「まえがき」から著者のことばを引用する。
本書は微分積分学のごく初歩の段階から出発し,解析学のかなり広範囲にわたって散在している級数に関する事項をとり上げ, 丁寧に解説したものである. (後略)
本文中には問が、また章末には問題があり,巻末には問や問題の答がある。
私は頭が弱いので、本書の内容がわからなかった。
二重級数は p.24 から始まる。私は二重級数を習わなかった。ややこしい割には使う機会がそれほどないからだろう。
p.37 に次の二重数列 `{a_(mn)}` がある。
-1 | 1 | 2 | 3 | 4 | … |
1 | -1 | -2 | -3 | -4 | … |
2 | -2 | 0 | 0 | 0 | … |
3 | -3 | 0 | 0 | 0 | … |
4 | -4 | 0 | 0 | 0 | … |
この対応する二重級数 `sum(nm)`は 0 に収束するが、`a_(mn)` は有界ではない。これは面白い。
p.61 で次の記述がある。
例題 3. `s gt 1` のとき
`int_0^oo (x^(s-1))/(e^x-1)dx = Gamma(s)zeta(s)`ただし `zeta(s) = sum_(n=1)^oo 1/n^s` はリーマンのジィータ函数とよばれる.
ジィータ函数
という表記は初めて見た。ふつうは、ゼータ関数とかツェータ関数などだろう。
一つは問題を解きたい。p.43 の問題 2 である。
`(2-3a+a^2) + (2a^3-3a^4+a^5) + (2a^6 - 3a^7 + a^8) + cdots`は `abs(a) lt 1` のとき絶対収束、 `a = 1, 2` において収束し,それ以外では発散することを示せ.
`a_n = a^(3(n-1))(2-3a+a^2) = a^(3(n-1))(a-1)(a-2) ` である。
数式表現は ASCIIMathML を、数式表現はMathJax を用いている。
書名 | 無限級数入門 |
著者 | 楠幸男 |
発行日 | 昭和 52 年(1977 年) 7 月 15 日 11 版 |
発行元 | 朝倉書店 |
定価 | 1800 円(本体) |
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NDC | |
その他 | 川口市立図書館で借りて読む |
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