7月15日 晴れのち雨
4:20起床。宿の窓から山の方を眺めると、どんよりと雲が立ち込めている。展望のない日は行動しない計画だが、一応黒岳石室までは行ってみようということで、出発。宿からロープウェイ駅までは徒歩5分といったところである。6:00の始発に乗ろうと5:45ころに駅に行くとすでに外にまで行列が。登山客よりもツアーの観光客の方が圧倒的に多かった。ロープウェイの自動券売機は往復のみなので窓口に行くと、そこには観光ツアーの添乗員がすでに大勢並んでいた。しかも団体きっぷの発行は申込書に記入しなければならないためにえらく時間がかかり、やきもきさせられた。
ロープウェイは通常20分間隔なのだが、混雑のため10分間隔で臨時運行されることになり、なんとか6:20の便に乗れた。今日はかつりんたちの落選した黒岳山頂結婚式の日で、駅には横断幕などがあり、周囲の話題もそのことばかりであった。
宿からは山は曇っているように見えたが、ロープウェイ・リフトと乗り継いで上にあがると、空はきれいに晴れてきた。
7:10 黒岳7合目を出発(高度計:1520m, 温度計:23.5℃)
急坂を汗をかきながら登る。後ろにはニセイカウシュッペが見え、また、40分ほども登るとウコンウツギの花が多くなり、目を楽しませてくれた。途中、8合目・9合目には標識があって歩行ペースの確認がしやすい。よい道だ。山登りが全く初めてらしい人たちのツアーがふたつほどあった。それでもカンタンに登れてしまう、やさしい山だ。どちらも20人くらいのパーティだったので、にぎやかであった。人数は多かったが皆リーダーの指示を忠実に守り、途中で追い越したのだが、道を譲ってもらうときもすがすがしかった。
まねき岩を横に見るようになれば山頂はもうすぐだ。
8:40 黒岳着(1955m, 22.7℃)
期待通り、360度の展望が待っていた。かつりんたちの落選した結婚式の準備が着々と行われていた。やはり周囲の話題はこの式のことでもちきりであった。風が強く、少し肌寒かった。初心者パーティは「みなさんここは寒いのですぐ出発しまーす」とさっさと石室へ。
9:04 黒岳発(1940m, 18.0℃)
旭岳に向かう登山者が群れをなして下って行く。石室の手前が白く染まっているのが見えた。チングルマであろうか。9:28 黒岳石室に到着(1875m, 23.0℃)
やはり周辺はチングルマの群落が見事であった。ほかにはアオノツガザクラ、エゾコザクラなどでピンク色に染まっているところも。20分ほど休憩してから出発。旭岳に向かう人たちの多くはお鉢の北側を通るようで、北海岳への道は人もまばら。急に静かになった。
10:13 北海沢花畑
赤石川を渡って小さく張り出した尾根を越え、北海沢沿いの道となる。すると素晴らしい花畑が。道の右手がまっピンク。エゾコザクラの群生である。左手にはチングルマ・ジムカデ・エゾツガザクラがちりばめられていた。岩の上にザックを下ろして写真を撮ったり見とれていたりするとあっという間に30分がたっていた。11:52 北海岳着(2105m, 20.8℃)
花畑から1時間ほどで北海岳着。ここでも360度の大展望が得られた(ぐるぐる写真)。南に目を向けると、荒涼とした北海平の中央にこれから歩く道が見える。憧れていた、広い稜線の縦走路だ。そして白雲岳の右にはトムラウシが。感激の対面だ。このころから空がどんよりと重い雰囲気になってきた。
12:14 北海岳を出発(2100m, 18.2℃)
またもや20分も休んでしまった。北海岳からは砂漠のように見えた北海平だが、意外と花は豊富であった。雪解け跡にはお決まりのチングルマがあるし、キバナシャクナゲも見られた。
13:26 白雲分岐着(2075m, 18.0℃)
40分ほど歩くとベンチがあった。ザックを置いて白雲岳を見上げる。ものすごい岩塊だ。ここから道は大きく左にカーブして、いくつか残雪を越えると白雲分岐に到着する。白雲岳山頂まで往復するかやめようか迷っていると小雨が降ってきた。遠くに晴れ間も見えるしすぐに大崩れしそうにはないが、早めに小屋に着くほうがいいだろうという結論になった。
14:06 白雲岳避難小屋着(1950m, 18.8℃)
一気に下って白雲岳避難小屋へ。当初の考えは、最初小屋に入って、混んできたらテントにするというものであった。しかし小雨が降っている。この時点で小屋利用者は10人ほどであったが、どうせ混雑するだろうし、本降りになってからテントを設営するのは大変だろうということで、最初から幕営することにした。夕方小屋を覗いてみたら結構混んでいるようで、幕営にした判断は正解だったように思えた。この日はテントは5張り程度であった。雨がぽつぽつと降っているので夕食はテントの前室で調理してテント内で食べた。