Hofheim-Instruments RD-400DX  その3
宮古島遠征 (2020年9月:シルバー・ウイーク)

  公開:2020年9月28日〜
更新:2022年5月17日 *2022 GWの宮古島遠征 を追加

 
来間島・竜宮城展望台にて。宮古島は、池間島、伊良部島、来間島と、ご覧のような立派な橋で結ばれている。

2020年7月のネオワイズ彗星

 2020年はコロナで、仕事も生活様式も収入も激変した。これについてはあえて触れないが、その中で出来ることは行っている。本年7月中旬に天文ファンを席巻したネオワイズ彗星。siteには連日写真がupされ、特に北海道などに遠征した方々の写真は驚異的なものが目白押し。イオンテールのみならず、シンクロニック・バンドの切れ込みなど圧巻だが、私は眼視派。凄い写真を撮るのでは無く、凄い彗星を実際に見たい。ところが関東は天気が全滅続き。唯一休みが取れた7月22日から3日間、晴れが見込まれた宮古島へマイルを使って行って来た。機材は、Nikon WX 10×双眼鏡Kowa TSN-883。北に行くほど彗星を見る(撮る)のには有利なのだが、晴れなければどうしようもない。

 
池間島、北端にて(2020年7月22日21時20分。RF 70-200mm F2.8L IS + EOS R、128mm、F2.8 20秒、ISO:6400。SWAT-200使用、1発撮り、トリミング)。
実際に双眼鏡で見た時のイメージに近づけて仕上げた(が、縮小して掲載したら、尾が薄くなってしょぼくなってしまった)。

 彗星は、宮古島の各所で観望。今はGoogle Maps があるので、実際に行かなくてもストリート・ヴューで見晴らしが確認でき、観望地を絞れる。中には、暗くなってきたら電柱のLEDライトが点灯して移動を余儀なくされたりした時もあったが、観望する所は沢山あり、また天気が思わしく無い場合でも雲はどんどん移動するし、宮古島内のどこかは晴れていて、全く見れない、という事は無い。一番素晴らしかったのは、池間島の北端。灯台のすぐ近く。灯台の光は邪魔になるが、かえってすぐ近くだと、光が通過した暫くの間はとても具合が良い。灯台下暗しとは、よく言ったものだ。

 圧巻の肉眼大彗星! ダスト・テイルは、WXの実視野9°からはみ出ている。これだけ見事な彗星は、私の中ではヘール・ボップ彗星以来。あの時は、見ていて「クオーッ」と音が聞こえて来そうな位の迫力があった。島の暗い所では、誰でも尾を引いた彗星が認識できる。長い尾を引き連れて日々位置を変えて出現する大彗星 、昔の人には相当不気味に見えただろうなあ。今なら驚喜、大歓迎だけれど。

 で、空の素晴らしさにも驚嘆。暗い空に高く位置する いて座。WXでメシエ天体が目白押しに見える、見える!オーストラリア並ではないかと思った位。これは、望遠鏡を持って遠征しないと。
 

2020年9月のシルバー・ウイーク

 ちょうど新月期。1年前からハワイ島遠征を予定していたが、コロナでアウト。躊躇無く宮古島へ変更。早くも遠征が実現した。オマケにGo to travel 割引が使え、行きはマイル便。メンバーは石石石さん(機材はお譲りした125SD-Bino)、fmasaさん(機材はお馴染みAPQ)。私は本機とWXで参戦。

 準備

 持参アイピースは下記の通り。Ethos 21mmは素晴らしいのだが、使用頻度が低く重いので、今回はMasuyama 32mmにした。基本は、ほとんどNAV-HW 12.5mm、169倍。高倍は、Leica Zoon + Powermate 2×。

  口径 f 焦点距離 倍率 実視界 見掛視界 アイ・レリーフ 射出瞳径 パラコア位置
RD-400DX Zambuto+Paracorr II 407mm 5.2

2118mm

×1.15          
Masuyama     32mm 66 1.3° 85° 20mm 6.2mm DとEの間
NAV-HW     12.5mm 169 0.6° 102° 16mm 2.4mm DとEの間

Leica Zoom ASPH. 17.8 -8.9mm 

    17.8mm 119 0.5° 60° 18mm 3.4mm Bの少しC寄り
      8.9mm 238 0.34° 80° 18mm 1.7mm  
                   
RD-400DX Zambuto + Powermate 407mm 9.06

3684mm

           

Leica Zoom ASPH. 17.8 - 8.9mm

    17.8mm 207 0.3° 60° 18mm 3.4mm  
      8.9mm 414 0.2° 80° 18mm 1.0mm  

 ミラーは、Zambuto鏡が届いて約2年、初の洗浄を行って持って行った。 風があると思うので、シュラウドは無し。ミラー周囲の保護円筒のみとした。
 

宮古島観光

 美しい珊瑚礁に囲まれた島。見る所は山のようにあり、朝から大忙し。今回は家内も参加なので、昼間寝て夜集中、という訳にもいかず、海用3点セットも持参し、海亀ツアーやパンプキン鍾乳洞ツアー、そして世界でも有数の珊瑚礁群の八重干瀬(やびじ)のシュノーケル・ツアーも参加。実は八重干瀬へは7月も行っていて、素晴らしい対応だったマーレ・クルーズに再びお世話になった。観光はほぼ網羅できたが全ては紹介できないので、美しい海の写真を少しだけ。


冒頭の写真と同じ、来間島・竜宮城展望台


左:池間大橋・宮古島側駐車場  右:伊良部島・ふなうさぎバナタ

 
伊良部島・佐和田の浜


池間大橋展望台(西平安名崎)


左:イムギャー海岸展望台  右:平良トゥリバー北防波堤

 少しだけ、などといいながら、つい7枚になってしまった。他にも美しい海の風景は数え切れない程あって、海以外にも、水汲みの場だった大和井(やまとがー)、友利あま井などの興味深い遺跡、宮古島ならではの美味しい食事など観光地としては、相当なポテンシャルがある。ここを知ると、高いお金を払って海外の海へ行く意味を失ってしまう。そこに気付いたリゾート開発業者、建設会社、地元の政治家が絡み、そして自衛隊のミサイル基地の建設等々も絡み、複雑な宮古島バブルが続いているようだ。 一つ何千億もかかる超豪華な橋が3つもできた理由がそこにありそうだ。かつては月1万円で150坪の一軒家が借りられたようだが、それなら観測基地も、とも思ったが、今や遅し?
 

観望


東平安名崎先端の灯台(登れる)から宮古島側を見る

 観望は、 毎晩東平安名崎で行った。南側は街は無く、海だけだ。ところが先端には灯台があり、駐車場には自販機が煌々と光っている。そこから引き返して、灯台の光も邪魔にならない所を先達の石石石さんに教えてもらった。 さっそく本体の箱を開けてビックリ! 何とフォーカサーが脱落していた! 念のために、と持参した六角レンチ(小型のセット)に、ちょうど1.5mmが欠落していて、フォーカサーが取り付けられない。1時間程して到着した石石石さんに聞いたら、ちょうど1.5mmの六角レンチだけ持っていているという。めでたく装着し、観望にこぎつけた。他にもネジが緩んでいるところがあり、車の振動(何せ昼間は望遠鏡を積んだまま観光で走り回っている)は侮れない。

 今回は空が良いので、メジャーどこを一通り楽しむだけでなく、DSO観望ガイドブックに掲載されているマイナーなNGC天体、暗黒星雲等もチェックした。流石に西オーストラリアの超絶な空には及ばなかったが、それでも日本国内屈指の空だと思う。本機は、空さえ良ければ魔法のように宇宙に連れて行ってくれる。


写真左:南の空に立ち上る天の川。木星と土星が明るく映っている。 写真右:全天を横切る天の川(真上を見上げたイメージ)。右上にアンドロメダ銀河が映っている。

 19時を過ぎると南に木星が輝き初め、続いて土星、夏の大三角が、そしてしばらくすると天の川がそそり立ってくる(写真左上)。さっそくWXで濃い所を見てみると、二重星団のようにM6、7が収まる。そのまま少し昇っていけば、M8干潟星雲へ。WXで見るM8は双眼望遠鏡と同じで、濃い星雲を背景に散開星団が実に美しい。同一視野に、M20三裂星雲、M21、M23、M24が見え、ここはWXの真骨頂。続いてM17オメガ星雲を経由してM16ワシ星雲へ。散々見ていても、やはり久しぶりだとメジャーは良いのである。

 今回は、M16ワシ星雲の「創造の柱」を毎晩見ていた。なかなか認識が難しく、毎晩1時間以上費やしていたと思う。見え方は日々異なったが、20日(日)の空が最高だった。ジェット気流に悩まされない漆黒の空を堪能。とはいえ、へびつかい座のB72:THe Snakeは、やはり難しい。でも、おなじへびつかい座の惑星状星雲NGC6369のリングがとても良く見えたり。で、今回の遠征で「物凄い衝撃」を受けた。それは....
 

TeleVue Apollo 11 アイピース

 TeleVue 社がアポロ11号月面着陸の偉業に敬意を表し、Apollo 11 というアイピースを出した。焦点距離は11mmで、世界限定300個・シリアルナンバー付き、化粧箱入り。そもそもNikon NAV-HW 12.5mm という別格的なアイピースがあるし、TeleVue にだってEthos という素晴らしいアイピースがあり、このようなコレクターズ・アイテムには私は全く興味なし。だいたい国内の価格が17万円もして、いったい誰が買うの? と見向きもしなかった。これをfmasaさんが購入し、持ってきた。

 全く期待もしておらず、どれどれ、と冷やかし半分で木星を見る。「えっ! 何だこのシャープでコントラストの良い像は!?」。すぐにPowermate 2×で335倍(元々の鏡の焦点距離は1842mm。通常はパラコアII を入れるので、1.15×で2118mm。Powermate の時は、パラコアは外す)。驚愕! 歴代最高の木星が見える! SEBの濃い模様、そしてNEBのフェストゥーンの、まあ良く見えること! すぐに土星に移動。おおっ、エンケが見える! 土星表面の各帯の見え方は、2018年のマウナロアの方が上たけれど、土星の環に車輪のスポークのような不均一構造が見え、これまた驚愕! では、望遠鏡を上に向け、M27 へ。おおっ! くびれのグラデーション、濃淡がいい! コントラストが傑出している結果なのだろう。お次は球状星団M2、M15をLeica Zoom とで比較。というのも、元々このアイピースはズームなのにEthos 8mmよりも球状星団では分解能は上なので。これは引き分けかな? 想像の柱はApollo 11 が傑出。

 Apollo 11 は限定コレクターズ・アイテムではあるけれど、最先端の設計による現代最高のアイピースなのであった。なら、85°シリーズとして、記念箱もシリアルNoもいらないから普通に安く販売してくれれば良いのに、と思う。石石石さんは眼幅が狭く、NAV-HWでは双眼にできない、との事。Apollo 11 だと、そのままで双眼にできるようで、切実なのだそうな。海外だと13万円程で売られている。しかも、やはり見向きもされていないようで、各販売店にはin stockの表示が目白押し。買うなら今かな? 海外の販売店は、急に日本から注文が殺到し、「何があったのだろう」と不思議に思うかな?

 という訳で、Apollo 11mmはドブの標準アイピースとなり、Powemate を併用して惑星用アイピースともなった(まだ届いていないけれど)。届いたら、月面も散歩してみたい。
 

海の近くで観望した後は?


写真左:イワキ眼鏡のレンズ・クリーナー  写真右:破損したサイド・ベアリング受け

  宮古島は湿度が高くなく、結露は一切無かった。しかし、建物を見ると潮風で朽ち果てているものもあるし、車だって島の海岸沿いでは錆だらけだ。 いつもは防水のハイランダーやスコープ、三脚等は、帰宅したら本体は水拭きしてレンズもクリーニングする。私が一番信頼して使っているレンズ・クリーナーは、イワキ眼鏡で支給している(眼鏡を購入すると、空になったらいつでも補充してくれる)もの。拭きムラが残らず、スキッときれいになる。今回は、あまり潮風の影響は感じられなかったので、アイピースとカメラ・レンズは軽くクリーニング。しかし、ミラーは潮風に当たっていたので、そのままでは危険だと思う。白い粉状の汚れも付着していたので、 再び洗浄した。何せお宝ミラーなので。

 ケースに入れて移動したとは言え、やはり破損する。今回は、本体のサイド・ベアリング受け。いつ、横向きの力が加わったのだろう。本体は組んだまま、毎日観光で走り回っていたからなあ。毎回、ホテルの部屋まで運び込むべきだったか。ここはエポキシ接着剤:アラルダイドを流し込んでクリップで挟んで固めた。


コロナ禍の移動、観望

  観望は機材を介して感染する可能性があるので、常に気を配る必要がある。ああだこうだ言われているが、自分は感染している・ウイルスを持っていると思って行動すれば、感染しないし移さない。N95マスクより何よりも、あちこち触らないことだ。一番の問題は、移動・飛行機。7月に彗星を見に行った時、3列横、前後全て埋まっていて、大声で会話するは飲食自由も自由で、愕然とした。クラシックのコンサートではキャパの半分以下、前後左右、間を開けて座れ、とか命令しているのに、理屈が破綻している。クラシックのコンサートは無言で接触も無いし、コンサートで座っている時間は飛行時間より短い。これで感染するなら、人類はとうに滅びている。 「飛行機、新幹線は換気がしっかりしていて数分で全ての空気が入れ替わります」、等と言っているが、隣に感染者がいて咳き込んだら、一発で感染する。テレビ・マスコミも、“専門家”が的外れな事を言っていて、呆れるばかり。

ホテルの掲示。的を射ていて素晴らしい。

 今回のシルバー・ウイークの飛行機はさらに酷く、隣のおばあさんは、2時間以上しゃべりっぱなし。前後の小児はマスク無しで、これまた大声。オマケに後ろの子供は用も無いのに、テーブルを出したりしまったりテーブルを叩いたり。親は放置。こういった状況が続くと発狂寸前まで追い込まれるし、我慢に我慢を重ねてから注意すると言葉が激しくなって、後で自己嫌悪に襲われる。まず行える解決策は?

 飛行機で子供がうるさい。新幹線で弁当をくちゃくちゃ音を立てて食べたりするおっさん。電車内で、ぱんぱんキーを叩いてパソコン業務。イヤホン/ヘッドフォンから聞きたくもない音漏れ。JR駅の不必要なアナウンス騒音の洪水(特に京都駅の酷さは特筆もの)。こんな時、イヤーモニターが騒音を遮断し、私の耳と精神を救済してくれる。イヤー・モニターに関しては世の中に大きな誤りが蔓延しているので、ここで明確にしておきたい。

 今は、ほどんどのミュージシャンが耳に上の写真のようなものを耳に入れて活動している。以前は、ステージ前にスピーカーを置き大音量でモニター、演奏。これでは難聴製造機だし、武道館やドームなどの広い会場では音がうまく演奏家に伝わらず、良いパフォーマンスができない。ヴァン・ヘイレンのドラム奏者:アレックス・ヴァン・ヘイレンが担当のPAのエンジニアだったジェリー・ハービー氏に「何とかならないか」との相談で生まれたのがイヤーモニターだ。

 ミュージシャンは、PAの人とペアになり音を聴き、各楽器とのバランスを取る。大切なことは、イヤーモニターはそのために特化したものであり、Hi-Fiである必要が無いということだ。言わば楽器の延長である。イヤーモニターの発音部はバランスド・アーマチュア・タイプが使われるが、これは元来補聴器に使われているもので、非常に小型で能率は良い(小さい入力で大きな音が出せる) 一方、再生できる帯域が狭く、音が悪い、といった欠点がある。イヤーモニターの形も耳穴形補聴器そのもので、しかし、帯域を低音、中音、高音に 分割して再生、そして耐久性とピストン・モーションを稼ぐ意味で、それぞれの帯域のドライバーは2個ずつあるのが標準形だ。元々の素性を知っていると、これを音楽に利用しようとは思わないが、ジェリーの凄いところは、これを音楽用にまで使えるように進化させ、中にはウルトラ・ハイファイのものまで誕生させたことだ。世界の名だたるミュージシャンのほとんどが、彼が立ち上げたUltimate Ears、そしてその後、再度彼が立ち上げたJH Audioのイヤー・モニターを使用している。その後、山のようにいろいろな会社とイヤー・モニターが出ているが、私がチェックした200種程のほとんどはクズ、いわゆるオーディオ用として使えるものはわずかしかなかった。iPhoneのオマケのイヤフォンの方が圧倒的に音が良い。究極の、とか、何十年に一度とか(本当にすごい歌手なら、そんな安い売り方はしない)、今は天才だのカリスマだのその類が巷に溢れすぎていている。まして、「バランスド・アーマチュア・タイプ使用!」なんて広告は、知らない消費者向けのバカっぽいアピールで、こんなものを買ってはいけない。ミュージシャンと同じでかっこいい、という気持ちはわかるが、選定には細心の注意が必要だ。

JH Audio 13Pro

 私が使っているのは、JH Audioの13Proである。これを越える音はSTAXの大型コンデンサー式しかなく、ダイナミック型では長年頂点に君臨している。20年近く前のオリジナル13Proは名作だったが(写真左端)、もう生産されていない。その後、同じ名前で音が硬くて全く違う音のものが出て困ってしまったが(写真左から2番目)、改良されたものが出た(写真左から3番目)。長年、初期型と同じものをとリクエストしていたが、2年前にようやく造ってくれた(写真右端)。ところがやはり初期型には及ばない。その後、再調整を重ねてようやく初期型に近いものとなった。今は、左から2番目のものが最も初期型に近いもので、続いて右端。音の傾向が違うが、これも音が良い左から3番目の4つある。日本にはいろいろな代理店があるが、最も信頼でき、確実に対応してくれるのはExtreme Waveである。この手はアメリカに直に発注しても全くダメな場合があり、相当な語学力と粘り強さが無い限り大損害を被る場合がある。

 この13Pro。電車内の騒音を遮断し、ルネサンス楽器の繊細な音ですら綺麗に分離し定位する。一般のイヤホンでは再生不可能な超低域が本当の意味できちんと再生されるので(あざとく低域を持ち上げた不自然なもの - これを重低音と思ったら大間違い - とは一線を画す)、ジャズやロックでも一般スピーカーでは再生できないクオリティが得られる。ジェリーも、オーディオファイルは、皆13Proだねえ、と言っていた。だったら最初からそうしてよー、という訳でこれは宝物だ。高価格なヘッドフォンやイヤフォンがあるけれど、音はからっきしダメというものも蔓延しているので、イメージにだまされないように。


UFO (?)


ベランダで手持ち撮影(2秒)

 最終日、荷物を梱包して0時過ぎにベッドに入ったが3時に目が覚めてしまって、ベランダでオリオン座などの冬の星座を見ていた。一瞬カノープスが見えたと思うが、すぐに雲に隠れてしまった。せっかくだから、と手持ちで星座を撮影。一息入れて再度ベランダに出て見ていたら、リゲルの下方から垂直に光が通過して行く。人工衛星か、と見ていたら、突然直角・右へ曲がった。その後、S字状にふらふらと動いてポルックスの方向へ。誰かドローンを飛ばしているのかな、とも思ったが、光は点滅していないし、雲の後ろに消えていった。まさに、昔から言われているUFOの動きそのものだった。中学の時に葉巻型UFO(今はアダムスキーはほら吹きとして相手にされていないが、私は虚言癖のある彼が偶然UFOを見て、あとは 彼の空想だと思っている)を見て以来だった。確認できない飛行物体なのだから、これはUFO。


EOS R5

 脱線続きのついでに、EOS R5について少々。EOS 5Dシリーズを愛用してきたのは報告の通り。それがミラーレスRとなった。Rは欠点が多いカメラだったが、レンズが素晴らしいのとステージ写真でほぼ無音で撮れるので切り替えたのだ。それがR5へ。発売予約日の朝一番に予約を入れたが、入手したのは1週後だった(それでもラッキー)。そしてようやく満足できるレヴェルとなり、手先の延長となるカメラとなった。ネオワイズ彗星はR、今回の遠征はR5。4500万画素もいらない、と思っていたが、それがどれだけ凄いかというと、

RF 70-200mm F2.8L IS、200mm.

 これを拡大すると

 つまりは200mmレンズでも超望遠と同等の威力。とてつもない進化に敬服! この技術で最新防振双眼鏡を出してくれないかなあ。
 

TeleVue Apollo 11 アイピース

 TeleVue Apollo 11 アイピース が我が家に着陸した。さっそく夜の地上風景でチェック(火星は気流が悪すぎて判断できない)。Zeiss Abbe II 並みの解像度とコントラストで、視野は倍。やはり最新の技術で設計された最高のアイピースであった。という事で、遠征の場合のアイピースの組み合わせは下記の通りとなった。ちなみに、Apollo 11 は、Zeiss Abbe Barlow との相性は良くなく、Powermate の方が断然良かった。なお、今はPowermate 2.5× は欠品中だけれど、こちらも是非試したいところだ。

  口径 f 焦点距離 倍率 実視界 見掛視界 アイ・レリーフ 射出瞳径 パラコア位置
RD-400DX Zambuto + Paracorr II 407mm 5.2 2118mm ×1.15          
Masuyama     32mm 66 1.3° 85° 20mm 6.2mm DとEの間
Ethos     21mm 101 1.0° 100° 15mm 4.0mm A
Apollo 11     11mm 193 0.44° 85° 18mm 1.9mm C
                   
                   
with Powermate 2X 407mm 9.06 3684mm (1842×2)          
Apollo 11     11mm 335 0.25° 85° 18mm 1.2mm -
                   
with Powermate 4X 407mm 18.12 7368mm (1842×4)          
Apollo 11     11mm 670 0.13° 85° 18mm 0.6mm -


再接着

 破損しかかったサイド・ベアリング受け。流石はテフロン、アラルダイドはあっけなく剥がれてしまった。そこで、テフロンも接着できる、というセメダインPPXで再接着した。今度は良さそうだが、力が加わるとどうだろう。これでダメならネジ止めかな。

 


斜鏡の光調整ネジのガイド筒を接着

 

 2018年のハワイ遠征の後、移動で斜鏡が簡単に大きくずれてしまう対策として、斜鏡の光軸ネジにガイド筒を接着した。アラルダイドでの接着だったが、移動ですぐに吹っ飛んでしまった。今回は、ナットをセメダイン・メタルロックで固定。移動で再び外れなければ良いのだが。今は光軸がピッタリ合っているので、ナットが外れなければ再び組み上げた時の光軸調整が相当楽になる。
 

赤緯軸エンコーダー装着の改良

 赤緯軸の装着は、2018年12月に報告した通り。完全な真円を貫く装着ならきっちり固定で良いけれど、普通は誤差があるので片方は少し緩め、逃げがあった方がうまく行く場合が多い。という訳で、片方はベルクロで装着していた。ところが、やはりグラツキが導入誤差をもたらすので、ここをクイックシュー装着とし、片方は穴が大きめで緩めで固定、という方法に変更した。


クイックシューは両面テープで固定。トランクに収納する時に干渉しないよう注意。


本来は、このネジはフレームの固定用なのできちんと固定が必要(写真は説明用。実際はきつくなり過ぎないよう、程良く締める)。
でも、クイックシューの厚みの分だけ真円から誤差が生じるので逃げは必要(ここはトレード・オフ。
本当はエンコーダーの取り付け位置を変更しなければならないのだけれど)。
 

宮古島遠征(2022年GW, 5月17日記)

 今年のゴールデンウイークは宮古島で星三昧。宿も観望スポットから3分半の格安トレーラーハウスを予約。今年はラニーニャで季節が遅れているから、八重山の梅雨入りはGW明け間違いなし、連日快晴! とすっかりそのつもりでいたが...

 遠征に備え、シュラウドを再制作した。前回は、シュラウドが鏡筒内へ垂れ込んでしまうのを防ぐために、円形の硬めのフレームを使用したが、これがポキポキと折れてしまってダメだった。今回は逆にアルミ製の針金で自在に変形できるフレームを採用し、最下端で引っ張るように固定。これで耐久性と垂れ込みの予防を計った。材料は下の通り。布はピッタリだった。


  

 これを裁ほう上手で接着し、ワイヤーは糸で固定。


*ストッパーの穴もしっかり制作


*シュラウドの被せる方向の目印も付けた。川口千里?

 初日、昼間はすっかり快晴で、ご覧の海(iPhone撮影)! 私は宮古島とその近辺の海は世界で一番美しいと思う。でも世界中に知られたら、予約を取るのが大変だ。それは気に入ったレストランをネットで書き込まないのと同じ。といいつつ、ここは紹介 しているけれど。

 で、夜。雲が沢山出てきた。望遠鏡を向けると曇って見えなくなり、晴れた所を探して望遠鏡を向けると、またそこが曇る、の繰り返し。2時間もしたら全天雲に覆われ真っ暗に。やばいかも、と望遠鏡を分解し車に収納したと同時に大雨襲来。何と、そこから帰るまで毎日雨、雨、雨。台風のような強風が吹き荒れ、気温も2月中旬並みとか。そして梅雨入り宣言までされてしまう始末。超過料金を払って望遠鏡を持ち込み、よりによって日本で一番天気の悪い所に来てしまったのであった。超晴れ男だったのに、ダメだこりゃあ。

 しかしながら短時間とはいえ、りょうけん座の銀河群は圧巻で、M51などはハワイ並みに子持ち側の小さい銀河NGC5195がしっかり大きく見えている。天体写真では子持ち部分が小さくまとまって光っているものが多いが、実際にはもっと大きく広がって渦を巻いて見えるのだ。視野いっぱいのNeedle Galaxy NGC4565も素晴らしいし、アンテナ銀河もハワイ並みに見える。からす座の惑星状星雲NGC4361もかなり大きく彗星の核のように見える。

 さて、悪天候の宮古島、西表島、石垣島であったが、それでも観光、見どころは満載で尽きることは無く、島料理を連日堪能したのであった。それにしても5月になってから梅雨入りみたいに毎日天気が悪いなあ。五月晴れはどこへやら。

 宮古島空港 の貝で出来たシーサー。素晴らしい!


  内容追加中。続く.....

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宮古島といえば、「宮古島まもる君」。所々にあって、お見かけすると事故に気をつけなければ、と思う。抑止力は絶大だ。

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