写真展について

 

<最近観た写真展>

フジフィルムスクエア

フジフィルム・フォトコレクション展 日本の写真史を飾った写真家の「私の1枚」

 

日本新聞博物館

激動のOKINAWA42年


 

田沼武能/
戦後を生きた子どもたち


南良和/
秩父三十年 ―1957~1991―

 

立木義浩/
PIECE OF CAKE


<写真展寸評>
写真家順

 

企画展

 

<テレビ番組>
Hello!フォト☆ラバーズ
ミル・トル・アルク


 BS朝日がキャノンの提供でやっている番組、「Hello!フォト☆ラバーズ ミル・トル・アルク」を初回から見ている。
 写真のテクニックが覚えられるのではないか、と思って見始めた。しかし、特に写真家がタレントにテクニックを教える場面は多くないので、期待はずれな面もある。
 初めの頃は、若い女性タレントが出てくるので見たいという事とあったが、最近は必ずしもそうではないので、見続けるドライビングフォースは小さくなっている。
 テレビのディレクターも迷って色々方向転換を図っているのだろうが、最近は余り肩に力を入れず、ゆるりとした散歩番組になりつつある。結構それが見続けるドライビングフォースになっているかも知れない。
 ホームページの番組概要は以下の様になっている。
日常のスナップ写真から壮大な風景写真まで、著名人がプロの写真家とともに、今"一番思いのあるモノ"をテーマに写真を撮影する、フォト・ドキュメンタリーです。
一見共通点の無いように見えるふたりが、『写真』を通して思いをつなげ、次第に心を通わせながら、前・後編、2週にわたり撮影していきます。単なる写真紹介にとどまらず、実際の撮影シーンではプロの写真家ならではのテクニックも紹介。写真を愛する全ての人を満足させる情報を提供していきます。

 

 過去の出演者は、ウィキペディアフェースブック(妻夫木聡×上田義彦の回から)を見ると分かる。これまでの出演者は以下の通り(タレント×写真家)
新垣結衣×立木義浩、トリンドル玲奈×ハービー・山口、川島海荷×平間至、
桜庭ななみ×安珠、桐谷美玲×齋藤清貴、木村カエラ×小林紀晴、菜々緒×テラウチマサト、豊田エリー×土屋勝義、平原綾香×吉村和敏、菊川怜×横木安良夫、成海璃子×平間至、
妻夫木聡×上田義彦、平岡祐太×山崎友也、南明奈×水谷たかひと、山口智充×榎並悦子、
安田美沙子×土屋勝義、金子貴俊×安珠、安めぐみ×横木安良夫、中村雅俊×山岸伸、
谷原章介×山﨑友也
 初回は立木義浩のタレント扱いが上手いという事もあって、新垣結衣とのコンビネーションも良く、また新垣が意外とセンスの良さを見せた。その後もタレントとしてセンスの良い人は写真のセンスも良いところを見せている。中には妻夫木聡や山口智充、谷原章介の様に普段からかなり本格的に写真を撮っている人もいて、プロの写真家に負けない写真も時折見受けられる。

 

 番組の途中で、現在開催している写真展の紹介があるのも楽しみである。数回前からFun to Photoと称して、撮影テクニックを紹介し始めているのも良い。

<第41回>
 谷原章介と山崎友也が京成線沿線を歩く。スカイライナーを撮ったり、堀切菖蒲園駅や立石駅で途中下車してブラブラする。中で以下のテクニックが出てきた。
・電車などの動いているもののスピード感溢れる写真…スローシャッターで動くものに合
 わせてカメラを動かす、流し撮りをする
・夜感撮影…青い空が残っている夕方に撮る

<第43回>
 船越英一郎と榎並悦子が、”受け継がれる歴史をもとめて”、小田原を散策した。
 今回、気になったのは、両者共に広角側で撮る事が多い事である。もっとも、受光素子の大きさに依り、標準となるレンズの焦点距離は変わるので、細かいところまでは確認できなかったが。広角側であると、ボケなく希望する範囲が撮影できるが、撮影の意図がはっきりしなくなるという事もあるのではないか?かく言う私もフィルムカメラ時代から広角で撮る事が多いので人の事はとやかく言えないが。
 魚眼や油彩風、ラフモノラルなどの撮影モードを多用するのも気になった。ちょっと見、面白い写真は撮れるかも知れないが、誰でも同じ様な写真が撮れてしまい、腕の見せ所がなくなりそうである。

 今回のFun to Photoは、花火の撮影である。花火が開いた時の写真で、真ん中に穴が開かないようにするには、三脚を使い、マニュアルでシャッタースピードを3〜8秒とし、打ち上がった時に撮ると良いという事である。

<第44回>

 今回も船越と榎並のコンビ。箱根を散策するが、芦ノ湖は霧で今一。船越は今回もトイカメラ風、魚眼、油彩風、水彩風、ラフモノクロなどの撮影モードを多用。
 船越は撮影の際に対象を作りすぎており、それなりにしか見えないのが残念。

 Fun to Photoは、夜景撮影のブレを防ぐ方法。三脚やシャッターレリーズを使うのは当然だが、ミラーを開く時にもぶれるので、最初からミラーを開いているライブビューを使うと良いとの事である。これは役に立ちそうだ。

<第45回>

 平山あやと齋藤清貴が「日本の夏 伝統の涼をもとめて」西新井大師、足立区の浴衣屋、本郷の金魚屋を巡る。平山と齋藤は、平山が14歳でデビューして間もなくからの15年という長い付き合いなので、関係が親密で、見ていても楽で楽しい。
 平山は写真好きという事もあって感性も良く、積極的。齋藤も自然な感じでティーチングするのが良い。例えば以下の様な事だ。

 風車の動きを撮る(動感)/スローシャッター:平山は1/30secで、齋藤は1/13secで撮るが平山の方が絵になっている

 手水所の水滴を撮る/高速シャッター:平山は1/640secで撮る

 風鈴を撮る/マクロ:平山は32.0mm(F4.5, 1/125sec, ISO100)、齋藤は70mm(1/250sec, F5.0, ISO400及び1/400sec, F4.0, ISO400)

 金魚を撮る/アウトフォーカス:齋藤は142.0mm, 1/60sec, F4.0, ISO250

 Fun to Photoは、夜の風景を幻想的に撮る方法(回転する光の軌跡)。100〜200mmの望遠でF8〜11、スローシャッターでズームリングを廻すと良いそうです。

<第46回>

 野球中継が延長されたために20分繰り下げて放送された。従って、予約録画が上手く行かず、尻切れトンボの鑑賞となってしまった。

 今回も平山と齋藤のコンビ。「東京 魅惑の朝風景」を求めて、朝の3時半に豊洲に集合。銀座、築地と歩く。

 平山は、最近モード撮影に魅力を感じているらしく、多用。以前に書いたように私は多用することは好ましいとは思わない。さすがに、プロである齋藤は殆ど使わない。

 齋藤曰く、「曇天の時には無彩色で撮る、と気持ちを切り替える」

 Fun to Photoは、

夕焼けをきれいに写したい場合、

赤味を強く出すのがポイント。ホワイトバランスを「曇り」や「日陰」にする

日没後の街と空を写す場合、

青色をキレイに出すには、「白熱電球」か「蛍光灯」にすると柔らかな感じになる

 

 モード撮影に対して、一つの疑問があります。

 通常モードで撮影し、Photoshopで後加工するのとどう違うのでしょう?

 後加工は邪道だけど、モード撮影ならばOKという人が結構いそうですが、同じではないのでしょうか??

 

<特別編>

 「写真甲子園・20年目のアツイ夏」。1994年から始まった高校写真部の写真コンペ・全国大会「写真甲子園」。今年で20回となる。全国522校が予選に参加したという。通常全国の予選を勝ち抜いた18校が北海道東川町で3日間にわたり、与えられたテーマに基づいて撮影した写真を競うのであるが、今年は記念大会であり、これまでの19回をずっと予選に参加しながら全国大会に出られなかった2校を加えて20校で競われた。その2校、大分東明高校と長崎聖和女子学園の2校、6名を追いながら、大会を振り返る、「ひと夏の青春」である。

 1日目(8月7日は海抜2300mの旭岳で撮影、テーマは「自然」、2日目は日の出公園オートキャンプ場で撮影、テーマは「人間」、最終日である3日目は9時40分までに記憶メディアを街の会場に提出しなければならず、テーマは「風土」

 各校は、数ある撮影写真の中から発想が面白い8枚をセレクト会議で組写真として選択し、提出。それを5名の審査委員(委員長:立木義浩)がバランス及び構成力からジャッジする。結果は8度目の挑戦となる埼玉栄高校が優勝町民が選ぶ特別賞に大分東明高校が選ばれた。

 高校生とはいえ、発想やできあがった写真がなかなかのものであり感服した。特に優勝した埼玉栄高校の写真はプロ並みのものもあった。

 

<第48回>
 女優の夏菜と立木義浩が北海道の短い夏を探して留萌本線周辺を散歩した。夏菜は初心者である。トイカメラを買ったが、1、2枚で止めてしまったという。確かにカメラを構える手がちょっと変ではある。しかし初心者にしてはなかなか面白い写真を撮る。センスがいい。特に人を写した写真がいい。もっとも陰で立木が アドバイスしたのかも知れない。

 Fun to Photoは、
 おしゃれな風景写真を撮るPOINT、それは色を少なめにすることだという。色を一色決めることだという。また、色を濃くしたい時にはピクチャースタイルで「風景」を選べば良く、また淡く優しい色にするには「ポートレート」を選べば良いらしい。

 最後にこの日のベストショットを選ぶ際に、立木が持論を展開する。写真をどう見るかは「撮る人が決めるのではなく、見る人が決めるのだ」。画像の奥にあるものを見ると色々なものが見えてくると言う。立木の選んだ夏菜のベストショットは、夏菜のグライダーを撮影するプロペラ機の写真。この時期になると(8月6日が来て、9日が来て終戦記念日を迎えると)、立木は戦争で亡くなった人たちを思い出すという。だから、夏菜の撮った1枚がゼロ戦に見えるという。彼の世代は悲しい歴史を知っている世代である。

 

<第49回>
 女優の浅見れいなと水谷たかひとが、「一瞬の出会いをカタチに」と題して、東京モノレール沿線を旅する。水谷は言う、「写真はシューティング(狙う)である。テイク(撮る)ではない」。
 どうも若い女性たちはモード撮影をしたがる。浅見も魚眼やトイカメラ風などを多用する。しかも焦点距離が5mm前後と近い場合が多い。逆に水谷の焦点距離は100mm前後が多い。近くのかすみ草でも125mmで撮ったりする。
 動きのあるものを撮りたい、と言う浅見の要求に、水谷はスローシャッター、1/40sec
で撮ったら良い、と言う。
 Fun to Photo:雰囲気のあるオシャレな写真を撮りたい
 ピントの合った風景の前景に花や葉っぱをぼかして入れると良い。場合によっては、折り紙に好きな形の切り抜きを入れ、それを通して撮影する事もおもしろい