Enviroblog 2006年8月7日
そのとおり! 私は産業界との関係を隠した
しかし誰もがやっている!


情報源:Enviroblog, August 7, 2006
"Ok, Ok--So I Hid My Industry Ties,
But Everybody's Doin' It!"
http://www.enviroblog.org/

訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2006年8月8日


 最近、科学界、規制当局、そして環境健康団体の中で、科学的研究への資金提供や政府の審議会への影響に関する産業界の影響について多くの論争があり、それぞれの側から強い主張がなされている。(訳注1
 しかし、FDA、アメリカ化学工業協会(ACC)、そして米国毒性学会を含んで、ほとんどの誰もがひとつのことについて、すなわち、公共の利益を守るために職業的関連と資金的関係の完全な公開は最低限の必要事項であるということ−に同意している。

 ところで、『The Scientist』 誌によれば、広く受け入れられている倫理によって左右されない一人の”専門家”がいる。その男は、リスク評価会社 ”ケムリスク(ChemRisk) ”の最高経営責任者(CEO)であり、米環境保護庁(EPA)や米科学アカデミー(NAS)の審議会の常連委員であるデニス・パウステンバッハである。飲料水六価クロム基準を緩和するために貢献した画期的な研究のゴーストライターとしての彼の秘密の役割に関し(訳注2)、『The Scientist 』 は次のように報告している。

 ・・・しかしパウステンバッハは 『The Scientist』 に、ケムリスクの科学者はだけがそのようなことをやっているわけではないと述べた。” もし、『Journal of Occupational and Environmental Medicine(職業環境医学誌)』 に過去10年間遡ってこの完全公開ルールが適用されたなら、私は公開には不適切な論文が数十編 (dozens of papers)あったであろうと思う。”

 パウステンバッハ博士は、米国毒性学会の倫理規定に従うことを宣誓する時に、幸運を祈らざるを得なかったに違いない。

 客観性を持って誠実に仕事を行うこと。研究を報告書にまとめ、伝えるに当たり正直でうそを言わないこと。
 公開していない利害関係に影響を受けた専門家としての判断は棄権すること。どのような重要な利害関係をも公開すること。そして利害関係を暗示するような状況を避けること。
 自身の、共同者の、家族の、コミュニティーの、そして社会の利益のために、環境と労働安全衛生の高い基準を実践すること。


訳注1
米学界、米政府機関内の科学的健全性(Scientific Integrity)に関する問題提起
訳注2:
米産業界の情報隠しと政策への干渉の事例



化学物質問題市民研究会
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