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私のAudioの進化と経歴
その8


中古YAMAHAミキサー「MV422」
プリアンプ替わりに

  

<MV422のメンテナンスと改造を実施>
(現状のままでは、ノイズの嵐・・・プリアンプとして使えないョ!)

電源ノイズ(ハム音)と音質を改善
(改善後⇒充分プリアンプになる)




★.【YAMAHAミキサーMV422をプリアンプとして使えるか?】

※普段、サブスピーカー及びモニタースピーカーはプリアンプにAccuphase C200Vを使用しています。BOSE 121の帯域拡大から始まり遊び心で製作したDIATONE DS-28ユニット使用によるバスレフ型3Way(スコーカー分離型)スピーカーを鳴らすのは、なんともモッタイナイ気がして来てパワー(P2050/P2100)もチャンデバ(dbx233)も業務用なので、どうせ遊びの延長線なら、プリも業務用にしたらどんな音が出るかいなぁ・・・と、好奇心からやってみたくなりました。そこでプリになる業務用機器(格安な中古で!)を探しました。

※導入に向けて、まず仕様から検討に入ります。コンシュマー用のプリは歪率は0.01%以下、SN比は100dB以上が普通で業務用で探すとけっこう至難の業です。パワーアンプ系ではコンシュマー用パワーアンプに匹敵する仕様の機種が多数見つかりますが、ロウレベル信号を扱う機器は、デジタル機器を除くと殆どありません。アナログプリアンプの代わりにデジタルアンプの導入は制約が多くそのまま、ハイ!繋げました・・・てな、訳にはいきません。

※ソースはデジタルでもDACから後がアナログのラインナップなのに中間にデジタルが介入すると2度の変換が加わるため、音質面と、整合性を考慮すると余分な出費が掛かりそう!・・・いろいろめんどうなのでヤメました。私としては、導入に楽なアナログ機器(あくまでも中古です!)で探す事にしました。

※色々調べると、Proの世界ではプリアンプに代わる機器は、ミキサーらしいのでアナログミキサーで探しました。条件は箱型でアンプラックに収まる事、入力がステレオ2系統(モノ4系統)以上、出力が1系統以上、当時(新品時)の価格が10万円以上(安いと使われている部品が貧弱でスペックも低いので・・・)、質の良いアッテネータ
(VR)が使われている事、中古の購入価格が5,000円以下でゲットできること等です。

※探せば見つかるものです。候補は、RAMSA・Victor・YAMAHA・Roland・SONY等ですが、まず価格が4000円で絞り製品仕様と当時の新品価格(定価)を検討し最終的にRAMSAとYAMAHAに絞りました。RAMSA(松下)は”WR-X01A”と言う当時、約¥150,000もしていた機種で、中古で1,000円程度から出品されています。

     
       ★業務用ミキサー RAMASA WR-X01A

※形状や機能がRAMSA WR-X01に似ているYAMAHA MV422を選拓しました。ただ当時のが価格は不明です。形状やスペックから判断してRAMSAとライバル関係だったのではと、勝手に推測しました。おそらくYAMAHA MV422もRAMSA並みの¥150,000程度していたのではと思います。中古ではこれも1,000円程度(動作は怪しいカモ?)から出品されています。

     
       ★ゲットした業務用ミキサー YAMAHA MV422

※落札に際し、1,000円ぐらいから出品されている物は、たいてい”通電のみしました/電源は入りました//動作不明/通電していません/現状渡しで・・・等”しかも全て”ジャンク扱いでお願いします”が、殆どです。選ぶ時、とにかく、外観が悲惨な物は避けました。外観があまりにも悪い機器は、掲載写真をよ~く拡大して見ると、とてもよく分かります。錆び錆びのボロボロのギッタギッタの状態が多数です。液体をかぶった様な機器や錆が底板まで有る物は、おそらく中身も、腐食や部品の劣化がかなり進んでいると推測できます。(多少の傷や埃による汚れは、それ程気にしなくても良いと思います)

※同じ様なスペックのRAMSAかYAMAHAか・・・迷いに迷ったのですが、YAMAHAは出品数が少ないのです。あまり売れなかったのか、それとも保有者が手放さないのかは・・・不明ですが、RAMSAの方はやたら出品されていました。ただ、RAMSAの機種は不思議に、誰もゲットしようとしません。YAMAHAの方は出品されると直に誰かが飛びつき値が吊上がります。

※迷った末、飛びつき、群がると言う事は、誰もが欲しがる性能と判断しました。又、ラックに収納した時、設置する状態を考慮して奥行きがあり安定する形状の物に気持ちが動きました。RAMSAは縦方向の高さに比べ奥行きが無く、ラックにビスでマウントしないと安定しなさそうです。因みにパワーアンプもYAMAHAなので黒色でデザイン的にマッチするYAMAHA MV422にしました。

※”接続機器が無いので一切動作確認はしていません”の表記のせいで誰も手を上げる人がいなかった機器がありました。外観は年数相応(多少の擦り傷と一部ネジが錆びていただけ)の物を「冒険してみるか」と、言うことでゲットしました。価格は云千円からのスタートでしたが、運も味方(誰も飛びつかなかった)してスタート価格でゲットできました。小信号を扱うこの手のアンプはOPアンプを使った方式が殆どと推測し、たとえ壊れていてもOPアンプ交換で何とかなるでしょう!?・・・の判断から思い切ってゲットしました。

※現物を見ると外観は、年数相応でした。ピンジャック等は被膜(安い接点復活材の残り)のような錆び(赤錆ではない)がこびり付いており、VRには引っ掛かりがあり、ガリが有るようです。チョット失敗したか・・・?でしたが、しかしカバーを開けて中を分解してみると基板等はとても綺麗です。埃も殆ど有りません。

※想像通り素子は殆どOPアンプで構成されております。最終出力ポート部の終段に小さな小信号用のTr(当時、音が良いと言われたTr)が出力バッファー(推測)として各ポート毎に1個使われているだけです。嬉しい事に、昔、全盛期だったLPレコード再生用のMM専用の”Phono EQ”が2系統も内臓されております。レコードプレーヤーが2台接続できます。(MCカートリッジは、ヘッドアンプか昇圧トランスが別途、必要ですケド)

※電源部は単純なトランス式で2次側出力は、AC40Vの出力ラインとGNDラインがそれぞれ1本づつ出ているだけ。ダイオードブリッジ通過後に35V/470μFの平滑用電解コンデンサー×2でGNDとDC±28V電源を分割生成しその後、3端子レギュレーターでDC±12V/1A(OPアンプ用電源)とDC+15V/0.5A(LEDレベルメーター用)を各基板に供給しているだけです。必要な電圧に対し、ベースになる電圧が高過ぎるような気もします。流石、Pro用で各基板もブロック単位で分離しておりブロック毎に取り外し可能になっています。


        
            ★サイトからDownLoadした取説からの抜粋(表面 & 裏面)

   【主な仕様】

   ・残留ノイズ(S/N比) :94dB(-50dB出力時:0db出力時は-100db以上 )
   ・クロストーク:-60dB/1kHz
   ・周波数特性:20Hz~20kHz 0±1dB(+4dB時)
   ・全高調波歪率:0.1%以下(+14dB/MAX)
   ・モノ入力:Phonマイクジャック4系統/XLR4系統 エコーモード付(マイク/電子楽器/LINE/etc)
   ・ステレオSOURCE入力2系統:Phono2系統/AUX2系統/CD/TAPE/VTR/Video-Audio
   ・入出力:エフェクターOUT/IN モノOUT モニターOUT マスターOUT-L/R RECOUT ステレオOUT(+4dB/-10dB)

   ★上記スペックとコンシュマー用機器のスペックをカタログ上で比較するとコンシュマー用プリの性能が
    いかに素晴しい特性値か・・・・カタログ上の比較ですケド!。(要求される規格基準が違うのでょうか?)
    (スペックから音質は語れませんが・・・なんとも言い難い、ムッムッて言う感じ!)


コンシュマー用は最高値を表示していますが、業務用は、コンシュマー用と違い規格基準をクリヤーしていればOKなのでクリヤーした完全に保証できる最低限の値のみ表示している様です。Proの世界では要求される基準が異なるので上記のスペックでも十分なのでしょう。それにしてもカタログ上のSN比(残留ノイズ比)や歪率等、ピュアオーディオの半導体アンプでは、SN比100dB以上は当たり前、歪率に関しては、1桁違うじゃなの?・・・です。

※しかし、業務用はカタログ上、一昔前のコンシュマー用真空管式アンプのスペックと同等レベルです。おそらく、使用されている素子の殆どがOPアンプなので当時の古い時代のOPアンプ特性がそのままスペックに現れているような気がします。と、言っても・・・重要なのは、音質です。業務用ミキサーで鳴らすと、どんな音が出てくるか・・・・期待と不安が・・・やや少し・・・かなり・・・すごく心配!


<YAMAHA 業務用ミキサーをプリアンプとして使ってみる>
◎まずは、電源が入るかをチェックしました。ラッキーにも何の障害も無く通電はOKです。煙も異常音もでません。各入力や出力部の状態をチェック。RCAコネクタは多少腐食と汚れ(安い接点復活材を大量に使ったのか、カスがこびり付いている感じ)が付着しています。ヘッドホーンを繋ぎアッテネーターを動かすと”ガサゴソ・ザザッガリ”と、ガリ音が出ます。早々に各部を分解清掃です。RCAコネクター/XLRコネクタや各基板アッテネータ(VR)も分解し清掃します。専用のコネクター磨き溶剤やVR接点清掃用で綺麗にします。

◎清掃後は、ガリ音等は全く出なくなりました。ただ、VRで音量を上げて行くとVR開閉度に合わせて醜い”ブーン”と言う電源のハム音が出ます。入力にはなにも接続していいないのに”ブーン”が出ます。入力をショートさせても出てきす。内部で電源ノイズが各ラインに飛び付いている様です。VRを1/3位に上げると、とても聴いていられません。セレクターで入力を切り替えると微妙に音の大きさに差が出ます。どの入力も大小の差は有りますが使い物にならないノイズ音です。特にヘッドホーンではヘッドホーンが壊れるかと思うぐらい酷く聴いていられません。


<ノイズ(電源のハム音)対策に挑戦>
◎トランスの配置や各基板間の配線の引き回し等、構造上の問題なのか、回路設計上の問題なのか、新品時の状態がどの程度静かだったのか等、全く分からないので何とも言えません。ただ、新品でこのノイズだとすると、とても商品にならないと思うので何処かが劣化してノイズを撒き散らしていると推測できます。

◎電源ノイズ自体から出るノイズを完全に消すのは至難の業です。、とりあえず手持ちの部品等でやれる事を考えました。まず手始めに電源トランス自体をシールドするため銅箔を貼ってみました。結果はダメでした。信号ラインをトランスから遠ざけたりしてみましたが、ほんの少しは小さくなりますが、全然消えません。ヘッドホーンアンプ基板はトランスの直ぐ側に有り、一番影響を受けます。3端子レギュレーターも疑って交換してみましたがダメ。平滑コンデンサーも交換、更に再度、コンデンサーの容量が小さいと思い50V/1000μFに耐圧と容量アップをしてみましたがダメ。ダイオードブリッジも交換してもダメでした。

◎いろいろチェックしましたがDC電源回路基板から先は問題が見当たりません。音楽信号を入れるとちゃんと音が出ます。ただ、ハム音を伴ってですが・・・。各基板の信号ラインも問題ありません。試しにトランスの2次ラインを外し別電源(テスト用外部電源)で供給すると、全くハム音が出ません。入力に音楽信号を入れてVRをMAXAまで回してもノイズもハムも全く出ずにチョー静かです。どうもトランス自体が劣化し唸っているようでトランス本体が異常なノイズを撒き散らしている様です。

◎原因が分かっても既にメーカーには部品のトランスは有りません。同性能の別の電源トランスを使うにはサイズや価格が気になります。又、内臓式トランス自体、基板のかなり近くにあるので新品交換すればノイズは多少小さくなりそうですが、各基板間の配線がノンシールドのフラットケーブルの為、とても完全に消えるとは思えません。トランスの置かれている場所と基板が近過ぎてレイアウト的に設計ミス(コンシュマーと比較して)の様な気がします。外部の定電圧電源では完全にハム音は消えていましたのでトランス式で内臓させるのは止めて、手持ちのパワーアンプ用に在庫しているACアダプター方式(2個使い±電源を作る)に変更してみました。


       
    ★内蔵されていた純正電源トランス単体(約8cm四方あります)とDC24V/2.5AのACアダプター比較

    ※ACアダプターはトランスよりやや長い(縦12cm)のですが厚味(3cm)がトランスの半分以下です。
     アンプケース内部の高さは16cmあり、二重に2個(±電源用にする)重ねて取付れば収まりそうです。
     トランス固定ネジ穴が側板に二ヶ所空いています。この穴を利用し両面テープとタイロッドで固定します。
     (取付時の写真を撮り忘れてしまいました)

◎小容量・軽量・小型のACアダプターは、殆どノイズ対策がされていない為、アダプター自体からのノイズが多く出て使い物のなりません。比較的大きいサイズの大容量のタイプ(2A以上:プリにはオーバースペックかも・・・)は、メーカーにもよりますがノイズ対策がされている物が多く、ACアダプターのノイズが電源出力にでてくる事は少ないです。今回、使用したACアダプターは、既存トランス式よりノイズが気にならないぐらい出ません。試しに、5cm角ぐらいの18V/1Aの小型ACアダプターを使ってみましたが、コンセントに刺しているだけで、ノイズを撒き散らします。

◎用いたACアダプターは35Wクラスのパワーアンプ用に持っていた物で大変ノイズの少ないスイッチング式ACアダプターDC24V/2.5Aタイプ(上記写真)です。これを2個直列接続し正負のDC±24V/2.5A出力させ、出力されたDC±24Vをあえて、既存のトランス式整流回路に有るダイオードブリッジのAC入力側に供給し、さらに平滑コンデンサーを通しました。

◎動作電圧は3端子レギュレータでDC±12VとDC+15Vに下げて供給しています。この3端子レギュレータに必要な電圧はDC±18Vもあれば動作します。しかし、24Vの供給では12Vの2倍なので、3端子レギュレータの発熱が心配だったのでリップル除去ヲ兼ね、あえてダイオードブリッジを通しています。又、ダイオード通過により1.2V程度電圧をダウンさせ、多少でも3端子レギュレータに負荷を掛けない様にしました。実際3端子レギュレーターはアンプケースに直接付けされて放熱していますが、そこそこ熱くなりますが、暖かい程度で留まります。

◎トランス以外は既存の電源回路をそのまま使いダイオードブリッジで多少でも電圧降下を見越しての使用です。又、ダイードブリッジを通過した後に、平滑用電解コンデンサー(並列に0.1μF/250Vのフィルムコン付)があるので更なるリップル除去が期待でき、ACアダプター出力のDC電圧が更に滑らかになると予測しました。収納もACアダプターを2個背中合わせにしてトランスを外したスペースに収まりました。

◎早速に組付けて動作テストです。電源ONでLED点灯・・・OK。VRをグリッと上げてみます。MAXにしてもハム音は一切出ません。又”サー”とか”シー”と言うようなヒスノイズもありません。・・・チョー静かです(ヤッターと言う気分)。測定していませんが感覚でSN比は”100dB”は楽に越えている気がします。次に音だしです。CD入力にCDPを繋ぎ音楽信号をいれます。オーッ!無音の静かな状態からいきなり音楽が流れてくる感じです。

※しかし、出てきた音が・・・音色が・音質が・今一!。一聴した感じの傾向は、低域よりで、やや太く馬力感は出ていますがモコモコして繊細さに欠け、ブクブク、ボンボンの感じで全体的に丸みを帯び実にナローレンジです。完全に私の好みではありません。・・・かなりガックシ!

◎曲を変えて再度聴きましてもやっぱり低音はボンボン、中高音は前に張り出しますが丸くて太くてややピンボケで粗いです。低域が勝ち過ぎのせいか、こもった音です。ライブ会場などで使う分にはこのぐらい勢いがあって”細かいことは抜きョ!”的なボンボコ・ボンボコの迫力で鳴ります。遠くに音を飛ばすには良いのかもしれません。しかし、ピュアオーディオとしては?・・・・これを何とかしなくては・・・とても耐えられません。
(新品で4~6万円クラスのコンシュマー用プリメインアンプの方がまだ聴いていられます・・・只、直に飽きてしまいますケド)


<音質改善(OPアンプの交換)に挑戦>
※MV422の取説には信号経路のブロック図が記載されています。サービスマニュアル用の回路図を探したのですが、有料の物しかないみたいで、価格も$50(約6000円)以上です。本体より高いので止めました。
※取説記載のブロック図でもなんとかなりそうです。OPアンプ(全て2回路タイプ)交換に挑戦です。


       
            ★取説記載の概略ブロック図(全体 & 出力側)

    ※ブロック図の△印は全てOPアンプを使用している箇所で、バッファー・増幅・合成を行っています。

    【交換前の既存OPアンプと交換OPアンプ名と数量】※( )内はOPアンプのスルーレート
     
★スルーレート:OPアンプの信号に対する立上り/立下り特性を現します。
      ※スルーレートの高いOPアンプの方が高域特性が向上し高域が伸びます。
      (スルーレートが高過ぎるOPアンプはそのまま交換した場合、発振に注意してください)


     ●ソース1&2入力のバランス入力部 :NJM2068(6V) ⇒ NJM5532(8V) ×4
     ●ソース1のPhono入力RIAA部   :NJM2068(6V) ⇒ LM4562(20V) ×1
     ●エフェクタ入出力部           :NJM4558(1V) ⇒ NJM2068(6V) ×2
     ●出力VRコントロール部        :NJM4560(4V) ⇒ NE5532(8V)  ×3
                             :NJM4558(1V) ⇒ NE5532(8V)  ×5
     ●ソース1出力VRコントロール部   :NJM4560(4V) ⇒ OPA2604(25V)×2
     ●ソース2出力VRコントロール部   :NJM4560(4V) ⇒ OPA2604(25V)×2

     ※( )内はOPアンプのスルーレートです。
     ※19個のOPアンプを交換しました。(発信しにくい安定度の高いOPを使用しています)
     ※使うつもりの無い回路基板(マイク入力やVTR入力)のOPアンプはノーマルのままで変更していません。

★OPアンプの交換にあたり、全て同じOPアンプにするとOPアンプ固有の音色が出てしまいます。そこで使用される箇所に応じてスルーレートや音質(個人的に感じている音質)に合わせて選拓しました。Phono EQ部は、特に悩みましたがLPの再生帯域は10Hz~70000Hz位まで有るのでカートリッジの個性を活かすには、超低歪率/高スレートで音色に癖の無い(普通の音)OPアンプが良いと判断しLM4562を選拓しています。

★ソース1&2のバランス入力バッファーは、使用しない場合、交換する必要はありませんが、エコー回路が付いているのでカラオケ用に使うかも?・・・で、とりあえず交換しています。入出力部のRCAピンコネクター系のバッファー部と増幅用(VRコントロール部)は必ず信号が通過するので、ここにはNE5532とOPA2604を組み合わせて音質調整して有ります。

★NE5532やOPA2604は基本的に好きな音色のOPアンプなので多用しています。新日本無線のMUSES 01や02系のOPアンプも興味がありますが、手持ちが無く新たに購入するには、あまりにも高額なのでヤメました。

◎このMV422はNJM2068(当時は音質の良いとされる部類に入るオーディオ用OPアンプだったらしい?)が多く使われています。尚、このOPアンプの音質は、太く低域がかなり強調されるタイプの様です。

◎NJM4560も同様の音質傾向です。その分、高域が薄まる感じがします。又、スルーレートの低い低価格の汎用OPアンプも多用されており、中高域の立上り立下がりが鈍く、高域が伸びていない様に聴こえます。

◎音質は別として電気的特性を真空管式プリアンプのカタログ性能と比較すると、当時の真空管アンプよりは優秀だったと思われます。ただ、OPアンプ式アンプも数十年後の現代では時代遅れの感がします。真空管アンプも回路技術や部品の進歩によりかなり優秀な特性を出してきています。

◎MV422のカタログスペック上の歪率やSN比等、現代の真空管アンプ並みの特性は出ていますが、これらのOPアンプの諸特性がそのまんま出てきた感が強いです。(OPアンプしか使っていないので当然といえば当然なのですが・・・)
OPアンプを最新のオーディオ用に変えることでスペックも替ると思います。(音質は好みによるので、なんとも言えませんが・・・)
先に書きました通り、ノーマルのままでの音質は、昔の真空管アンプで聴いている様な低域よりのマロヤカな音です。

★誤解されると困るので、あえて述べさせていただきますが、真空管を否定するものではありません。(私個人の好みの問題です)ゆえに、真空管を使ったアンプは”ダメ”なのではありません。

★自論ですが、真空管アンプはスピーカーのインピーダンス整合用として一般的に必要悪とされるアウトプットトランスが存在します。必要である為、使わざるをえないアウトプットトランス(コイルの塊)を通す事でダンピングファクターは1~10と低く、又音質に対しても立ち上がり立下りを劣化させていると思っています。

★アウトプットトランスレス(かなり高額になる)で設計された真空管アンプの音色を聴いた事がありますが、ワイドレンジで、情報量、解像度共に申し分なく、実に素晴らしい音色と音質で音楽を奏でていた記憶があります。



<OPアンプ交換後の音質>
※どのOPアンプが音質に寄与したのか一度に殆どのOPアンプを換えてしまったので分からないのですが、出てくる音質は、別物に変身しました。

◎OPアンプ交換前と比較して低域の出過ぎ感は無くなりました。それでも低域は十分に出ており、なによりも締まっています。歯切れも良くドラムのバスドラやタムタムの叩いた時の皮の音が分かります。中高音も分解能が向上したため、情報量が各段に増え楽器の数や位置関係も見えて来る感じです。

◎高域も明かに澄んだ感じで伸び切って聴こえます。弦楽器の倍音の音、弦のすれる感じや松脂感が分かります。又、演奏者の息づかいまで聴こえてきそうです。音量を絞っても同じです。逆に音量をどんどん上げて行くと音質はそのままに、業務用らしく躍動感が増してきます。

◎この音質なら、ピュアオーデイオとしても十分使えます。何よりも電源改造による静寂性(S/N比の向上)とOPアンプ変更による音質の向上は著しいものが有ります。昔の古いアンプでOPアンプを多用している機器は、最近の高性能・高音質と言われるOPアンプに交換すれば、かなり化けるかもしれません。

◎今回、使用したOPアンプ(数百円程度の物)は過去に、アンプを自作しようと溜め込んでいた物です。このぐらいの音質が出せるミキサーならプリアンプを自作するより格安で、見てくれもグッドです。自作ではOPアンプ以外にケースやVR・各入出力端子や受動部品(抵抗やコンデンサー類)をそろえるだけで、なんだかんだで数万円かかります。

◎中古ですが、僅か数千円のミキサーが手持ちの部品でこれだけの音質を出せるなんてハッピーハッピーです。改造に要した金額は新たに購入した部品は一切無い為、0円でした。因みに、新たにOPアンプを購入した場合でも数千円の投資で数万のコンシュマー用アンプに匹敵し、好みの音質に変えることも可能になります。

★もっとも、使いたい信号経路を調べて必要な箇所だけのOPアンプ交換であれば、最小限の部品交換で同様の音質が出せると思います。又、OPアンプ用ソケットを使えば他の銘柄で、もっと音質の良いOPアンプと入れ替えたりして簡単に好みの音質が出せると思います。

★業務用のアナログミキサーは当時¥150,000~¥200,000もした機器でも中古ではピンキリですが、¥1000円位から出ておりたまに、1,000円以下等と言う機器も見かけます。そこそこ使えそうな物が競合がなければ数千円で手に入ります。オーディオを遊ぶには持って来いです。又、私は機器の修理やメンテナンスが好きなので、ボケ防止にもなり一石二鳥だと思って遊んでいます。・・・是非、挑戦してみて下さい。

★巷では、ピュアオーディオにそのままでも十分使える業務用ミキサーが外国製で有るそうです。コンシュマー用の100万円クラスのプリアンプより優れた音質(罵倒する程ではないが、勝るとも劣らない・・・だ、そうです)で、価格は10万円~25万円程度らしいのです。私には、安いといっても云十万円はとてもだせそうにありませんが!・・・それでも、どれ程の音がするのか一度は聴いてみたい気がします。(一生、無理かも・・・)

※YAMAHA MV422は、なかなか良いミキサーでしたが、訳あって手放してしまいました。









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