尾瀬の花 コース案内053
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 渋沢温泉小屋分岐 起点 


053:渋沢温泉小屋分岐小沢平

このコースの見所・撮影ポイントは、

展望は全くききませんが風景撮影では、天然ブナの森、特に10月の紅葉時が見事です。
花では7月を中心としたエゾアジサイの大群落、ギンラン、ショウキラン、ラショウモンカズラ
 などが期待できます。

このコースには、
公衆トイレが渋沢温泉小屋近くと、尾瀬口山荘前に一ヶ所
水場は渋沢温泉小屋の水道と、途中の沢水、尾瀬口山荘横の水場
ベンチは渋沢温泉小屋前のみです。


ウサギ田代下の渋沢温泉小屋分岐)と、越後口と呼ばれる登山口:小沢平(こぞうだいら)、天神田代からの道が交差するのが、渋沢温泉小屋分岐で、標高は約1,110mあります。

左:ウサギ田代へ2.4km、右:小沢平へ3.0km

小沢平に向かう登山道は渋沢に架かる渋沢橋を渡って続いていますが、新旧2つの橋桁が架かっています。

新旧の橋桁が見えています

渋沢橋の手前には多くのヤグルマソウが群落を形成していて、先に進んで橋の上から下を見ると渋沢の流れが少し白く感じられ、

左側が旧の橋桁

上流部側でも白く濁って感じられ、「濁りは温泉が混じっているからだ、そして濁っているから渋沢と命名された」と聞いたことがあります。

渋沢は白く濁っています。

渋沢橋を渡った先にはブナを中心とした森が続いていて、右側からの沢に架かる木橋が幾つかコース上にありますが、

小さな沢に架かる木橋

木道は殆ど敷かれておらず、泥濘んだ個所にのみ丸太・1本だけの木道用の材木が置かれているだけで、平坦ではありますが泥濘んだ登山道が続いています。

丸太の敷かれたぬかるみ

コース全体は只見川右岸を下っていきますが、ところどころに登りはあり、ブナの大木の間を登山道が通っている個所もあります。

ブナの大木の間を登山道は通ってます

たまには明るく開けた個所も通りますが、全体としてはブナの深い森の中をコースは通っていて、小さな沢は幾つもあり、そこにはエゾアジサイが群落を形成しています。

小さな沢に架かる木橋

上の画像の木橋を渡った直ぐ先の右手に、尾瀬では珍しいショウキランの花が咲いていますので、探してみて下さい。

ショウキラン

登山道は所々にネマガリタケの茂みがある個所を通りますが、殆どは深いブナ林の中のふわふわした腐葉土の上を通っていて、

深いブナ林

大きな沢を横切る個所では、山土がむき出しになった下り坂があり、そんな斜面にはツルアリドウシが白い花か、真っ赤な実をつけています。

ツルアリドウシの生える坂道

小さな木橋を渡って少し登って先に進んで行くと、やがて前方に急な下りがあり、このコースでは珍しい階段が見えてきました。

このコースでは珍しい階段

やがて前方に割りと大きな沢が見え、そこには大きめの木橋が架かっていて、高石沢に到着したことが判ります。

高石沢

高石沢は、御池田代を流れる小川、入深沢の急流、出戸深沢の全ての水を集めていますので、雨が降った時には相当な水量がありますので、ご注意下さい。

深いブナの森を通っていた登山道は只見川に近づき、落ちたら危ないような川岸を通る箇所もあり

コースは只見川にぶつかって右折

暫く左手に只見川を見ながら進みますが、その先でまた深い深いブナの森に入っていきます。この辺りを午前中に通ると突然、川岸から、或いは森の中から突然現れた人と出会い驚きますが、彼らの大半は釣り人です。

尾瀬では釣りが禁止と思っている方もいらっしゃいますが、尾瀬でも稜線外
(降った雨が尾瀬沼・尾瀬ヶ原に流れ込まない位置、三条ノ滝より下流の只見川、抱き返りの滝より下流の道行沢、冬路沢橋より下流の片品川など)では入漁料を払えば釣りができ、渋沢温泉小屋でも入漁券を販売しています。

深い深いブナの森

トチバニンジンが尾瀬で一番多い個所を通り、7月には尾瀬で出会うことが珍しいラショウモンカズラの咲き乱れる川岸らしく所に到着すると、それがトクサ沢です。

トクサ沢

トクサ沢を渡った先は急激な上りとなりますが直ぐに終わり、緩やかな下りとなって、両脇が立ち入り禁止となった個所を通り先に進むと、前方に建物が見えてきますが、そこが小沢平で、建物は尾瀬口山荘です。

小沢平の尾瀬口山荘

尾瀬口山荘の手前は国道で、国道の手前に駐車場があり、多くは入漁者の車です。

駐車場から来た道を振り返る

小沢平には会津バス(沼山峠〜御池〜小沢平〜船着場:尾瀬口)が通っていますが、6月〜10月のみの運行で、しかも1日2便、夏休みでも3便ですから、事前に会津バスの時刻表で確認しておいてから行って下さい。

尾瀬口山荘の左手奥にはクリンソウが多くあり、右手前には湧き水が引いてあり、その周りにはヤナギラン、ニッコウキスゲ、オオバギボウシなどが多く咲いています。

今回のコース紹介では下り紹介をしましたが、バス停:小沢平で降りて尾瀬ヶ原に向かうハイカー、尾瀬口山荘前の駐車場に車を止めて渋沢大滝まで往復するハイカーもいますが、とにかく通るハイカーの少ない静かな静かなコースです。

なお、
渋沢温泉小屋専用駐車場も、御池側に寄った個所にあることを記載しておきます。



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