と言ってもJava/BREWアプリじゃなくてWebアプリ、テキストベースで。
絵が描けないからねー、私は。
最近のケータイゲーム、特にアドベンチャーは、げっそりするような閉塞感にまみれて来てるなあ、と何となく感じます。脱出ゲーか探偵ものか恋愛ものか、しかも定石に近いようなものばっかりになって来てしまってる印象。
というのも、ケータイゲーマーは基本的にゲーマーではない、というのが前提になっているからだ、とは思う。
少しでも難しいと投げ出されてしまう。単価が少額なので、アプリケーション提供側からすると、飽きて投げ出されるのが怖くて安全牌を取ってる感じがします。
自分で仕事で関わっているWebアプリも、対象がソーシャルゲーマーだというのもあるからかもだけど、とことんライトゲーマー向けにチューンする作戦が現在絶賛進行中で、これでもかこれでもかと、バカげたくらいに難易度下げることに熱中している雰囲気。まー、私はディレクターじゃないからー、言われた仕様で作るだけなんですけどネー。
…でも、アドベンチャーについては。
どんなゲームでも基本は、「選択肢を選んで最上のエンディング目指す」のが目的であることは変わらない。その過程がどうなのかってだけだ。
ケータイ向けのアドベンチャーで、単に選択肢を選ぶだけで終わらないゲームというのがいくつかあって。
私がプレイしたもので上げるなら、
・サイコミステリーシリーズ
auは物語が終わる前に開発を打ち切られてしまった悲劇の刑事モノシリーズ。てか今までのアプリを新機種に移植くらいやってもいいじゃん。せめてオープンアプリにしよーよ神宮寺@モバゲーみたいに。買うよ? マジで。
…逸れました。
シリーズの主人公・遥は「未来視」という特殊能力を持っていて、ゲーム内でそれを使って、この先に起こることを垣間見ることが出来る。それを情報として持っているかどうかがフラグになって解決への道が開ける。
ANOSに割と近い。使うのは「未来視」一択だけど、使う回数に制限あり、制限越えるとバッドエンド。で、何処で使ったらいいのかというのがキレイさっぱりノーヒント過ぎて、これは攻略情報なしにクリアする人すげーだろとしか言えない。
一作目だけは主人公が遥じゃないけど、進行のために「記憶」と称して、選択肢以外の要素を切り替えないとならないのは同じで。これがさらに輪をかけて面倒だった。鬼のような難易度(ケータイでは)。
……ただ、元々ゲーマーだった人にとっては、これくらいの難易度がなければゲームとは呼べないよねと思う。思うから余計に、なんで他のモノが残ってサイコミステリーシリーズが終わるんだ。納得出来ないなー。という気分にはなる。
以前も書いたが、開発中止されて結末を知るチャンスが与えられていないとしても、それでも好きだよ。うふふ。最終話は派手に人殺し祭りだという噂だけは聞いているけど。いつか出来たらいいんだけど、生みの親が作品という子供に愛情を注げなくなってしまっているのかしら。ものすごい打ち切り感だったから(サイトのコラムが)。
つか、開発止めるくらいなら「お嬢さんをボクにくださいっ」な気分になるよなあ。チクショウ。auの場合はBREWがガンだと判ってるんだから、とっととBREW捨てちゃえばいいのよネ実際。いいゲームなのに。こんなことで埋没させたまま終わらせる気なのか。せっかくの資源なのに。ぶー。
・花宵ロマネスク
恋愛ADVなのですが、私のプレイ動機はシステム萌え。
同じく、基本は選択肢なのですが、「ロゴス」と呼ばれるキーワードシステムがあります。これはANOSとは逆で、隠れ分岐出現のため「何処でキーワードを使うか」は誘導されてる。キーワード使わないと先に進めないわバッドエンドだわさあ大変。
キーワードは当然ながら、そこに至るまでに予め入手しておかなければならないわけですが、その「入手側」のタイミングが、これまたげっそりするほどノーヒント過ぎて死ねる。
当然、キーワードを「入手する」行動には回数制限があり、総当たりでやればいいだろうというのは通用しない。
なので、いざ「さあキーワード入れたまえ!」と入力ボックスが出現しても、それまでに入手していなければアウト。戻れないので、そのプレイはバッドエンドで確定せざるを得ない。
この手遅れ感。
しかも、キーワードを「入力する」ボックスが出るのだ。つまり、手でわざわざ自分で文字を打たなければならないのだ。キーワードの一覧が出て来て、行き当たりばったり選んでまぐれ当たり、じゃないのだ。キーワードを、ちゃんとプレイヤーが把握していなければ先に進ませないのだ。
ただし、入手キーワードの一覧画面は一応ある。だから最近の機種ならコピーペースト出来るんだろうけど。
どっちにしてもハードモード(ケータイでは)。
萌えるねえ(システムが)。
「システムが」印象に残ってる代表はこの2つなのですが、いずれにしても言えるのは、ケータイというライトゲーマー・フィールドでは、どちらもちょっと難易度が高過ぎるんじゃないか、ということ。
自分のようなマゾいADVプレイヤーはともかくとして、ふつーのケータイ・ゲーマーはついて来ないよなこれじゃあ、という気はする。
攻略情報を探せるようなスキルがある人だと、結局その情報通りに辿るだけの作業ゲーになっちゃう。ADVゲームにおいて一番嬉しいはずの「達成感」があまり楽しめない気がして。
で、タイトルに戻るわけですが。
(だらよ3※以外の)ANOSのゲームバランスはすごく絶妙。攻略情報は基本的に必要ないように出来てる。解こうとする意志があれば。
で、当然ですが、記憶管理システムの存在は総当たりを許すほど狭くはないから、自分で考えて選ぶ、考える、推理する楽しさをギリギリの所でユーザー側に渡しているのがすごいなあといつも思う。(ただだらよ3※は例外。あれだけはちょっと初心者に優しくない)。
このゲームバランスはケータイのフィールドに持って行ってもウケるような気がするんですよね。
なんだかんだ言ってANOSのシナリオはどれも「親切」だから。入手キーワードは赤くなるし、使うタイミングもかなり判り易く知らせてくれているし。
シナリオ本体はかざみみかぜ。さんのものだからパクったりしませんけど、システムをWebアプリでケータイ向けに再現してみたら面白いかなぁなんて妄想をしながら仕事してます。
もしシステム化するとして。
記憶管理システムの再現は花宵(同じくWebアプリ)が既に実現している仕組の応用で結構すんなり行く、と思う。
問題はANOSによってシナリオを自由に遡れるアレ。アレが出来ないとANOSじゃないわけですが、しかしケータイであんな風にシームレスに行きつ戻りつはインターフェイスからして無理過ぎる。スマートフォンなら行けるかもだけど。
で、代替案として考えたのは「歪みの国のアリス」形式。
アリスでは、True以外のエンディングを迎えた時、Trueに向かうために必要な決定的な選択を間違えた箇所まで、ワンクリックで戻ることが出来る。
ANOSでも、石使ってシナリオを行きつ戻りつした時に、未読ポイントや記憶管理を使うべき場所に来ると例の「カチッ」が来るわけですが、この「カチッ」のポイントを、記憶管理などの隠れ選択肢ステータスが更新されるたびに裏で更新してあげればいいのかなと。
シナリオ中、「少し戻る」「少し飛ばす」の選択肢が、常設メニューとして出ている。シナリオの読み進めを止めてそれを選ぶと、「カチッ」のポイントまで自動で巻き戻り/早送りをする。
プレイヤーは、戻った/進んだそのページを読み直して、記憶管理のセットを考え直したりして、またシナリオに戻る。
そんな感じ。
意外に行けちゃうかも。
……とはいえ、本業がすごいことになっちゃってるから、今のところやれる見通しはないのですが。
「PCゲーム」はまだ敷居高いからなあ。ケータイに下りて来ると別の世界が見えて来る気がするんだけどなあ。…でも今のケータイ業界はある意味消耗戦だからなあ。自転車創業さんにおススメしたいとは思いませんけどねえ。だからやるとしたら個人が趣味でコツコツとなんですけどねえ。
固定リンク / 2010.6.26
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