「まえがき」から著者のことばを引用する。
微分解析幾何学とは,微分幾何学的方法を用いて,解析的多様体ないしは解析空間の研究を主要な目的とする数学の分野であるといってもよいかと思う. 当然,その守備範囲は非常に広く,多変数関数論,微分方程式論,代数幾何学,微分位相幾何学等が関連してくる.(後略)
章末には問題があり,巻末には一部ではあるが問題解答のヒントがある。
私は頭が弱いので、本書の内容がわからなかった。
本書で「明か」という箇所が出てくる。現在では、これは「明らか」と送り仮名をふるところだろう。
章末の問題を一部引用する。p.51 の問題 3 のうちの 3.2 である。
微分解析幾何学とは,微分幾何学的方法を用いて,解析的多様体ないしは解析空間の研究を主要な目的とする数学の分野であるといってもよいかと思う. 当然,その守備範囲は非常に広く,多変数関数論,微分方程式論,代数幾何学,微分位相幾何学等が関連してくる.(後略)
一つは問題を解いてみようとしたが、わからない。問題 3 の 3.2 を引用する。
`{x in RR | 0 lt x lt 1}` と `{x in RR | 0 le x lt1}` とは自然な位相に関し,位相同型ではないことを示せ.
わからないので、ChatGPT に聞いてみた。
(0, 1)と[0, 1)が位相同型でないことを証明するために、これらの空間の位相の性質を考えます。
まず、(0, 1)は開区間であり、ユークリッド空間の部分空間です。これは連結な空間であり、任意の2点を結ぶ経路が常にその中に含まれます。
一方、[0, 1)は閉区間と半開区間の組み合わせであり、0という端点が含まれています。この空間は連結ではありますが、特に0の点を考慮すると、(0, 1)とは異なる位相的性質を持っています。
この2つの空間の間の位相同型を仮定すると、連続な双射が存在する必要があります。しかし、(0, 1)は完全連結であり、すべての点が同等に扱われますが、[0, 1)の0という点は特別な性質を持ちます。これは、[0, 1)の開近傍を考えると、例えば0を含む開近傍は存在しないため、0を含む点の近傍が(0, 1)の任意の点に対応することができません。
具体的に言えば、(0, 1)の任意の点は開集合によって任意に近似可能ですが、[0, 1)では0を含む開集合を選ぶことができないため、2つの空間は位相同型ではありません。
したがって、(0, 1)と[0, 1)は位相同型ではないことが証明されました。
なお、問題を誤ってしまったままで尋ねた結果も念のため載せてみる。
集合 `[0,1]` と `[0,1)` が位相同型でないことを証明するために、連続な写像の性質を利用します。
- コンパクト性:
- 集合 ` [0,1]` は閉区間であり、コンパクトです(閉かつ有界な集合はコンパクト)。
- 一方、集合 [0,1) は開区間に近いですが、端点 1 が含まれていないため、コンパクトではありません。
- 位相同型の定義:
- もし [0,1] と [0,1) が位相同型であれば、連続な写像 `f:[0,1]→[0,1)` が存在し、さらにその逆写像 `f^(−1)` も連続でなければなりません。
- 連続写像の性質:
- コンパクトな空間から非コンパクトな空間への連続写像は、画像がコンパクトであるため、コンパクト性を保つ必要があります。つまり、 f([0,1]) はコンパクトでなければなりません。
- 結論:
- しかし [0,1) はコンパクトではないため、 [0,1] から [0,1) への連続写像は存在できないことが分かります。
- したがって、 [0,1] と [0,1) は位相同型ではありません。
このようにして、 [0,1] と [0,1) が位相同型でないことが示されました。
どこかシックリこない。少し調べて、 Takatani Note 同相写像【例題と証明】にある証明をまねてみた。
位相同型写像 `f`
が存在すると仮定する.
すると, `0` と `f(0)` を取り除いた写像:
`(0,1) rarr (0, f(0)) uu (f(0), 1)`
も同相写像になる.
従って,
`(0,1) ~= (0, f(0)) uu (f(0), 1)`
しかし, 左辺は連結なのに右辺は連結でない.
これは位相同型写像 `f` が存在するとした仮定に矛盾する。(位相同型写像は連結性を保つため)。
よって、位相同型写像 `f` は存在しない。したがって、[0,1] は[0,1) と位相同型ではない。
数式表現は ASCIIMathML を、数式表現はMathJax を用いている。
書名 | 微分解析幾何学入門 |
著者 | 森本明彦 |
発行日 | 昭和 50 年(1975 年) 7 月 10 日 3 版 |
発行元 | 朝倉書店 |
定価 | 2000 円(本体) |
サイズ | |
ISBN | |
NDC | |
その他 | 川口市立図書館で借りて読む |
まりんきょ学問所 > 数学の部屋 > 数学の本 > 森本明彦:微分解析幾何学入門