その6 2006.12 TRON SHOW2007

【食品トレーサビリティ疑似体験】

2007年12月に東京国際フォーラムで開催されたTRON SHOW2007へ行ってきました。

初日でしたが会場も基調講演のホール内も大混雑でした。展示物は昨年と比べると一層の小型化や手持ち端末のユビキタスコミュニケーターはカラー化されていたりと使い勝手が向上しているようです。

来場者券は厚さ1mmほどのカードですがこの中にRFIDチップが入っています。
入場するときに無線で読み取り、DBと紐付けされた情報から来場者を特定します。講演などの登録の有無もこの方式で管理されるので講演会場入り口でカードを読み取り機にかざすだけです。

昨年の来場者券もRFIDが入っていましたがもっと厚みがありました。 ずいぶん薄くなった気がします。 チップの小型化と印刷技術のこの1年間で進歩なのでしょうか。

カードを切り開くとなかに外部アンテナの配線と共にRFIDチップがありました。 RFIDとはRadio Frequency Identificationの略で、無線を利用して物などを認識する技術の総称です。

バーコードと違って国コードなどの意味コードは記録されておらず、ユビキタスIDセンタにより発行されたucodeが格納されています。ucodeは128bitの番号で、毎日1兆個の物や場所に番号を割り振って、それを1兆年繰り返しても番号が足りなくなることがないという広大な空間をもった番号体系。

日立のミューチップは約0.4mm角の極小チップです。 指の腹にぽつんと乗る黒いゴマのような写真を目にする機会が多いです。 実際にミューチップを撮ろうとすると同じような写真になってしまいました。

この写真をデジカメで撮った直後、ポロッとミューチップを落としてしまいました。目をこらしても、あまりにも小さいので探しても見つかりませんでした。がっくし。

食品トレーサビリティと自律移動支援に興味があります。青森県は、ゆきナビあおもりプロジェクトという自立移動支援プロジェクトを行っています。その青森県のブースでは、リンゴに無害なインク(東洋インキの可食性インキ)でucodeを瞬時に印字するデモをしていました。印字されたリンゴはその場で見学者に配っていたのでひとつもらってきました。

このucodeを食品トレーサビリティ実験サイトに入力すると様々な情報を得ることができます。生産者や流通などはもちろんのこと使用農薬なども知ることができます。

このucode番号を入力すると、食品トレーサビリティが疑似体験できます。
ucode番号:00065544
ucode検索ページ http://202.32.0.104/ts2007/search/

配っていたリンゴは王林という品種で、とても甘くて美味しかった。これまでなら、ショー会場でもらったリンゴの詳細な情報を知る術はありませんでした。食品の安全に関心が集まっている現代ならではの知りたい情報です。また、例えばここから注文販売のサイトへのリンクがあれば同じ品種を購入するというケースも有り得ます。

オンラインショッピングの新しい形が出てくるではないかという気もします。

現在のインターネット検索は、その調べたい対象の名前を理解していなければ探しようがありません。事実、名前のわからない花々は容易には探し出せません。

2006年に日本各地で行われた実証実験の様子も展示説明されていました。上野動物園も新宿伊勢丹屋上でも行われていました。どちらも行ってみたいと思いつつ機会を逃してしまったのでしげしげと見て回りました。

1月21日からはじまる銀座での大規模な実証実験はぜひ体験しに行こうと思います。 東京都と国土交通省が実験参加者を募集しています。

ユビキタスコミュニケーター(UC)を貸し出し、銀座通りと晴海通りに設置されたRFIDを読み取り情報を入手しながら散策できます。実験参加後に回答するアンケート結果は「観光、商業振興等に関する東京都の施策や国土交通省の主催する自律移動支援プロジェクトの推進検討に活用させて頂きます。」とあります。

実験期間は2007年1月21日から3月10日の指定の24日間。
午前3回、午後3回の各回2時間です。
実験参加枠は1日合計200人となっています。
24日間なので総計4,800人がUCを体験することに。
一般が多数参加するはじめての大規模実証実験になるのではないでしょうか。

ともすれば実証実験という名の一般人への一大ブレイクスルーなのかもしれません。

東京ユビキタス計画銀座
http://www.tokyo-ubinavi.jp/jp/ginza.html

日立ミューチップ
http://www.hitachi.co.jp/Prod/mu-chip/jp/index.html