欧州議会(EP)2016年4月13日プレスリリース
グリホサート:
7年間だけ職業用途にのみ認可せよと
欧州議会議員が主張


情報源:EP Press Release 13 April 2016
Glyphosate: authorise for just seven years and professional uses only, urge MEPs
http://www.europarl.europa.eu/pdfs/news/expert/infopress/20160407IPR21781/
20160407IPR21781_en.pdf


訳:安間 武 (化学物質問題市民研究会)
http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/
掲載日:2016年4月22日
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http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/eu/eu/pesticides/160413_EP_Resolution_Glyphosate.html

 多くの農場や園芸用に用いられている除草剤グリホサートの発がん性と内分泌かく乱性について懸念があるのだから、欧州委員会は市場に出す認可については15年間ではなく7年間だけ、そして職業用途だけに限定して更新すべきであると、水曜日(4月13日)に採択された決議の中で欧州議会は述べている。欧州議会議員らは、欧州食品安全機関(EFSA)がグリホサートを評価するときに用いたすべての科学的証拠の独立した見直しと公表を要求している。

 欧州委員会は、グリホサートの上市のための認可を当初提案された15年ではなく、7年間だけの更新とすることを検討すべきであると、投票総数374票、賛成225票、棄権102票で採択された、法的拘束力はない決議は述べている。

 さらに、欧州委員会はグリホサートの非職業的用途に対しては承認すべきでないと同決議は述べている。

   欧州委員会はまた、欧州化学物質庁(ECHA)による(グリホサートの有害性に関する)分類が未決定であることに照らして、別の立法の下にグリホサートの承認を再評価すべきであると、彼らは付け加えた。

  同決議は、欧州委員会に対して、グリホサートを含む除草剤の持続可能な使用によりよく目を向けるために新たな法案を上程することを求め、また発がん性に関するデータだけでなく、可能性ある内分泌かく乱特性に関するデータにも基づき、グリホサートの全体的な毒性と分類の独立した審査を立ち上げるよう求めている。

科学的証拠を公表せよ

 議員らは、”もし公表という公益を優先するなら、グリホサートの肯定的分類及び再承認提案の基礎となった全ての科学的証拠を直ちに公表する”よう欧州委員会及び欧州食品安全機関(EFSA)に強く求めた。

グリーン・バーンダーン(収穫前雑草一掃)は”容認できない”

 議員らはまた、グリーン・バーンダーン、すなわち、熟成を加速し収穫を容易にするために、収穫前に雑草枯らす−として知られる農業手法(訳注1)におけるグリホサートの使用を容認できないとして非難した。この手法は、とりわけ人間の暴露増大をもたらす。

 グリホサートは、公園、公共運動場、及び公共庭園での使用は承認されるべきではないと、彼らは付け加えた。

次のステップ

 植物・動物・食料・飼料常設委員会(植物薬理部門)に所属する各国専門家らは5月に欧州委員会の提案を採択するか否決するかを特定多数決方式(訳注2)による投票で決めるであろう。もし過半数に至らなければ欧州委員会の決定に従うことになる。


訳注1:グリーン・バーンダーン(収穫前雑草一掃)
訳注2
特定多数決方式 - Wikipedia
 特定多数決方式(Qualified Majority Voting/QMV)とは、一部の決議に対して欧州連合理事会が採用する投票の手続きである。この手続きでは、各構成国はあらかじめ決められた数の票を保持する。各国割り当ての票数は、おおよそその国の人口に従い定められているが、より小さな国が不利とならないよう漸進的に重みづけられている。

訳注:当研究会が紹介したグリホサート関連情報


化学物質問題市民研究会
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