x, y )o (g ( x, y )) (xx , yy)」で、
 「
A(x, y)において、
    
f ( x, y )g ( x, y )より高位の無限小である」
 を表す。
 つまり、
 「
f ( x, y )o (g ( x, y )) (xx , yy)」とは、
    
f ( x, y )0 ( xx , yy )
    かつ 
    
g ( x, y )0 ( xx , yy )
    かつ
    
f ( x, y )/ g ( x, y )0 ( xx , yy ) 
  が満たされることである。 
・記号「
o (g ( x, y )) (xx , yy)」は、
  
A(x, y)において
  「
g ( x, y )よりも高位の無限小」となる「x1,x2,,xnの関数」全般を表す。
 つまり、
 「
o (g ( x, y )) (xx , yy)」は、
    
f ( x, y )0 ( xx , yy )
    かつ 
    
g ( x, y )0 ( xx , yy )
    かつ
    
f ( x, y )/ g ( x, y )0 ( xx , yy ) 
  を満たす限りで任意の
2変数関数f ( x, y )を指す。
  この記法は、
  
f ( x, y )f ( x, y )/ g ( x, y )の式や値を知る必要がなく、
  ただ、「
f ( x, y )は、xx , yyとしたときに、
         
g ( x, y )よりも先に無限小に近づくから、
         無視してしまってよい」
  と主張したいとき等に使われる。
・記号
o ()ランダウの記号Landau's symbolと呼ばれる。
 
oは、英語のorder,ドイツ語のordnungの略。 

 

o()"little-oh of "と読む。[Mathematical Methods and Models for Economists, p.170]

 

活用例: ベクトル値関数についての高位の無限小