国際がん研究機関(IARC) プレスリリース(2000年4月7日) WHO/IARC の受動喫煙とがんに関する 調査研究に対するタバコ産業側の妨害 情報源:IARC Press Releases 7 April 2000 Tobacco Industry Interference with World Health Organization's research on passive smoke and cancer http://www.iarc.fr/en/media-centre/pr/2000/pr131.html 訳注:現在このプレスリリースへのリンクは切れています。 訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会) http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/ 掲載日:2000年12月5日 このページへのリンク: http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/tobacco/kaigai/00/00_12_iarc_tobacco.html 喫煙は、避けることのできる最も重要ながんの原因として、現在一般的に認められているもので、毎年、北アメリカで23万人、ヨーロッパで42万人がタバコによるがんで死亡している。 受動喫煙によるリスクは能動喫煙よりは低いが、タバコ産業はタバコの煙(Environmental Tobacco Smoke - ETS) と肺がんとの因果関係を否定しようとして膨大なエネルギーを費やしている。それはその関係が科学的に明白になれば、法律によって非喫煙者を職場や公共の場所における受動喫煙から守るようになるからである。
2000年4月8日付けのランセット(The Lancet)の出版物の中で、カリフォルニア大学サンフランシスコの研究者達がフィリップ・モリス社及び他のタバコ会社の内部資料を検証した結果を報告している。
タバコ産業側によって仕組まれた陰謀には、調査結果の公開に対処するための特別部隊の結成、IARCの調査員に働きかけて調査研究に関する秘密情報を入手するためのコンサルタントの起用、IARCの運営と財政基盤に影響を与えるための策略、等がある。 受動喫煙による発がんの危険性は、タバコの健康への影響に関し新たな議論を巻き起こすことになる。自らの意思で喫煙する人がタバコにより健康を損なうのとは違って、喫煙することを選ばない人が健康を損なうことになるからである。この相違は公共の場所での喫煙に関する規制に大きく影響を与えるであろうし、長期的にはタバコの消費量の減少につながるであろう。このことが正に、たばこ産業が受動喫煙と発がん性との因果関係を明らかにするIARCのような調査研究を監視し、調査結果の信用を落とそうとする理由である。
IARCの受動喫煙についての調査研究とタバコ産業側の妨害工作に関する詳細は下記へのコンタクトにより入手可能である。 (訳:安間 武)
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