被団協新聞

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「被団協」新聞2015年 12月号(443号)

2015年12月号 主な内容
1面 国連総会第1委員会 禁止条約作業部会の設置決定
ノーモア・ヒバクシャ訴訟 東京地裁判決
大阪高裁 一審覆し不当判決
核兵器廃絶の確約を パグウォッシュ会議が長崎宣言
2面 中央相談所講習会
被爆70年のつどい リレートーク発言要旨
非核水夫の海上通信136
3面 被爆2世・3世の会結成総会に70人/岡山
東友会が福島原発被害者と交流 「私たちも同じ」…共感の輪広がる
福岡県庁ロビーで西山すすむ原爆漫画展開催
国連原爆展を展示/長野・松本市
2015年NPT日本被団協代表団 報告集ができました
寄贈ありがとう
〈投稿〉印象深かった生徒たち
《被爆者運動から学ぶ学習懇談会》シリーズ
4面 相談のまど 健康管理手当
本の紹介
募金のお願い

 

国連総会第1委員会 核兵器のない世界達成へ
禁止条約作業部会の設置決定

来年ジュネーブで開催 135カ国が賛成し決議

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国連欧州本部(ジュネーブ)

 被爆70年の秋に開かれている第70回国連総会の第1委員会(軍縮・国際安全保障問題担当)は11月5日、核兵器のない世界の達成と維持のために「締結が求められる、具体的で効果的な法的措置、法的条項、規範について実質的に取り上げる作業部会を設置することを決定する」との決議を135カ国の賛成で採択しました。「法的措置、法的条項、規範」は、核兵器禁止条約を意味し、同条約を議論する作業部会を国連が設置するのは初めてです。
 「多国間核軍縮交渉を前進させる」と題する決議は、メキシコが主導し23カ国が共同提出。核保有国の米英仏中ロなど12カ国が反対し、核の傘にたよる日本など33カ国が棄権しました。
 作業部会は2016年にスイスのジュネーブで、国連総会の下部機関として、最長15日の労働日(3週間)で開催。作業部会での交渉や勧告を反映させた報告書を第71回定期総会に提出します。
 すべての国連加盟国に作業部会への参加を奨励するとともに、これまでの慣行通り、国際機関やNGO(非政府組織)の参加や貢献を呼び掛けています。
 作業部会は、これまでも設置されてきましたが、今回の決議は作業部会設置の目的として初めて「法的措置」を明記しました。


ノーモア・ヒバクシャ訴訟 東京地裁判決

17人全員を原爆症と認定

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地裁前で勝利報告
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日比谷図書文化館での集会
 裁判所がまたも、厚生労働省の原爆症認定基準を大幅に超えた判決を下しました。しかも今回は原告全員が勝訴。判決があった10月29日、東京地方裁判所前では全国から駆け付けた被爆者・支援者200人が勝利を喜び合いました。
 今回の判決は、ノーモア・ヒバクシャ訴訟で最多の原告17人が対象。東京地裁民事2部(増田稔裁判長)は、国が主張する被爆線量は「あくまでも一応の目安」であり、「放射性降下物や誘導放射線、残留放射線の影響も十分考慮しなければならない」として、がん9人(3・8キロ直爆など)、心筋梗塞・狭心症4人、甲状腺機能低下症1人(亢進症由来、2・2キロ直爆)、2日後に入市したC型慢性肝炎1人と、厚労省が指定していない病名「脳梗塞」で申請した原告2人(被爆距離3・7キロと2・2キロ)を含む全員を勝訴とする画期的な判決を下しました。
 判決後、日比谷図書文化館ホールで「ノーモア・ヒバクシャ訴訟勝利と原爆症認定制度の抜本改正をめざすつどい」を開催。原爆症認定訴訟の歴史のスライド上映、判決の報告、全国各地の参加者から喜びの挨拶を受け、「控訴するな」の要請を厚生労働省に集中することなどを決めました。
 この判決に対して、日本被団協と原告団、弁護団は声明を発表。翌30日に代表35人が厚労省を訪問して、全国各地の参加者が口々に後障害に苦しむ被爆者の実態を伝え、「国は控訴を断念し重い病気で苦しんでいる原告らの救済をはかれ、原爆症認定制度を改善せよ」と強く要請しました。

厚労省6人控訴
 厚労省は11月11日、がん1人、脳梗塞2人、甲状腺機能低下症1人、心筋梗塞2人の6人の原告を控訴。日本被団協と原告団、弁護団などは12日、控訴を取り下げ被爆者の救済をはかれとの声明を厚労省に届け、抗議しました。


大阪高裁 一審覆し不当判決

 大阪高裁は10月29日、ノーモア・ヒバクシャ近畿訴訟の一審での原爆症認定却下処分取消の判断を覆す不当判決を言い渡しました。
 判決は、肝臓がんと被爆との関連性は認めたものの、事実認定で入市時期を原告の記憶と異なり不当に遅く認定し、被爆の影響を過小とした上、放射線起因性を認めませんでした。この判断は、これまでの裁判例と異なる特異なものです。
 原告団、弁護団の声明は「不当判決で、これまで連綿と築き上げられた原爆症訴訟の到達点が覆るものではなく、国が定めた原爆症認定基準が正当化されるものでもない」と指摘し、「不当判決に対して断固抗議する」としています。


核兵器廃絶の確約を パグウォッシュ会議が長崎宣言

 世界から科学者が長崎市に集まり、11月1日から5日開かれていたパグウォッシュ会議第61回年次大会は最終日の5日、「長崎宣言」を発表しました。宣言は、核兵器保有国に「核兵器の廃絶を確約しなくてはならない」と求めています。
 宣言は、「世界の政治指導者に対し、被爆者の叫びを受け止めるよう強く訴えます」とのべ、すべての核保有国が核兵器システムの近代化計画を中止するとともに、最も重要なのは核兵器の削減にとどまらず廃絶の確約だと強調。「核の傘」に依存する非核保有国にも核軍縮を支持し、安全保障政策の転換を求めています。
 福島第1原発事故にも言及し、「科学者の社会的責任はかつてないほど重大」としています。
 閉会後の会見で、組織委員会の鈴木達治郎委員長は、「各政府に圧力をかける世論が重要。市民社会と連携し、核兵器の禁止に向けて行動したい」と語りました。
 会議に参加した沢田昭二名古屋大学名誉教授(広島被爆)は、「被爆者の話を聞くことから始めた今回の会議は、被爆者の気持ちをとらえて大きく成功したと思っています」と話しています。

【パグウォッシュ会議】

 すべての核兵器、戦争の廃絶を訴える科学者による国際会議。バートランド・ラッセルとアルベルト・アインシュタインの呼びかけを受け、科学者によって創設された。1957年7月7日、カナダのパグウォッシュで第1回会議が開かれ、会の名称になった。1995年にノーベル平和賞を受賞。


中央相談所講習会

 日本被団協原爆被爆者中央相談所の今年度講習会が10月から始まりました。ブロック毎にご紹介します。

北海道

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 10月24日、中央相談所の伊藤直子さんを講師に札幌市内で開きました。「介護保険制度と被爆者」のテーマで、諸手当申請についても具体的に解説、参加者から質問も出され関心の高さを感じさせるものでした。
 午後には松田ひとえさんが被爆二世として初めて証言しました。今まで原爆のことは怖くて心に封印していたが、自分にもできることがあるのではないかと思うようになった。そんな時突然、弟の一人が亡くなった…松田さんは原爆に対する怒り、弟を失った悲しみ、そして二世としての不安を語りました。
 この日は37人が参加、うち6人は二世でした。医療、介護の問題に取り組むこと、二世の語り合う場をつくることの必要性等が話されました。
 被爆者の拠り所としての被爆者協会の役割が一層大きくなってきていることを確認し合った講習会でした。

近畿

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 11月13、14日の両日、神戸市内で開かれ、33人が参加しました。
 第1講は、日本被団協田中熙巳事務局長の「日本被団協結成60周年をどのように迎えるか」。「原点に立ち返り、被爆者健康手帳所持者だけの会から、二世などを含む原爆被害者みんなの会・運動に発展させよう。被団協60年の歴史を学ぼう。原爆被害の実相・非人道性を知らせよう。再び戦争への道を歩くことに反対していこう」とよびかけました。
 第2講は、東神戸診療所所長・郷地秀夫先生の「福島原発事故から見た広島・長崎の原爆症」。「原爆症は、放射線障害とともに熱傷、爆風、生活・環境破壊などの多重障害によるものととらえることが重要」等々と力説しました。
 第3講は、日本被団協中央相談所伊藤直子委員の「高齢化した被爆者相談事業の課題-介護保険制度活用を中心に」。「健康問題などの援助という狭義の相談事業とともに、原爆とたたかう被爆者としての生きがいを持つという広義の援助も大事」と強調。被爆者援護制度活用上の留意点なども詳しく解説しました。
 参加者全員が一言ずつ発言し、語り部活動でのDVDや紙芝居の活用、二世会員への活躍の場の提供、行政や市民から協力を得るなど、さまざまな工夫・経験を交流しました。

東海北陸

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 10月28、29日の両日、三重県菰野町の湯の山温泉グリーンホテルで開催し、東海・北陸各県から90人余の被爆者と支援者が参加しました。地元三重県福祉部の責任者や菰野町の町長もあいさつに訪れました(写真)。
 1日目、中央相談所の伊藤直子委員は「被爆者として生きる決意を持つことが、生きがいをもって生きる事になる」と強調。蛻苒シ樹弁護士はノーモア・ヒバクシャ訴訟について、「名古屋の原告・森さんが、裁判の途中なのに国が原爆症に認定した。たくさん認定申請をしよう」と呼びかけました。愛敬浩二名古屋大学教授は「戦後、反基地闘争と原水爆禁止運動があって憲法を変えさせなかった。憲法9条にもとづいた平和運動が大切」と強調しました。
 2日目、日本被団協の木戸季市事務局次長は「次世代に引き継ぐ活動を行ないながら『国の償いを求める運動』を進めること」を強調。被爆二世で介護事業者の丹波真理さんは「被爆者の介護利用料無料の制度をいかして公的介護を活用しよう」と訴えました。
 最後に、各県からそれぞれの取り組みを報告しました。
 今回の講習会には各県から8人の被爆二世が参加しました。今後連携して二世の取り組みを強めようと話合いました。

東北

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 11月9、10日の両日、秋田市ビューホテルで開かれ、東北5県の被爆者代表10人と市民団体の支援者、合わせて45人が参加しました。
 初日は、日本原水協の高草木博理事が「核兵器廃絶を実現するために今被爆者に期待されること」、中央相談所の伊藤直子委員が「高齢化する被爆者相談事業の課題」について講義しました。核廃絶をめぐる世界の潮流、国連の動き、その中での被爆者の果たした役割、被爆者が健康で長生きするための相談活動の大切さなどが述べられ、参加者に感銘と元気を与えてくれました。
 2日目、日本被団協田中熙巳事務局長から、これからの被爆者運動を考える問題提起が12項目にわたって出されました。各県からの現状報告があり、「問題提起」と「報告」に基づいて話し合いが行なわれました。特に高齢化、死亡による被爆者数激減のなかで組織の体制をどう維持・継続するかなどが話題の中心でした。
 東北ブロックが一体となり今後とも運動の経験を学びあい交流会など重ね、被爆者が一人になっても私たちの基本要求をかかげて運動を続けることを確認しました。


被爆70年のつどい リレートーク発言要旨

 被爆70年のつどい(10月17日・日比谷公会堂、11月号既報)のリレートークでの発言要旨を、今号からご紹介します。

 * * *

全国空襲被害者連絡協議会・副運営委員長 安野輝子さん

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 私は、1945年7月16日、末川内市の自宅で米軍のB29が投下した爆弾の破片に左足を奪われました。6歳になったばかりでした。それから70年、松葉杖と義足をたよって生きてきましが、おだやかな日はありませんでした。夏になると今でも、義足のなかの断端が蒸れて擦れて傷つき歩けない日が多く、軟膏とバンドエイドの手放せない日が続きます。
 7月30日の朝、2度目の空襲。戦火を逃れてやっとたどり着いた疎開先で、下の弟は栄養失調で2歳の命を閉じました。
 疎開先で終戦を迎え、「もうB29は来ないよ」と言われて嬉しかったのを忘れません。でも、私の足は生えてきませんでした。戦争は私の足も家も弟も父も奪いました。
 10代半ばの、学校にも行けず家の中で芋虫のように過ごしていた頃、「どうして戦争に反対してくれなかったの、戦争さえなかったら…」と母に言っては困らせました。
 空襲によって心身を傷つけられた空襲被害者は国からひとことの謝罪もひとかけらの補償も援護もなく、我慢と諦めの人生を強いられてきました。「国をあげての戦争だから我慢せよ」との「受忍論」のもと、国が起こした戦争の犠牲者は未だに放置されたままです。
 戦争や紛争は、たくさんの人を傷つけ苦しめ悲しみにつき落とします。誰もが、加害者となり被害者となる戦争の惨酷さを若い人に伝えたい。

沖縄・民間戦争被害者の会 顧問弁護団長 瑞慶山茂さん

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 私は、昭和18年に南洋のパラオで出生。1歳の時に乗っていた避難船が沈没し、3歳の姉は水死。私は奇跡的に生還した戦争体験者です。
 70年前、日米軍の地上戦が苛烈に戦われた沖縄戦で、当時60万県民の4分の1の約15万人が戦死、多数の身体的・精神的後遺障害者を出し、未だに一般民間人戦死者約7万人、後遺障害者数万人が国から謝罪も補償もなく放置されたままです。
 最近、沖縄戦の戦時・戦場体験に起因するPTSDを含む様々な外傷性精神障害が多数発生していること、それが世代間を越えて引き継がれていることが精神医学的にも確認され、大きな社会問題となっています。被害が世代間を越えて引き継がれることは、原爆症と同様に深刻な被害です。
 戦前、サイパン・テニアン・パラオやフィリピンは、沖縄県人の移民が多く、8万人の移住者のうち3〜4万人が戦死しそのほとんどが未補償のままです。そこで、沖縄・民間戦争被害者の会を組織し、全国空襲連に加盟しました。全民間戦争被害者の国家補償制度の確立を目指し、新「援護法」制定運動と国を被告に謝罪と賠償を求めて沖縄戦国賠訴訟(原告79名、9月30日結審)と南洋戦国賠訴訟(原告38名)を提起しました。
 新「援護法」制定運動は、沖縄県下全41市町村と県議会において保守革新が協力して、文字通り「オール沖縄」で全会一致で可決、意見書を関係省庁に送付しています。
 戦争被害は生命・身体・精神という基本的人権に対する最大の侵害・蹂躙です。このような基本的人権の侵害については、国家無答責論、戦争被害受忍論、時効論は通用しません。戦争を起こした国は、戦争被害について国家補償する義務があります。原爆・空襲・沖縄戦・南洋戦の被害者などは、今までのようなバラバラの闘いではなく「オール戦争被害者」が一致団結して国に恒久平和の実現と国家補償制度の確立を求めましょう。


被爆2世・3世の会結成総会に70人/岡山

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 10月24日、岡山市西川原プラザで岡山「被爆2世・3世の会」結成総会が開かれました。総会は70名近くの参加者があり、テレビ、新聞各社も取材に訪れ関心の高さを示しました。
 準備会を代表し加百智津子さん(2世・総社市在住)は「被爆者の想いを私たちが力を合わせて引きついで行こう」と挨拶。志賀雅子さん(2世・水島在住)が経過、会則、会員拡大や、2世・3世検診の充実、会報の発行などの活動方針を提起し承認されました。
 総会には県被爆者会土屋会長、津山2世の会木原会長、岡山県反核医師の会松岡会長が来賓として参加され、激励の挨拶をされました。また、全国6つの2世の会と被団協など13の団体・個人からメッセージが寄せられました。会の立ち上がりの支援募金約20万円が寄せられました。


東友会が福島原発被害者と交流 「私たちも同じ」…共感の輪広がる

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東友会福島交流ツアーの一行と原発被害者
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仮設住宅での交流会
 東友会は5つの被爆70年事業のひとつ「福島原発被害視察・被害者との交流ツアー」を10月21日と22日に行ない、被爆者と被爆二世など28人が参加しました。
 一行は貸切バスで福島原発被害を紹介したDVDを観ながら、福島県の小名浜に到着。仮設住宅で5人の被災者と交流しました。
 被災者から「楢葉町は今年9月に帰宅できるようになったが、若い人は帰ってこない。私から子や孫に帰ってほしいとも言えない」「当時帰省していた孫への影響が不安で、娘に申し訳ないと思い悩んでいる」との声が出ると被爆者や被爆二世から「私たちも同じだ」と声があがり、共感の輪が広がりました。
 翌日は、福島第一原発から10キロ程度の富岡町まで入り、除染で取り除かれた放射性物質が詰め込まれたひとつ1トンあるという黒い袋が、田畑や空き地に累々と積まれている様子、津波の被害が放置されたままのJR駅前商店街の跡などを視察。参加者一同は「実際に見るのは大違い」だと、核被害の深刻さを痛感しました。


福岡県庁ロビーで西山すすむ原爆漫画展開催

 「絵画で考える原爆」と題した展示が11月24日〜27日の4日間、福岡県庁の正面ロビーで開かれました。県健康増進課の企画で、展示されたのは福岡市在住で本紙4コマまんが「おり鶴さん」でおなじみの漫画家、西山すすむさん(長崎被爆)の作品。学校などの証言活動で使用している紙芝居の絵11枚と、はがき大の絵手紙方式で綴っている自分史(現在約900枚)の中の被爆体験を中心とした部分約100枚です。
 西山さんは、「私の原爆漫画を県民にみてもらいたい、という健康増進課の気持ちがとてもうれしかった」と話しています。


国連原爆展を展示/長野・松本市

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 10月11日、長野県松本市のやまびこドームで開かれた赤旗信州秋まつりで、国連原爆展「核のない世界へ|ヒロシマ・ナガサキのねがい」の全パネル50点が展示されました。まつりは実行委員会主催で県内外から3千人が参加、舞台で講演、文化行事が行われる中、原爆展を見入る人が途切れることなく訪れました。
 核兵器の非人道性を告発する写真、絵画、原発事故・被害、核廃絶に向けた世界の動きなど総合的な展示に「良く分かった」「たくさんの人に見てもらいたい」などの感想が寄せられました。


2015年NPT日本被団協代表団 報告集ができました

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 2015年NPT再検討会議ニューヨーク行動日本被団協代表団の報告集ができました。(A4版グラビア16ページ+本文100ページ)
 各国代表部に提出した要請書、代表団の行動日程、班別名簿、代表団一人ひとりと現地ボランティア代表の感想、国連原爆展パネルの内容、会議決裂についての声明などを収録しています。
 希望者に1部800円(送料別)でお送りします。被団協事務局までお申し込みください。


寄贈ありがとう

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『伝えたいあなたへ』 福岡市原爆被害者の会博多支部
 福岡市原爆被害者の会博多支部が被爆70年記念誌として発行。支部機関紙に連載した聞き書きによる63人分の「会員さん登場」と13人分の体験記を収録。頒価1200円

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『おりづるの子 2015年NPT要請代表団報告集』おりづるの子
 NPT日本被団協代表団に参加した、おりづるの子(東京被爆二世の会)会員2人の活動の報告と、その応援のために集めた「被爆二世としての思い」18本を収録。頒価500円


〈投稿〉印象深かった生徒たち

広島 箕牧智之

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箕牧さん(右)と志賀館長(左)

 今年は被爆70年ということで沢山証言の機会をいただきました。県外からの修学旅行生にも証言させていただきました。
 その中で一番印象に残ったのが、静岡県御殿場特別支援学校高等部22名への証言です。
 11月5日、修学旅行で原爆資料館を訪れて平和学習をされました。私は戦争の話、原爆投下時の広島の様子、その後の被害を50枚の写真パネルで説明しました。生徒の目線に合わせて話そうと心がけました。生徒たちはわかりやすく話してくれてありがとうとお礼の言葉がありました。
 たくさんの折りヅルで富士山を表現した美しい額が原爆資料館長の志賀賢治さんに贈られ(写真)、感動のひと時を過ごしました。


《被爆者運動から学ぶ学習懇談会》シリーズ

ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会

 《被爆者運動に学び合う学習懇談会》シリーズの第1回が11月14日立教大学で開かれました。ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会主催。
 今回のテーマは「原爆被害の実相を追及する ― 被爆者・調査・運動 ― 」。浜谷正晴一橋大学名誉教授が「被爆者運動」と「被爆者調査」に焦点を当てて、被爆40年の「原爆被害者調査」の頃までに時期を絞り、報告と問題提起をしました。
 県内の被爆者の家を全戸訪問するなどして調査し、被爆者が自らの手で原爆被害の実相を追及、明らかにしていった運動の歴史を、静岡と岩手の例を中心に学びました。
 参加者は「今また70年目の実相を解き明かすときでは」など発言、議論を深めました。次回は年明けに開催の予定です。


相談のまど 健康管理手当

診断書で「固定している」とされる疾病なら、更新は必要ありません

 【問】私は4年前から高血圧性心疾患で健康管理手当を受給しており、来年2月に更新手続きをしなくてはいけません。
 この病気は更新手続きをしなくてもよいと聞いていますが、今回の更新手続きで気をつけることはありますか?

  *  *  *

 【答】健康管理手当を受給していて更新しなくてよい疾病は、高血圧性心疾患など「循環器機能障害」のほか、再生不良性貧血など「造血機能障害」、慢性肝炎、肝硬変など「肝臓機能障害」、「がん」、糖尿病、甲状腺機能低下症など「内分泌腺機能障害」、脳出血、脳梗塞など「脳血管障害」、慢性腎炎、慢性腎不全など「腎臓機能障害」、肺気腫、肺線維症など「呼吸器機能障害」、変形性脊椎症、膝関節症など「運動器機能障害」で、これらの病気が固定していて、改善が見込まれないと診断された場合です。
 あなたの場合は高血圧性心疾患ですから、診断書の「固定している」という欄に○があれば更新の必要がなくなります。しかし、診断書に「3年」との記載があれば、3年後に更新することになります。
 中央相談所では、医師宛の「更新用診断書作成のための紹介状」を用意しています。希望する方は、手紙に更新用紹介状を希望する旨と申請する疾病名を記して、82円切手を貼った返信用封筒を同封し、中央相談所に申し込んでください。
 白内障など更新が必要な疾病で健康管理手当を受給している人は、次の更新時に、更新が必要ない疾病で申請することをおすすめします。


本の紹介

『ナガサキの命-伝えたい、原爆のこと』 吉永小百合・編

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 原爆詩の朗読をライフワークとし、今年菊池寛賞を受賞した吉永小百合さんが、若い読者に伝えるために編集。昨年夏の『ヒロシマの風-伝えたい、原爆のこと』につづく出版です。物語と原爆詩、手記を収録。
 吉永さんは今年8月9日長崎の平和祈念式典に参列しました。「あとがき」で、「次の世代に語り継ぐことの大切さを、その時深く胸に刻みました。本書はそのような想いの中で出版されます」と記し、12月公開の長崎を舞台とした主演映画『母と暮せば』にも触れて「このような本や映画を通して、私は戦争を知らない若い世代の皆さんに「あの日」のことを伝えたい」と記しています。
 角川つばさ文庫、600円+税


募金のお願い

 日本被団協の運動を支える「被爆者運動強化募金」を重ねて訴えます。
 私たちの二大要求である「原爆被害への国の償いと核兵器廃絶」は、いまだ達成されていませんが、その実現は喫緊の課題になっています。被爆70年、日本被団協は、国際的に「核兵器の非人道性」を明らかにし、すべての国民にがまんを強いる「戦争犠牲受忍論」に抗い、原爆被害をはじめ、すべての戦争被害者への国の償いを実現する道筋を切り開いています。
 日本被団協の運動量はますます多くなり、行動の重要さは増しています。しかし、募金と機関紙購読が減り、日本被団協の財政は危機的状況になっています。
 被団協運動を支えるため、より一層の募金の協力をお願いいたします。

《振込先》
 郵便振替口:00100-9-22913
 加入者名:日本原水爆被害者団体協議会