<ノウハウへ>

私のAudio:経歴と進化
その1




◎ メインスピーカー:4Way
Low : TANNOY(同軸)38cmウーハー×2基
MID : CORAL M-100&
ホーン(W-300FDX)
Hi : TANNOY (同軸)ツイータ×1基
S-Hi : GOTO UNIT SG-16TT


◎ サブスピーカー:3Way
Low : Dayton Audio DC160-8×2基
MID : JBL 2420(チタン仕様)&
ホーン(W-300S/45°)
Hi : CORAL H-100


◎ サブサブスピーカー:3Way
*2015年追加

バスレフ自作エンクロージャーにマウント

Low :DIATONE DS28B 25cmウーハー

MID : YAMAHA 10cmフルレンジ

Hi :DIATONE DS28B 3cmドームツイータ


◎ モニタースピーカー
BOSE 121(11cmFullレンジ1発)



※読んでみたいと思う★項目をクリックして飛ばし読みして下さい。


★.【私のAudioの進化と経歴について】・・・その1

★.【激安高音質スピーカーケーブルの製作】・・・その2

★.
【デジタルチャンデバによるマルチアンプ駆動】・・・その3

★.【PA用パワーアンプYAMAHA PC2002を導入】・・・その4

★.【業務用中古アンプについて】・・・その5

★.【BOSE 121とウーハーを使った再生帯域の改善】・・・その6

★.【YAMAHA 業務用パワーアンプ 中古機のメンテナンス】・・・その7

★.【YAMAHA 業務用ミキサーをプリアンプの代わりに導入】・・・その8


★.【私のスピーカーの進化(変化)と経歴について】・・・その1

<メインスピーカーの進化>
◎私のオーディオ暦は昭和44年頃になります。オーディオのきっかけは、身内から25W程度のFM/AM付きソリッドステートインテグレーテッドアンプ(半導体式)とレコードプレイヤーが収められたセンターコンソール部と25cmウーファー + 6cmツィーターの家具調スピーカーでミニコンポをフロアー型にした様なセパレートステレオ(パイオニア製)を譲り受け、ドーナツ盤やLPレコード盤を主に聴いていました。この時の音にえらく感激、低音の響きの素晴らしさにお腹を下してしまった事を覚えています。それが、オーディオの世界にハマッテいったきっかけでした。

◎当時大手家電メーカーも家電と切り分け、オーディオ専用の名称を用いご年配の方はご存知かと思いますが、松下:テクにクス/東芝:オーレックス/日立:ローディー/サンヨー:オットー/シャープ:オプトニカと言う名称で知られていました。当時パイオニアは、オーディオ専用メーカーでした。

◎いい音を聴いているとだんだんと耳が肥えるといいますか、慣れるといいますか、旧式のセパレートステレオのスピーカーでは次第に物足りなくなりました。その後、スピーカーを自作したりしましたが当時のセパレートステレオのアンプと自作SPとでは今では分かるのですがインピーダンスの関係で相性が悪く、どうも気に入った音が出てきません。作ってはポイ・・・又、別のものを作っては・・・の繰り返しでした。

◎その後。社会人になり、セパレートステレオを諦めローンで組んだ当時評判の良かったパイオニアの60W/8ΩプリメインアンプとFM/AM専用チューナー・レコードプレーヤーのコンポーネント3点セットを手に入れました。使ったスピーカーは、アンプに見合った普及クラスの国産ばかりでパイオニア・YAMAHA・LoDi・SONY・コーラル・サンスイ・ダイヤトーンと渡り歩き、当初は満足しているのですが段々と喰い足りなくなり、やっぱりスピーカーは海外製か?と思う事もありました。しかし、とても高価で、安月給では無理と悟り、諦めました。かと言って国産でも良い物はやっぱり高価でカタログを見ては憧れていました。仕様を見る限りどれも優秀でした。時間があると各社のショールームに出かけては試聴ルームで数時間、高級スピーカーとアンプを聴いていました。

◎自作したスピーカーは、当時流行っていたバックロードホーンを大/中/小と各種製作してみましたが、パンチと迫力は出るものの、繊細さに欠け長く聴いていると疲れます。この鳴り方が好き・・・と言う方もいると思いますが、どうも私好みではありません。

◎次にスペンドールの名で有名なエアーサスペンション方式(密閉式)にも挑戦しました。しかし音圧は全体的に下がり、低域~高域までフラット感はあるものの圧迫された感じで妙に頭を押さえた様な鳴り方に不満を覚え・・・これもボツ!次にバスレフ型に挑戦しました。

◎バスレフ型は基本設計さえ間違えなければ非常に作り易くて調整し易く、且つ癖も少なく安定した音色で鳴りました。しかし、エンクロージャーの容積や吸音処理・ダクトのセッティング等が上手くいかないと低音は出ますが変にボンついたりしました。エンクロージャーの吸音処理等のチューニング・バスレフダクトのチューニング、これらが決まると、それは信じられないくらいで、今までの中では私好みの音質を再現してくれました。

◎アンプ類もいろいろと、試してみました。試したアンプメーカーは国内メーカーのトランジスタ式80W以上のパイオニア・サンスイ・ヤマハ・オーレックス・SONY・アキュフェーズでプリメインアンプでした。この時点では、アキュフェーズが私好みのサウンド傾向のアンプである事が分かりましたがアキュフェーズは高価で当時の私には予算的に無理でした。後は、美しい音色のヤマハ系にするか、馬力のサンスイ系にするか迷いましたが差としては50歩100歩の感がありプリメインアンプの変更は諦めました。

◎スピーカー作りも少し落ち着いた頃、、友人が手に入れた海外製のタンノイ:デボン/30cmデュアルコンセントリックの1ユニット同軸2Wayを試聴する機会があり、その最初に出てきた音を聴いた瞬間・・・ビックリです。楽器の定位感(個々の演奏者の位置が判る)に感動を覚えこの音質に魅了されてしまいました。現状のユニットでは到底あの音は出せないと悟りそれ以来寝ても立っても同軸ユニットのあの音が忘れられなくなりました。

◎当時、同軸のデュアルコンセントリックユニットはアルテックとタンノイしかなく(ひょっとしてJBLもあったかも)種類も少なかったと思います。音質はアルテックよりタンノイの方が私好みでした。当時、発売されたばかりの38cmモデルのアーデンを手に入れました。アンプもプリメインでは役不足と感じ、試聴の結果アキュフェーズのC230コントロールアンプとP-260パワーアンプを一緒に導入しました。

◎しばらくは、満足しておりましたが、やっぱり段々と欲が出てきて同軸の定位感や弦の美しさはそのままに、重低音も出るスピーカーが欲しくなりました。いろいろ試聴した結果、重低音と低音に厚みのある音色に巡り合えました。それは、当時でも珍しいタンノイの38cm同軸ユニットを縦に2基掛けにしたロックウッド(タンノイ社と異なるイギリスのエンクロージャーメーカー)に思い切って取り換えました。(販売店にアーデンを下取ってもらいました)

◎ロックウッドはダブルバスレフ方式の大型フロアータイプです。タンノイのユニットをオリジナルのまま使われておりしばらくは、満足いく日々を送っていましたが、ある日JBL4343を聴く機会があり、そこで又々ショックを受けてしまいました。楽器の定位や重低音の鳴り方・弦楽器の質感・美しい音色は、タンノイの方が歪感も少なく格段に優れていると感じたものの、ドラムで太鼓の軽やかなリズム感・タムタムの乾いた皮のパーンと張り詰めた質感・シンバルンやサックスのリアルな事・・・演奏が前に前に出てくる感じで少々聴き疲れしそうな感もありますが、あの乾いた音色に衝撃を受けました。

◎その後、JBL4343を何度か聴いいているうちにノーマルの状態で使うとジャジャ馬的で使いこなしに苦労しそうな気がしました。又、個人的感想ですが、タンノイと比べると弦の潤いは劣っていると感じました。同軸ユニットのタンノイを使ってJBLの様な乾いた音質と、もう少し音が前に出てくる感じを再現したいと考える様になりました。スピーカーケーブルのテストでは、過去にいろいろ試しましたが多少の変化は有りますが大きく変わるような事はなくどのケーブルも五十歩百歩です。

◎そこで手始めに行ったのがネットワークの改造でした。純正ネットワークの改造では部品の定数値は換えず部品のみをオーディオ用Hiグレードタイプにしてみました。タンノイはネットワークの回路技術とエンクロージャーであのタンノイ独特の音色を出しており、単にオーディオグレードに換えても高域の解像度が若干向上したぐらいで基本的な音質は大して変わりませんでした。ネットワーク全体を定数も含めて作り変えてもみましたが・・・これは前よりバランスが悪くなり、即、元に戻しました。

◎元々のユニットの違いからくる音色の違いは仕方ないのですがユニットを交換したのではタンノイの良さがなくなります。閃いたのがタンノイの同軸スピーカーは2wayしかありません。そこでユニットの数を増やす・・・でした。もう少し詳しく書きますと、タンノイは38cmのユニットの中に補強リブの入った重たいコーン型ウーファーで1,000Hz以下を受け持ち高域はウーファーの中心部に短めの金属ホーンを設けウーファーのコーンカーブもホーンの一部とたドライバーユニットで1,000Hz~20,000Hz(実測では18kHzぐらい)までカバーした同軸デュアルコンセントリックで、たった2WAYの1ユニットのみです。(ロックウッドは2基掛けの2wayです)

◎JBL4343の方は、ユニット構成は38cmコーン型ウーファーf0~300Hz、25cmコーン型ミッドバス300Hz~1,250Hz、1インチショートホーン型スコーカー1,250Hz~9,500Hz、ホーン型ツィーター9,500Hz以上の各ユニットの得意な帯域を受け持たせた4WAY構成のスピーカーです。

◎タンノイの各ユニットをネットワークなしの状態で周波数特性を測定しました。ウーファーは、600Hz付近でエッジの反射によるディップ(凹み)が多少見られるものの、40Hz~1200Hzまで滑らかに伸びており、1,500Hzぐらいから分割振動で3,000Hzぐらいまで再生していました。中高音を受け持つホーンドライバーの裸特性と音質は、耳を疑うぐらいのひどい音質で、周波数特性も音も、いただけません。4,000Hzを中心に強烈なピーク(+10dB以上の盛り上があります)があり、そのままではとても聴けた音ではありません。ヴァイオリンが鼻詰まりのような音で、そのままでは全くと言っていいほど(2,000Hz~6,000Hzの間)使い物になりません。
(タンノイのあの素晴しい特性を生み出すイコライズしたネットワーク技術のすごさをアラタメテ認識しました)

◎そこでウーファーにはf 0~800Hz前後までの帯域を、ツィ-ターにはピーク帯域を外し6,000Hz以上の帯域を再生させ、中間を他のスピーカーで埋めようと考えました。ただ、この大型の独特なダブルバスレフスピーカーのエンクロージャー自体を作り変えるには予算的にとても無理があります。又、いじくってみたものの、上手く自分好みの理想の音色になってくれるかどうか、自信も保証もありませんでした。

◎そこで、思いついたのが、ユニットの入れ換えが容易で且つ簡単にテストできる方法として、中域ユニットを簡単な小型のエンクロージャーに入れロックウッドの上に乗せる方式でした。手持ちの16cm~20cmのユニット(全て国産)を使ってテストしてみました。しかし、中高域の能率(タンノイの方が高い)や音色が今ひとつ合わず目的の音質にならず「コレゾ!」と言うものが見つかりませんでした。

◎能率の高いコーンタイプユニットはJBLかALTECやGAUSSの海外ユニットしか無く、しかも大変高価で実験の為に購入するのは無理がありました。思案した結果、これだけ予算をかけるくらなら「ウッドホーン + ドライバー」にすれば、ユニットを収めるエンクロージャーも不要で、能率も充分有り、見た目もすっきりするのではと考えました。

◎幸い国産で物色したところ、FostexのウッドホーンH320と同メーカーのドライバーD252を見つけ合計しても海外製ユニットと同等で済みそうでした。カタログ上ではドライーバーは500Hz~20,000Hzをカバーしホーンはカットoff:320Hzで倍の700Hzぐらいからならどうにか使え、800Hz~6,000Hzなら充分使えそうです。テスト試聴した結果ホーン独特の前に出てくるシャープな音質が望めそうなので、思い切って導入を決めました。

◎さらにタンノイのホーンドライバーの高域特性は18,000Hzぐらいから急激に減衰していますのでスーパーツィーターを追加する必要を感じました。考え方によっては6,000Hz以上をタンノイの同軸ツィーターを使わず別のツィータで鳴らす方法もありますが試しにテストしてみるとタンノイのあの得意とする定位感や弦の潤いが失われてしまいます。同軸ホーンツイーターを帯域内に加えておく必要があります。

◎タンノイのユニットを2基搭載したロックウッドに中高音のホーン+ドライバーとスーパーツィーター追加の4AWY化が出来上がりました。構成はf 0~800Hzをタンノイの38cmウーファー部2基、800Hz~6,000Hz(又は7,000Hz)をホーンドライバー + ウッドホーン、6,000HZ(又は7,000Hz)~15,000Hzをタンノイ同軸ホーンツイータードライバー部2基、15,000Hz以上をスーパーツィーターに決め、-12dboctのネットワークを製作しました。

◎定数の変更(微妙なクロス周波数や減衰率の変更)・各種使用部品のテスト・各ユニットの位相合わせ・位置合わせ等、試行錯誤の連続で落ち着くまで大変時間が掛かりました。

◎大改造と調整の結果、タンノイとJBLとの中間的なサウンドがようやく出る様になりました。しかし、ユニット自体の影響と思われる(38cmの硬く重たいコーンで、その割にはマグネットが非力な事による影響と思われる)、ドラムのバスドラの音がやや重たく立ち上がりが鈍く、歯切れの良いリズムを刻みません。そこでホーンの再生領域を650Hzぐらいまで下げてみることしました。しかし、結果は、FostexのH320ウッドホーンでは低い音はホーン臭く(風呂場で聴く音の様)なり無理がありました。

◎D252のドライバーは500Hzから使用可能なので、ホーンを換えてみ様と考えましたが、市販の1インチ用ホーンでは、まともに600Hzぐらいから使えるものは皆無と言ってよく、2インチ用のホーンタイプが殆どです。その為には、1インチ⇔2インチ変換アダプター(市場では希少)を使う方法や2インチスロートのドライバーに変更しなければならず、アダプターを用いるのは特性的に疑問が生じますし、ドライバーの変更はホーンもドライバーも価格的に高過ぎて諦めました。

◎それならば・・・と、D252の1インチドライバーをある程度低い周波数(スペック内での周波数)からそのまま使える様にホーンを自作することにしました。カットOFFは、低い方が良いのでカットOFFを250Hzで設計してみましたが、構造的にサイズが大きくなり過ぎて全て手作りで作るには困難と思われました。650Hzぐらいから使用可能にするためには、ぎりぎりのカットOFF周波数の300Hzのフルサイズホーンを製作する事にしました。

◎上記写真のホーンです。実際に測定と試聴をしますと650Hzから使っても全くホーン臭くなく、計測結果では500Hzからでも使えそうな特性でした。

◎その後、1インチのJBL2420コンプレッションドライバーとGOTOユニットのSG16TTツィーターが手に入りました。このJBL2420と自作のフルサイズウッドホーンとウーファーは相性もよく、又SG16TTの質が高いため実にタンノイのツイーターにもまくマッチングし、すんなりと導入できました。

◎ホーンは、エンクロージャーの上に置きますので、+ - の極性合わせと置く位置で位相を合わせました。この調整に一番神経を注ぎ時間を費やしました。しかし「開口面積の80%の面積位置を仮想音源とする理論」を実施してからは順調に位相合わせができました。

◎調整には、音楽ソースに録音されている音を聴きながら位相調整していると、段々どれが元の音か、正しい音なのか分らなくなります。調整する場合は音調比較できる様な、基準となる音を出せるスピーカー(モニタースピーカー)が必要と思います。

◎モニター用スピーカーは迫力や個性等は全く要らない訳で、出来ればネットワークを通さないフルレンジのユニットがよいと思います。そこで選択したのは癖も無く安定した鳴り方をするDIATONEのP610(16cm)と指定エンクロージャーをモニタースピーカーとしました。高域を充実させる為、これまた癖のないP610と能率と音質が相性の良いFostex リボン型のFT7RPツィーターを8,000Hz以上を追加(オン)するだけのかたちで導入しました。

◎既に、アンプはセパレート型のプリアンプ・パワーアンプの専用アンプでしたのでその後、重たい38cmコーンを制御し、締まった低域にしたい為、同メーカーの同一ステレオハイパワーアンプをもう1台追加しウーファーのみを1ユニット毎に専用アンプで鳴らすバイアンプ駆動に進化しました。これは、ダンピングとパワーのおかげで低域改善に大変効果がありました。

◎更に、情報量のアップとリアル感を求めて自作ネットワークの調整には余念がありませんでした。ネットワークは、コイルとコンデンサーについては市場で音が良いと言われているものを色々テストしました。

◎4WAYをネットワークで好みの音色に近づけようと何度もテストを繰り返しているとそれだけで、さまざまな種類と値のコイル・コンデンサー・抵抗等、かなりの物量を投入しなければなりません。いくら投入しても「今一帯に短したすきに長し」でキリがありませんでした。ある程度のの音質を出していたのですが、時間がたつと不満が見え隠れしてコストを掛けた割には「これだ!」と、思える音質にはなりませんでした。(ネットワーク式の限界を感じたものです)

◎ハイエンドオーディオマニアの間ではマルチアンプ駆動をやられている方を多く見受けられ、私も試してみたくなりました。コイルやコンデンサーをとっかえひっかえしないですむチャンネルデバイダーを使ったマルチアンプ駆動にしたいと思い、居ても立ってもいられず、アナログ式チャンネルデバイダー1台とハイパワーアンプ2台(計4台)を入手しました。(もちろん中古です)

◎チャンネルデバイダーを使うと簡単に各ユニットのクロス周波数変更や減衰率及び出力レベルの調整がダイヤル一つでできます。ある程度理想のポイントを見つけるまでリアルタイムで直接、耳で確認しながらできます。余裕のできた分を位相合わせ(極性及び置く位置)に専念する事ができ、好みの音質になる迄の調整が大変楽にできました。

◎最近のデジタル式チャンネルデバイダー(コンシュマー用は、かなり高価)なら更に、位相や音源位置のズレからくる音の遅延調整までできます。(リスニングポイントにおける音場補正のイコライジングまでもできるものもあります)

◎調整は、モニタースピーカーと音質傾向を交互に比較しながら行うと更にチューニングが楽にできます。マルチアンプ駆動では、各帯域のレベルが少し引っ込んでいると思えば簡単にレベルを上げられます。ユニットの得意な帯域を使うため、そんなこんなで最終的には4wayマルチアンプ駆動にたどり着きました。

◎デメリットはチャンネルデバイダーとパワーアンプ・スピーカーケーブル・LINEケーブルが余分に必要になりコストがかさむ事です。メリットはチューニングしだいで極めて自分好みの音質に近づける事できます。ネットワーク依存型では決して出せない極めて良好な音質になる事です。(この音質を知ると、もう・・・元には戻れなくなります)


サブスピーカーの進化>
◎次に、サブスピーカについて記してみたいと思います。元は、モニタースピーカーとして使っていた”DIATONE P610”フルレンジ1発のスピーカーでしたが、”P610”1発では耐入力がなく、音量不足を感じていました。この耐入力不足を改善したく、耐入力UPの為にP610を4基掛けにしパラ・シリ接続(インピダンスを変化させない方法)にしました。又、パラによる能率UPに伴いツィーターの能率UPにをFT7RPツィーターからJBL2405ホーンツィーターに変更しました。ここでもネットワークをいろいろテストしましたが「帯に短し、たすきに長し」で、ここでもネットワークの限界を感じました。結局、サブスピーカーもマルチアンプ駆動にしてしまいました。

◎予算の都合でプリアンプとチャンネルデバイダー(アナログデバイス社のAD797と言う高音質オペアンプICを用いたプリと2WAYタイプのチャンデバ)と金田式パワーアンプ(30W)2台を自作して補いました。クロス周波数を決めるにあたり、タンノイに使っていたメーカー製4WAYチャンネルデバイダーを2WAYとしてテストし、クロス周波数と減衰率の値を決め、自作チャンネルデバイダーの周波数と減衰率の定数値にしました。

◎ここで判った事ですが、マルチアンプ駆動方式は少々出来の悪い自作品(プリ&パワーアンプ・チャンデバ)でも、意外と出てくる音は、質の良いまともな音が出せると言う事です。標準的な電気特性を有しているアンプであれば入門クラスの価格帯でも十分、納得できる音が出せます。(ただし、ユニットのタイプや能率にもよりますが、ウーファー駆動用アンプのみ、60W~100Wクラスでダンピングファクターは100以上が望ましいと思います。・・・非力なパワーアンプですと、締りのない低音になります)

◎上を見たらキリがありませんがマルチアンプ駆動方式はネットワークを用いたスピーカーより遙かに優れた音質で鳴ってくれます。くどい様ですが、プリ・パワーアンプやチャンネルデバイダーは中古でも自作でも一般的な諸特性(¥5万~8万クラスのアンプの特性)の物で全く問題ありません。更に上質で良いのに越した事はありませんが、高級アンプで高級スピーカーを高級なネットワーク式で鳴らしているより、調整が決まれば、マルチアンプ駆動の方が断然、良い音で鳴ります。

◎プリメインアンプでもプリ部とパワー部が分離できるタイプであればパワーアンプ1台とと2WAYのチャンデバ1台を追加するだけで2WAYのマルチアンプ駆動になります。パワーアンプを複数お持ちで、遊ばせているいる方は是非トライしてみてください。AV機器用のアンプは既に6CH・7CHのマルチパワーアンプ搭載ですのでもっと、簡単にマルチアンプ駆動に移行できます。

◎ネットワークやスピーカーケーブルで6N銅や7N/8N銅といったケーブル類に、お金をかけるぐらいならチャンデバとパワーアンプに、お金をつぎ込んだ方が改善効果は遙かに大きく、しかもアンプ類は高級である必要はなく、自作でも、中古でもかまいません。

◎最初は、ウーファー部と中高音以上を別々のアンプで鳴らすバイアンプ方式からスタートし、低音のウーファー部と中高音の分離にチャンデバを用い低音と中高音をマルチアンプ駆動で鳴らします。中音と高音の分離のみネットワーク式にします。これだけで格段に音質が向上します。(高音域用は、コイルもコンデンサーも値は小さくて済み、サイズも小さいので品質の高い部品を使ってもかなりコストを低く押さえられます)

◎改善効果が高ければさらに進化させたくなる事と思います。最初から3WAY以上のチャンデバを導入しておけば2WAYとしても使え、次ぎのステップで中音と高音の分離にチャンデバ式に移行できます。中高音以上に使うパワーアンプは小出力パワーで充分です。2WAYを極めたら3WAYマルチアンプ駆動にステップアップするとよいと思います。

◎先にも記しましたが、音質のチューニングにはモニターするためのスピーカーがあった方が便利です。私の場合P610をマルチアンプ駆動化にしてしまいましたので、比較調整用に1発フルレンジの「BOSE 121」を中古で手に入れ、既にマルチアンプ駆動調整が完了していたメインのスピーカーと併用して音の調整をしました。

◎完全にネットワークを排除し、をP610×4基掛けも中低域にP610・中高域用に自作ウッドホーン+ D252(タンノイで使っていたドライバー)を中域にし、高域用にコーラルのツィーターH100を用い各クロスを1000Hz/8000Hzクロスの3WAYマルチアンプ駆動に進化しました。出てくる音を聴くと・・・本当に、やっぱり・・・もう元には戻れません。

◎余談になりますが、今時、ピュアオーディオを継承してくれる若者は、身内でもなかなか見当たらず私一代で終わってしまいそうです。メインは耳がダメになる直前まで使っていようと思いますが、いろいろ実験したりテストしたりして楽しんだ中型のサブシステムをゴミになる前に解体しようかと思ってしまいます。(こんな趣味の世界でも後継者不足の様です)

◎しばらくは満足していたのですがサブスピーカーシステムの低域をもっと出したくなりました。フルレンジユニットのDIATONE P610は、知る人ぞ知る名器であります。しかし。フルレンジで鳴らす分にはそれなりに安定して良い音で鳴ってくれますが、より聴きこんで行きますと低域に不満が出てきます。これ以上どういじくっても低域にユニットの限界を感じ、いじくるのは止めました。

◎しばらくして既にメインスピーカーがあるので、ここいらでサブは解体しましょう・・・と、言う事になり、解体しましたが、イザ解体してしまうと、実験やいろいろといじくれるオーディオがないと寂しいものです。(チョット後悔しています)

◎仕方なくしばくはメインのみで音楽鑑賞しておりましたが、性なのかもしれません。いろいろとイジクルのが好きな私には、いろいろイジクレル対象がないと、寂しくて寂しくて、ため息がでます。手持ち無沙汰と言いますか、ある意味人生がもう終わってしまった様な、ふと錯覚すら感じる時があります。

◎最近、知人の方で精力的にオーデイオシステムを日々進化させに努力されている方がいらっしゃいまして、このままでは終われないと、それに即発される様に新たにサブシステムを構築したくなりました。もちろん、マルチアンプ駆動です。基本は、手持ちの物で構築するを基本にしました。

◎手元にありますのは、1インチドライバーD252とツィーターH100があります。又、余っている木材と切れ端の端材を使ってどう作るか考えました。(この考えている時が、とても楽しく幸せを感じる時間です)しかし、どうせ作るなら、以前のサブスピーカー(610×4基掛け)より、あまりお金を掛けずに更に上を行く音色のスピーカーを目指す事にしました。

◎P610を基本に考察しますとP610の能率(91dB/W)はそこそこ有りますが、耐入力が低く(定格8W)、最低共振周波数が高目なので低域にパーワーを掛けられません。SP-BOXのバスレフポートを利用してもギリギリ50Hz前後が限界です。70Hz位から上はは充分に音圧も有り大変バランス良く素晴らしい音質で鳴ってくれます。

◎好みもありますが、通常の音量で聴く分にはまず不満を感じる事はありません。唯一の弱点は低域と耐入力です。この旧サブシステムを上回る音質を出すのはかなり、至難の技と思えます・・・が、旧サブシスエムのP610は、1,000Hz以下の帯域を持たせて使っていましたので1,000Hz以下が素直な特性と充分にf0が低く重低音まで再生可能で且つ耐入力のあるユニッが必要になります。

◎手持ちには都合の良いユニットは持ち合わせておりませんので、別途調達する必要がありました。サブシステムですので、なるべくコストはかけたくありません。

◎まず、手始めに手持ちの材料(板材)でどの様なエンクロージャーが作れるのか検討しました。その結果、幅29cm奥行32cm高さ82cm(内容積:約45リットル)のトールボーイ型エンクロージャーを作る事にしました。幅が29cmですが板厚や補強材の関係で20cm以下のユニットしかバッフル板に取付けられません。フルレンジユニットは中低域や中高域特性は良いのですがどうしてもf0が高めで重低音は無理の様です。

◎エンクロージャーの関係上ウーファーユニットは16cm~20cm探しました。価格が高いユニットは我が財務局の許可が出ず無理なので¥5,000前後の物をいろいろネットやカタログで調べ、探したたところ「Dayton AudioのD160-8(16cm/8オーム)」が見つかりました。このユニットの周波数特性が低域~1.8kHzまでは実にP610に似た特性を示しており、且つf0は34Hz・耐入力50Wと又、外観はダイキャストフレームでは有りませんが作りは堅実な作りでマグネットも大きく安物には見えません。
(同系列に20cmモデルのD200-8が有りましたが、取り付けがギリギリ過ぎてパスしました)

◎D160-8の欠点は能率が低い事です。88dB/wしかありません。ドライバーのD252は105dB/w、ツィーターのH100は110dB/wです。余りにも差があります。そこで、並列接続の2基掛け(BOXサイズ的に2基が限界)にして耐入力100W(ユニット単体で50Wは変わりません)にし能率を3dB/wアップさせ91db/wにしようと考えました。そこで、ユニットの価格ですが、左右合わせて4本必要ですので安いに越した事はありません。ネットで探してみると有りました有りました・・・D160-8が1本税込みで¥4,000しない・・・で、すかさず4本調達しました。

◎ユニットの能率の差が大きすぎると高能率ユニットに対しチャンネルデバイダーの出力調整VRレベルを相当量絞る必要があります。一般的に2本の抵抗を組み合わせたアッテネーター型は絞ってもさほど音質劣化を招きませんが、通常のVR(可変抵抗器)はあまり絞らない方が音質的に有利とされております。これは、入力信号ラインに直列に入る部分の抵抗値が増え音質が悪化するのと同時に絞る方向の高抵抗になる抵抗値は徐々に誤差が大きくなり左右のレベルが狂いやすくなります。

◎チャンネルデバイダーに付いているVRも絞る方向(出力レベルを下げる方向)に真上(中央)を越えますと徐々に音質が劣化してきます。この事は出力調整を行う場合、中央位置より多く絞らない方が音質的に有利だと言う事になります。91dB(88dBのユニット2本駆動で3dBアップ)のユニットと105dBのユニットでは14dBの差が、又110dBのユニットでは19dBの差になります。どちらもレベルを合わせようとしますと、VRの回転位置が真上を越えてしまいます。

◎そこでスピーカ-とパワーアンプ間にアッテネータを追加する事にしました。可変型は接点の接触抵抗が起き易いので、固定抵抗方式(T型アッテネーター)にしました。又、余り減衰率を大きく設定しますと、チャンデバのVR的には良いのですが、スピカーに供給する電力ラインに大きな抵抗値が直列に入りますので、あまり大きな値の抵抗を挿入したくありません。ギリギリ、-6dB減衰の4オームと8オームの組合せに決めました。

◎挿入の仕方はユニットに対し+ ラインに4オームの抵抗を直列に入れ、8オームの抵抗をユニットと並列にいれます。この方法ですと、スピーカーのインピーダンスは変わりません。固定式アッテネーターで-6dB絞れましたのでチャンネルデバイダーのVR位置は真上を越えなくて済みました。固定抵抗用に使用した抵抗はW数が高く、音質的に優れている”デール”のメタルクラッド抵抗を用いました。(25W以上のW数が高いオーディオ用抵抗なら、好みで選択してかまわないです)

◎次に、中高音をどうするかです。ドライバーのD252はホーンが必要です。P610用エンクロージャーは幅が広く、それに合わせて作った「W-300S」では音質的には大変良好なのですが、幅が29cmのエンクロージャーには左右が大きくはみ出し過ぎてビジュアル的に満足できません。(カネゴンみたいです)以前、このJBL2307ストレートショートホーンと2308のデュフューザーをスピーカーBOXの上に乗せて鳴らせる様に専用の厚さ60mmの板(ガーデニング用の安い板)に取付、楽器のラッパ状のホーンの様にくり貫いた穴に面取りの感覚で大きなRを付け、音楽を聴いた事があります。
(この時、あの直球勝負のホーンが開口部にRを付けただけで信じられないぐらい聴き易くなった記憶があります)

◎そこで試しに、JBL2307ストレートショートホーンを使い先端部に木製のホーンを作り追加してみました。この先端の追加ウッドホーンは金属製のストレートショートホーン特有の強烈な直球勝負の音質を和らげ、左右に音圧を拡散させ自然空間にスムースに放出される・・・との目論見で製作してみました。

◎出来上がった先端ウッドホーンを取付、周波数特性を測定したところJBL2307ショートホーンと2308デュフューザーの組合せた時の周波数特性より低域の特性がかなり改善されていました。つまり、純正のJBL2307の推奨クロス周波数は1200Hzですが、この先端ホーン付加することにより、実質900Hz前後まで下げて使えると言う事になります。

◎音質も意外に効果がありました。、これはこれで直球勝負の音を残しつつも全体的にキツサを多少和らげクラッシックなどを聴き込まない限り充分聴いていられる音質に変わりました。音色や音にはそれぞれ好みも有ると思いますが、ロック・フュージョン・ポピュラー等のジャンルには持って来いの音質だと思います。ただ、オールウッドで作られたホーンの音色を知ってしまいますと、どうも私にシックリくる音色ではないせいか、長時間聴くと疲労感を伴い・・・あえなく、ボツと言う事になりました。

◎次にやむを得ず、手持ちにBOSEのフルレンジスピーカーMODEL121を所有しておりましたのでこれを中高音部に採用してみました。以外や以外・・・こちらの方が断然私好みの音色で鳴ってくれました。長時間聴いていても疲れません。が・・・しかし、数日間聴いていると、またまた、物足りなさが出て、なんとなく消化し切れていない感じがしました。最低共振周波数の低いユニットを使ったウーファー部が有るので重低音は出るもののDIATONE P-610とウッドホーンで鳴らしていた旧サブシステムの音質を越えていません。(中高音の質が違いますので当然かもしれません)

◎お金を掛けず行う最後の手段です。大変手間がかかりますが、ウーファーBOXサイズ(幅29cm)に合わせたオールウッドのホーンを新しく製作する事にしました。D252ドライバーの使用可能周波数から約800Hz~1,000Hz以上とする為、余裕を考慮して「W-300S」と同様のカットOFF周波数の300Hzに設定し、エクスポーネンシャルカーブでラジアルホーンを設計してみました。

<ちょっと余談ですが・・・>
※2013年5月時点で自作アンプのトラブルでFostex D252をミチズレに片チャンが死にました。そのため、メインSPに使っていたJBL2420を移植し、ついでにダイヤフラムをチタン製に変更しました。メインSP側は、昔から気になっていたCORAL M100がたまたま手に入りこのM100をメインに据えました。好みも有りますがチタンの音は実に切れがよくて澄んだ音がします。アルミの方はと申しますと、癖の無い実にナチュラルな音色です。

※ドライバーのダイヤフラム交換をしていて気が付いたのですが、
LBL2420等の1インチドライバーのダイヤフラムと同じ1インチのCORAL M100(国産の名器と言われています)のダイヤフラムは寸法や取付けに完全なる互換性があることです。単体のダイヤフラムはどちらでもピッタリと収まり何の問題も無く極々普通に音が出てきます。ボルト類もJBLと全く同じインチネジです。

※ただ、CORAL M100の純正ダイヤフラムはアルミやチタン等の特殊合金でできており、エッジも柔らかく、このダイヤフラムの特性から1インチであるにも関わらず、かなり低い帯域から再生するドライバーです。ですので、CORAL純正(もう既に市場にはない様ですが・・・)以外のダイヤフラムを付けると中高域では差は感じませんが、低域の500Hz~600Hz以下の再生能力は落ちるかもしれません。


◎45度ホーンの基本設計はW-300Sと全く同じですが、開口の横幅を狭くする事を主に設計しました。一般的なホーンは、左右の指向性を考慮して通常開口角を90度~120度ぐらいまでの範囲で設計します。開口角が大きいほど幅広になります。そこで思い切って、左右の指向性は多少犠牲にはなりますが開口角を狭め90度の半分の45度で設計し直したところ全長を変えずに先端の幅が約30cmぐらいになりウーファーBOXと丁度いい感じになります。しかも開口角45°は「W-300S」の開口角90度の半分ですから、設計図を作り直すのも簡単です。ホーンのカーブに該当する板を半分に(90度を45度に)するだけですから・・・!(しかし、製作での作業工程はW-300Sと全く変わらず、小ぶりでも手間隙は同じでした)

◎1ヶ月半程度要しましたが、出来上がったホーンの周波数特性を計測して、これまた、ビックリ・・・W-300Sと殆ど同じ周波数特性を示しました。基本設計が同じなので当たり前と言えば当たり前なのですが・・・。(幅が狭い分小型に見え、思っているより低域が出ないかと思いましたが期待を裏切る結果です)

◎幅も29cmのウーファーBOXサイズに丁度よく仕上がりました。ホーンの上にツィーターのH100を乗せ3Way構成です。セッティング自体は旧サブスピーカーと大差なく、又マルチアンプ駆動なので、出力調整程度で調整はそれ程困難ではありませんでした。

◎先ず、基本通りおおよそのクロス周波数を選択しユニットに合わせ、出力レベルの調整を行いなす。最後に位相調整(極性合わせを含む)を行います。これらを何回か繰り返し追い込んで行きますが、約2時間ほどでだいたい満足できるレベルに調整できました。

◎最後に出てきた音質についてですが・・・当然ですが、中高音~高音までは、DIATONE P610の旧サブスピーカーの時より良くなっています。見てくれもウッドホーンのサイズが変わってビジュアル的に満足できるものでした。ただ、重低音が出る分、低域も余裕を持って再生しますので低音部の解像度が上がり見た目からは創造できないぐらいスケールの大きな音場空間を描き、音像もホーンならではの描写をしてくれます。

◎耐入力も有るので大音量にも音が崩れず迫力満点です。重低音は、38cm級のウーファーから出る地響きがする様な重低音や風圧を感じる程の低音は望めませんが、鼓膜を圧迫するような低音は出てきます。全体的に、やっと旧サブスピーカーシステムの音質を越えたと感じました。後は、更に時間をかけて試行錯誤しながらジックリと仕上げてい行こうと考えています。

◎今回新たに製作した45度サイズの手作りオールウッドホーンは周波数特性も良く、左右の指向性は90度の「W-300S」より若干狭まりますが、試聴位置がスピーカー間であればどこに居ても、違和感や気になる聴こえ方はしません。完成後のデザインも手作りの割りには見た目に耐えられる出来だと思います。

◎最近では、トールボーイ型エンクロージャーや小型のスピーカーが多く、横幅の狭いエンクロージャーにこの45度ホーンはホーン長がほぼW-300Sと同じでカットOFF300Hzですので、800Hzから余裕を持って使用できます。この様に低目の周波数から使え且つ音質の良い小型ウッドホーンは市場を探した限りでは見当たらなかったと思います。自画自賛になって恐縮ですが、サイズと言い、性能と言い、とても使い易いのでは・・・と思っております。

◎その前に命名したいと思います。この新たに加わった幅の狭いオールウッドのホーンは「W-300S」の広角45度モデルですので解り易く、簡単に「W-300S/45°」と命名しました。

◎3wayのトールボーイ型スピーカーを製作してみて、あらためてマルチアンプ駆動の良さが理解できました。おかげで組上げ後の調整は非常に簡単に行う事ができ、更に調整後に出てくる音色は相変わらずとても素晴らしく、メインと多少傾向が異なりますが、充分にメインにもなりうる音質だと思います。ネットワークのコイルやコンデンサによる調整では、こうは行かなかったと思います。

※既にお持ちのAudioシステムで、限られた予算で100%の力を発揮させる努力もマニアとしての醍醐味です。シンプルなAudioシステム・コンパクトなAudioシステム(普及タイプのミニコンポやラジカセは除く)でも潜在能力は低くありません。要は、ユニットの持っている性能を100%鳴らしきる努力をしているかどうかです。又、音楽再生に必要な機器や装置・更に、スピーカーと部屋の環境を含め総合的にオーディオシステムを最大限発揮させる努力と追い込みを行うことによって音質が決まりると思います。

※今更ですが、趣味に限らず没頭できるものに終わりがないのはいい事だと思っています。歳をとっても人生をエンジョイしたいものです。


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