<ノウハウへ>

私のAudioの進化と経歴
その2




★.【激安高音質スピーカーケーブルの製作】

◎スピーカーケーブルによる音質については”Audioノウハウ”【スピーカーケーブルの材質や構造による変化について】の項目に普通の細いDIYで売っているケーブルを三つ編みにしたSPケーブルが良い結果出た旨を記載しております。サブスピーカー(3WAYマルチアンプ駆動)には、高音用・中音用にこの三つ編みケーブルを使い低音用には、芯線が撚り線1Φ程度の普通の赤黒ケーブルを使っております。普通に音楽を聴いている分にはなんら不具合は感じないのですが低音~高音までの音質の統一性に対し精神衛生的に不安(本当にこれで良いのだろうか?)がつきまといます。そこでこの際、低中高のケーブルを作り直す事にしました。(当然、元の音質より劣っては意味がありません)

◎いろいろ、手持ちを含め安価な汎用ケーブルでテストしましたところ、価格も手頃(手頃どころか激安)で音質も三つ編みケーブルより若干ですが、勝るスピーカーケーブルが出来上がりましたのでご紹介したいと思います。

◎3WAYのマルチアンプ駆動スピーカーの場合はスピーカーケーブルが低中高左右と合わせて6本必要です。アンプとスピカー間の距離にもよりますが私の場合は、約6m必要です。計36m分が必要になります。今現在スピーカーケーブルとして切り売りされているケーブルは汎用品でも約¥1,000/1m程度上します。この¥1000/1mケーブルでも合計しますと¥36,000になり現状の経済力ではとても困難です。まして、失敗は許されません。

◎切り売りの中でも、100mとか200m等のようにロールごと(ロット購入)した方が割安になります。かと言って¥300/1mの物でも100mとなると¥30,000かかってしまいます。いろいろネットで調べていましたら、LANケーブルをスピーカーケーブルにした記事を発見しました。又、LANケーブルも高速タイプを選ぶ必要はなく”CAT 5”(カテゴリー5と言います)で充分の様です。音の評価もオーディオ専用ケーブルと遜色なく又は、勝っている評価の記事が多く見受けられます。

◎PCも無線LANが主流になってきており我が家でも以前は有線LAN を部屋中配回していましたが無線に切り替わり有線用LANケーブル(CAT5タイプ)が丁度余っておりました。そこで、ここぞと思いLANケーブルでスピーカーケーブルを製作してみる事にしました。この、LANケーブル自体の太さは6Φ~7Φですが、中身は約0.3~0.4Φの単線8本(2本対で撚ったものが4組)で構成され、導線は1本毎にポリエチレン被服がされており色別されています。又、この導線全体をPCB系の被服で覆っています。

◎製作には全体を覆っている外側の被服を2.5cm程度剥いて、更に対に撚ってあるポリエチレンコーティング(テフロンかと思っていたらポリエチレンのご指摘を頂き全てポリエチレンに訂正しました)された単線の芯線をほぐします。これを2本対になっている片方はホット・もう片方はコモンになっておりますので、ホットはホット同士(4本)、コモンはコモン同士(4本)を束ねて2cm程度ポリエチレンの被服を剥いで4本づつ組合せて2本の撚り線にします。こうしますと、導線としては、直流抵抗等電気特性は1/4になり、静電容量(浮遊容量)も1/4に外部ノイズに対しても強くなります。

◎元々、100MB(CAT5)のbit信号を扱うネットワーク用ケーブルですので内部構造はノイズ防止に2本対で撚ってある為、ノイズには元々強く作られています。当然、高周波伝送は得意で且つ長距離伝送を可能とする工業規格のケーブルですので音楽信号レベルの低周波数領域に対しては、なんら悪さをするとは思えません。又、芯線が約0.3~0.4Φ程度の単線であり1本1本ポリエチレンコーティングされており構造的にも絶縁性が高く魅力的です。

◎音質は・・・と申しますと、交換直後と40h~50hエージングした後ではかなり音質が変化します。最初の一発目の印象ですが、低域・中域・高域とケーブルの構造や材質及び長さ等を同一にしましたので、以前よりも増して低域~高域までの音の繋がりが大変スムーズに感じられますが、気のせいもあるかもしれませんが聴けば聴くほど良くなります。(以前使用していた三つ編みケーブルとの比較で評価していますので、参考程度にお読み下さい)

◎取り付けた直後の音の第一印象は全体的に重心が下がり低域・中域が太く厚みが増した感じがします。又、重心が下がった割には不思議に低域のボン付きがなく、以前より締まった低音に聴こえます。三つ編みケーブルの時は低域が出過ぎてエンクロージャーのバスレフダクトをグラスウール等で塞いで低域調整をしていましたが、その必要がありません。しかし、低域・中域が太く厚みが増した分、アレッ?・・・高域の繊細さや情報が少しなくなった様にも聴こえます。(ひょっとして、こりゃー失敗したか?・・・・と)

◎最初は冷や汗も出ましたが、音楽を鳴らし続けて数十時間エージングをしていきますと、時間と共に見る見る音質が変化してきました。低域・中域の厚みはそのままなのですが、高域の解像度がぐんぐんと上がり、より多くの情報が出て来るように感じます。全体的な情報量も増したように感じます。”三つ編みケーブル”の音質も悪くはなかったのですが、エージング(48時間以上)が進んだLANスピーカーケーブルが、三つ編みケーブルより音質が向上したのが感じとれます。(もう、戻せません)

◎低域も中域も厚くそれでいて締まりがあり(ダンピングファクターが上がった感じ)、高域は情報量や解像度が増して低域~高域までワイドレンジで全体的に実にスムーズな音質です。細目の単線でありそれでいて撚り線であり、構造による影響と全体のケーブルの統一性が要因となったのかもしれません。

◎テスト用に試作したのは昔から有る手持ちのCAT-5のLANケーブル30mを二本使いました。今、現在新たにLANケーブルを購入してスピーカーケーブルを製作しようとした場合は”ELECOM”製で「CAT-5」の”LD-CT/T100R”最外皮の色は5種類から選べますし、通販の”Amazon”で約¥4,200/100m/1巻/1箱入りで購入できます。コストは約¥42/1mです。・・・安いでしょ~ウ?!
あらためて高級なオーディオスピーカーケーブル等は必要ない事を再認識(確証)したしだいです。

<参考に製作工程写真(手持ちのCAT-5)を簡単に掲載しておきます>

     
   ★外側の被服を2.5cm程度で剥いて芯線を出して2本づつ対で撚ってあるのをほぐします。
     各導線を2cm程度剥いて銅線を剥き出しにします。
     (各導線は0.2Φ~0.3Φの単線で1本1本色付ポリエチレン被膜でコーティングされています)


     
   ★剥き出した銅線の茶色/橙色/緑色/青色の導線(ホット)をネジって束ねます
    白茶/白橙/白緑/白青の導線(コモン)を同様にネジって束ねます。
    (1本1本はそれ程硬くありませんが、束ねるとかなり硬いです)


      
   ★LANケーブルの芯線の端末部のポリエチレン被服を剥いて束ねて処理をしたところです。


      
   ★約0.4Φの単線を4本づつ束ねるとかなり硬くアンプやスピーカー端子に取り付け難いのです。
    そこで10cm程の長さの配線用のダイエー電線(OFC撚り線)を端末に半田付けしリード線にします。
    ホットとコモンがショートしない様にビニールテープや収縮チューブで保護します。
    (写真は収縮チューブをホットとコモン其々に被せて且つ全体を更に収縮チューブで覆っています)


      
   ★L/R及び低域用・中域用・高域用に判別できる様にしました。
    橙色と黄色のリード線の太さが異なって見えますが、同じ太さのダイエイ電線50芯OFC線です。


      
   ★片チャン3本/長さ6m分の完成写真。
    (リード線の先端処理は機器に合わせて加工します)


◎CAT-5のLANケーブルを用います。芯線8本を4本ずつ束ね+・-の2本にしますので直流抵抗は1/4になり信号毎に2本を撚ってありますので外部ノイズにも強く静電容量(浮遊容量)も1/4になります。約0.2~0.3Φの単線を4本撚って束ねますので先端部はかなり硬くなります。アンプやスピーカー端子に直接接続してもかまいませんが、取り回しが悪く脱着回数が多いと金属疲労で折れやすくなるかも知れません。接続し易くするには、質の良いOFC線等の通常の撚り線を5cm~10cm程度半田付けしておけば接続し易くなります。付け足すリード線は全体の長さからの割合としては少しですので音質に与える影響は微々たるもので気にする必要はないと思います。

◎興味のある方は、是非試して下さい。


<その3>以降は別ページに記載しております。
 ・下記<トップへ>をクリックし表題項目をクリックして各ページにジャンプして下さい。



<トップへ>