調理手順
①材料をすべて混ぜ合わせます。日本で市販されている「削りココナツ」(”ファインココナツ”などの商品名でケーキ材料の棚に並んでいる)は使う前にすこし乾煎りしておくと、中途半端な臭みがなくなって香ばしくなります(焦がしたり、茶色く色付かせないように)。材料のすべてを合わしたら、これをよく手で練るようにして混ぜます。ココナツから油が染み出るような感触になるまで、丁寧に。
常温が20度を越えているとココナツから染み出る油がよく混ぜあうのですが、寒い部屋ではうまくいきません。ココナツの油は硬化油で飽和脂肪酸なのです。つまり、日本では夏がポル・サンボールのうまい時期なのです。
スリランカは常夏。暑い土間でミリス・ガラという擦り石を使い、円筒状の石をゴロゴロと転がして、ねっとりとするまで潰すようにペースト状に練ります。
コロンボ・セブンあたりの高級な家庭では削った椰子をフード・プロセッサーやミキサーに入れて、デヒ(ゆず)や赤唐辛子を加え、ガアーッと攪拌してしまう作り方をするのですが,、これでは、おいしいポルサンボールが作れません。削り椰子はミキサーでカットするのでなく、その細胞を押しつぶしてこそ椰子本来の独特のうまみが出てきます。
また、日本で作る場合、鰹節を日本風の削ったもので代用することがあるようですが、これも駄目。鰹節も臼で叩いて潰したものがポルサンボールには最高のマッチングです。ともあれ、スリランカ古来の作り方が一番です。鰹節は叩き割って細かくしましょう。
もっとも、此の頃はスリランカでも、削り椰子(ガーガト・ポル)をふんわりと混ぜ合わせただけの、下手な体裁のものがテイク・アウトで市販されています。ポル・サンボールに仕上がりの基準はなくなっているのですが、やはりよく練ったものがおいしい。
味の決め手は酸味と辛味。それと、隠し味の細かく砕いたかつお節。ポルサンボールはこれが決め手の逸品。
食べ方
皿に盛ったご飯やイディ・アーッパにポル・サンボールを掛けて、指でしっかり混ぜ合わせて食べます。甘いジャムの代わりに辛いポル・サンボーラをパンにのせて食べる人もいる。ロティという線もあるけど、スリランカならアーッパだよ。アーッパに包んで食べちゃおう。
そうそう、この料理はかならず指食するように。優雅に指先にご飯とポルサンボールを絡ませて、召し上がれ。
更新 2014-02-10
|