Corporate Europe Observatory 2017年10月10日
欧州議会の”モンサント文書”公聴会が
欠陥あるEUの農薬承認プロセスを明らかにするであろう


情報源:Corporate Europe Observatory, October 10th 2017
Monsanto Papers hearing at EU Parliament to lift lid on
flawed EU pesticide approval process
https://corporateeurope.org/pressreleases/2017/10/monsanto-papers-
hearing-eu-parliament-lift-lid-flawed-eu-pesticide-approval


訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2017年10月19日
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http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/eu/eu/pesticides/
171010_CEO_Monsanto_Papers_hearing_at_EU_Parliament.html

 今週水曜日の10月11日、欧州議会で臨時公聴会が、農薬会社モンサントがその旗艦製品であるラウンドアップを市場に出し続けるために使用した戦術を詳細に調査するであろう。

 ラウンドアップ除草剤への暴露は、人々に、又はその愛する人々に悪性リンパ腫を引き起こし、モンサントはそのリスクを隠していたと主張する原告らにより起こされたモンサントに対する数百件の訴訟がアメリカで係争中である。この訴訟の一環としてモンサントを地獄に突き落とす大量の文書が、同社の反対にもかかわらず明らかにされた。

 公開された文書は、モンサント社のアメリカにおける会社運営の小細工だけでなく、同社がどの様にEUの規制当局に影響を及ぼそうとしたかも暴露した。

 EU議会の農業環境委員会によって組織された明日の公聴会では、モンサント文書はEUのラウンドアップ評価に対してどの様な意図を持っていたのか、そして、モンサントがEUの規制当局を取り込むことを可能にしたEUの農薬規制システムにはどの程度、深刻な欠陥があったのかを調査するために開催される。

 公聴会で証言することになっている Corporate Europe Observatory(CEO:欧州企業監視)のビジネス研究者マーチン・ピジョンは次の様に述べている。

 ”モンサントは、科学に基づく政策策定を尊び、支持すると主張する。しかし、モンサント文書と我々の調査は、同社と産業側は一般に、独立して生成された科学的データは彼らの利益にとって脅威であると見なしていることを示している。彼らは、その研究が彼らの商業的利益を脅かすなら、そのような研究者の信用を落とすためには、どの様なことでもするであろう”。

 ”欧州食品安全機関(EFSA)は、財政的及び法的制約にはもちろん、組織内能力の深刻な欠如に悩まされており、そのことは同機関の安全性評価は、産業側によって資金を受けた又は委託された未公開の研究に大きく依存していることを意味する”。

 ”なおそのうえ、EUの農薬承認システム自身にも多くの欠陥がある。例えば、現実世界で使用されている農薬製剤”を評価せずに、個々の物質を個別に評価するだけである!”。

 ”これらの基本的な欠陥は新しいことではなく、グリホサート論争はついに公衆の意識を目覚めさせた。EUの安全性評価を企業の攻略から守るために、欧州食品安全機関(EFSA)は、同機関がその製品を評価する会社から独立を保つべきであり、その評価はもっと透明性がなくてはならない。製造者らは彼らの製品の安全性を評価するために必要な研究の代金を支払うべきであるが、その研究は独立した試験所で実施され、その結果は科学界により精査を受けるために公開されなくてはならない”。

記者への注釈
省略

訳注:関連情報


化学物質問題市民研究会
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