7月24日 晴れのち曇り
3時に起きる予定だったが、2時に目が覚めた。テント内の気温は10.4℃だった。外を見ると、素晴らしい星空だった。天の川もよく見えた。そのまま起きて星空撮影を楽しむことにした。のっぺりとした小泉岳の上に、プレアデスと、ひときわ明るく輝く星がふたつ並んで見えた。どうやら金星と木星のようだ。流れ星もひとつだけだが見た。
3時ごろには明るくなってしまったので星空撮影を終了した。3時半くらいから朝食をとった。テントからも夜明けのトムラウシが眺められた。気忙しい朝の、至福のひとときだ。
それにしても強烈に良い天気だ。これって、ひょっとして、トムラウシに突っ込んでもオーケーだったんじゃ・・・ いやいや、今さら何を言っても取り返せない。今日はとにかくもう下りるだけだ。
5:35 テント場発(高度計:1980m)
快晴の朝の歩きはほんとうに気持ちよい。振り返るとトムラウシの姿が。嗚呼・・・6:11 白雲分岐(2105m)
この快晴のもとでの白雲山頂からの眺めにも心惹かれたが、例の花畑を見たい気持ちが強く、山頂へは寄らないことにした。・・・まあ、単に、いくら好きな山と言っても、3日連続で登るのはちょっと食傷気味ということなんだけど。6:45 再び白雲岳下の花畑
分岐から下って、往きに感動しまくったあの花畑に。朝の光の中ではさらに素晴らしかった。ため息をつくばかりだ。これを見られただけでもここまで来た甲斐があったというものだ。7:20 再び北海平の花畑
じっくり堪能したあとは、速攻で北海平へ向かう。20分ほどで着いた。予想通り、トムラウシ山が見えていて最高の眺めだった。これを見られただけでもここまで来た甲斐があったというものだ。ここではザックを下ろしてゆっくりとした。と、そうこうするうちに雲がみるみる湧いてきて、トムラウシ山は雲に隠れてしまった。
8:21 北海岳登頂(2125m)
8時になったところで山頂へと向かった。花畑からは20分もかからなかった。歩き始めてまだ間がないので、そのまま間宮岳方面へと進み、最低鞍部のベンチで休憩した。砂礫の縦走路では、タカネスミレはすでに終わっていて、目立つ花はイワブクロくらいだった。トムラウシ山はまた雲から頭を出していた。トムラウシじたいに雲がついているのではなく、この旭岳とトムラウシの間に雲があるだけのようだった。
9:25 間宮岳分岐(2160m)
この鞍部から間宮岳への登りは前にずいぶん絞られた記憶がある。なんか凄まじいザレで消耗したのだ。今回は用心して歩いたが、大したことなく、10分ほどで核心のザレ場を通過してしまった。間宮岳の分岐は通過して中岳分岐まで進んでから休むことにする。
9:44 中岳分岐(2030m)
間宮岳分岐と中岳分岐の間の道は、えぐれている上に岩がごろごろしていてとても歩きにくい印象があったが、ずいぶん整備が進み、だいぶ歩きやすくなった。中岳分岐でザックを下ろして少し休んだ。徐々に雲が増えてきた。
10:31 中岳温泉通過(1755m)
中岳温泉への下り道は緩やかなガレで、北側の斜面にはチングルマの花畑が広がっていた。ハイマツであんまりよく見えないけど。前方に見下ろす裾合平はほんのりと白かった。終わった花でも白く見えるかもしれないから、あまり期待しないでいこう。最後に急坂を下りると中岳温泉に着くが、そのまま通過。リュウキンカの咲く沢沿いに10分も下ると裾合平だ。
10:39 裾合平
裾合平は、思っていたよりもはるかに美しかった。ところどころに花期が終わった場所はあったものの、まだまだ半分以上は健在だった。一面のチングルマの花畑は、ポン化雲岳と双璧だと自分は思う。双方の違いは、ポン化雲岳が丘一面なのに対して裾合平は平地一面ということと、裾合平にはエゾコザクラが混じっているところだろうか。まあなんにせよ、とにかく凄い。これを見られただけでも、ここまで来た甲斐があったというものだ。写真を撮ったりなどしてのんびりしながら木道を行き、突き当たったT字路が裾合分岐で、ザックを下ろして休憩をとった。出発するころには、すっかり曇ってしまった。
13:04 姿見(1600m)
裾合分岐からの道はかつてはぬかるみで歩きにくかったが、整備が進んで歩きやすくなっていた。この道中にもところどころにチングルマやエゾツガザクラの群落があって、散々大花畑を見たあとなので感覚がすっかり麻痺してしまったが、普通にきれいだった。分岐からきっかり40分のところにベンチがあったので座って休んだ。そこが裾合-姿見間の最高所で、その先はだらだらと下っていく。ほどなくロープウェイの駅舎が見えてきて、山歩きは終了だ。
この日の最高高度は2160m、最低高度は1600m、積算上昇は335m、積算下降は715mだった。
姿見では、我々がここに来るときの例にもれず、旭岳は雲の中だった。あたりの夏の花はもうほとんど終了だった。駅のガイド氏に話を聞くと、今年は異様に開花が早かったところを雹にやられて花が落ちてしまったりなど散々だったとか。
旭岳温泉
とりあえずロープウェイで旭岳温泉におりる。ロープウェイは昼のいい時間帯なのにイスに座れるほどがらがらで、数えてみると乗客は15人ほどだった。ロープウェイが出発してから振り返ると、意外にも旭岳が姿を見せていた。まずは電話で宿を予約。4年前の秋に泊まって好印象だったラビスタ大雪山に電話したら、もう14時近かったが大丈夫だった。宿を確保したところで、安心して、ロープウェイ駅の軽食コーナーで乾杯。見慣れない登別のビールを飲んだ。
15時になって宿にチェックインすると、帰りの飛行機の予約を一日早い便に変更し、風呂で汗を流してから(これがまたすこぶるイイ湯だ)、ロビーのバーに行って大雪地ビールで乾杯した。「萌芽」は爽やかでバナナのような香りがした。「黒岳」は重厚だった。
夕食は鉄板焼きを選択した。キジが美味かった。グラスワイン3杯セットは銘柄を自由にチョイスできるが、ここは地元のふらのワインで通した。腹一杯になって部屋に帰ったら爆睡してしまった。