TSN-884双眼 Part. 1

9cmフローライト双眼、正立像、25〜60×(96×)倍率可変、質量4.1Kg!

公開:2018年7月17日〜
更新:2021年
11月2日 *本機を手放しました

ハイランダーに続くもの (2018年7月17日)

 ハイランダーという極めて優秀な双眼鏡があるが、アイピースの交換が難儀。Kowa TSN-883 を大口径ドブのファインダーとして使ってきたが、その後進化し、優秀なズーム・アイピース、さらにエクステンダーまで出た。こうなると、TSN-883購入時に考えていた直視型TSN-884による双眼化が、ますます現実味を帯びてくる。
 私には小型・軽量の125SD-Binoがあるので、これ以下の口径は、直視型の双眼鏡で目線を統一したい、という思いもある。最近、TSN-884を格安に手に入れることができたので、ハイランダーを手放し、TSN-884双眼の可能性を探る道を選んだ。

 EMS対空双眼鏡で使用したフレームは優秀。今回も、まずこれで組んでみた。心配なのは光軸。組んで見てみると、少しずれている。ところが、ずれている方向に鏡筒をくいっと力を入れて 光軸を合わせた後、さっと手を離すと、後はピッタリ合ったまま。つまりは、全てのパーツの精度が極めて優秀!

 
SUNWAYFOTO DPG-210 と K-ASTEC DS38

 ちなみに、Amazonで UTEBIT という DS38 と似たアルカスイス規格のクランプが送料込みで¥998であったけれど、これは精度が今一だった。DS38は、ネジも各種付属していて、さすがはK-ASTEC! 目幅は、クランプの移動で自在だが、鏡筒の回転でも合わせられる。鏡筒をフレームに固定すれば、運用による光軸のズレは防げる。

 
フレーム幅いっぱいに鏡筒を広げて固定した場合(左)と狭くした場合(右)。直視型なので、鏡筒の回転で目幅を合わせられる。


 倍率、実視界は、当然ながらTSN-883と同様。

  口径 f 焦点距離 倍率 実視界 見掛視界 アイ・レリーフ 射出瞳径
TSN-883

88mm

5.68 500mm          
TE-11WZ     20mm 25 2.4° 60° 17mm 3.5mm
    8.3mm 60 1.3° 79° 17mm 1.5mm
TE-11WZ+Extender     12.5mm 40 1.5° 60° 17mm 2.2mm
    5.2mm 96 0.8° 79° 17mm 0.9mm

 ハイランダーは

アイピース 焦点距離 倍率 実視界 見掛視界 アイ・レリーフ 射出瞳径
21XW 21mm 21 63° 17mm 3.9mm
32XW 14mm 32 2.2° 70° 20mm 2.6mm
50X 9mm 50 1.3° 67° 15mm 1.6mm
Meade UW 4.7mm 95.7 0.86° 82° 4mm 0.9mm

 ハイランダーは、21倍で実視界3°からだけれど、TSN-884双眼は、25倍で実視界2.4°から。しかし、ハイランダーでは、32倍、実視界2.2°からの使用が多く、この点は問題無い。ただ、見掛け視界がハイランダーでは70°なのに比べ、TSN-884双眼では60°と狭くなる。ここは出来れば広い視界が欲しいところだ。以前は、TE-17Wというアイピースがあって、これだと30倍、実視界2.4°、見掛け視界72°と素晴らしい世界となるが、今は発売されていない。 手元には1個あるだけで、双眼に出来ないのは残念だ。

 反面、ハイランダーでは、50倍、実視界1.3°、見掛け視界67°に対し、TSN-884双眼では60倍、実視界1.3°、見掛け視界79°と圧倒。何と言っても、TE-11WZというズーム・アイピースで、ハイランダー3個分のアイピースをカヴァーするのが凄い。しかも連続可変。そして、ハイランダーの面倒なアイピース交換から解放される。さらなる倍率はハイランダーの場合、Meade UW で96×を得ていたけれど、今度はエクステンダーで96×まで連続可変。欠点は直視型。天頂は、時間が経って降りてきてから見れば良い、と割り切った。

 ケースは? WXで採用したB&W社のケースが優秀だったので、同じく B&W社の5000を採用。対物キャップ(ハイランダーはネジ式だったけど、こちらはクリップ式で着脱楽ちん)と接眼キャップをはめるとケースとピッタリとなるが、接眼キャップを外してケースと本体の間に隙間を作って収納することにした。隙間のスポンジは、まだ埋めていない。架台を換える可能性があるので。

 さて、重さをハイランダーと比較。ハイランダー本体+アイピース3個+ファインダーで7.15Kgに対し、本機+ズームアイピース(ファインダーはスコープ・フードの照準器でOK)で4.09Kgと、約3Kgのダイエット。口径が6mm増加しているのに、これは驚異的! 口径約9cmのフローライト双眼、正立像、25×〜60×倍率可変で4.1Kgですぞ! 普通なら、鏡筒1本で4Kg 越でしょう。
 ハイランダー一式を純正トランクに入れた場合、総重量は約11Kg。ちょっと重い。長い距離は持って歩けない。本機は、約7Kg。取っ手も良く、持ち運びも断然楽になった。
 

 雲台は、以前からいろいろなものに使用してきた GITZO G2380。Nikon WXと兼用となるのでちょっと不便。本当は、この884双眼の上にWXを装着し、肉眼→10×→25〜96×と同じ視線で行きたかった。ハイランダーの軽量マウントを利用して884双眼をフレームの下側に吊るし、上にWXという形。しかし、そう単純には組み上がらない。継続して模索していく予定。EMS対空双眼鏡に使用していたManfrotto 502AH は相性が今一で、微振動が生じる(抑えられない)。

 実際に見ると、優秀な、いや極めて優秀なTSN-883の双眼だから、悪い筈が無い。25×で導入して60×で観望する感じで、中間倍率はあまり使わない。

 さて、本体がハイランダーより3s軽くなったと喜んでばかりいられない。ハイランダーは、松本式軽量マウント835g + 三脚で稼働する。884双眼は、雲台:GITZO G2380 を使うとなると、1.4s だから 565g の増量。まあ、差し引きしても、まだ十分に軽いから、OKだ。
 

光軸と格闘 (2018年7月18日)

  上記の方法:アルカスイス規格部品で鏡筒を固定した場合、雲台への着脱は鏡筒の片方を持って行うので、その影響か光軸がずれる。毎回、鏡筒に力を加えて光軸調整を合わせていたのでは、フレームに負担がかかる。もっとしっかり鏡筒を固定できないものか?

 一番単純にフレームに鏡筒を直に固定すれば良いのだけれど、カメラ・ネジ固定だけでは回転方向の力には弱い。そこで、クランプ固定を試みた。

 

 手持ちのK-ASTEC DS45(写真左上)は作りも仕上げも最高だが、その分重い。GEOPTIK社のクランプ(写真右上)は軽量なので、これでフレームを作って組んでみた。

 結果は一緒。光軸とは、かくも微妙なのだった。一体型のハイランダーは、その点、一切の心配が無く、流石だ。こうなると、専用フレームを製作してみるか? うまくいったら、他の方にもお分けできるかもしれない。ただ、できるだけ市販品の流用で組みたいところだ。現段階では、アイピース交換の手間を省くか、毎回光軸を合わせる手間を省くか、の選択となるけれど(ハイランダー vs TS884双眼)、やはりTSN-884双眼は、まだ一般使用は難しいと思う。ただ私の場合、家内と目幅が一緒だし個人の観望が主体なので、目幅64mm固定で良い。だから疑似一体型鏡筒固定も試みる予定。

 微動雲台だったら、光軸をすぐに合わせられるのでは? という声もあると思うので、一応掲載。手持ちのVixenので組んで見たけれど、用途も違うし重心も高くなり、重さも1.1s。これが一番ダメだった。軽くて光軸を合わせるには、PST双眼で採用したGLATTER PLATFORM があるけれど、使用感が今一だったので、今回は見送り。
 徹底的に剛性を上げた架台にする必要はあるものの、それでも光軸はずれる可能性はあるので、光軸調整機構は、やはり必要か。

 松本式スワロ95mm-Bino用の架台もあるが、スコープのプレートの片側の向きを変えれば884も装着できる。しかし、スコープの固定は1点なので、毎回スコープを挿入・固定するのには良いが、私の場合のようにきつく固定するには不向きだ。でも、EMSは多少の光軸のズレはここで補正できるので、便利だ。
 

光軸と格闘-2 (2018年7月19日)

 プレートの上に何らかの光軸補正装置を取り付けると、重心が上に行き重量も増え、何とかならぬものか? まず考えたのは、最初に採用したフレームの片方のDS38に、プラスチック・シートを挟んで光軸を調整する、というもの。これなら、片方のスコープを固定するDS38のネジの締め方一つ。しかし、鏡筒を回転させて目幅を合わせる方法(ネジの締め方)ですら光軸がずれる。

 じゃあ、まず鏡筒直付けやってみよう。片方はしっかり固定。もう片方は、前後方向にプラスチック・シートを挟んで、やや緩めに固定しておく。観望前に、下側から、この固定ネジを締め上げて光軸調整。上下の光軸は、プラスチック・シートの入る深さで調整。左右方向は、スコープの固定そのもの。これでどうだっ!

 剛性は抜群、さらに軽量。上下方向の光軸は、プラスチック・シートを浅く入れても大幅にずれる。何とティッシュペーパー1枚で合致。スコープの精度が見事である証明。96×でもOK。取り外して装着して天頂の星をみたら、またまた光軸がずれた! ああ、これもダメか。結局最初のが一番良かった。こんなことしてる うちに、Kowaからハイランダー用ズーム・アイピース出たりして...
 

光軸がずれる原因がわかった (2018年7月20日)

 

 では、Obsessionのファインダー考察で取り上げた粗動ステージを変形して製作しようか、と考えていた中、松本さんとのメールのやりとりで、「メカが問題なのか、内部のインナーフォーカス、変倍、あるいは回転装置の軸とのずれで光軸が狂うのか。外部メカだけの問題であれば、解決は極めて簡単」とアドヴァイスがあった。確かに、直付けであれだけしっかり保持できているのに、天頂→水平だけで光軸がズレるのはおかしい。この時は、最高倍率で光軸を合わせておけばいいだろう、ということで、エクステンダーを装着して光軸をチェックしていた。

 そこで、エクステンダーを外し、最初採用したフレームの形に戻り、しかしながら、右側のDS38のクランプだけわずかに緩めとして光軸を合わせてみた。何と!全く問題無い! つまりはエクステンダーがくせ者だった。エクステンダーをダブルスタックにして160倍まで上げる方法もあるけれど、このBinoの使い道からして、行う予定は無い(エクステンダーも2個しかないし)。通常はエクステンダー無しで使用していこう。月面を見る時はエクステンダーの登場かな?

 という訳で、まずはこれでしばらく運用していくこととなった。 ちなみに、スワロ95-Binoの架台について、松本さんから、「アリミゾは受け側だけで位置(角度)が決まり、クランプ側は一点だろうが面だろうが姿勢には関係ありません」。とのコメントがあった。私が皆様に誤解を与えてはいけないので、きちんと紹介しておきます。
 

ファインダーの取り付け (2018年7月21日)

 上記、光軸のズレの原因がスコープ(エクステンダー)自体にあったなど、想像もしていなかった。思い込みは真実を見えなくしてしまう、という教訓となった。と落ち着いたところで、やはりファインダーはあった方が良い。ファインダーは、取り付けた時点で光軸が合っていた方が断然使いやすいので、台座を用いるのが便利。台座は、以前Obsessionで試みたフードに付ける方法と、アルカスイス規格プレートに付ける方法とがある。フードに取り付けた場合は 、ファインダーが上になり見易い。プレートに付ける場合はファインダーはスコープの下となり、接触破損の危険もある。という訳で、フードに底面がカーヴしているBaader 2457000Aの登場だ。新生国際光器のsiteを見たら、オリジナル・ファインダー・クランプとある。えっ、Baaderと同じにみえるけど?? 届いたのを見てみたら、微妙に違っていた。とはいえ、ほぼ一緒。

 南中の月齢7.0の月を見た。月の高度が低い夏だから、南中でも直視でOK。やっぱり、884は優秀! アルプス谷の切れ込みもいいし、晴れの海のツルツル感、そしてアリスティルス・クレーターの中央丘の立体感など見事だ。エクステンダーを装着すると、晴れの海の小さなクレーターの数が俄然増える。見た瞬間、頭に流れたのは、歌劇「トスカ」の第2幕の“Vit-to-ria !, Vit-to-ria !!”の一節。カヴァラドッシの逆転の雄叫びだ。ファインダーがあるから、土星も一発で導入。環が綺麗だ。

 雲台は基本GITZO G2380だけれど、883で使っている2180(写真上)にすれば、重さは570gとなり、トラベラー三脚と合わせても1.6sにしかならない。公共交通機関での移動、観望ならこれで決まり。ハイランダーと比べて、総重量がさらに軽くなった。という訳で、ケースのスポンジも埋めた。 エクステンダー、ファインダー、乾燥剤、防カビ剤などを全部入れたトランクの総重量は7.9s。架台・雲台込みのダイエットは、ハイランダー一式と比べて、3.4s減となった。 このケースに884双眼を入れると、蓋のスポンジ固定が効いて、トランクを持って移動しても、Binoがケース内で移動することもない。まさにピッタリ。

 総論: ライヴァル/ハイランダーと比べ、直視型だけれど、アイピース交換必要無しズーム(ハイランダーのアイピース3個分)、口径6mm up、本体3s減、架台・雲台込みで3.4s減、ただし光軸調整は必要。光軸調整については、後日記載。
 

 訂正 (2018年7月24日)

  さんざんハイランダーのアイピース3個分、と書いていたけれど、これは、最低倍率が、ハイランダー:21×、884-Binoが25×で近似的であるため。しかし、その時の実視野は、ハイランダー:3°、884-Bino:2.4°だから、その意味ではアイピース2個分(正しくは2種4個分)と言っても良い。その場合は、TE-21WH 165g/1個、計330g分ハイランダーの重さから差し引いて考える必要がある。
 

 光軸が合わない理由 (2018年7月24日)

  先週、Kowaに問い合わせていたが、回答が来た。仮に鏡筒が狂い無く固定できたとしても、

 1. TSN-884、第2対物レンズの移動によってフォーカシングする。
 2. 2対物レンズが移動すると言う事は、 それによりわずかな誤差が生じ、この誤差は単眼鏡として使用する場合は無視できる程度の誤差だが、
   2台の軸を合わせるという意味では無視できないズレとなる。
 3. ズーム・アイピースは、
中のレンズが動く。単眼なら良いが、双眼として使用する設計にはなっていない。
 4. 倍率が高ければ高いほど光軸のズレは顕著となるので、高倍率60倍時には
,
、確を光軸を合わせることはまず不可能。 等々。

  という訳で、架台でいくら頑張っても、光軸はずれる。では、どうするか? 光軸はズレる、という前提で、片方のクランプをやや緩めとし、上記の光軸調整を行う事で、一応実用には耐えているので、私はそれで運用して行く事とした。ただし汎用性は無く、推奨はできない。光軸調整が頻回で煩わしくなったら、結局883単眼に戻る可能性もあるのかな?
 

 TE-17Wによる双眼 (2018年10月1日)

   ヤフオクで、TE-17Wを入手した。新品同様で半額。ズーム・アイピースだと、最低倍率25×で実視界2.4°、見かけ視界60°だけれど、TE-17Wだと同じ実視界で30×、見かけ視界が70°となる。で、実際に見てみたら、ズームで十分という結論に至った。ただし単眼の場合は、このアイピースの像は優秀。
 

 天頂対策 (2018年10月17日記)

 雲台は、手放したEMS対空双眼鏡用に使っていたGitzo G2380 が快適で、もっぱらこれを使用している。これは中古で半額で購入したものだけれど、何だかんだで10数年活躍し続けている。今、手持ちの三脚では160数cmが最大高で、天頂付近を見るにはしゃがまなければならずけっこうきつい。ところが、Gitzo GT3542L/マウンテニア三脚 3型 4段ロングは、最大高は178cmなので、まずは立った状態の目線の位置で三脚の高さを合わせ、天頂付近の場合には、センター・ポールをぐっと上に上げて見ると、ちょうど裸眼で天頂を見 上げるように、そのまま本機で自然に天頂方向を見れるのがわかった。あれこれ仕掛けを考えるより、シンプルが一番! で、この雲台・三脚の組み合わせはWX双眼鏡と兼用。
 

木星と土星の大接近 (2020年12月下旬)


 16日(水)は、まだ接近中。17日(木)は月とも接近(職場を抜け出してiPhoneで撮影。土星はちゃんと映っているのだが、写真を縮小すると消えかかってしまう)。

 12月21〜22日をピークに木星と土星の大接近が見られた。何と400年ぶりに離角は0.1°! 何だ、ただ惑星が見かけ上近づいて見えるだけじゃないか、という人もいるだろうけど、望遠鏡で両惑星が同一視野でしっかり見えるという不思議な光景は、やはり見ておきたいのと、何よりも肉眼で見る疑似二重星は美しい。21日、22日は仕事なので望遠鏡を持参して見る訳にはいかないが、こういった時は本機が活躍する。手持ちで25×で確認もできるし、三脚があれば、土星の環と木星の縞、ガリレオ衛星も同一視野で楽しめる。撮影は皆がするし、物凄いのも数多く投稿されるので、私は記念撮影程度。

 19日(土)は曇ってダメ。天気予報では晴れなのに雨まで降ってくる始末。20日(日)は晴れてしっかり楽しめた。写真左・中央は、EOS-R5+RF100-500mm+Extender 1.4×で撮影。ガリレオ衛星は見事に一直線に並んだ。オマケにやぎ座の恒星HD191250まで延長線上に並んで、5衛星みたいに。写真右を見ての通り、光度差のある接近した肉眼疑似二重星は美しい。

 大接近の21日(月)、22日(火)は、こっそり職場を抜け出してEOS-R5+RF100-500mm+Extender 1.4×にて撮影。ファインダー拡大像(土星の環だってしっかり見える)で接近の度合いを確認。ビルの壁に隠れる寸前で見れた。23日(水)は16時過ぎに帰宅できたので、望遠鏡で観望。シーイングが良く、両惑星がしっかり美しい上に200×でも余裕で同一視野。やっぱり不思議だ。まだまだこれからも肉眼、双眼鏡で楽しめる。

 過去にもいろいろ美しい疑似二重星があったので健忘録。写真左は、出張先・チューリヒで見た木星と金星の接近(2015年6月30日)。日本では梅雨入りしていたので、見た方は少なかったと思う。そういえば、疑似二重星ではないけれど、金星と昴(2020年4月4日)も美しかった。まさにプレアデスを引き連れたヴィーナスだ(縮小表示ではしょぼくなって残念)。また、少し前の月と金星(12月13日)も美しかった。トルコの国旗だ。

 切りが無いのでこの辺にしておくとして、次回の大接近は2080年。年配の天文ファンの方が「是非見なくては」とつぶやいたとか。
 

本機を手放しました (2021年11月)

 884直視双眼だけはやっておきたい。ハイランダーに続くものとしてもやっておきたい。とやってみたけれど、毎回光軸調整は面倒。また、トラベル・ドブがあり、Deep Skyの観望は倍率100数十倍からなので、活躍の場があまり無かった。そうこうしている内に、スワロフスキー BTX(35×115)を見る機会が何度かあった。このフィールド・スコープ。口径115mm、双眼装置付きで、重さは何と3.5sしかない。圧倒的な光学性能で見やすさも抜群。しかし、エクステンダーで倍率は60倍にはなるものの、基本は35倍固定。地上風景ではこれでも良いが、天文兼用となると、そこはKOWAにアドバンテージはある。とはいうものの、この写真を見て欲しい。本機の終焉を迎えるに至った理由がわかると思う。スマートフォン・アダプターによる撮影、iPhone 11、無加工。下手な一眼+マクロレンズでの撮影など蹴散らす程のクオリティだ。



 見ていて惚れ惚れするスコープだが、ちょっと手が出ない。ただ、スワロの双眼鏡 NL Pure 10×42 が、目標対象物が特に無く、ただ見るだけでも至福のひと時が得られるように(Nikon WXを除き、間違いなく世界最高の1台!)、ただ見るだけでも十分に価値のある光学製品だ。ちなみに、普通の天体望遠鏡としても問題無く使えるもの確認済み。
  という訳で、本機とはお別れとなった。

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