KhasyaReport ひなたやまカフェ 030
二度いも、北上する

この山里で二度いもが作られたのは初めてかも知れない。秋になっても気温が下がらないので二度いも出来た。左上から時計回りで自給のコリアンダー、畑の柿、白い磁器の中にビリン、赤いも一山、木成りの見たく梨1ケ、ばらんこの甘い青葡萄。



 小井戸の山をさらに上ったにだの沢で作られていた赤いも。大事に育てている。
 昨年、春に植えて、秋にも植えた。そうしたら二度いもがなった。
 

2017-01-22


 そんなのありえない。福島までは二度いもの耕作がある。栗子の山を北へ超えると二度いもの習慣はない。そう言われていた。でも、そいつが覆った。北緯38度の山里で芋を二度掘った。
 平均気温は3度高いし、近年、その原因がどうであれヒプシサーマルの気配濃厚だから夏に収穫した赤芋を秋にも植えてみようと思った。夏の本過ぎに畑を耕すと言えば秋の野菜を植えて冬の塩漬けにするためなのだけど、ここではまた芋を植えたものだから、芋の葉が育ってきたら春のような、夏のような景色になった。霜柱が立って、11月には雪も降ったから芋の葉は凍えて凍傷になった。葉が茶色くなって溶けだしたので12月の晴れ間に芋を掘ってみた。
 それがこの赤芋だ。

初冬の赤芋
初雪の後に掘り出す
 二度いもづくりはテントウムシダマシの食害がない。早朝に虫退治の手間がかからないのがありがたい。この山里で二度いもが作られたのは初めてかも知れない。秋になっても気温が下がらないので二度いも出来た。どうやって食すか。シンプルにできた芋だからココナツ・ミルクとコリアンダーだけのきわめてシンプルなカレーに仕立てよう。
 12月の畑を見回すとほかにも元気なやつがいる。コリアンダーの茎は青々としているし、チャービルは土づくりをするための枯れ草の山の下で群生している。その頭上に晩秋を告げる柿の赤い実。北国の畑のダイバーシティ。こんなけったいな時代になったんだ。ヒプシサーマルの縄文期の再来だ。北緯38度の北国だぞ。
   

  2017-01-22


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