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新しいPC買ったら、HDD飛びました

 新しいPC買って、届いたその日に、旧PCが。
 なんだかスネてるみたいで可愛いというかなんというか。あはは。

 以前ちらっと書いたことありますが、基本的に毎日PCをシャットダウンする前にDVDで主要なデータはバックアップを取ってるし、音楽データはHDDを信用していないので入れてない。まあ1日分くらいはすっ飛びましたが、その日に新しく増えたデータなんて受信したいくつかのメルマガくらいのもので、消えちゃっても支障がないものばかりでしたのでまだ平気。前日のバックアップを新PCに戻して、環境自体は3時間ほどで復活しました。
 FTPの設定保存しておくの忘れた。でも、各プロバイダやネットサービスのID・パスワードは、これも大昔に書きましたが、基本は自分の頭の中に暗記する派なので、テータが読めなくなってもアクセスできなくなるってこたーないです。サイト行って設定情報見てちまちま設定し直すだけっす。管理しているWebスペースは4つくらいあるのですが、ま、更新が必要になったらその時に再設定するかーって感じでのほほんとしてます。

 てかThunderbird便利すなー。Profilesフォルダにぶち込むだけで復活っすもんねえ。受信しているメールアカウント現在8つ。全部手動設定しなきゃならないとなったらうんざりします。

 で。
 WindowsXPからWindows7 64bitにしたです。今回は初めてのマウスコンピュータ。とはいえ、私、同じメーカーのPCを2台続けて使ったことが1度しかないという浮気者気性だったりしますが。
 (今までの遍歴…NEC→NEC→IBM→ゲートウェイ→HP→DELL→マウスコンピュータ、でございます。)
 自宅で使っている机が小さい(部屋も狭い)ので、選択はスリムタワー一択です。で、あちこち見て回って、一番細かったのがマウスコンピュータのLMSシリーズだったから、という恐ろしくやる気のない理由で選択しました(笑)。
 でもさ。どんないいPCだって、部屋に置けなければそもそも話にならないでございましょ? ねえ?

 はじめての64bit感想。
 Webが早いよ。
 ネット回線速度は変わっていないので、これはブラウザのJavaScriptの速度が上がったのだと思います。たぶん、64bit一番の「功績」はこれだなー。CPUの速度自体はクロック数上がったわけじゃないし(前PCも3Ghz、この子も3Ghz)。
 ソフトのインストールも、何を入れるにも劇速で半笑いになったのですが、インストールなんて最初の1回しかやらんことだし、普段使う機会の多いWebの体感速度が上がるのはいいですね。ありがたいです。

 64bitの対応ソフトもだいぶ増えてきていて、普段使っているソフトでは、インストールできなくて困っているものは今のところありません。OpenJaneを元祖からViewに乗り換えした程度かな。他は64bit版がなければ32bit版使ってますが、デフォルトインストールフォルダであるProgram Files配下はなるべく使わない方向で(プログラムと同じフォルダに設定ファイルなどを作ろうとするソフトは、権限の関係で失敗するから)インストールして、今のところ動かないものはありません。順調。

 入れたソフト。
 avast!、FireFox、Thunderbird、FFFTP、TeraTerm、OpenJane View、OpenOffice.org、Microsoft Word Viewer、Lilith、BunBackup(今回は本当にお世話になりましたのですよ、あなたを毎日起動していたからこそ救われたのです)、EmEditor、Cdex。
 これが私のベース環境であります。
 BunBackupで、ThunderbirdのProfilesフォルダの中と、「マイドキュメント」の中を毎日バックアップする設定作って、おしまい。Firefoxはプラグインとか凝った設定とか何もしてないので別に放置でよい。googleさえあればなんとかなる。
 FTPの設定全部作り終わったら、FFFTPの設定も書き出して何処かに保存しておこう。うん。これでとりあえず、いつまたすっ飛んでもなんとかなるでしょう。

 スネてしまった旧PCは、これからHDDフォーマットと再インストールを試してみるつもり。セーフモードでもファイルに全くアクセスできなくなっていたけど、セーフモードまでは行くので、HDD自体が完全に壊れたわけじゃないと思いたいなあ。無事に蘇生したら、親戚で自営業してるトコが、事務所のPCの買い替えをちょうど検討していたから欲しい、と言われているので。ちゃんとお役に立てればいいのですけれども。

固定リンク / 2010.10.23


久し振りに靴を買った

 着る物についてはとことん無頓着なのですが、それは、頓着しようがないから、というのもある。サイズが。着られるもの/履けるものが見つかったらすぐ買っておかないと、マジで着るものがない。そういうサイズの持ち主だから。ちなみに幅が広い方の。
 大きいサイズコーナーなんてのはあったりするけど、田舎だからその「大きい」ですら意味をなさないことが多いので、ここ数年は、一応店を歩き回ってはみるけど最終的に通販、っていうオチばっかりでした。
 …なんつーかね。田舎の大きいサイズのバイヤーってのはなんであんな異様な服ばかり仕入れるのだろう。仕事してりゃ紺色とかの落ち着いたボトムスくらい誰でも1つ2つ持ってるもんだしニーズはあると思うんですけどね。どうして売る方はそうは思わないのか。「普通に仕事に着て行ける服」を何故売ってくれないのかなあ。太ってるやつは仕事していないとでも言うのか。そんな偏見やめて欲しいよなあもう。ファッション業界の人たちの考えはよく判らない。

 ただ、どうしても服飾関連でこれだけは通販じゃ無理というのがあって。
 靴っス。靴は試着なしに買うの絶対ムリ。もちろん返品とかすればいいっちゅー話なんでしょうが、私の場合は、足も全体的に太い(幅も広いし甲も高い)ので、既製品で合うの探すのはげっそりする。店頭ならまだ、次々に試せるわけですが、通販は「試す」ために数日の商品往復期間が挟まるのは……ねえ。通販やってる方だってイヤだろうし。

 一度測ってもらったことありますが、つま先からかかとまでの、いわゆる「足のサイズ」的には23くらいなんですが、23の靴なんて当然入ったことないです(幅と高さで)。履いてみて、妥協して買うサイズはいつも24.5のEEEとかで、幅と甲の部分がきゅうきゅうだけど足の指は靴の中でもにゅもにゅ遊べちゃう感じ。
 多分、靴の専門家に怒られそうな選び方をしています。でも一応、ヒールあるものも履きますけど、外反母趾にはなったことないです。足の指が靴先で圧迫されるなんて、そんな感触、味わったことないデス!(自慢にならない)

 5000円もしなかった安物で、1足、私にしてはかなり長く履けた靴がありました。3cmくらいの低いヒールの、何の飾りっ気もない黒のつるっとした合成革のやつ。ヘンテコな私の足ですが店頭で履いた瞬間に「この子だ!」と思った。
 店頭投売り品で、箱とかもない安物でしたが、かかとが減ったりして歩きにくくなるたびに修理してまで頑張って使い続けたのはあの子が初めてでしたよ。というか合う靴見つからないんだってばさ。

 で。おそらく10年くらいぶりにまた「この子だ!」と思える靴に出会いました。やっぱり5000円もしない安物なんだけど。何の飾りっ気もない茶色のつるっとした合成革。こんなんばっかだ。というか、仕事に普通に履いて行けるデザインって思ったらどうしてもこうなるんだけど。
 どのくらい長持ちしてくれるかな。長く付き合えそうな気がするな。というか長持ちして欲しいです。一発で履けて苦痛にならない靴はなかなか出会えないんだよなあ。

固定リンク / 2010.10.16


WORLD ORDERと3台目のCOWON

●WORLD ORDER

 きゅーん。久々に即買い。この音、もろ好みド真ん中。
 格闘技界隈は全く詳しくなくて、名前と顔が一致するのは長島☆自演乙☆雄一郎さんぐらいしかいない、みたいなド素人(しかも変な方面だけ偏ってる)なので、お名前を拝見するのも初めてでした。須藤元気さん。
 ……とはいえ、主に音から気に入ったので、つらつら調べてみたら渡部高士さんの名前が。ははあ。なるほど。納得やねん。これはしゃーないなーもう(ナゼかエセ関西弁)。

 PVもきゅんきゅんでした。特にMIND SHIFT、たまりませんなあ。ジャケットや公式サイトになってるだけあるよ。ビジュアルインパクトすげぇ。かっけー。特にお堂入ってからの後半部分がもう。一部、まんまピタゴラ体操なのはオマージュなのか知らずにやってるのか判らないけど。あと、これ外国人にウケるってすごくよく判る!(笑)

 最近、昔のディスクを中古屋で漁るか輸入モノVA漁るかばっかりだったので、国内の新作を新作と呼べるくらいの新鮮なうちにナマで(?)買ったのはかなり久し振りです。だから価格の感覚がよく判らないのですが、DVDついて3,000円しないってなんか変に安い気がするのはどうしてかな。iTunes先行発売だったみたいだから、ディスク版は廉価版扱いなのか? ひょっとして。
 あたしゃ年寄りだから、音楽については現物持ちたがり主義。というか、ハードディスクを信用していない。クラッシュだのディスクトラブルだの、仕事柄、常にお友達ですからな。あはん。

 音は超好きなんですが、いろいろ見ているとなんか微妙にスピリチュアル方面の色がうっすら見えるのが個人的にはちょっと悩ましいなあ。名前もそれっぽくて。別に怪しいことしているってわけじゃないのは分かってますけど。なんか。うーん。そこだけちょっと玉に瑕。

●で、COWON3台目

 だいぶ前からT2のディスプレイが元気を失くしていて、タイトルとかさっぱり読めない状態に陥っていたので、ちょっと前になりますがS9を買いました。本当はiaudio9目当てだったんだけど在庫がちょーどなくて、まあいいか、と。
 タッチセンサー嫌いなんですけど(目で見ないと操作できないのがイヤ)、COWONはほとんどがタッチ式になっちゃったし、もう操作感での選択肢は諦めた。音が優先だし。
 ただ…やっぱでかいや。次はまたちっちゃいのに戻りたい。大きいのは持ち運び方の自由度が低くて。小さい方が、ポケット入れたり首から提げたりストラップでどっかにブラ下げたり、季節の服装の変化に柔軟に対応出来ていいや。

 あああ。しかし。離れられませんな。困ったな。てゆーかなんでみんなしてflac、というかogg無視なんだよ。ぶー。T2で1GBになってから、容量を気にしなくてよくなって、もうずーっとflacなので今更MP3やWMAに戻れないデス。うわーん。ネットで直接MP3とかで配信されてる音聞くとスッカスカで耐えられないカラダになっちゃったのです。うわーん。オンラインストアで音楽を買えないのはこのせいもあるんだよ。うわーん。どーせflacまにあですよ。うわーん。compress-levelは8ですよ。うわーん。
 ちなみにPCに入れてるプレイヤーはLilith愛用中。

固定リンク / 2010.10.2


ケータイ小説にもっと「自由」を

 なんてことをちょっと考えるようになってしまった。

 前からケータイ小説(的なもの)は書きたいなーと思っていたのですが、少し前からいい意味でも悪い意味でもケータイ小説が認知され過ぎちゃってて、それと同時に、ある特異な傾向に固まり過ぎている感じが微妙に気持ち悪いなあと。

 なんでみんなしてあんな改行多いんだ、とか、なんでみんなしてオノマトペ大好きなんだ、とか、なんで文章短くしなきゃなんないのさ、とか。

 先人たちがそういう文章でヘタに成功しちゃってるし、「あたし彼女」が某賞で高い評価を得ちゃったりとか、そういうのが背景にあるのがもちろん主因なのでしょうけれども。
 (これはあくまで個人的な感想なのですけれど、「あたし彼女」の文体はものすごく「つくられてる」感じがしたのですよね。最初見た時。狙ってやってんじゃないかなこの人、と思った。)

 まあそれはともかくとしても。
 読みにくいケータイ小説があってもいいんじゃないかなーと。
 というか、メディアがケータイってだけで、中身はふつーに小説書くやつがいてもいいんじゃないかと。
 そんなアホなことを考え始めてしまいまして。
 いま、E★エブリスタでちょこまか連載始めました。
 ちなみに、ペンネームは大昔、今は亡きitokioで書いていた頃に使ってた名前の復刻版。

 エブリスタ向け(というかケータイ小説向け)に、3本ほど作品の候補をいま温めてます。そのうちの1本は既に連載開始。とはいえまだ登場人物紹介状態で全く話が進んでませんが。既に10ページ使ってるのに。ごめんなさい。

 裏テーマはAセク。あっためてるあと2本もAセクが主人公だったり、メインに近いところの人物だったりする。ただ、Aセク啓蒙とか、わたしこんなにつらいの分かってようわぁん、みたいな話にするつもりはなくて、表層は普通のラブストーリーとか学園モノとかの皮をかぶらせるつもりなのですが。

 ただまあ、一番おっきいところは、「ケータイ小説らしくない」みっちり文字の詰まったケータイ小説を書いてやるぜげへへ、みたいな感じです。エブリスタに載った状態でケータイで読むと、書いた本人でも目が滑るくらいですともさ。みっちりしてますよ。みっちり。
 でもまあ、こういうスタイルの書き手が1人くらい、いてもいいんじゃないだろうかねえ。

固定リンク / 2010.9.23


うみねこのなく頃に EP7

 よーやく読了。
 もうこの3部構成が当たり前になっちゃってますな。1度に3話考えているようなものだから大変だろうなあこれ。
 というわけで、まあ、あれです。

========== ネタバレ結界スタート ==========

●本編

 過去編と言うべきか。
 「19人目」が出て来ちゃう世界。キャラ紹介では「青年」になってるんだし、250万以上の確率を潜って「生きた」理御は男性なのですね。でも多分、クレルになると女性(…というか福音の家経由で紗音になる、じゃないんだろうか。なんかそう読めたんだけど。年齢に「誤差」があるの前提だし)。
 Tipsで語られるアレと併せて想像すると、殺人者になって爆発で自殺するか殺されるかの二者択一なのか。なんかもう。あはは。
 …それはそうと、本編で惨劇が始まらないまま終わったの初めてだねえ。
 EP7は純粋に答え合わせ編に徹しちゃってる気がしたんだけど、どうなんだろう、書いてて楽しかったのかな…。どうも私という「観劇者」はミステリィの答え合わせを求めてなかったらしいです。うみねこについては。

 ライト…こういうヤツ、うみねこ世界にゃそういやいないタイプだったね。戦人が赤い炎。ライトは青。そんな気がする。

 しかし金蔵。やばいねやば過ぎる。もう誰もアニメ化なんて言い出すなよ? マジで。これは電波に乗せられないっしょ。いや3代続かなくて良かったねえ(…続いてたら怖過ぎるよなその方が)。
 でもなんか。うん。こういう狂気は同人っぽくて。商業じゃ出来ねえよなぁとちょっとにやにやしてしまう。不埒だねえ。いひひー。

●Tips

 そして猫箱編。
 絵羽のラストのセリフが泣ける。ものすごい泣ける。そして、彼女が死の間際にまで絶対に縁寿に「真実」を話そうとしなかった理由も説明がついちゃうのがすごい。うみねこが始まったばっかりの時、「大人」を描きたい、というような言葉を竜騎士07さんがどっかで言ってたのを聞いた記憶がうっすらあるんですが、まさに絵羽は……「大人」の理屈で最後まで動いていたんだなあと。

 物語ではそこまでは語られなかったんだけど、少なくともこの猫箱では、絵羽が縁寿に対して辛く当たり続けていたのは、決して自分の感情面だけではなかったのではないかなぁ、と想像してしまいました。
 縁寿にとって、最後まで自身が「悪役」で居続けなけばならないと思っていたのかも知れないと。
 絵羽は本当に「家族」を大事にする人だからこそ、縁寿にとっての両親が、永遠にずっと「愛する家族」であり続けて欲しかったのかも知れないと。
 そのために彼女と馴れ合うことを最後まで避けようとしていたのかも知れないと。
 それに。親しくなってしまったら、きっと隠し通せないだろうなと思う。縁寿も絵羽から聞き出そうとしてしまうと思う。死の間際ですら、絵羽は自分が悪役になることで全てを守ろうとしていたのだから(本当に「狂って」いたなら、あそこでなお隠し続けるって選択肢はない、と思う。それは狂人の論理ではない気がする。彼女はあの時点でもなお、「隠すことを冷静に選んでいる」としか思えないのですよねえ…)。
 ……この猫箱が開いてしまうと、コミックやアニメで極端に最期の絵羽が醜く描かれてしまっていたのが可哀相だねえ(原作は絵なし)。もちろんEP4まではそういう風にしか見せられなかったんだろうけれども。

 しかし実行犯になっても、庇う方になっても、どっちに転んでもおいしいなあ絵羽。フヒヒ。裏主人公か。

●???

 今回は短かったね。EP8へのブリッヂなのか、また別のカケラへの逃避行なのか。
 全く出番のなかった戦人はまだGMモードだし、ベルンもまだなんかやらかしたいみたいだし、……えーと、なんかEP8で終わったりはしない気配がシマス。何となくですケド。
 ハッピーエンドが与えられることはないと赤で宣言されてしまったからには、結局六軒島は、何がともあれ最期は大爆発なのか。
 その後に慰めの夢を見せられても果たして縁寿は嬉しいのかどうか…。
 ま、お手並み拝見と行きましょうか。「お兄ちゃん」の。

 あと、ダイアナ飢え死にしちゃわないか。大丈夫なのか(余計な心配)。想像の中ではロシアンブルーだな、ダイアナちゃん。

固定リンク / 2010.9.12


虚無への供物 / 中井英夫

 某うみねこアンチブログでその存在を知って以来、いつかは読まなきゃーと心にずーっと思い続けていた作品。仕事の合間に頑張って読めるかなとトライして何とか読了。2週間かかったデスヨ。あはは。…ちぇー。本業がフル回転なんだもんなあ。
 新装版ありがとう。目を酷使する仕事だもんで。このくらい大きくないと多分読み切れなかったです。

 で。

 うひゃあおもしろい。こりゃ確かに記録に残るだけのことはあるわ。久生(…ってこの漢字一発で出すのは意外に凄いなMS-IME)ちょームカつくんですけど(笑)。いやでもこのイライラ感は爽快。気持ちイイ苛つきです。変な言い方だが。

 鞭跡だの青薔薇だのゲイバアだの五色不動だの「色の部屋」だのゴーレムだのアイヌだの、ギミックが乱れ飛ぶたびに微妙に笑い出したくなるこの不思議な感覚はなんだろう。アンチミステリを標榜するんだから、全部が全部的外れなんだろうなあって思えてしまうことがちょっぴり残念だったかも知れないよなー。何も知らないで読めたらきっと、最後で色んな意味で超裏切られちゃってますます楽しかったような気がする。

 アンチミステリ、とは言いつつも、最後はちゃんとフーダニットやハウダニットが提示されて終わるのはなんだか。生真面目だなあみたいな印象。…とはいえそれは平成の感性なのかな。当時は、こういう形で「決着」をつけないと出版社が相手にしてくれなかったのかも知れないなんて。そんなことはないのかな。なんかこう、「キレイ過ぎる」感じ。

 私はうみねこ/ひぐらしみたいに、最後の最後まで「物語自体が嘘をつく」物語があってもいいと思っているのですけれどね。虚無への供物みたいに、最初から最後まで、嘘をついてますというのを明確に表現しながら嘘をつかなくても。
 「ちゃんと嘘をつこうとしている」から、亜利夫の立ち位置が空気みたいになっちゃって。特に後半(新装版の下巻)はホントにいてもいなくてもいいくらいになっちゃって可哀想な気も。

 あ、あと、映像化されてるんですね、凄いことに。超見てみたいのにソフト化されてない!! しかも説明見る限りやっぱり亜利夫が空気だ!!(笑) ああああもったいなぁい。見てみたいよう。川口まで行ってNHKアーカイヴスに張り付くしかないのですかー!? こんな作品こそオンデマンドの出番なのに。今、深津絵里、旬だし。どーだろ? ダメ? NHKアーカイヴスにあるってことは映像が残ってないってこたーないんだろ? DVD化する気がないんならソコで稼げよNHK。

固定リンク / 2010.9.11


図書館革命 / 有川浩

 この前の3冊はこの辺で書いた。

 丸ごと1本同じ話なのは初めてですね。最終巻に相応しいまとまり方になってるなあ、と思ったのに、別冊とか出ちゃってるのが唖然(苦笑)。いやまあ、いいんだけどね。それがエンターテインメント業界の常だし。
 郁が凄過ぎる。ここまで出来る隊員になっちゃってまあ。主人公だからいいんですけれど。
 それにしても先生が国際的な評価もある方だから良かった(?)ようなものの、国内の名もなきラノベ作家だったりしたら、出版社が見限って終わりそうな気がする。守られるべき作家か否かというのは、意外に現実的でシビアな判断になりそうな。
 この「事件」は、「図書隊側にとって」あまりに都合が良過ぎる感じはしますね。まあ、お話なんですからそうじゃないと困るのでしょうけれども。

 ただ、この本で描かれている事件、というか文書狩りのようなことは、検閲という制度が存在しないはずの今でも普通に存在していることなんだと思うのです。メディア良化法以前はどうだったのか、というのを先生が語るシーンは、如実に現在のこっちの出版業界に対する皮肉ですよね。こんなこと書いても大丈夫なのかなと思ったり、それを許したメディアワークスは偉いなと思ったり、…大部分の読者はそんなこと読み取ってないのかもと思ったり(ちらっと感想巡りとかしてると)。
 存在しながら表沙汰にならない「こっち」と、表沙汰になって喧嘩が出来る「正化」の時代と、どっちがマシなんでしょうね。メディア良化、デフォルトで暴力がくっついてさえいなければ、今とそんなに変わらないような気がして来ました。

 それにしても手塚兄。まさか図書隊側につくとは予想外。まあ、良化委員という判り易いヒール(悪役)がいるのに、わざわざ彼がヒールにならなくてもいいのは確かなんだけど。何かでかいこと企んでそうな人が、単に家族の確執の駒と広報担当者にだけなっちゃってるみたいでなんだか…ちっちゃくなっちゃいましたね。まあ、麻美の手腕もあると思いますが(笑)。

 恋愛方面は…まさかそんなトコまで行ってしまうとは。郁としては王子様と結ばれましためでたしめでたし、ってトコでしょうか。鬼教官カッコいいねえ。

固定リンク / 2010.9.4


サマーウォーズTV版

 録画見たのです。
 …最初に苦言から。やっぱタレント声優はいややー。テレビ局資本が入るとそうならざるを得ない大人の事情ってやつなんでしょうけれどもー。抵抗なかったのは富司純子さんくらいですね。栄おばーちゃんかっこええ。脇役はきっちりしっかりした人揃えてる感じしたけど、メインがなあ…。

 はい、苦情終わり。

 何にしてもまず。
 OZの造形がいいわあ。惚れ惚れするねー。あの世界観。アバターのフリーダムさもステキ。実際のところ、サマーウォーズの世界ほどネットがライフラインに食い込んでると、あそこまでインターフェイスがゴタついちゃうのは逆にウザいかもだけど、でもデザインが、線の細さが、色使いが、なんか好み。
 アバタもねー。今存在するアバターシステムって、何処のサイトでもすごくのっぺりして画一的でつまんないよねえ。1つのシステムの中でOZほど多様性があったりすると結構面白いのになーと思ったり。

 スタッフのところとか見ても、OZのデザインって誰が手がけたのか載ってないですね。美術監督さんなのかな? ジブリ系やっていた人みたいだから毛色が全然違う感じだけど。

 OZの戦い部分が、私にしては珍しく結構面白かったです。アカウントという「判り易い」被害、画面上でのビジュアライズも勝因だと思うのですが「見える」ようにしたのが面白かった。なんていうか、誘拐されてる、みたいなイメージで、ITくささっていうのを極限まで消した表現になってる感じがして。
 「敵」の設定も割にきゅんきゅんします。人が作ったものが、人がコントロール出来ない所で暴れる話、割と好き。うっとり。

 しかし…。
 テレビ放送のタイミング、元々決まっていたんでしょうかねえ。はやぶさ帰還とイヤなバッティングというか…(笑)。あまりにあまりになのでそこはちょっと笑っちゃいましたですよ。

固定リンク / 2010.8.28


高橋優「素晴らしき日常」

 あーとえーと。
 元々今日掲載しようかなーと思っていた記事をすっ飛ばして書いておきます。

 仕事はソーシャルゲーム作ることなんですが、ラジオ聞きながらキーボード叩いてます。そのラジオで1度目に流れた時は、このサビの入り方のメロディの展開の仕方が超好みーとのほほんと聞いてて。2度目に流れた時に「先進途上国」とか「いじめるつもりなんかなかった」とかのワードが聞こえるようになって気になって、3度目で言葉追いかけることに夢中になり。
 4度目は電気店の店頭で、ひかりTVの宣伝として音楽系チャンネルを流している時にたまたま出会ったPV。この時にやっと名前を知った。
 5度目。YouTube。そして陥落。ちなみに公式からリンクしてあるので不正動画ではないと思うな。多分。

 うわあ。だめだ弱いっスこういう歌詞。ヤバいヤバい。音楽(特に歌詞)でこういう泣かされ方をしたのはBump of Chicken以来。

 コメントで尾崎豊の名前が出てたけど、私は橘いずみ(当時。現在、榊いずみ。アルバム「太陽が見てるから」はかなりヘビロテな1枚)を思い出した。尾崎はどっちかというと社会が悪い俺は悪くないぎゃーなイメージ。橘いずみはハリネズミっぽくとげとげしてるけど基本は自虐と自省に堕ちてくイメージ。高橋優はどちらかと言えば後者の気がする。あまりアグレッシヴな感じではない。ただ、出て来る言葉たちはあまり自身を剥き出してなくて、タマゴの殻の表面に流れて行く滝みたいな感じがする。でも、その滝の源泉には確かにふよふよふわふわなヒトの弱さみたいなものが漂っていて。

 なんていうか。
 言葉の表層は全く個人的ではないのに、ものすごくパーソナルな世界を覗いた気分にさせられる言葉。
 ただ、最初にきゅんと来たのは、上でも書きましたが、あのサビの入り口。転調はしてないんだけど世界の色がちょっとだけ変わる感じのあの部分が好き。

 しかしなー。
 デビュー作だったのか。
 むーん。
 ………ちょっと様子見ます。どうもシングルって買う気がしないのですよねえ。気に入ったアーティストは最初っからアルバムで聞く方なので。で、そのアーティストとの相性を10曲前後聴いてみることで試すのが好きなので。
 収録されてるアルバムあったら即買いだったのになあ。
 どーしようかな。弱ったなあもう。もう少し熟すの待ってようかなー。

2011.7.30追記
 アルバム「リアルタイム・シンガーソングライター」買ってしまいました。しかも初回限定版。既に知っているのは2曲だけなので、他の曲も楽しみにしたいと思います(まだ全編通して聞けてない)。
 というか、何でこうタイアップが多いんだろう……。なんか、こーいうアーティストでもタイアップなしにはプロモーションが成立しないのかと微妙な気持ちに。この人、「歌力」だけでずしっと来るものがあるし、ネット時代では放っといても口コミで暴発するタイプに思えるのだがなあ。ううむ。

固定リンク / 2010.8.21


屍鬼 [Comic・小野不由美原作] / 藤崎竜

 おっけぇです。ありがとやんした。

 最初は…何故よりによって屍鬼をコミック化なんてバカなこと思いつきやがりましたか担当者!? という感想だったのですが、うーん、なんか気持ちが判った気がしました(笑)。
 漫画化すると、地図が見えるのですよね。今までも、考察サイト系で地図描いている人はいたんですが、物語上、いやでも必要になる分だけ判り易いのなんの。あと、出て来る人数が多い話ですから、小説では名前とか職業とかで頭の中で区別をつけるしかなかったのですが、やっぱりビジュアルつくのはすごいわー。担当者さんは好きだからこそ絵にしてみたかったのかも知れないなあなんて。

 割と、原作にこだわらずに好き勝手やってますねこの人、って感じですが、それでも、原作とは別物として、これはこれで潔く作品として成立してますね。いい感じに。原作と違う、というのが文句の方向じゃなく「へえこうしたのか」という方向で見てられる。うん。よき人選だったんじゃないでしょうかフジリューさん(他の作品は知りません。スミマセン)。

 キャラクターは多過ぎるので、イメージと違うとか合ってるとかいちいち判断出来るほど覚えちゃいない人も多いですが、メイン(夏野・静信・敏夫・沙子)辺りは…えーと…。
 ちょっと静信・敏夫の2人は若過ぎないだろうか…。
 敏夫はまあいいかも。元々熱血漢突っ走り系の部分がないわけじゃないから。でももう少し大人の方が良かったかなあ。静信は完全に「えー!?」と頭の中で悲鳴が。うーん…。私の頭の中では世捨て人キャラだったので、もっと達観しているというか老成しているというか、そういうイメージが強かったので、いい男過ぎてやだー(笑)。
 子供組はいい感じです。というか、子供描くのうまいですねこの人。

 コミック版は2巻までで既に原因(how done it)がはっきり描写されているし、沙子のあのシーン出してしまったからにはもうwho done it出たも同然だと思うし、原作で少しは存在したはずのミステリー要素はばっさり削って、閉鎖空間ホラーファンタジーですね。その割り切り方は悪くないと思いますです。じゃないとコミックという表現媒体の許容量(あるいは、読者層の脳キャパ)を越える。その判断は正しいと思う。

 そしていよいよ今夜からBSフジでアニメですね。どうやって終わらせるのかな。コミックまだ終わってないよね。先行しちゃうんだろうか。まあ、まったり見ますですよー。

2011.2.20追記
 アニメ班お疲れ様でしたー! 最近のアニメ界は、流血描写に対してちょっと過敏になっている所がありましたので、この作品についてはその辺あまり手加減して欲しくないなあとは思っていましたが、本当に手加減なしでしたね。潔いのなんの。うはははは。
 それにしても。まあ、アニメは時間的な制限が多いものですから、いろいろとばっさり切らないと出来ないことではありましたが、正志郎の行動原理とか、静信の心情変化とか、結構、鍵になる部分が書き込めてなかった気はちょっとする…。
 ただ。夏野が人狼化するとは(原作では死にっぱなし。ちなみに原作で明らかに人狼化が名言されているのは静信だけだった…はず)。ちょっと調べたらコミック版で既にそう改変してあるようなので、へー、と思うと同時に、そっちに持ってったのかーという気はしました。
 ……あ、そうか。だから屍鬼サイドに就いてしまう人たちが薄くなっちゃったのかも知れないですね。この展開だと、ある意味、夏野がメインヒーローだから(敏夫までもコントロールしたことになっちゃってるから)。
 コミック的な展開という意味では正しい、のかな。そうなのかも。屍鬼を狩る側が圧倒的に「正義になり過ぎてる」作りに矯正されている感じはした。
 静信は(昔書いたけど)原作でもかなり「視界の悪い」キャラクターなので、もーちょっと補完してあげても良かったような……気は……します。あと1歩。人間側は夏野と敏夫の2タッグがあるので全く不足感はなかったでありますが。

固定リンク / 2010.8.14


コズミック / 清涼院流水

 世に言う「壁本」(読み終わったら壁に投げつけたくなる本)と言えば清涼院流水、という評判を聞きつけて挑戦しました。ちなみにノベル版。文庫未見。
 ページ数の割には楽でしたよ? 気づくと、のべ5〜6時間で読み切っちゃった気がする。
 賛否両論がすごい極端という噂は知っていたし、賛否の「否」の方の人たちの反応が極端にヒステリックな感じがしてました。傍から見ると。でも、そうさせるだけのパワーがあるっていうのはスゴいことだと思うのですよ。逆にね。
 で、私はと言いますとー。
 拍子抜けです。もっとひどいかと思ってたよ?(笑) 賛否どっちかにつけと言われたら「賛」につきます。というか、「否」の人たちは、楽しみ方を誤解なさっていた、それだけですね。海外の人が納豆食べちゃったみたいなものかと。とっとと忘れるに限りますよ。こっちはこっちでクチャクチャニチャニチャ糸引いて楽しんでますからほっといて下さい、っていう感じです。

 ----で。
 こんな感想は少数派かも知れませんが、文体が美しいなーというのが第一印象。どんだけヘンタイな書き方をしているんだろう、という、そこからしてもう覚悟して読み始めたからかも知れませんが、クセがなくてするするするする入ってしまう。意外に没個性でイロがない感じ。客観性が高いと言いますが。
 それだけに長さを感じなかったです。こんな厚さだったことが今見ても信じられない。
 逆説的に言うと密度が薄いとも言いますが。
 でも、構成は当然、アホかこの人、というくらい個性的ですがね……。ムダな遊びが多過ぎるけど、それが物語を構成するための部品としては多分ムダではないんだろう。そんな感じはちゃんとします。イロイロと。

 走るのは早いし基礎体力もあるけど、野球のルールを誤解して派手にミスして試合に負けてる、でもその動きは結構オモロイ。野球だと思わないで見てる分には楽しい。だから憤るより笑えて来る。そんな感じの小説でした。あ、いや、大説なんでしたっけ。小説じゃなくて。

 しかし人物描写が美し過ぎるなあ(苦笑)。このリアリティの「なさ」がスゴい。マンガ的という評は見たけど、小説でしか出来ないことをしてますって、このヒトは。
 新天地ですね。これに賞を与えたくなる審査員の気持ちはかなり判る。磨くだけの価値というか、原石のきらめきというか、そういうものは確かにあり過ぎる。

 こんなのミステリーじゃない、という意見には否、と言えるかも。私自身は「ミステリーとして」読みましたですよ。結末が何処に落ち着くのかを想像しながら読んだのです。
 私みたいな鈍い読者でもほんの一部ですが正解には辿り出来たし、かなり作者としては「優しい」書き手ではなかったのかしら。少なくともこの話では。

はい、========== ネタバレ結界スタート ==========

「読者への挑戦状」の時点で、私の中にあったのは、というか、多分九十九はそういう結論で動いているんだろうな、と思ったのは、
・事件自体が狂言
・ふつーに超常現象
 のどっちか。ただ、狂言説の方は、私は、事件の全てが100%完璧に狂言で(事件を捜査したとされる警察関係者も、マスコミも、全部が全部狂言で)、実は誰も死んでないんじゃね? と思ってた。さすがにそれは穿ち過ぎでしたゴメンナサイ。でもそこまで行っても良かったんじゃね? と思ったけどな。読後すぐは。これだけ殺人事件だなんだって騒ぎながら、実は誰も死んでませんでした! なにー!! みたいな。

固定リンク / 2010.8.7


お。akinatorが日本語化してる

 kizasi.jpでちらっと検索すると、すげぇすげぇとみんなして大絶賛過ぎるのが微妙に面白かったりします。Webサービスを作る側に立っていると、akinatorがどうやって動いているのか、詳しいことは判らないまでも、何となく概要は理解出来てしまうので、こうやってブログとかで広まれば広まるほど「正答率」が上がって行くCGMなんだから、まあ、すげぇと驚くとすれば、英語版の時から日本人遊び過ぎてるなァ(こんなデータ集まるほどに)って方がすげぇですな。akinator自体が凄いってワケじゃない。
 何回もやってると、「誘導質問」が見えて来ますしね。法律関係でゲームキャラで赤い服とか。で最後に「主人公と敵対」がYesなら御剣、Noなら王泥喜、みたいな。「面白い名前」は西尾維新誘導スイッチ、とか。

 この手の人工知能は昔、何処かの大学教授が、Webのかなり初期の頃に実験的に開設していたサイトがあったはず。その時は人物に限定せずに、エンピツだの鍋だの、なんでも良かった。で1つ思い浮かべて質問に答えて行くと、30問以内でその「モノ」が何だか当てる、というような説明だったと思う。その時もなるほどねーと興味深く見てました。
 akinatorはその発展だというだけなので、「目新しい」技術ではない。ただし、ジャンルを人(キャラクター)に限定した発想は純粋に天才だと思った。だって、それだけで質問の種類を格段に減らせるわけなので。

 メジャーキャラはデータが揃い過ぎていて普通に正解されちゃうので、普通に正解されなかった、つまりまだまだ調教(?)のしがいがありそうだったキャラをぽつぽつ書いてみよっか。
 ただ、蒔雉カコは当てられたのよ。あ、ありえない。誰か集中的にakinator調教した人がいるんじゃなかろうか…。

リト・リンフェル
 剣を使う、魔法使い、剣を使って戦う、とファンタジー系質問集中攻撃されたんで、たぶんいい所までは行ったんだけど辿り着けてなかった。ただ、降参後の候補一覧には名前があったので、もうちょっとで当てられるようになるかな?
 てゆーかリト難しいですよね。「剣を使って戦う」はYesなんだけど、振り回して人を斬るわけじゃなくて、媒体として使う「魔法使い」だからなあ。「剣」関連の質問で武闘派キャラに迂回されちゃってる感じがありありだったので。

鴛時ミライ
 で、ショックだった。カコが一発で来たのにミライは外した。降参後の候補一覧にもなかったので登録して来た。や、やっぱおんなのみりきは26こえてからなのか。そうなのか。

沢嶋雄一
 いやまあ、無理だとは思ってましたよ。案の定掠りもしない。降参後の候補一覧にもなし。登録して来た。
 ただ、沢嶋目指してた時に気付いたのですが、現在のakinatorはやっぱり極端にアキバ系キャラのデータに偏り過ぎてる感じがしてます。これはユーザーがそうなんだからしょうがないけど。マンガ・アニメ・ゲームなどのアキバ系質問にことごとくNoで答えていると、「テレビシリーズに出てる」「黒髪」「日本人」「主人公」「眼鏡かけてる」で8割くらい鷲津政彦(ハゲタカ)に誘導されちゃうんですよ(苦笑)。もう何回見たことか鷲津。実写系フィクションキャラで眼鏡と言えば鷲津なんだなあ日本のネットユーザーは。あははは。これはこれでなんかこう、日本人の思考が仄見えて面白い。いやまあ、私も好きですけどねハゲタカ。

固定リンク / 2010.7.31


経済学モテ期到来

 まおゆう読んだらそんな気がしました。

 和製RPGの世界観で、「経済屋」の魔王と「伝統的(?)」な力押し勇者が世直しをしようとする物語、みたいなものなのですが、この物語に於いて「結末」を導き出すために実質的に「動いた」のは実は経済屋範疇の人々ばかりなのですよね。商人ギルドである『同盟』、修道院組織。そして一滴の血も流すことなく、交渉だけで兵を退かせる選択肢を模索するあの人。
 力で「勝ち」を取ったとしても、それで戦いが終わるというのがナンセンスなのは歴史が既に証明していることなのに、様々な物語の魔王と勇者は、最終的にボス戦という名の力押しで解決をしようとする。そのバカバカしさを「ちゃんと」吹き飛ばす物語は、今まであるようでなかったのかも知れないと思ったのです。

 ただ、経済屋ゆえの理屈っぽさが「受け容れられた」のは、今の時代だからなのかなあとは思います。
 今、経済学がちょっと密かなブームになっている感じがするからです。
 ……何がきっかけなんだろうなあ。ドラマ「ハゲタカ」もブレイクスルーだったし、明らかなブースターは例の女子高生ドラッガー本と、それに引き摺られるように地味に売れ続けているドラッカーの「本家」やエッセンシャル版でしょうかねえ。
 その後もNHKは監査法人やら出社が楽しい経済学やら、経済学メインの番組をちょこちょこ作ってますが、さすがのNHKも、ハゲタカ以前はここまで露骨に経済学エンタな番組は量産してなかったと思うのですよね。ってか「出社が楽しい経済学」は3期欲しいなあ。ぜひ。今、結構チャンスだと思うんだけどなあ。

 日本も含めて、色々と世界が経済的に危機に陥っているからこそ、そうとは意識せずにマクロ経済学的な視点を持つ層が、学者だけでなくふつーの人でも、厚くなって来ているのかも、という気がします。
 労働問題とか、農業改革とか、豊かさは富の集中ではないとか、んなことはきっと、ここまで経済がドン底でそれをしかも身近に「実感」してないと、なかなか掴めないというか、スルーされてしまう部分なんじゃないかと。
 まおゆうはある意味それがキモなので、そこら辺が理解出来ない人にはこの物語は面白くはないはずだ。うん。
 ワーキングプアで喘いでいるような人は変な琴線に触れて来るものがあるような気がする。私も含めてな。
 だから、この物語が判らない人や面白くない人というのは、きっと、多分とても幸せなのだと思います。苦しさを知らない人には、楽しめないお話なのかも知れない。

追記 : サイトなくなってるのでリンク削除。

固定リンク / 2010.7.24


化物語アニメ

 うへえ。久々だ。連続アニメカテゴリ。私はBSJ+ネット配信で消化。
 やっ…と最終話まで来ましたね。ホントお疲れ様でした。この遅延ぶりを後から振り返ると、オンエア当時ちゃんと1週間に1本出ていたことが信じられない。どうやってたんだマジで。
 で終わった途端にMAGネットのOPが完成しちゃう辺りがすごい露骨。あっはっはー。

 それはどうでもよくて。

 映像化不可能とは確かに言われていましたが、それを誰かがお金出して映像化依頼するとしたら、いやまあ、確かに新房昭之&シャフト以外にゃ頼めないだろうね。ああそうでしょうともさ。というか、この時代に新房さんが生まれてなかったら絶対にメディアミックスとか出来ないシロモノだったと思います。原作者さまの言うとーり。

 ただそれにしても、ちょっとここまですごい勢いで(商業的に)成功してしまったことは意外な気もした。

 原作はげっそりするほど王道キャラクター小説だ、と私は思っていたので、ヘタな人の手にかかるとただのキャラクターアニメに堕ちて終わるだけだろうなぁとは感じていたのです。
 まぁそれが商売だからしゃーないとはいえ、日本のアニメイコール萌えキャラアニメみたいな取られ方をされてしまうのはすんげー悔しかったりもするのですよね。
 ただ、実の所、商業的に成功しちゃってるのはハルヒであり、らき☆すたであり、けいおん! なわけで。ジャパニメーションって結局ソレなのか、というのは、アニメというジャンルがそれなりに好きな私でさえもちょっとげんなりするというか。

 アニメーションという手段はそんなに「狭く」はないはずなんだけどなあ、という違和感。

 だから意外に感じはすれど嬉しいことでもあったのです。
 ここまで変な意味で「凝りすぎ」な絵作りがちゃんと商材として成立し得たということが。

 文字をやたらと挟み込む手法はあまりに「原作通り過ぎて」最初っから茫然としました。なんというか。小説だと隙間なく文字で埋め尽くすのは当たり前なんだけど、アニメだとそれを単純には出来ない。でも化物語は、というか西尾維新は、やっぱり「言葉が過剰に溢れた」作品であるわけで、その辺を表現するために最適化された映像という感じはすごくしました。

 あと線が赤いのも。
 本の装丁もですが、化物語は全体的に「赤い」物語だというのは原作読んでいた時から思っていたことだったので。
 まさに「ツボにはまった」感じがした。

 アニメ独自の付加要素も結構きゅんと来ましたのです「能力」使う時に暦の目が赤くなるのとか。
 暦は基本的にドカドカ血を流す役目ですが(ひでえ)、残虐シーンが全体的にすごく「ドライ」なのも「らしい」。暦にとっての流血沙汰は所詮「その程度」のものであるわけなので。

 あとこれは全然関係ないけど、放送中はiidaのG9が欲しくて欲しくてたまらなく…(暦のケータイ。モデルはG9だと思うのですが)。結局SH004にしちゃったのはiidaラインナップは全体的に電池が電池が電池がぎゃあああ、と聞いたからなのですが、SH004も電池が電池が電池がぎゃあああ。素直に買っても良かったかもなあ。

 ちょっとだけ残念だったのは、女子の声優さんがあまりに「定番」過ぎたことかなあ。まあ監督が新房さんだから仕方ないのかも知れないけど。既に固定のイメージがついている人過ぎて。映像の飛びっぷりに比べると「安定しすぎていて」つまんない感じがちょぴっとだけ。特に羽川。

固定リンク / 2010.7.17


うみねこアニメ

 BS11サマサマなのですよ。にぱー。
 うーん。なんかもう。超無理矢理映像化した感じですなあ。
 てかスタッフの皆様もすげぇやりにくかったでしょうねえ。ひぐらしの映像化は「真相」がちゃんと見えた後だったから全体の構成とかも考えやすかったでしょうけど、うみねこはねえ。原作派にだって、着地点が何処なのか未だに全く判らないままですもの。
 うまく言えんが、なんつーか、商業的な思惑しかないんじゃないだろうか、みたいな感じがちょっと。その割に商業的に成功したとは言えないだろうしなあ。そんな売れてないよなあきっと。シーツばっかり話題になっちゃって(それもどーかって感じだけど)。

 ただまあ、動いてるキャラを見たいワ的需要はちゃんと満たしていたと思いマス。というか。
 なんでアニメのキャラたちはみんなしてあんなムッチムチなんでしょうか。フトモモが。戦人が原作で「フトモモねぇちゃん」呼ばわりしているのがそもそもの元凶なのか。フトモモとか、オシリの「は、はいてない!?」みたいなどアップとか、ガァプ姐さんのアレとか、そんな下半身ばっかり力入れ過ぎじゃないのかスタッフ。
 いやまあ、そういう方面しか力入れるトコなかったのかも。なんか変に申し訳なくなってしまうのは何故だ。
 だから向いてないって思うんですけどねえうみねこは。アニメに。
 二期とかホントやめときなさいって。原作者はあえて言いやしませんけど、どう考えてもメジャーメディアにケンカ売ってると思いますよ?(笑) キャラ買いアキバ系のサイフからお金落とさせるためだけに作るにしてはリスク高過ぎたと思います変態ヱリカ様は。

 声優さん豪華過ぎ。原作者の思惑だったら仕方ないけど、皆様イメージが既にあり過ぎる方々ばっかりなのが逆にちょっと辛かった面もあり。
 ……小野大輔さん戦人ちょい苦手。カッコ良過ぎて。もっと突き抜けた感じがある人の方が良かったなあ。おっぱいソムリエとかねえ。
 てか、戦国BASARA(こっちでもハガレンの後番組だ…前作、深夜だったのに…何この出世)の保志さんをぼんやり聴いてると、圭一が超懐かしくなりますね。かぶっちゃうから無理だけど、前半(EP4まで)だと保志さんカムバックな気分がちょっと続いてた。
 私にとっては、戦人についてだけは飛鷺さん(※サイト閉鎖によりリンク削除)最強かも知れん。※あくまで個人の感想です。
 (ただEP6のGM戦人は小野さん似合いそうではあるかも。でもあれをアニメ化は作る方が拷問だよなあきっと。)

 魔法陣営女性陣はいいねえ。ベアト最強。ガァプ姐さんもステキ。にぇにぇもかーわーいーいー(悶)。410の喋り方はもう。もう。語尾に「にぇ」だけなのになんであんな可愛いかなーもう。
 男性陣は、主役級はみんな無難だなーと思ったけど、天草が遊佐さんの声で喋り出した時は「おおかみかくし」思い出して吹いちゃいましたごめんなさい。EP6のあれからして。竜騎士作品は「悪役」に遊佐さん持って来るのが好きなのかなあ(アニメ内ではまだそこまで出て来てないですけどね)。いやまあ。私も好きですけど。遊佐さんの悪人声。

 ……みたいに声優ヲタ状態になり下がっちまいましたよ。ぶうぶう。コミックやってる方々はものすごい突き抜けてるだけに、アニメの「無難さ」はつくづく。……まあ。ここがテレビの限界だわな。恐らくはね。

 一点だけ評価しちゃうのは音楽だね。原作使用曲そのまま持ってったのはグッジョブ!! もう……もう……もう……きゃあああ! なハイテンションになります。やっぱ(原作の)音楽はいいねえ。

固定リンク / 2010.7.10


銀色の日。

●メイズプリズンの迷宮回帰 / 上遠野浩平

 タイトルがネタバレじゃん(ソーキの「最期」の)、と思った。

 オチがストレンジデイズ誕生か、と書いてた人がいて、あーそうかも、と。
 ……んー。ただ、前のシリーズを全部読み返す時間がないのでぼんやりぼんやりですが、有香のラストシーンの変わりようが、あれ? って感じでちょい消化不良。そんな人だとは描かれていなかったはずだけど。だからまあ、うん、ストレンジデイズとはまた何か違うような気がするのと、彼女も「モード」持ちなんですかね……そうじゃないと、あのラストだけ、明らかに別人なんだもんな。
 ただのMPLSならサーカムが目をつける必然性がないような気がするし。
 うーん。
 ごめん消化不良。か、(シリーズの)読み込み不足か。ストーリー内で、有香絡みはほどんど有香視点だから、なのかも知れない。「外側」からの描写が入ってそう見えるってことは、最初からそうだったのかも知れないけど、でも読者にはそれを知らされるチャンスがなかった気がする。データ不足感。

 個人的にはリミッター解除千条くん萌えでした。今回(←身も蓋もない)。
 久し振りに非人間萌えのツボがカチッと。いや人間なんだけどサ、彼は。
 とはいえ、扉絵がネタバレだっちゅーのよ。あれはちょっと苦笑したっちゅーのよ。いや、私は好きですけどね。好きですけど。わくわくしたけどさ。でも純真にストーリー追っている人だと、扉絵で既にリミッター解除予告しちゃってるわけで。なんかこう。あんな段階からは知りたくなかった人がいそうな感じ。もったいないなーというか。

 あと、すごくどうでもいいけど、ペイパーカット実体(?)の描写が巻を追うごとにどんどん派手になっているのはどういう仕様なんでしょうね(笑)。最大公約数的には単なる銀髪のおにーちゃんだったのに、金属的って。その言葉の選び方は。むぅ。麦田視点と有香視点で出て来るから、どっちかの、というか有香の特殊能力上の「見え方」ってわけでもなさげだし。
 まあこの辺もまだ謎の一部なんだけど、ペイパーカットって自身の外観を自ら変えているんじゃなくて、見る人の認識が歪んでしまうんだと思ってたんだけど、違うんすかね?? じゃないと「あなたには私がこの姿で見えるのよね?」の説明がつかない……よね?(不安) 麦田刑事の焦燥感の重なり具合からすると、彼視点では、タニさんたちみたいに、かえって印象が「薄い」方が理に適ってる気がしたんだけど。

●トポロシャドウの喪失証明 / 上遠野浩平

 トポロスの影、ですか。ふむ。

 それにしても「シリーズ長期化フラグ来たー」って感じなのですがイーミヤ。前任者出て来ちゃいますかそうですか。でも謎な死に方しちゃったけど。事件性なしと判断されてるってことはペイパーカット被害者の中には入れられてないのですね? そうなんですね?
 てゆーか今回、紙切れ(ペイパーカット)じゃないし! シリーズ進んで行くたびに、超高速でアイデンティティが崩壊して行くペイパーカット。まあ、紙切れ呼ばわりなのも「こっち」側の勝手なんで、実際は別に紙切れである必然性はないんですよね多分。伝わりゃいいんだろうから。
 それにしても、何でトポロスの中に仕込んじゃったんでしょうね。ちゃんと機能しているということは、ペイパーカット側から認知されていることは間違いないのでしょうし。
 今まではメッセージはペイパーカット本人(?)が作ったと思われてますが、今回はそれも崩壊しましたね、あっさり。
 作り手ではない可能性もある。ただ、メッセージの存在を認知はしなければならない気がする。
 今回のなんて、どうなんだろう。彼(or彼女)はイーミヤの作品によって、不本意に呼び出されてしまったのでしょうか? それとも、彼(or彼女)が来るべき日のためにイーミヤの作品に「入力」したのでしょうか?
 彼(or彼女)の出現は誰の意思? それともあの死神に同じく「自動的」----うーん、それはないかな。自身の意思だけじゃなくて「召喚」されうるモノだとしたらちょっと面白い。唯一召喚に成功したイーミヤは死んじゃったわけだけど、生きていたとしたら(そして彼女の召喚なのだとしたら)狂喜乱舞だったかもね。オプとしては。

 好きなシーン。雅人が伊佐にロジカルに説得されて行動を共にすることを決めた辺り。面白いなあ。伊佐がちゃんとコントローラ握ってる感じで。独特のクセがあるコンピュータを扱い慣れてるオペレータ、みたいな感じに見えなくもないけど。

 「"銀色"」。わざわざそう表現するんだ。……鏡メタファー?
 伊佐の姿に見えるというのはちょっと謎。今までって「"銀色"」じゃなければ、そもそも「印象に残らない外見」であることが多かった気がするのですが。ここまで具体的に「他の誰かとして」出て来たことなんかありましたっけ。
 彼(or彼女)は、「"銀色"」として記憶されること、他の誰かとして記憶されること、記憶されないこと、の3パターンがあって、どっちにしてもその「他人からの認知」を彼(or彼女)の方も知覚出来ているんだよね。それも不思議。やっぱり鏡っぽい。この世界にある、具体的なモノとしての鏡ってわけじゃなくて。性質がってことね。

固定リンク / 2010.7.3


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