暇人のカメラと写真
写真展ー鑑賞した写真展についての寸評
<最近観た写真展>
フジフィルムスクエア
フジフィルム・フォトコレクション展 日本の写真史を飾った写真家の「私の1枚」
日本新聞博物館
田沼武能/
戦後を生きた子どもたち
南良和/
秩父三十年 ―1957~1991―
立木義浩/
PIECE OF CAKE
<写真展寸評>
写真家順
<テレビ番組>
Hello!フォト☆ラバーズ
ミル・トル・アルク
琉球新報創刊120年企画展として「報道カメラマンが見た 激動のOKINAWA42年」という写真展が開催された(会場:日本新聞博物館2階企画展示室、於:2013年6月22日〜8月18日)。
写真は、琉球新報・写真映像部所属の報道カメラマン山城博明氏が撮ったものである。
同展のパンフレットには、山城氏は1949年宮古島に生まれ、沖縄大学在学中より沖縄復帰闘争、コザ暴動、全軍労闘争、石油備蓄用基地建設反対闘争、全島ゼネストなどを撮り、雑誌「現代の眼」などに発表。73年、読売新聞西部本社に入社。85年琉球新報社に移る。ライフワークとしてアジアのクロツラヘラサギ、中国に生息する野生のトキを撮り続けている、とある。
私は会場に行く前には、”沖縄における闘争”の写真ばかり展示されていると思っていた。
もちろん、227点の写真の内の多くは米軍がらみの写真であったが、”沖縄の習俗や自然”の写真もあり、山城氏の沖縄に対する熱い思いが伝わってきた。
作品はいくつかの作品群に分かれて展示されていた。
<無題>
全軍労ストライキ、コザ暴動写真など6点
<1970年代の沖縄>
コザ暴動など68点
<針突(ハジチ)>
成人女子が手や腕に施した刺青をした老女など77点
<沖縄の自然>
サンゴやジュゴンなど56点
<オスプレイ強行配備>
嘉手納飛行場、普天間飛行場など10点
<沖縄国際大学米軍ヘリ墜落事件>
ヘリの残骸など10点
米軍がらみの写真からは、いかに沖縄の人たちが米軍基地がある事で不条理な目にあっているのか、そしてそれに如何に戦ってきたかが手に取るように分かる。
ハジチは今は行われておらず、老女達の腕や手に施されたハジチを丹念に写真に納めている。
沖縄の自然のコーナーには、ジュゴン、ザトウクジラ、ケラマジカ、リュウキュウイノシシ、セグロアザラシ、カツオドリ、ヤンバルクイナ、ノグチゲラ、コウノトリ、コウライアイサ、サシバ、アマサギ、コアジサシ、アカヒゲ、サンコウチョウ、アカショウビン、ダイトウコノハズク、リュウキュウコノハズク、リュウキュウオオコノハズク、サガリバナ、ウコンイソマツ、マングローブ、イリオモテヤマネコ、アホウドリ、カンムリワシ、サンゴ、オキナワギク、タイワンエビネの写真が飾られていた。多くの生き物が米軍基地と隣り合わせの自然の中で生きている。
沖縄は米軍と闘争の場だけではなく、豊富な自然と歴史ある習俗が息づいている島であることがこれらの写真を通して分かるようになっていた。
尚、山城博明氏のオフィシャルサイトには写真のページがあり、そちらで彼の撮った幾枚かの写真が鑑賞できる。
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