スリランカの梅干
 ルヌデヒ
スリランカ料理・道案内 第6回 スリランカ料理・道案内 
No.6 シンハラ梅干 2006-05-10



 ●写真はKVCというメーカの瓶詰めルヌデヒ。英語でLime Pickleとなっている。でも食べてみると、ああ、酸っぱい。しょっぱい。まるで梅干のような、それより酸味がすっきりとしているような。とにかくスリランカ梅干と覚えていれば、そのムードはピッタリ。
 KVCは割と新しいメーカーで、ラベルには輸出用と書かれている。輸出用といってもルヌデヒはスリランカ・シンハラ人の好む特産物。どう見ても国内消費用だと思うのだけど、海外出稼ぎが多い昨今だから、たとえば、日本の各地のスリランカ人専用マーケットでこの輸出用・高級ルヌデヒが売られていてもおかしくはない。
 


 おかしくはない、と言うのはこの瓶詰めシンハラ梅干は相当に高いからだ。400グラムで100ルピーを超える。日本の高級梅干・南高梅に引けをとらない価格になりつつある。スリランカは外貨がこれでもかと注入されてインフレが激しくなったせいか、それとも伝統文化が評価されたか、梅干も馬鹿にできない高級品になりつつある。

 今夜の便で日本へ帰るというとき、友人の母がどうしても日本へ持って行け、とこのスリランカ梅干を旅行かばんに押し込んでくれた。食べ方は梅干と同じ。ただ、茶漬けという習慣はないから、これを熱々ご飯に乗せて茶を掛けて、ということはない。


 ルヌは塩、デヒはライムのこと。日本流に言えば酢橘で梅干を作ったと思えばいい。
 青いライムに十字の切れ込みを入れる。そこへ塩をたっぷりとまぶして揉み込んで、さらに陽に当てて干す。頃合を見てこれを酢に浸す。作り方も梅干そっくりだから、その味も梅干のまんまだ。スリランカで食欲をなくしたら、とにかくルヌデヒ!

 ルヌデヒさえも町のスーパーで買えるようになった。
 何でもかんでもお金さえあれば安易に手に入る時代がスリランカにもやってきた。おかげで、フツーのシンハラ人の生活もずいぶんとルーズに贅沢になってきた。


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