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私のAudioの進化と経歴
その5




★.【業務用中古アンプについて】
  ※コンシュマー用アンプも酷使のされ方次第では同じと考えます。

<中古業務用アンプ選びの注意点>
★ビジネス用の業務用アンプは趣味のコンシュマー用と違い、ビジネスの世界iでは機器は、消耗品的扱い(商業資産の為、原価償却扱い)される機器だと思っています。

◎中古品でも現役機はトラブルが有ってもメーカー修理が可能ですが、保守対応期間が終了した古い機種は既に補修部品も無く、メーカー対応もしてくれない場合があります。良心的なメーカーでは、部品が有る限り対応してくれるメーカーも存在しますが、業務用となれば、どの様に使われていたか分かりませんので注意が必要です。(AccuphaseやYAMAHAは可能な限り対応してくれます)

◎基本的に業務機は過酷な条件下で使われている場合が殆どで、様々な場所に持って行っては酷使される事が一般的だと思っています。外装が綺麗でも、放熱性の悪いキャリング用ハードケース等に入れてフルパワーで長期間、ガンガン鳴らされたアンプは基板が熱で焼け・ヒビや電子部品及び半田部等が劣化します。つまり、なんらかのトラブルが潜んでいる可能性が大です。(電子機器は熱が大敵なのです)

◎運が良い場合は、スタジオや店舗などで優しく使われた物が見つかるかもしれません。外装に傷や破損が見られる物は酷使されている証拠です。外装だけの判断は難しいところですが、自分で修復できないと思われる機器は避けた方が懸命です。特に半導体系のトラブル等では、互換部品も回路図も手に入らない機種の故障はどうにも手が出せません。

★Tr等の半導体不良は、同系統の互換部品が有れば良いですが、他のTrやFETで代用しますと、別物の音色(硬い・柔らかい・太い・細い等の音質)になってしまうと、思われます。音色が変わってしまうことを承知の上で交換される場合は、規格さえ合えば代用可能です。逆に、好みの音質に換えたい場合は、積極的に交換する手もあります。

◎外装関係では、多少の擦り傷程度は問題ないですが、ゆがみ・破損・損傷等が見られる場合は、かなり酷使されてたり又は乱暴な扱いをされている可能性が大です。

★中古アンプを購入する場合、経験上、大丈夫かな?と思える”うたい文句”順に記してみます。
(中古商品の但し書きやコメントに正直に書かれていて隠し事なしで、嘘でない事が原則になります・・・!)

★中古のビンテージ物には名器と言われる機種も多く有ります。ただ、名器=高音質とは限りません。又、高音質=良い音でも有りません。こればかりは、好みの問題なので音質についての云々は止めておきます。


 「安心と思える機器の順位」

  1.1年~2年以内にメーカーによるメンテナンス済又はOH済の機器。(高額だが、1年以上の保証付きが多い)
  2.先日まで問題なく使っていた。(取り外す直前まで、正常動作していた)
  3.ショップメンテナンス又は整備済。(ショップのスキルにより差がある)
  4.個人(技術力を有する方)のメンテナンス又は整備済。(スキルにより個人差がある)
  5.音出し確認OK、又は良好、各部動作確認OK。(確認の内容によって差がある)
  6.通電はOK、動作確認なしなのでジャンク扱い。(一番悩むコメントですが、エラーが点灯していない事が重要)
  7.音が出るがノイズが出るのでジャンク扱い。(エラーランプが点灯してない事が重要)
  8.片チャン又は両チャンの音が小さいでジャンク扱い。(エラーランプは点灯しない事が重要)
  9.電源は入るが音出しで片チャンが異常でジャンク扱い(エラーランプは点灯しない事が重要)
 10.電源はいるが両チャンの音が出ないでジャンク扱い。(エラーランプは点灯しない事が重要)
 11通電するが動作しないでジャンク扱い。(エラーランプが消えない)
 12通電・動作ともに確認なしで、外観はそこそこ綺麗で現状渡しジャンク扱い。(運が良いと掘り出し物が有る)
 13.通電・動作ともに確認なし、外観錆びだらけのゴミ同然の姿で現状渡しでジャンク扱い。(対象外)
 14.その他、USED品なので未確認・不明等の機器で上記に該当しない。(価格は高目だが、掘り出し物が有る)

エラーランプ=プロテクションランプと同じ意味です。

※順位の上位に有るほど販売価格は高くなります。最低と最高の価格差は10倍~30倍にもなります。

※トラブル(故障)の症状が重症なアンプは、大変格安で出回っています。中には、単純な軽微な原因の物多々ありアンプに関する技術力が多少あれば、それは掘り出し物に化ける可能性が大だと思います。

●1番は、安心ですが価格がかなり高額で発売当時の定価より高い物もあります。(新品を買った方がましな場合がある)

●2番~5番までは、割とそのまま使用できますが場合によってはチェックは必要です。(価格は比較的高目)

●6番目は、必ずチェックが必要になります。(価格は比較的安いのですが、価格巾が大変広い)

●7番~14番目は、チェックとメンテナンスが必要になります。(価格は安いですが、メンテには技術力が必要)

●12番は、チェックもメンテも必要になる場合もあります。(価格は比較的安く掘り出し物があるカモ)

●13番は安かろう悪かろうが殆どです。(チェックする気も起きない。極端に価格が安いです。バクチの領域)

●14番は、当たり外れが大きいですが、安くて良い物に当たれば儲け物です。(価格巾が広くこれもバクチの領域)

★番外ですが外装関係は、写真等でしか確認できないので十分注意が必要です。もし、購入後に分かった場合に、破損箇所が修復できないような状態だと大変です。多少板金作業で修復できそうな内容で直接、音に関係しない箇所である場合は、入手価格にもよりますがあまり気にしないでゲットしてもいいかナ?・・・と思います。

◎写真のみで外観をチェックする場合のポイントですが、
薄暗い写真極端にボケた写真部分のみの写真、撮影角度の悪い写真等は、意図的に分かり難くするため、小細工している場合が多く、見え難い箇所や写ってない箇所に障害が有る可能性が大です。

◎中古の原則として中古で長年使用されていれば多少の”傷””打ち傷””擦り傷”は当たり前と、考えるべきです。特に外観上の擦り傷や引っかき傷等は有って当然、たいした問題ではなく、これ自体障害ではありません。内部の部品や基板・配線が異常なく正常な音が出るなら気にしない!・・・がポイントです。(安くゲットし易い!)

◎私の場合ですが、1番~4番は割高な商品が多く価格的に手が出せませんので余程、欲しい物でない限りパスします。

◎5番~9番の間で多少障害が有っても対処できそうな機器を選択し、安ければゲットします。アンプの自作経験から多少のトラブルは何とかなる・・・と、思っていますが、想像していたより重症で泣く泣くゴミになった機器も少なからずあります。しかし、運が良いと、すばらしい掘り出し物に出会えます。

◎11番は回路のトラブルで重症な機器が多く、受動部品が不良の場合は、現在の部品に置き換えて対処できますが、トランジスタ等の半導体がやられている場合は、同一部品や互換部品と回路図が手に入れば良いのですが、古い機種ではおそらく入手不可能だと思います。

◎単純に、リレーがONしないだけのプロテクション回路の故障(エラー点灯等)は、これは掘り出し物に化けます。

◎10番・12番・14番は、悩むところです。エラーランプ(プロテクションランプ)が点灯しない(作動していない)場合は、たいてい電気的には異常が無い証拠ですし、USED品で未確認は、先日までは動作してた・・・場合がありそうと、想像できますがある意味バクチと考えます。

★原則、プロテクションが作動して動作しない等の機器は、どこか必ず壊れていたり半導体(TrやDi)特性劣化で基準ズレしているので直す自信がない場合はパスです。

★機器の音質の良し悪しについては、好みもありますので完全動作の良品でも分かりません。




<中古業務用アンプ使用時の留意点とメンテナンス>

◎業務で使う場合、リース契約機器等で契約期限切れによる入れ替えでない限り、原価償却(固定資産価値が無くなる状態)しても普通は、使い続けます。そのため、何らかの不具合が出ない限り使い続けると思っていますので中古で業務用機器を購入しますと多少のトラブルは抱えている場合が多々有ると思います。と言うか、どこかしら不具合が有ると思っていた方が無難です。

◎中古で売られている機器でも、個人の趣味で使っていた機器で「機器の整理の為、手放します」「オーディオシステムの縮小に伴い手放します」「他の機器に変更したので手放します」等の場合は、今までの経験上、全て、まともに動作していましたのでそれ程心配しなくても良いと思いますが、法人やミュージシャンがバンド等で使用していた機器の場合は、要注意です。

◎「以前使用していたが長い間使わないでいた」「使わないので倉庫にしまっていた」「知り合いから譲ってもらったが一度も使っていない」等は、性能や音質に問題が有る為、使わないのか、障害が有って使わないのか等の何らかのトラブルや不満が潜んでいる率が高いです。又、電子機器類は丁寧に梱包し保管(湿気と高温は大敵です)されていない場合等で、無造作に倉庫などに保管されていると、錆び・腐食・カビ等により逆にトラブルを発生させます。

◎外装にかなりの錆が有る場合、中身(基板や電気部品・電子部品)もそれなりに腐食、酸化が進んでいる場合が多いです。

◎5番~7番の条件で中古品を手に入れた場合は、とりあえず基本性能のチェックは必ず行った方が良いとです。
 (全て簡易テスターと目視で行えます)

 
「外観のチェック内容」
 ※擦り傷、引っかき傷、小さい打ち傷、ビス類の多少の錆び等は無視してかまいません。
 1.ケースの変形、歪み、凹み、大きな割れ、曲がり、錆び状態を確認する。
 2.入力端子、出力端子、SW、ATT、各ツマミ、電源ケーブルを確認する。
 3.足がチャンと付いているか確認する。(ピュアオーディオにおいては意外と重要です)
 4.ビス、ネジ類が全て付いているか、緩んでいないかを確認する。


 
「動作でのチェック内容」
 1.電源は確実にON/OFFできるか。
  (電源ON/OFF時のポップノイズやプロテクション状態・無音時のノイズも確認する)
 2.音楽信号を入力し出力から音が出るか。
  (壊れても惜しくないスピーカーで確認する)
 3.出てきた音は正常か。
  (ノイズ、音量、左右のバランス等)
 4.入力ATT(VR)が有る場合は、調整できるか。
  (可変時のガリ音・音飛び・ガタツキ・グラツキ)


 
「内部のチェック内容」
 1.機器内の誇り、基板の焼け、損傷、部品の破損、端子の錆び等、基板の裏・表の両方を目視で確認。
  1-1.基板が焦げ跡がないか目視で確認。
   (焦げた基板部の部品が発熱している又は劣化している可能性大)
  1-2.基板の部品固定用の接着剤が焦げて変色していないか確認。
   (焦げて変色している場合、炭化してショートします)
  1-3.基板の半田面をよーく目視して半田の劣化やクラックが無いか確認。
   (再半田しなおす)
  1-4.電解コンデンサーに膨張・パンク・液漏れがないか確認。
   (これらの症状はコンデンサー不良です)
  1-5.各部品のリード端子(足)に錆びや焼け焦げがないか確認。
   (錆が内部に及び特性劣化している場合がある)

 2.電気的特性資料が有る場合は特性値が基準内に有るか確認。
  2-1.DCオフセット(ドリフト)電圧をテスターで確認。
   (指定テスト端子又はスピーカー端子+と-間で測る)
  2-2.バイアス電圧(電流)をテスターで確認。
   (指定テスト端子又は終段Tr部のエミッター抵抗の両端で測る。)
  2-3で基準値が狂っていた場合、調整半固定VRを調整する。
   (バイアス調整VRは必ず基板上に付いています)
  ※.DCオフセット調整は、調整VRが有る機種と無い機種があり、調整VRが無い場合は調整不可です。

 3.電源のDC電圧で±電圧が同じ値か確認。
  ※+電圧と-電圧が異なるとDCドリフトが出易くなります)。
  3-1.電源SW/ON時SW部からスパーク音が聞こえないか確認。
   (聴こえる場合はSW自体の焼け、スパークキラーの不良)

★プロテクションを兼ねた出力リレーが付いている機種においては今は正常でも遅かれ早かれ接触不良が発生ます。内部を確認したついでに、接点の清掃を必ず行っておきます。
  ※時々又は、突然音が小さくなる・音が時々出ない、復帰する時が有る等はこのリレーの接触不良です。

◎上記チェックで異常が見つかった場合、SW/リレー類は分解清掃で修復できます。基準値のズレは、回路基板で調整が必要になります。又、電子部品不良においては、同じ部品があれば幸いですが無い場合は、半導体のデータシート等で互換部品を探して交換する必要があります。(古い機種では互換部品も無い場合があります。・・・特に、電源トランスや終段のTr等の不良は致命的です。(別の半導体に交換した場合、音が出ても元の同じ音にはなり難く、良くなる場合も悪くなる場合もあります)


<YAMAHA業務用アンプ:P2050/PC1002/PC2002の基準値>

 「YAMAHA P2050」:45W+45W/8Ω
 ●バイアス電圧:20mV±0.5mV(基板上にテスト端子有り/調整可能)
 ●DCドリフト電圧:0±30mV(DC/AC-NFB方式/調整不可)
 ●出力制御リレーなしの為、電源ON時、ポップ音が出ても正常(DCドリフト値:基準内が条件)
  ※電源OFF時には、ポップ音はでません。

 「YAMAHA PC1002」:100W+100W/8Ω
 ●バイアス電圧:12mV±0.5mV(基板上にテスト端子有り/調整可能)
 ●DCバイアス電圧:0±10mV(DCサーボ方式/調整不可)
 ●出力制御リレー有り(プロテクション兼ポップノイズ回避遅延リレー)

 「YAMAHA PC2002(M)」:240W+240W/8Ω
 ●バイアス電圧:11mV±0.5mV(基板上にテスト端子有り/調整可能)
 ●DCバイアス電圧:0±10mV(DCサーボ方式/調整不可)
 ●DC電源電圧:+80V/-80V±0.5V(基板上にテスト端子有り/調整可能)
 ●出力制御リレー有り(プロテクション兼ポップノイズ回避遅延リレー)


★上記、機種のサービスマニュアル(部品リスト・分解方法・調整基準・調整箇所・回路付き)はネット上で海外のサイトで見つける事ができます。(上記機種は運良く無料でダウンロードできました)

★国内サイトでは見つけられませんが海外では古い機種については公開(有料・無料がある)している様です。



<YAMAHA業務用アンプのついでにプチ改造>
★業務用アンプの点検、メンテナンスを行うついでにプチ改造して音質や品質が更に向上すると思われる箇所を記してみます。

 「業務用とコンシュマー用アンプの中身」
◎業務用アンプは、外見が質実剛健ですが、中身も実にシンプルで無駄が無くある意味質実剛健です。コンシュマー用と違い、オーディオ用と言われる高級部品は使用していませんが、要所要所に適切な部品が採用されコストを抑えていながら高音質が出せる様に設計られています。たとえば、回路中には音声信号が通る箇所は電解コンデンサーは使われていない。しいて言えば電源ラインと入力のDCカット様に1挿入されているだけです。他は、フィルムコやマイラーコンが使われています。電解コンは耐熱性の高い105℃タイプが使われています。

◎回路もシンプルで、余計な回路は付いていません。付いている場合は安全回路(入力クリップ検出回路・過電流検出&制御回路・過電圧検出&制御回路・DCサーボ回路・異常検出時の信号カット回路&表示回路等です)で音質をいじるような回路はありませんのでシンプルに入力から出力までセオリー通りの回路構成で熱結合される半導体はたった1個(Tr)でバイアス制御部だけ放熱器と熱結合しているだけです。その上、歪む率やSN比も十分担保されています。

◎コンシュマー用は電気的特性を重要視するあまり、部品の選別等(入力初段の熱結合に始まりバイアス部の終段の放熱器との熱結合などやたらと熱結合し、Trのコンペアー性が大変重要になります)又、歪率やSN比及び電流を安定させる為の回路や余分な回路が付加されており、信号系回路全体がやたらと複雑になり、どの部品が劣化(特性劣化)や接触不良が起きた場合等で、簡単に不安定になり、そのためトラブルの原因を追究しようにも大変な思いをします。

◎コンシュマー用は取説は入手可能ですが、調整電圧や電流及び回路図など、一切公開されtおりません。・・・補修修理で稼いでいる場合はしかたりませんが、せめて保守やンテナンス終了した機種ぐらいはメーカーとしてネット上に基準電圧や回路図程度は、公開して欲しいものです

 「プチ改造内容」
◎上記、メンテナンス項目でチェックしたついでに基板上の部品を見て頂くと分かりますが、汎用部品が多く使われている事に気がつきます。電解コンデンサー等まさに耐熱タイプの汎用部品(汎用品と、言ってもも、国産の定評の有る部品が使われています)です。しかも適材適所に適した部品選択がされていますので音質が悪いわけではありません。更に良くしてみよう!・・・と言うのがプチ改造です。

★基本、半導体(トランジスタ・FET)、抵抗等は、いじりません。(基板裏の半田面の再半田付けのみ行います)

★YAMAHAの旧業務用アンプのスピーカー端子は、いただけません。SPケーブルの付け難い事この上なしです。又、バナナプラグや太目のSPケーブルが接続できません。バナナプラグや極太ケーブルが接続できる大型のタイプに取替えます。

★電解コンデンサーを交換します。耐電圧/容量が同じ値か、耐圧/容量を一回り大き目の値で好みのオーディオ用電解コンデンサーに交換します。電解コンデンサーが使われている箇所は、直接音質に影響を与えない箇所に使われておりますが、不良でなくても交換しておきます。(稼動部品以外の電解コンデンサーは、コストの関係上、耐電圧/容量値は必要最小限の値を用いる事が多く経年劣化が一番進み易箇所のコンデンサーは、同じ値か一回り大き目の値にします)

★回路上、音声信号が通過する箇所(NFB含む)のフイルムコンを耐電圧/容量が同じ値のオーディオグレード用に交換してみる。音質を変えてみたい場合は、不良でなくても交換する。フィルムコンの値は耐電圧は高い物でもかまいませんが、容量は位相や周波数特性の計算から算出された値の為、変更してはいけません。(不良で外した部品以外は、保存しておきます)

★ダイオードは足が腐食(錆び)している場合は、ガラスチューブ内に侵食している場合があり、テスターで正常でもイザ電気信号を流すと電気特性が狂っている場合がありますので交換します。但し、ツェナーダイオードは型番が分かりづらいので、回路図が無い場合は足の清掃程度で止めておきます。

★スイッチングダイオード(ガラス管ダイオード)の場合は、サイズの大きさを見て電流を必要とする部分かどうか判断し、普通(小型ガラス管ダイオード)のタイプかで交換します。(普通のタイプは一般オーディオに使われている汎用品でかまいません)

★電流を必要とする太い足(1A以上)のダイオードは電源の整流用(ファーストリカバリーダイオードとかショットキーバリアダイオード等)で代替可能です。ノーマルの汎用スイッチングダイオードは同じ物が手に入らない場合は有名どころの汎用物ならメーカー(日立/東芝/NEC/他)は問いません。

※以上、ダイードとコンデンサー類だけの交換で済みます。業務用アンプは特に電解コンデンサーについては使用箇所が少なく大変簡単です。直接音質に影響しないかもしれませんが、ノイズや安定性に寄与する物と考えています。

※スイッチングダイオードは回路上の±電源ラインとグランド間やDCサーボ回路に多く使われており特性劣化しますとDCドリフトやトランジスタ供給電圧の安定に影響しやすいと考えます。

※フィルムコンは音質に影響する可能性が大きい部品ですが、交換した場合、好みに合わなければめんどくさがらずに、元に戻す勇気も必要です。又、部品交換時は、良し悪しに関わらず、必ずL/R両方の部品を同時に交換します。(左右の特性が異なると違和感の有る音になります)

※基板上の部品固定用接着剤(ゴム系のボンドと思われる)が、黒又は焦げ茶色に劣化(炭化)している場合は、必ずと言ってよい程取り除いておいたほうが後々、トラブルに遭遇する確立が減ります。(細めのマイナスドライバーでこさげば取れます・・・部品を壊さないように丁寧に行って下さい)

※私の場合、YAMAHA業務用アンプの基板上のボンドは全て取り除き、大きな電源部の平滑コンデンサーを除き基板上の小型電解コンは全て交換してあります。又、錆びた足のダイオードも交換しました。電解コンについては、一部劣化不良が有った為、無音時でも”ガサゴソ”とノイズっぽい音がしていたのですが交換しましたら、ピタッと止まりました。基板上の±電源供給ラインのダイオードやDCサーボのダイオードは交換しただけでびっくりするくらい、DCドリフト値(調整不可の箇所)がCH1/CH2共に±10mV前後だった値が、なんとCH1”0mV”CH2”3mV”以内に収まりました。

●私の場合、YAMAHA PC2002「M」の追加加工でフォーンジャックコネクタは、一切使用しないので基板裏の再半田を行う場合に大変邪魔だった為、フォーンジャックのラインを基板から外したのですがそのまま組み上げると強烈なハム音が出てしまいました。
(GNDラインが浮いている症状と同じで・・・指を基板上に近付けると”ブーン”と言う音が更に大きくなります)

●入力部のアースとドライブ段のGNDは分離しておりドライブ段のGNDとフォーンジャックのGNDはシャーシーアースで共有されていますので、外すとGNDとアースが切れてしまう為と分かりました。

●基板上で入力部のアース(GND)とドライブ段のGNDをリード線で接続して解決しましたが、この事から、アンバランス仕様にしXLRでもアンバランス変換コネクターを使用したり、フォーンジャックを使用した場合、ジャック内の機構により普段は入力部のGNDはフォーンジャックを通じてアースされていますのでフォーンジャックの接触不良によりハム音が出易くなります。(機種によってはフォーンジャック内の清掃時には注意が必要です)

※何度も申し上げますが、業務用中古アンプは、音質的には良いと言われていてもビジネス用業務機器です。耐久性は、コンシュマー用より格段に優れていても過酷な環境下で過酷な使われ方をされ、働いて”ナンボ”でしょうから・・・とにかく動作品であっても一度は、ケースを開けて目視で確認をし最低でもコネクター清掃等のメンテナンスを怠ってはいけないと言う事につきます。・・・つくづく、実感しました。





<つづく>




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