尾瀬の花 コース案内036
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 尾瀬沼:尾瀬沼東岸起点 北岸道 


036北岸道分岐三本カラマツ長英新道分岐浅湖湿原オンダシ沢沼尻

このコースの見所・撮影ポイントは、

沼尻休憩所からナデックボ道に10mほど進んだ所にある
沼尻平の池塘群
沼尻休憩所付近から見た
尾瀬沼・燧ヶ岳などの光景
ナデックボ道を100mほど進んだ箇所の
チングルマ大群落
浅湖湿原の
ニッコウキスゲ
大江湿原のニッコウキスゲ
オンダシ沢橋の
オヤマリンドウ
北岸道にある
エゾスズランツルリンドウの群落

公衆トイレは、終点の沼尻にあります。
水場は、水道が終点の沼尻にありますが、途中に飲める水は流れておりません。
ベンチは、途中に倒木を切った丸太・ネズコ(クロベ)の根を利用した座れる場所はありますが、起点:北岸道分岐・終点:沼尻を除けばベンチはありません。

多くのハイカーが行き交う北岸道分岐のベンチ&テラスを後にして、

分岐付近のベンチ&テラス

6月にはミズバショウ、7月にはニッコウキスゲが一面に広がる大江湿原も4月末では一面の雪の下で、大江川そのものも3ヶ所の橋の個所だけ川面を覗かせているだけで、付近の木道は大江川一ノ橋しか見えていません。

左:三本カラマツ、一ノ橋、右:燧ヶ岳

大江湿原が雪に覆われて、尾瀬沼そのものも氷結していて歩いて渡れる4月末、「そんな時期にはどうやって尾瀬に入るのか?」とよく聞かれますが、4月末ともなれば登山口:大清水にある大清水湿原のミズバショウは見頃を迎えていて、軽装の観光客が大型バスで続々と見物に押しかけ、大清水までは路線バス・マイカーで来られます。この時期の登山口では大清水のみが開かれています。

大清水からは徒歩しかなく、雪で埋め尽くされた三平峠を越えて、三平下までたどり着き、そこから凍った尾瀬沼の縁を歩いて尾瀬沼東岸まで来るのです。そんな物好きは少ないとお考えでしょうが、長蔵小屋も営業を始めていて、結構賑わっているのですよ(^^♪

余談はこの程度にして、尾瀬沼北岸道を進み始めます。最初に上の画像で残雪から顔を出している大江川一ノ橋を渡り、左手に三本カラマツを見ながら大江湿原の最下流部を横切り、上の画像の雪に覆われた斜面にある登山道を登って行きますが、最初は急な階段状になっていて、

よほど足が長くなくては辛いような歩幅を要求されますが、そこにはヤマハハコヤナギランなどの高山植物が見られます。

6月初旬でもこの残雪量!

大江湿原から山道に入って浅湖湿原(あさじしつげん)までの個所は森が深いため、6月になっても残雪が多く注意が必要です。

森の中にミズバショウ

ミズバショウといえば低層湿原(低地にある湿原の意味ではなく、表面を水が流れている湿原)を代表する植物ですが、一般的には日当たりが良い個所に生えます。しかし、ここの森と、白砂峠の手前の森は、湿原ではない山道に生えていて、不思議でなりません。

やがて前方右側に燧ヶ岳登山道の1つ長英新道の入口:長英新道分岐が見えてきて、コースは左にカーブしながら浅湖湿原(あさじしつげん)に下りていきます。

長英新道分岐

出発した大江湿原と、目的地の沼尻平湿原との間には4つの湿原が存在しますが、ここ浅湖湿原が一番大きな湿原で、燧ヶ岳もよく見え、7月にはニッコウキスゲの群落が見事です。

浅湖湿原の真ん中あたりには川が流れていて、尾瀬では尾瀬ヶ原の上ノ大堀川とここだけしかマクロ撮影できる位置にオヒルムシロが生えています。

浅湖湿原から見た燧ヶ岳

浅湖湿原を通り過ぎ、大入洲半島(おおいりす はんとう)と呼ばれる森に入る個所の右には数本のミネザクラがあり、6月にはピンク色の花が楽しめます。北岸道は木の根っ子が足場となった個所を通り、S字型に曲がりながら悪路が続き大入洲半島の森に中へと入っていきます。

歩きにくい根っ子の階段

大入洲半島の森の中の木道は長く続き、針葉樹の大木が林立して、その大半の根元は複雑な形をしていたり、空洞があったりして、それを眺めながら進んで行くと木道はまた下がっていき、やがて右手にミズバショウの群落のある2つ目の湿原へと入っていきます。

ここのミズバショウは適度の大きさで、下の画像にもある木々や枝先に守られて霜が降りにくく、きれいなミズバショウの見られる隠れた名所で、反対側にはオタカラコウサワギキョウが多く生えています。

ミズバショウ群生地

湿原は小さいので直ぐに通り抜け、前方にまた木の根っ子が階段状の登山道となっている個所が見え、また森の中に入って行きます。

木の根っ子の登山道

森の中を先に進むと3つ目の湿原が出てきて

3つ目の湿原

その先にはまた階段状の木道が見えていて、

前方に階段状の木道

直ぐにオンダシ沢橋に差し掛かりますが、下の画像でオンダシ沢橋を渡った直ぐ左には、オヤマリンドウが生えていて、お盆過ぎ〜9月初旬頃に真っ青な花を咲かせています。

オンダシ沢橋

少しすると左:尾瀬沼に急激に落ち込んだ湿原、傾斜湿原に差し掛かりますが、

尾瀬沼側に傾斜した湿原

ここは尾瀬沼に近いので対岸の山々がよく見え、赤い印が白尾山、青い印が皿伏山で、2つの山とも頂上を皿伏新道が通っておりますが、「尾瀬通」の方々のみが通る寂しいコースとなっています。

尾瀬沼、白尾山、皿伏山

やがて前方に開けた広大な湿原が見えてきますが、ここが沼尻平湿原で、下の画像の木道脇にはハクサンシャクナゲの大株が生えていて、6月には白っぽい花(注)を咲かせております。

注)尾瀬にあるハクサンシャクナゲには、白花・ピンク花・濃いピンク花がありますが、尾瀬沼沿岸のハクサンシャクナゲは白花のみです。濃いピンク花は燧ヶ岳山頂の俎グラ周辺に多く分布しています。

沼尻平湿原

広大な沼尻平湿原もこの辺りでは尾瀬沼との間に林があり、林の木々の間に沼尻休憩所の建物が見えてきて、

沼尻休憩所

やがて沼尻十字路に到着します。

沼尻十字路、右上が休憩所

この辺りの略図を下に掲載しましたが、沼尻十字路は尾瀬ヶ原:見晴(下田代十字路)からの尾瀬ヶ原林道、大江湿原からの尾瀬沼北岸道、三平下からの尾瀬沼南岸道、燧ヶ岳からのナデックボ道が交差する地点にあり、尾瀬沼沿岸では唯一の池塘のある湿原沼尻平、沼尻休憩所(売店併設)、公衆トイレ、水場などがあります。


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