大相撲で身近になった国モンゴルのことばを概説する。
モンゴル語の表記にはキリル文字を使うが、キリル文字にはない文字も使うし、 またキリル文字の読みとは異なる文字もある。注意が必要だ。
p.32 は「辞書で遊ぼう」というコラムである。モンゴル語の辞書で発見できることが書かれている。 モンゴル語には х で始まることばが一番多いことが説明されたのち、逆はどうなっているかが明かされる。
では,辞書の見出し語で少ないのはどの文字で始まる語でしょうか.
答は р です.р のページは正味 1 ページ,ほぼすべてが
радио 「ラジオ」などの外来語です.
同じ時期に借りていた田中克彦「ことばは国家を超える」で、 日本語はラ行で始まる単語が少ないことが話題にあって、偶然の一致にうれしくなった。
pp.142-143 は【「馬」のしくみ】である。まず、моръ が「馬」であることが説明されたのち、 別の文にある морил について説明されているので引用する。
この морил ですが,моръ をもとに作られた動詞なのです.
では,意味は「馬」に関係するものなのでしょうか.実は,морил は特別な敬語動詞で,あらたまった場面や文脈で用いられる 「いらっしゃる,おこしになる,おいでになる」などの意味を表します. 意味の上では馬とは直接関係しませんが,モンゴルの伝統文化における「馬」の重要性が感じられる表現ですね.
そういえば、モンゴル語には「馬」を表す単語がいくつもある、ときいたことがある。
p.28 では、現代のモンゴルには,先祖代々伝わってきたいわゆる姓=名字というものがないのです.
とある。
わたしは、モンゴルの人に姓がないことを、田中克彦の本で知った(たぶん「名前と人間」に書いてあったように思う)。
書名 | モンゴル語のしくみ |
著者 | 温品廉三 |
発行日 | 2021 年 12 月 5 日(初版) |
発行元 | 白水社 |
定価 | 1800 円(本体) |
サイズ | 判 |
ISBN | 978-4-560-08924-8 |
その他 | 越谷市立図書館で借りて読む |
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