コミックの。
少年/少女/青年/女性って分かれてるけど、私はこのジャンル分けがさっぱり理解出来ない人です。書店でもマンガ喫茶でも、これが大分類になっていることがほとんどなので、棚から探そうとすると、そもそも目当ての作品に全く辿り着けなくていつも苦労する。
転職活動中、某コミックサイトで、無料本ランキングの上から縦断攻撃ってのを実はやってみた。今までもたまーに気が向くと無料コミック読んだりもしていたんですが、解説とか見て面白そうと思わなければ読まなかったんだけれど、せっかくある程度時間もあるし、と思って、とにかく「なんでもかんでも読んでみる」というのをやってみた。
で。
最初に話した「ジャンル分け」のあり方にますます疑問を抱く羽目になった。
最初にして最大のきっかけはこれです。花小路ゆみ「女神たちの二重奏」。紙の雑誌で連載されていた時は単行本にならなかった。でも、電子書籍サイトが目をつけて掲載したら大人気になり単行本が出ることになった。経緯がITmediaのインタビュー記事に詳しいです。
で、紙の連載時は多分青年誌ジャンルだったのだと思われます。裸多めだし(笑)。でも、内容的にはどー考えても女子が読んだ方が面白いに決まってるじゃんこれ、と茫然とした訳です。
経緯に納得です。そりゃそうだ。これ女子が読まないと魅力に気づかないって。いやまあエロエロ成分は確かに高いんですけど、でもそれは掲載誌が求めるが故の部品みたいなものだし。屋台骨はそこじゃないもんなー、と。
それで「とりあえず開いてみる」をやるようになって、自分にとって今まで全く圏外だった作品たちに面白さを感じることもある、って発見してちょっと愕然。でやっぱりジャンル分けって何なのよー! と大混乱。今ここ。
圏外だったのに面白いと感じたものをいくつか。
〇倉科遼原作の女帝シリーズ
いやあもう。この機会がなかったら一生読むことなかったと思う。女の子がのし上がる物語はなんだかんだかんだ言って痛快じゃないですか。うん。痛快。
でも物語の内容的にイヤでも裸成分多くなるし、男性向け扱いされちゃうのは判らなくもないけど…
でも…でもなー! こーいう「おんな一代物語」みたいなのって女子の皆様でも好きな人いそうだけどなー!
ただ、うん、敬遠して損してたかも。こういう世界って自分には縁がないからこそフィクションで思いっきり楽しめるというのもあるからかもだけれど。
しかしこの方すげー多作過ぎて検索して目まいが。ううう。その創作エネルギー何と羨ましい。ぐう。
〇お仕事モノ
女帝シリーズもその一部ではあるけど、やっぱり知らない仕事のゲンバをコミックで覗くのは面白いですね。特に医者系は無条件に人間ドラマくっついて来るからやっぱり引き込まれる。
女子のお仕事モノも好きです。忙しいOLさんの話もそれなりに楽しい。ふつーのOLという職業自体、私にとっては「知らない職業」の1つだし。…とはいえ恋愛絡むと途端にちょっとテンション下がるんだけど(それが見たい訳じゃないんだよなぁ… ※意見には個人差があります)。
〇地獄少女シリーズ
なんで「なかよし」!?(茫然)
だからなんで少女漫画!?(茫然)
ジャンル分けで脳が混乱した一作。でも、あれだね、考えてみたら小学生女子はこっくりさんとか大好きなのだった、その辺にアプローチ出来そうと見込んだのかな。
読んでみると、ああ…うん…なるほど少女漫画なのかぁ…と思わなくもないけど、でも絵柄とかエピソードとかを「そっち向け」に補正されてるだけなのかもと思わなくもないし。ストリーライン的には血みどろ描写満載な描き方だって出来ない話ではない訳だしね…。これ、もし青年誌で始まってたら「王様ゲーム」(のコミック版)みたいなテイストになったんじゃなかろかなんて思わなくもない。
これがコミック世界の難しいところ。物語を作りたいと思った時に、作りたい在りようではなくて、掲載誌のジャンルに合わせて無理に色を書き換えられてやしないのかしらなんて思えてしまう。
原案者様、今、作りたいもの作れてるのかな。大丈夫かな。
…今に至るまでずーっとメディアミックスが続いているんだから問題ないのかな。原案者が辛かったら続いていないでしょうしね。
アニメ4期がBS11で来る予定とのことなので見てみたい所存です。
〇食べ物ハートフルストーリー系
変なくくりで申し訳ない。こういう分野(?)も私はレセプターあるって全く気付いてなかった。でも読んでみたらおもろい。と言うかぐっと来る。食べ物上手に描くの大変そうだけど。
「いつかティファニーで朝食を」でちょっと頭殴られました。ほえー私こういうの面白いって思う人間だったのか、と。
ただ、別に食べ物描写それ自体に惹かれてる訳ではないので、なんつーか、大食いバトル系とか、ひたすら蘊蓄系とかはちょっと受け付けないのですけれども。
〇妖怪と人間が共存する系
これも変なくくりですみません。妖怪とか精霊とか異世界の人とかが人間界に降りて来て、ぶつかりつつほんわか日常送ってる系も、楽しく読める。
バトル入って来ると敬遠したくなるけど、日常の小さな事件程度ならまあよし(基準が謎)。
……これはまあ、あれですね。基本的に「異物といかに共存するか」を探る話、というのが多分好きなんだよな。セクシャルマイノリティ陣営の性みたいなものだ。
逆に圏外だったしやっぱり圏外かもと思ったもの。
●恋愛もの少女漫画全般は…
やっぱり消化酵素ないっぽい!(ぐったり)
クラスではモテモテだけど主人公女子にだけは何故か冷たかったり意地悪だったりする系男子がどーいう訳か主人公女子にからかってるついでみたいにコクってるとも取れる発言して主人公女子は「なんであんなことゆーのもーしんじらんない!」とか言いつつ「イヤなのにどうしてこんなに気になるんだろう」とか泣いて周り女子が「××クンにちょっかい出すのヤメテよ何様のつもり!?」とかいじめ発生しつつその××クンが「やめろこいつ俺のだから」的な感じで仲裁に入って来て主人公女子「どうしてかばってくれたんだろう」的大混乱さてどうなる続きは有料でどうぞみたいな話!(説明長いわ!!)
っていうかなんでこう見事にみんなパターン一緒なのよ。疲れるわもう。いや需要あるのよねきっと。きっとみんなにとってはこういうのが「おいしいリンゴ」で、おいしいリンゴは何個全く同じモノがあっても気にならないんだな……
でももーいいです。うんざり。少なくとも私はコレ系は苦痛なのだと理解した。
…いわゆる恋愛モノが全部嫌いという訳ではないんですけどねえ。「俺物語」大好きだし。恋愛描写と言うよりキャラクター及びその関係性が画一的過ぎるのがつまらんのかなぁ。むう。
●愛と勇気とバトルと正義、そしてスポ根
王道少年漫画っぽいものは相変わらず目が泳ぐ。これはもうレセプターなさ過ぎて話自体全く頭に入って来ない。ホントごめんなさいだ。昔からまるでダメなので予想通りではあったけれど。
アニメ化しているようなド名作でも全く心が動かない。むーん。こればっかりは仕方ないね。
…推理要素入ると「答えが気になる」からまだ読めるんですが、それ以外はダメっぽい。
……まあそんな感じでした。働き始めてからは全く読めてないけど、次にちょっと読んでみたいなと思った時は探索範囲をぐぐっと広げられそう。読んでみないと気づけないことってあるのだなぁ。
固定リンク / 2017.5.19
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