1変数関数の無限小解析  

 ・定義:無限小/同位の無限小/〜に対して小さな(無視できる)(高位の)無限小"o( ) "/比較可能/〜で押さえられる無限小"O( ) " 
 ・定義:
無限大/同位の無限大/〜に対して無視できる無限大"o( ) "/比較可能/〜で押さえられる無限大"O( ) "
 ・定理:低位の無限大となる例 

 ※1変数関数の極限関連ページ:定義定理  
 ※無限小解析関連ページ:ベクトル値関数の無限小解析  
総目次 

定義:無限小 infinitesimal


定義


1変数関数 f (x) aにおいて無限小である」とは、
  
f (x)(xa) 
となることをいう。

* f (x)(x+a)や、f (x)(x a) 等も、
 「
f (x) aにおいて無限小である」と言われる。  


[文献]
・『岩波数学辞典』項目166極限G(p.437)
・笠原『微分積分学3.1定義3.1 (p.81). 
・杉浦『
解析入門』§4 (p.113).
・高木『解析概論』§15付記(p.41).
・吹田・新保『理工系の微分積分学2章§3-I(p.54).

類概念:ベクトル値関数の無限小

定義:同位(同次)の無限小  same order


定義


aにおいて無限小となる二つの1変数関数 f (x), g (x)について、
aにおいて、f (x), g (x)同位(同次)same orderの無限小である」
とは、
 
xaとしたときに、f (x) / g (x)が、0以外の定数 に近づく 
ことをいう。
つまり、
aにおいて、f (x), g (x)同位(同次)same orderの無限小である」
とは、
  
f (x)(xa) かつ g (x)(xa)
          かつ f (x) / g (x) c (xa) かつ c≠0 
が満たされることにほかならない。    

* f (x), g (x)の無限小が、f (x)(x+a)の意味で言われる場合、
 「
aにおいて、f ,g 同位の無限小である」は、
     
f (x) / g (x)c (x+a) かつ c≠0
 を指す。
* f (x), g (x)の無限小が、f (x)(x a)の意味で言われる場合、
 「
aにおいて、f ,g 同位の無限小である」は、
     
f (x) / g (x) c (xa)  かつ c≠0 
 を指す。 


[文献]
・『岩波数学辞典』項目166極限G(p.437)
・笠原『微分積分学3.1 (p.81). 
・高木『
解析概論』§15付記(p.41).
・杉浦『解析入門』§4定義2(p.115).
・吹田・新保『理工系の微分積分学2章§3-I(p.54).

   
   

[トピック一覧:1変数関数の無限小解析]
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定義:高位(高次)の無限小、〜より小さな(速い)無限小、〜に対して無視できる無限小
    ランダウの記号 o () Landau's little o 


定義


aにおいて無限小となる二つの1変数関数 f (x), g (x)について、
aにおいて、f g より高位(高次) higher orderの無限小である」
aにおいて、g fより低位(低次) lower orderの無限小である」
aにおいて、f g より小さな無限小である」
aにおいて、f g に対して無視できる無限小である」
aにおいて、f が無限小になる速さは、g が無限小になる速さよりも速い
aにおいて、g が無限小になる速さは、f が無限小になる速さよりも遅い
とは、
  
f (x) / g (x) (xa) 
となることをいう。 

つまり、
aにおいて、f g より高位の無限小である」とは、
  
f (x)(xa) かつ g (x)(xa) かつ f (x) / g (x) (xa)
が満たされることにほかならない。    

* f (x), g (x)の無限小が、f (x)(x+a)の意味で言われる場合、
 「
aにおいて、f g より高位の無限小である」は、
     
f (x) / g (x)(x+a) 
 を指す。
* f (x), g (x)の無限小が、f (x)(x a)の意味で言われる場合、
 「
aにおいて、f g より高位の無限小である」は、
     
f (x) / g (x)(xa) 
 を指す。


[文献]
・『岩波数学辞典』項目166極限G(p.437)
・笠原『微分積分学3.1 (p.82). 
・高木『
解析概論』§15付記(p.41).
・杉浦『解析入門』§4定義1(p.114)
・吹田・新保『理工系の微分積分学2章§3-I(p.54).
・黒田『微分積分学5.2.5(pp.175).
de la Fuente, Mathematical Methods and Models for Economists, PartI-4-3Differentiability(p.170)


記号


・記法「
f (x)o ( g (x) ) (xa)」で、
 「
aにおいて、f (x)g (x)より高位の無限小である」ことを表す。
 つまり、
 「
f (x)o ( g (x) ) (xa)」とは、
   
f (x)(xa) かつ g (x)(xa) かつ f (x) / g (x) (xa) 
  である。 
・記号「
o ( g (x) ) (xa)」は、
  
aにおいて「g (x)よりも高位の無限小」となる「xの関数」全般を表す。
 つまり、
 「
o ( g (x) ) (xa)」は、
   
f (x)(xa) かつ g (x)(xa) かつ f (x) / g (x) (xa)
  を満たす限りで任意の1変数関数 f (x) を指す。   
  この記法は、
  
f (x)f (x) / g (x)の式や値を知る必要がなく、
  ただ、「
f (x)は、xaとしたときに、g (x)よりも先に無限小に近づくから、
         無視してしまってよい」
  と主張したいとき等に使われる。
・記号
o ()ランダウの記号Landau's symbolと呼ばれる。
 
oは、英語のorder,ドイツ語のordnungの略。 

 

o()"little-oh of "と読む。[Mathematical Methods and Models for Economists, p.170]

 

活用例:1変数関数の微分可能性の同値条件2変数関数の全微分可能性の定義 n変数関数の全微分可能性の定義
類概念:
ベクトル値関数についての高位の無限小

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定義:比較可能


定義


aにおいて無限小となる二つの1変数関数 f (x), g (x)について、
 ・
f (x), g (x)同位の無限小である
 または、 
 ・
f (x), g (x)の一方が他方より高位の無限小である
とき、この無限小を
比較可能という。  


[文献]
・笠原『微分積分学3.1 (p.82). 

   
   

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定義:~で押さえられる無限小 O ( )


定義


右記文献参照


[文献]
・笠原『微分積分学3.1 (p.83). 
・杉浦『
解析入門』§4定義1(p.114)

   
   

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定義:無限大 infinity


定義


・「
1変数関数 f (x) aにおいて正の無限大である」とは、
  
f (x)(xa) 
 となることをいう。 
・「
1変数関数 f (x) aにおいて負の無限大である」とは、
  
f (x)−∞(xa) 
 となることをいう。  


[文献]
・『岩波数学辞典』項目166極限G(p.437)
・笠原『微分積分学3.2定義3.4 (p.85). 
・杉浦『
解析入門』§4 (p.113)
・吹田・新保『理工系の微分積分学2章§3-I(p.54).

   
   

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定義:同位な無限大same order


定義


右記文献参照


[文献]
・『岩波数学辞典』項目166極限G(p.437)
・笠原『微分積分学3.2 (p.85). 
・杉浦『
解析入門』§4定義2(p.115).
・黒田『微分積分学5.2.5(pp.172-6).
・吹田・新保『理工系の微分積分学2章§3-I(p.54).

   
   

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定義:低位の無限大、〜より大きな(速い)無限大、〜に対して無視できる無限大 higher order o ( )


定義


右記文献参照


[文献]
・『岩波数学辞典』項目166極限G(p.437)
・笠原『微分積分学3.2 (p.85). 
・杉浦『
解析入門』§4定義1(p.114)
・吹田・新保『理工系の微分積分学2章§3-I(p.54).
・黒田『微分積分学5.2.5(pp.172-6).

   
   

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ケーススタディ:低位の無限大 higher order o ( )


定義


右記文献参照


[文献]
・黒田『微分積分学5.2.5定理5.11;12(p.173).

   
   

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定義:比較可能


定義


右記文献参照


[文献]
・笠原『微分積分学3.2 (p.85). 

   
   

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定義:~で抑えられる無限大 O ( )


定義


右記文献参照


[文献]
・笠原『微分積分学3.1 (p.83). 
・杉浦『
解析入門』§4定義1(p.114)

   
   

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