吉田朋広:数理統計学

作成日:2022-11-29
最終更新日:

概要

「はじめに」から引用する。

本書は,数理統計学を初めて学ぶ数学科学部生から確率統計学専攻の大学院修士課程初年級までの学生, 統計科学諸分野に携わる研究者および大学で教鞭をとられている方々の参考書として書かれたものである.

本文中には問がある。解答はない。

感想

私のような、頭が弱い者にはわからない。これが第一印象である。さすがにこれでは申し訳ないので、少し問題を解いてみた。pp.8-9 にある命題 1.10 を引用する。 なお、本書では (a), (b) のようにカッコがあるが、引用では a, b のようにカッコを省いている。 また実数を表す集合が本書では R のようにボールド立体で表記されているが、引用では `RR` のように黒板太字としている。

命題 1.10 `X, Y` を確率変数とする.

  1. ヘルダーの不等式)`p, q in (1, oo), 1//p + 1//q = 1` のとき,`norm(XY)_1 lt norm(X)_p norm(Y)_p` . とくに `p = q = 2` のときがシュワルツの不等式
  2. ミンコフスキーの不等式)`p in [1, oo]` のとき,`norm(X+Y)_p lt norm(X)_p norm(Y)_p` .
  3. `0 lt p lt q le oo` のとき,`norm(X)_p le norm(Y)_q` .
  4. マルコフの不等式)`varphi : RR_+ rarr RR_+` を非減少可測関数とし,`varphi(A) gt 0` のとき, `E[abs(X)1_{{abs(Y) gt A}}] le varphi(A)^-1 E[abs(X)varphi(abs(Y))1_{{abs(Y) ge A}}] le varphi(A)^-1 E[abs(X)varphi(abs(Y))]` . とくに可積分確率変数 `X` に対してチェビシェフの不等式
    `P[abs(X - E[X]) ge A] le A^(-2) "Var"[X]`
  5. イェンセンの不等式)`I` を開区間,`psi : I rarr RR` を凸関数,`P[X in I] = 1`, さらに `X, psi(X)` は可積分とするとき,`psi(E[X]) le E[psi(X)]`.

名前がいろいろ出てきている。たぶんみな数学者なのだろう。では証明はどうだろうか。p.8 から引用する。

証明 (a), (b) は積分論でよく知られている.(c) を示すには,`q lt oo` の場合を考えれば十分であるが, `p^** = q//p, q^** = q(q-p)^-1 in (1, oo)` に対して (a) を用いればよい.(d), (e) は容易である.

そういえば昔、ヘルダーの不等式を証明したページがあった。リンクを張っておく。

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数式記述

数式記述は ASCIIMathML を、 数式表現は MathJax を用いている。

書誌情報

書名数理統計学
著者吉田朋広
発行日2006 年 8 月 30 日(初版第 1 刷)
発行元朝倉書店
定価4800 円(本体)
サイズ296 ページ
ISBN4-254-11601-2
その他草加市立図書館で借りて読む

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MARUYAMA Satosi