「はじめに」から著者のことばを引用する。
(前略)そこで本書では,微積分とそれにつづく解析学において位相的方法がどのように用いられ, また逆に,解析学が位相数学の研究にどのように利用されているかをみることに話題を限定した. 本書の内容の大部分は微分位相幾何学とよばれている分野の基礎的事項であるが,必ずしもそればかりではない. 本書を「位相数学入門」と名付けた理由もここにある.(後略)
0. 序論
1. 位相空間
2. コンパクト性
3. 線形空間
4. 微分
5. 逆関数の定理・解の存在定理
6. 多様体・接空間
7. 多様体のリーマン計量と向き
8. ブローエルの不動点定理
参考書
索引
本文中には問がある。解答はない。
p.29 では次のように記述されている。
`X` を集合とし,`A` をその部分集合とする. `X` の部分集合族 $ \mathcal{U} $ `={U_lambda}_(lambda in Lambda)` に対して,
`uuu_(lambda in Lambda) U_lambda sub A`が成り立つならば,$ \mathcal{U} $ は `A` を被覆 するといい,$ \mathcal{U} $ を `A` の被覆 という.
本書の `U, V` のカリグラフ体 $ \mathcal{U, V} $ は、左側の端がぐんと伸びていて、さらにそれが下に向かって湾曲している。まるでリーゼントのようだ。 このようなリーゼントカリグラフ体は、高村多賀子:関数解析入門を含む朝倉書店の基礎数学シリーズ全般や、 越昭三:線形位相入門でも見られる。
なお今書いたばかりのことを否定するのだが、ひさしのような前髪の盛り上がりは正しくはポンパドールといい、リーゼントと呼ぶのは誤りである。
数式表現は ASCIIMathML を、数式表現はMathJax を用いている。
書名 | 位相数学入門 |
著者 | 中岡稔 |
発行日 | 昭和 51 年(1976 年) 8 月 15 日 第 5 版 |
発行元 | 朝倉書店 |
定価 | 円 |
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