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anan 1985-11-29

エスニック料理がまっ盛り。ホットな体験はもうお済み?

スリランカの家庭料理は指で混ぜながら食べてみて!
TOMOCA 四谷




スリランカ料理とインド料理の違いお分かりですか?
どちらもカレーといってしまえばそれまでですが、スリランカの料理はココナッツをベースに用いることが多く、またかつお節が近くのモルディブの特産品であるため、削り節を使うことも多いというのが特徴だとか。
 ご主人の丹野さんは、スリランカが大好きで、店を始める前にスリランカへ出かけ、3ヶ月ほどその料理を研究、いかにもスリランカらしい家計料理を食べさせてくれるのです。
 だから、メニューにはいわゆるカレーの他、マスタードを加えたカツオの煮物700円や、ポテトとトマトとガーリックの炒め物600円、ココナツのサンボール100円など珍しい料理がいっぱい。これをあれこれ注文するのも楽しいものですが、コースを頼めば悩まずに済むといえそう。で、勇気のある人は、手でめし上がれ!
 各料理を少しずつ皿に取り、ご飯とよく混ぜては口中へヒョイ。指の使い方にちょっとしたコツが必要で、慣れるまではポロポロ落としがちだけど、指で味わうといわれるあちら風の食べ方をしてこそ、本物のエスニック通!!

ディナーには5コースあるが、写真はAコース2300円の料理。中央のホッパーというクレープ風のパンは、当日の2時までに予約を入れた場合に付くもの(予約は2名以上で)。あとご飯と紅茶がつく。他に一品料理もある。
11:30-2:00PM 5:00PM-8:30PM 日、祝日定休 電話03-353-7945

1985-11-29anan掲載


【解題】  マガジンハウスのアンアンにトモカが載った。マガジンハウスが名作”PINK”を単行本にして、そこでヒロインのユミが「ananのグラビアみたく暮らしたいな」と呟いたのは1989年だったから、それより4年前のこと。グラビアじゃなかったけど、ananにTOMOCAの料理が載った! 夢みたい。そう、ニホンがバブる気配を見せ始めて夢の入り口に体を乗り入れる頃だった。
 ananは文春の「東京いい店うまい店」のようにアポなしで店を下調べした。写真掲載があるからその後に取材申し込みを受けたけど、アポなしはこの取材が最後だった。ananの記事が掲載された後にはめぼしい女性雑誌がワァ~と叫ぶように、いくつもこだまして取材を申し込んでくるようになった。
 スリランカ通ならすぐにお分かりだろうけど、anan掲載のTOMOCAの料理の中でアーッパがちょっといただけない。うまく焼けていない。このとき、まだ試行錯誤の最中だった。NHK朝ドラ「まんぷく」の百福さんが何度も商品の試作を試みたように、粉の配合割合を調整してスリランカのアーッパ作りに挑戦していました。この1980年代、日本のどこのスリランカ料理店もアーッパを出していなかったからファイトが沸いた。
 この取材の後、どうにかアーッパが美味く焼けるようになった。お椀型にきれいに焼けるようになって、あちこちの取材でTMOCAのアーッパが撮られてきれいに写っているけど、それはananの掲載以降。
 取材のときは必ず撮影商品の料金を請求させていただいたので、写真撮影後は料理を召し上がっていただいて、紅茶を飲んでいただいて、お客様として満足していただいて、あれこれお話して面白かった。ギョーカイの人がお店に増えて、閉店後までアジアを話題に盛り上がったのはそのせいかも。
 松竹映画「異人たちの夏」の撮影シーンでは主人公のお二人にきれいに焼けたアーッパを何枚も食べてもらった。あのシーン、なかなか、だったからうれしい。

 anan記事、文中の「だとか」という表現方法は締め切りに終われる雑誌が得意とする言い回しなのかしら、「言ってることの確認は取れないけれど、また、本当とは思いにくいけど、取材先がそう言うので、マタ、裏を取る余裕もないからそう記しておこう」というあやふやな気分を表しているような、そのような。鰹節をカレーに使うなんて、へんなの。そんな取材陣の訝りが胸のうちにこだましています。
 「削り節を使うことも多い」は鰹節を杵と臼でゴツンゴツンとやって砕いて使うスリランカ料理の実態をリポーターが理解し得なかったからかも?
 このとき、スリランカ料理に用いられる鰹節の説明がうまくできなかった恨みもあって、後々『南の島のカレーライス』で鰹節に詳しく触れることになって、記者の訝り、当方にはとてもいい刺激でした。
 実際、この1995年の頃は、モルディブの鰹節と言ってもまったく知られてなかった。今ではTVのクイズ番組やらテレビマンユニオンのアジア取材番組で定番となった話題ですけど。
 いわゆるカレーとあるのは、この当時トモカがランチタイムも営業していて、ひき肉のカレーなどの日本式カレーライスを扱っていたため。公庫の借金を払うためにTOMOCAは昼間も営業して、その昼間はカレー屋さんぽくしていた時代、5年間そうして、あとは昼間もスリランカ料理だけにできたのですけど、そんな時代もありました。
マスタードを加えたはコッタマルリ(コリアンダーのこと)の誤り。
 ココナツのサンボールは後のトモカを特徴づける料理となって、店主はスリランカへ仕入れに行くたびにスリランカで一番おいしいココナツ・サンボール(ポル・サンボール)を作る人を探して歩きました。
2014-Mar-02 , 2019-Mar-18 加筆

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