温品廉三:モンゴル語のしくみ

作成日 : 2022-12-07
最終更新日 :

概要

大相撲で身近になった国モンゴルのことばを概説する。

感想

モンゴル語の表記にはキリル文字を使うが、キリル文字にはない文字も使うし、 またキリル文字の読みとは異なる文字もある。注意が必要だ。

p.32 は「辞書で遊ぼう」というコラムである。モンゴル語の辞書で発見できることが書かれている。 モンゴル語には х で始まることばが一番多いことが説明されたのち、逆はどうなっているかが明かされる。

では,辞書の見出し語で少ないのはどの文字で始まる語でしょうか.

答は р です.р のページは正味 1 ページ,ほぼすべてが радиоラディオ「ラジオ」などの外来語です.

同じ時期に借りていた田中克彦「ことばは国家を超える」で、 日本語はラ行で始まる単語が少ないことが話題にあって、偶然の一致にうれしくなった。

pp.142-143 は【「馬」のしくみ】である。まず、моръ が「馬」であることが説明されたのち、 別の文にある морил について説明されているので引用する。

この морил ですが,моръ をもとに作られた動詞なのです.

では,意味は「馬」に関係するものなのでしょうか.実は,морил は特別な敬語動詞で,あらたまった場面や文脈で用いられる 「いらっしゃる,おこしになる,おいでになる」などの意味を表します. 意味の上では馬とは直接関係しませんが,モンゴルの伝統文化における「馬」の重要性が感じられる表現ですね.

そういえば、モンゴル語には「馬」を表す単語がいくつもある、ときいたことがある。

p.28 では、現代のモンゴルには,先祖代々伝わってきたいわゆる姓=名字というものがないのです.とある。 わたしは、モンゴルの人に姓がないことを、田中克彦の本で知った(たぶん「名前と人間」に書いてあったように思う)。

しくみシリーズ

書誌情報

書名モンゴル語のしくみ
著者温品廉三
発行日2021 年 12 月 5 日(初版)
発行元白水社
定価1800 円(本体)
サイズ
ISBN978-4-560-08924-8
その他越谷市立図書館で借りて読む

まりんきょ学問所読んだ本の記録 > 温品廉三:モンゴル語のしくみ


MARUYAMA Satosi