おしんでシンハラ語






酒田の大奥様くにとの会話 1
シンハラ語版「おしん」part52のユーチューブを読む
2015 Jan 21




   -場面変わっておしんと大奥様くにの会話。夜、おしんは大奥様くにの肩を揉んでいる。


大奥様くに
මට ඒ කාලේ මතක් වෙනවා.
හරී හොඳ කාලයක් ඒක.
ඔශින්,වැඩි කල් ජීවත් එක හොඳ නෑ.

(読み)マタ エー カーレー マタック' ウェナワ。
ハリー ホンダ カーラヤク'、エーカ。
オシン、ワディカル ジーワト' エカ ホンダ ナエー。
(直訳)私に あの時代が 思い出されるわ。
とても 良い 時代だった、それは。
おしん、長く 生きる ことは よくない ねぇ。
(日本語台詞)昔に帰ったみてえだな。あの頃は良かったなあ。なぁ、おしん、長生きはするもんでねえのオ。


 ●「マタ エー カーレー マタック' ウェナワ」 と大奥様が言う。シンハラ語っぽい表現だ。この言い回し。自然と昔が思い出されるからマ⁻タ(私⁻に)となる。でも、この言い回しが、どうも最近は狂い出したようだ。例えば、

「あなたのことが思い出される」は、

මට ඔයාව මතක් වෙනවා
マタ オバーワ マタク ウェナワ

なんだけど、これを、

මම ඔයාව මතක් කරනවා
ママ オバーワ マタク カラナワ


මට ඔයාව මතක් කරනවා
マタ オバーワ マタク カラナワ

とか、言ってしまう若い人がいる。

 最後のは、シンハラ語の言い回しを完全に一面突破して突き破っているのだ。
 「思い出される」を「思い出す」という意思を表す言い回しにしながら、肝心の「思い出す私」は「私が」じゃなくて「私に」のまんま。主格ではなくて与格 のまんま。古式騒然の無意志表現に居たたまれない気持ちが、まだ、主語が与格で表されるシンハラ無意志表現に引っかかってる。
 でも、大奥様の言葉にはそんな混乱はない。ちゃんと、「マタ~マタク ウェナワ」と風流に、古風に無意志表現されている。   


おしん
ඇයි එහෙම කීවෙ?
(読み)アェイ、エヘマ、キウエ?
(直訳)なぜ、そんなこと 言うのですか?
(日本語台詞)そんなこと……

大奥様くに
දෙන් කයොයි සයොයි විතරක් නෙමෙයි.
වැඩ වෙන් කරා තියෙන්නෙ.
කගයාගේ වැඩ ගේනවා.
ආරන්චි වුනා මට.
හාල් ටොරහල් තොයමාවල.

(読み)ダン、カヨイ、サヨイ、ガナ ウィタラク ネメイ。
ワダ ウェン カラー ティエンネ。
カガヤーゲー ワダ ゲーナワ。
アーランチ ウナー マタ。
ハール トーラハル トヤマワラ。
(直訳)もう、カヨと サヨと のこと ばかりじゃ ないわ。
仕事が 変わってきて いるんだよ。
加賀屋の仕事が変化している。
噂が入ったのだけど、わたしに。
米騒動だよ、富山あたりの。
(日本語台詞)加代やお小夜のことばかりではねえ。この加賀屋だって、いつまでこうしてるもんだか。お前、富山の米騒動の話、聞いたか。

 富山の米騒動に事を聞かれておしんは「オウ」と応える。 おしん
ඔව්,මටත් ආරන්චි.
(読み)オウ。マタト' アーランチ。
(直訳)はい、私にも 噂(情報)が。
(日本語台詞)はい、人の噂で。



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