聴いた、観た、買った ---淡々と音喰らう日々。
2001.02
★は借りた新着、☆は新規購入。
今回集中的に論評したディスクなど:
週間通勤プレイリスト2月1週 / 矢野顕子: Go Girl(1)(2) / セッションの楽しみ
Chick Corea: Return To Forever / Chick Corea and Return To Forever: Light As A Feather
及川光博: 欲望図鑑 / Ivan Lins feat. Leila Pinheiro @ブルーノート東京
◆思い付き次第思い付いただけ更新しています。
◆日付はその日付のコメント自身への、CDタイトル前のマーク(◆)はそのCDのレビュー自身へのダイレクトリンクになっています。
◆文中のCDタイトルのリンクは、以前のコメントへ遡れるようにしてるつもりですが、かなり気まぐれです。
◆2/24のK.T.さんを囲む「メシの会」へご参加下さった皆さん、ありがとうございました。そして大変申し訳ありませんでした...という顛末は下を。
2/25 不覚
昨晩は18時から「メシの会」@南青山・和乃匠。はい、幹事役のくせに途中で沈没したのはワタクシです。ビール2杯(約600cc)と日本酒2合半を、飲み始めから3時間近くかけてゆっくり飲んでコレです。情けないったらありゃしない。席に戻ってからもしばらく前後不覚状態で突っ伏してたので、その間に藤岡さんの持って来たミニホワイトボード(OHPシートを活用したお手製)で潰れた私にキャプションつけて遊んだりもされたようですが...どんなのありました?
とか言ってる場合じゃないでしょってば。まず、先に退席された皆さんには大変失礼致しました、ろくにご挨拶もできませんで。それに最終的なお開き時刻が深夜1時過ぎまでずれ込んだのも、途中に私が空白帯を作っちまったのが最大の要因でしょう。K.T.さんちは大丈夫でした?で、何故潰れたかというのは本人の反省と再発防止の材料なんであって本人以外には面白くも何ともないんでしょうが、一つだけ。皆さんとても気持ちのいい方ばかりなのでついつい気が緩んだという部分はあったと思います、やはり。ああいかんなあ、ただの甘ったれじゃあないですか。こんな私ですが今後とも宜しくお願いしちゃって宜しいですか?
という昨晩ではありつつ、本日の来客準備は何とかこなす。私は久々にスパゲッティ担当大臣として、アンチョビ&トマトとカルボナーラの2種を作成。キーボードを立ち上げて、ピアノを習い始めたばかりの今年小学生になるお嬢ちゃんと連弾してあげたり。親子ともに喜んでもらえたようで何より。こんな調子で子供に音楽の楽しみを教えられたら楽しいだろうな、などと「こども音楽教室」企画への夢をふくらます。
そうそう、Ivan Linsライブの詳報も書こうかと思ってたんですが、それはまた改めて。
2/24 春の到来今週の木・金曜の東京はいきなり春が来たようなポカポカ陽気で汗ばむくらいだった。花粉が飛ぶなあ、とも思うが、春の到来はそんなこと関係なく心浮き立つ。
家を出るときにふと足元に目をやると、いつもの黒い革靴。あ、春くらい軽い色の靴に替えてみたいな、と思う。勤め着には絶対合わないんだろうけど。
昼飯の帰りなど、午後の仕事をすっぽかしてこのままどこかへ出かけたくなる。ビールとサンドイッチを持って公園へ、あるいは誰かに車出させて(免許ないので...)あてもなく。◆さて今週は結局2度、Ivan Lins feat. Leila Pinheiro @ブルーノート東京に行きました(詳報こちら)。これで連れ合いには暫く頭が上がらない可能性大だが知ったことか。本当に良かったです。プログラムは後半サンバ・メドレーでぐいぐい押してくという内容で、ちょっと予想外でしたが、これが盛り上がった。2度目はかなり声張り上げて歌って満足。
観たのは火曜2ndと金曜1stで、金曜はなべぞうさん主催の、というか私が無理やり主催させてしまったオフ会でした(お世話様でした>なべぞうさん)。で、Ivanが好きなメンバーと一緒に語らいながら観る楽しさもさることながら、Ivanが歌うのを観て、聴いている皆さんの最高に幸せそうな笑顔に囲まれて、多分自分も相当幸せそうな顔して音楽に浸っていられる時間というのが本当に最高でした。ありがとうございました>参加された皆様。人々を笑顔にする、素晴らしい音楽の力に感謝。余談: こういう週だというのに通勤CDラインアップは何故かほとんど矢野顕子にしていて(まあ、それはそういう気分だからだが)、火曜のステージを観たあと「もっとIvanの予習しとくんだった!」と思い切り後悔。折角買ってあったのに新譜の"A Cor do Por-do-Sol" (Abril, 2000)を聴いてなかったのだから、お間抜けである。ライブではこの新譜に収録の新作サンバナンバーを2曲演っていたが、これらがなかなかに佳曲なのだ。
2/20 聖バレンタイン続報連れ合い情報では、聖バレンタインは何だかの理由で結ばれないカップルを結婚させてあげたとか。でもそんな話は初めて聞いた気がするなあ。殉教者だということは憶えてるけど、少なくともそれが理由だったという話ではなかったような...。
それはともかく。日曜の東京は暖かかった。息子がタイムレンジャーショー(役者さん生出演つき)を見たいというので、一人先に出て9時から後楽園ゆうえんち前に並んで整理券を取ったのだが、いや寒かったら辛かろうなんて心配がまるで杞憂でありました。
で、妻子が出てくるまでしばし一人で散歩を楽しむ、なんておまけもついて。水道橋駅から御茶ノ水駅へ向かっての長い坂道を登る。この高台へ向かう見晴らしのいい道を歩くのはもう何年ぶりかだが、とても好きな場所の一つだ。右手に深く掘られた外堀、その土手の途中に中央線の線路がへばりついているのが小さく見える。お堀の向こうは予備校と明大とアテネ・フランセの街。坂を登り切れば、左手には鼻中隔湾曲の手術でしばらくお世話になった順天堂、その先に医科歯科といういわば医療地区、右に折れて御茶ノ水橋を渡り、JR駅前の交差点を過ぎると懐かしい楽器屋街。朝早いので店は開いてないけど。
何をどう考えるでもなくただ歩く春の朝。何というか、久々に心の贅沢をさせてもらった気分。晴れ晴れした気分で臨むタイムレンジャーショーは実は親たちのほうが興奮してしまったかも。役者たちがTVで見るよりもインパクトあって、凛としてカッコいいのでびっくりした。戦隊モノの役者さんで大化けした人ってあまりいないみたいだけど、彼らには頑張ってほしいものだとまで思った。いやあ肩入れし過ぎか。
閑話休題。最近こんなん聴いてました2月3週編。
◆Chick Corea: "Return To Forever" (ECM, 1972)★
◆Chick Corea and Return To Forever: "Light As A Feather" (FUP/Polydor, 1972)★
いつか聴かなきゃ、をようやく。後者収録の'Captain Marvel' 'Children's Song' 'Spain'は知っていたが、前者はそれに較べるとまだ「難解」な手応え。構成的にも奔放で複雑、それはそれで一つの指向性だが、個人的には更にリズム面でのブラジル色を推し進めた、というよりその中に完全に溶け込んでしまったかのような後者のテイストが心地良い。
いずれにせよ、両盤ともAirto Moreira (Ds, Perc), Flora Purim (Vo, Perc) が全体のトーンに重要な役割を果たしているのは間違いない。また前者は、彼らがブラジルから呼び寄せたHermeto Pascoalの米国録音盤にも相通ずる雰囲気があって、むしろHermetoのこの盤の指向性は彼らあってのことだったのかも知れない。◆及川光博: 『欲望図鑑』(東芝EMI, 1999)★
かつて1曲、ベタな70年代ディスコ調を聴いて、それ以来気になってはいたのだが。しかしこれ全編ではないにしろ「70年代アイドルをパスティーシュする」というテイストが強すぎて、さすがにイロモノっぽすぎるか...。一見ナルシスティックながら脆さを垣間見せる歌詞とか実は結構見事だと思うんだけど。
2/14 St. Valentine以外の聖人だってそれぞれに「愛」の聖人ではないかと思うのだが... (その辺どなたかご教示を。)2/9の記事を今見ると何だか異様に寂しげですが、実際の生活はそうでもありません。たまにこういう思索のエアポケットみたいなものがあるのは多分、誰にとってもよくある普通のことで、ただ思い立って書いてしまうとどうしてもいつもとは違っちゃうねえ、ということかと。
もちさん(と呼び掛けるほうがラブリイだと思うのでこう呼びますがお気を悪くなさいませんよう)、バレンタインのチョコは、連れ合いからのは生協品なんです。でもこれが美味い! ピーカンナッツにホワイトチョコでコーティングしてキャラメルフレイバーに仕上げたものなんですが、どうです書いただけで美味しそうでしょ? メーカーはグランプラス(Grand Place)と言いますが生協以外のどこで買えるかはよくわかりません(ネット販売はあるようですけど、お気に召さなくても当方責任まではちょっと...)。ただ、このメーカーで生チョコ数種買いましたが個人的にはハズレなしでした。最近ちょっと名の知れてきた札幌のロイズ(Royce')より美味しいかも。
◆2/9に書いた矢野顕子 'Girlfriends Forever'についての補足。「離れてることは/問題じゃないよね」と言い合えるのは女同士だからだ、と歌うこの歌が示しているのは、実は場所や状況が違っても女性を取り巻く状況はかなり画一的だという現実なのかも知れない。だから、離れていてもわかり合える。そして状況が「画一的」だというのは、「抑圧的」だということにほぼ均しいのだろう。
いや、だからといって男性を取り巻く状況が画一的でないという訳でも、ないはずなのだ。ただ男どもがそのことをどう認識しているか、という点になると、てんでバラバラなんじゃないだろうか。つまり、何も気づかず巻き込まれ流されているのか、都合のいい立場に悪ノリしてるのか、あるいは苦しみもがいているのか、単純にキレてるのか。そして、同じような状況への反応がそのように異なる者同士にとって、男という共通項はそんなに役に立たないのだ。むしろ自分など職場の共働きの女性と家事・家庭・子育ての悩みなんか話してると、この人と違うのは自分がとりあえず性別上「男」であることだけじゃないか、と思うことのほうが多いのだ。◆2/11はMさん宅でアコースティック・セッション。とはいうが楽器はエレキなので、ミニアンプで音を控えめに出しながら。午後3時前から6時過ぎまで、コーヒーを飲みお菓子をつまみながら延々と'Waltz For Ruth'を中心に。他に新たな課題曲としてPat Metheny Group/Pat Metheny Trioによる'James', Pat Metheny Group 'Travels' を試してみる。いずれもうまく形になりそうな予感。
セッションのシアワセというのは、その瞬間のコミュニケーションに完全に没頭できることだと、改めて思う。特にギター&ベースのデュオというのは、トリオとは違ってリズムをキープする役がいないので、いきおい相手の呼吸や揺れを聴きながら自分のフレーズを返していくようなやりとりになる。それが「上手くハマる」ように神経を集中する、その瞬間は多分、他のことは一切考えていない。それは何とシアワセな状況だろう。
2/9 実録・2001年2月8日昨日2/8朝のこと。
久々に職場の友達と飲んで帰って、0時近くに就寝したのに、朝4時前に目が覚めてしまった。
寒いこともあって、一旦目が覚めるともう眠れない。
仕方なく起きる。特に何をするでもなくつらつらと過ごす。こんな時間に洗濯機回したところで、干す段になっても外は暗くて寒いし。
連れ合いも5時過ぎには起きてしまった。
「とりあえずコーヒーでも飲もうか?」
やがてコポコポと鳴り始めるエスプレッソ器。漂う香り。少々値は張っても良い粉にしておいて良かった、とこんなとき思う。生協の粉は安いのはいいが、やはり香りで大きく劣るからなあ。
トーストと、夕べのデザートに食べきれなかったサツマイモのパイ。とても早い朝食を済ませる。
「さて、何しよう?」
「じゃあ語らおうか」
と連れ合いが答える。苦笑。だって、夜に子どもを寝かしつけたあとならともかく、朝子どもが起きる前にとりとめのない話って、何かできないよ。で、結局1時間早く会社に向かうことにしたのだった。
Pat Metheny Group: "Letter From Home" (Geffen, 1989)
言葉はほしくなかった。しばし沈思黙考。◆矢野顕子: "Go Girl" (Sony, 1999)
以前この盤について思ったことは変わっていない。'Girlfriends Forever' にあるような、分かち合える友達というものがいなくなって久しい。それが歳を経るということなんだろう。互いに遠くなる。空間的にだけじゃなく、人生の径路=pathそのものが離れていく。それはそして至極当たり前のことだ。
「離れてることは/問題じゃないよね」と思える相手が、いるだろうか?どうしようか? 出かけよう
花を買い シャンペンを買って
世界中のうたを
かたっぱしから うたう
声かれるまで(矢野顕子作詞 'Girlfriends Forever' より)
2/3 社交の季節2001でいきなり関係ないんですが、西村雅彦って時々舛添要一に見えません? って髪型とかのせいか。B-ingの中吊りで目があってドキッとしましたが見間違いでした。でもB-ingなら舛添のほうが説得力あるって気も(華麗なる転身?)。
さて昨年は嵐のように過ぎて行ってとても人と会うどころではなかったので、今年は長年連絡の途絶えている人から毎日顔を合わせていても落ち着いて話す機会がなかった人まで、会う計画が目白押し。オフ会もその一環ってことになりましょうか。これまでのビハインド(?)を挽回するべく、社交の季節の始まりであります。
◆たまには週間通勤プレイリスト。
月: The Chemical Brothers: "Surrender" (Virgin/Freestyle Dust, 1999)
火: Pat Metheny Group: "We Live Here" (Geffen, 1995), Flavio Venturini e Toninho Horta (DubasMusica, 1989)
水: Cornelius: "Fantasma" (Trattoria, 1997), Flavio Venturini e Toninho Horta
木: Massive Attack: "Mezzanine" (Circa, 1998)
金: Cornelius: "Fantasma", 電気グルーヴ: "A" (Ki/oon Sony, 1997)何か心の波風の立ち具合がよくわかるようで気恥ずかしくもあるのですが。しかし今週の狙いであった「行き帰り沈着冷静」にはうまく機能したと思う。もちろんこちらの気分の持ちようにもよるんだろうけど。
敢えて自分の聴くものとしては音響的刺激の強いものを多く選んだのだが、狙いどおりに行ったのは(1)外界との適度な「遮断」感覚、(2)刺激が強いといっても比較的緻密に定位やバランス、更には対位法的動きなどを作り込んだ、いわば「見通しの良い」「論理的な」音だったこと、などによるのだろう。だからMassive Attackとか、即物的に言えばかなり攻撃的なはずのものさえも、ゆったりとした気分をもたらしてくれるのだった。これ、即物的な聴覚イメージというのは案外不確かなものだ、ということなのかも知れない。
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