相談のまど

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相談活動

「被団協」新聞に掲載されている「相談のまど」よりご紹介します。

2008年11月号より

脳梗塞で入院中の母、退院後は?
 【問】被爆者である母が9月に脳梗塞で倒れ、現在入院していますが、その病院から「うちからは退院してほしい。別の病院を探して」といわれています。しかし、今入れる病院や施設は負担が14万円を超え、私の収入ではとても払えません。
 母は入院してから、胃糊(いろう*)処置がとられました。介護保険では要介護5と認定されています。
 被爆して以来苦労して私たち子どもを育ててくれた母の最期を何とかしてあげたいと思います。何かよい方策はないでしょうか。被爆者として利用できることはありますか。健康管理手当ては受給しています。

*  *  *

 【答】被爆者対策では介護手当ての受給が考えられますが、これは在宅での介護が基本になります。お母さんが今の病院を退院した後、自宅で過ごすことができるかを検討してみてください。主治医に、胃糊処置をしていても在宅で介護をすることが可能かどうか、よく相談してください。
 在宅介護が可能であれば、介護支援センターのケアマネージャーと介護保険の利用計画を立てます。主治医から近所の病院を紹介してもらい、訪問看護、訪問介護などの計画を立ててください。
 介護保険を利用して生じる医療系のサービスは被爆者の自己負担はありません。また、ヘルパーなどのサービスで生じた負担は被爆者の介護手当として請求できます。この場合は、被爆者介護手当の申請をすることが必要になります。
 *「胃糊」とは、口から食べられないなどの人が、直接胃に栄養剤を入れる(経腸栄養法)ためにお腹にあける小さな穴のこと。

2008年10月号より

脳梗塞で倒れたあとほとんど寝たきりに
 【問】私の母は被爆者で、5年前に脳梗塞で倒れ、自宅で介護していました。最近また脳梗塞の発作が起こり、入院していましたが、今は自宅に戻りました。以前は、入浴、食事などは何とか自分でできましたが、今は歩行もできず、ほとんど寝たきりで、身の回りのことは全くできません。認知症も少しあります。
 今回の入院前は、家族介護手当に該当しなかったのですが、今の状態では、申請すれば認められるでしょうか。

*  *  *

 【答】家族介護手当は、寝たきりなど重度の障害がある状態でないと受給できないことになっています。
 お母さんの状態は、家族介護手当受給要件のひとつである「両下肢(足)の要を全く廃している」に該当すると思われますので、申請すれば受給できると思います。
 かかりつけの医師に介護手当用の診断書を作成してもらってください。 「別表3」(介護手当申請用書類の中にあります)に該当していると診断してもらえば大丈夫でしょう。
 また、介護手当は毎月申請することになっていますが、申請時に「家族介護手当継続支給申請書」を一緒に提出して認められれば、その後は、障害が改善した時以外は継続して受給できます。

2008年9月号より

骨髄異形成症候群とは
 【問】原爆症認定の対象の病気に「骨髄異形成症候群」という病気がありますが、これはどんな病気ですか。また、どんな検査を受ければよいのですか。

*  *  *

 【答】骨髄異形成症候群(MDS)は、白血球と血小板が成熟しなくなる、血液と骨髄の病気の一種です。高齢者に多い病気で、高齢者の貧血から発見されることがほとんどです。また、白血球減少や血小板減少などがあることもあります。
 被爆者健診で、今まではなかった貧血を指摘された時は、放っておかないで指示にしたがって検査を受けてください。
 骨髄異形成症候群は、軽度の貧血のまま進行するものから重篤な場合まで幅があります。また、急性骨髄性白血病へ進行する場合もあります。
 被爆者健診の血液検査で貧血の有無を調べることから、発見が可能になりますから、必ず被爆者健診は受けてください。

2008年8月号より

 【問】原爆症認定の「新しい審査の方針」にある、「放射線白内障(老人性=加齢性白内障をのぞく)」というのはどういうことでしょうか。

*  *  *

【答】最近まで、眼の水晶体の後嚢下に混濁があることが、放射線白内障の特徴とされてきました。ところが一般にも後嚢下混濁のある白内障があるとわかってきたため何をもって放射線白内障とするかが、はっきりしなくなっています。
 厚生労働省の医療分科会で、委員からその点を質問された健康局長は、「そういう時は救済」と答えています。日本被団協などとの協議の中でも、担当者は「老人性=加齢性との記載がなければ認定」と答えました。
 4月以降に白内障で認定された事例は、まだ少ないのですが、1・3キロ、1・7キロなど近距離の直接被爆者です。
 「新しい審査の方針」で積極認定の被爆状況であり、水晶体に後嚢下混濁のある白内障であれば申請してみてください。

2008年7月号より

原爆症認定新基準に関して
 【問】このたび認定基準が新しくなったようですが、その中に認定される病気として「放射線起因性が認められる心筋梗塞」とあります。
私は2年前に心筋梗塞と言われて、現在も投薬などの治療を続けています。被爆したのは、広島の皆実町2・2キロです。該当するのでしょうか。

*  *  *

 【答】4月から適用がはじまった「新しい審査の方針」で、新たに心筋梗塞が認定の対象となりましたが、厚生労働省からは詳しい説明がありません。また心筋梗塞で認定された被爆者がまだ少なく、「放射線起因性が認められる」ということが具体的にどういうことか、はっきりしません。
 しかし、今度の「新方針」による審査では、原因確率は使われませんので、「近距離」での被爆に限定するなどの線引きは、基本的にはないと思われます。
 「新方針」で積極認定の対象となる被爆状況は次のいずれかとなっています。(1)約3・5キロ以内で直接被爆 (2)原爆投下後約100時間以内に約2キロ以内に入市 (3)100時間を過ぎて、原爆投下から2週間以内に、約2キロ以内に入市後1週間以上滞在。
 この3つのいずれかの被爆状況にあてはまり、現在「心筋梗塞」であれば、「放射線起因性が認められる」として原爆症と認定される、と理解できます。
 現在、当相談所でわかっている心筋梗塞での認定例は、1・2キロから1・3キロで被爆された方です。

2008年6月号より

原爆症認定申請について
 【問】私は平成16年に前立腺がんで原爆症認定申請をしましたが、却下されました。軍の命令で、8月7日から広島市内各地で救援作業をしました。入市被爆だからダメなんだろうと、あきらめていましたが、このたびの新しい認定基準では該当するようです。前立腺がんは現在ホルモン療法で治療をしています。
 一度却下されても、再度申請はできるのでしょうか。

*  *  *

 【答】再申請はもちろんできます。すぐに申請してください。
 厚生労働省が4月から実施している「新しい審査の方針」による原爆症認定では、(1)3・5キロ以内の直接被爆 (2)100時間以内に広島・長崎の2キロ以内に入市 (3)1週間後に2キロ以内に入市後1週間滞在した、という3つの条件に該当する被爆者が、がん、白血病、副甲状腺機能亢進症、白内障、心筋梗塞のいずれかの病気で原爆症認定申請をした場合は、積極的に認定されることになっています。
 しかし、今まで認定されていた甲状腺機能低下症などは「被曝線量、既往歴、環境因子、生活暦等を総合的に勘案して個別に判断する」としており、これがどのようなものになるかは、今もはっきりしていません。
 日本被団協と集団訴訟全国原告団、および全国弁護団は、すでに出されている6つの地裁判決に基づいて認定するよう求めています。

2008年5月号より

 【問】4月からの原爆症認定に関する「新しい審査の方針」は、今までのものとどのように違うのでしょうか。
 私は3年前に胃がんで手術を受け、胃の3分の2を摘出しました。原爆症の認定申請をしましたが、却下されました。広島の2・5キロで被爆しています。今からまた申請すれば認定されるでしょうか。(75歳・男)

*  *  *

 【答】今まで原爆症の認定は、機械的に申請者を切り捨てるためにつくられた「原因確率」という基準を使って行なわれていました。これは、残留放射線や体内に取り込まれた放射線の影響を、まったく無視したものでした。
 原爆症認定集団訴訟を先頭にした、認定基準抜本改善を求める運動の中で、3月に厚生労働省が「新しい審査の方針」を決定しました。入市被爆者の疾病も原爆症認定の対象とするなど、以前よりは原爆被害の実態に近づいたものになっています。4月から新方針による認定が始まりました。
 新方針によれば、現在がんの治療を受けている被爆者の場合、(1)約3・5キロ以内の直接被爆者 (2)原爆投下後100時間以内に約2キロ以内に入市 (3)原爆投下後100時間を過ぎて2週間以内に約2キロ以内に1週間滞在、という3つの条件のいずれか1つに該当していれば、原爆症と認定されることになります。
 あなたの場合、現在も胃がん手術後の検査や治療を受けているのなら、申請すれば認定されると思われます。
 申請に際しては、がんの病理組織診断書(コピーでも可)と医療特別手当認定申請書を一緒に提出してください。

2008年4月号より

【問】4月から後期高齢者医療制度がスタートしますが、その内容を教えてください。また、被爆者施策との関係はどうなりますか。

*  *  *

 【答】今年4月から後期高齢者医療制度がスタートします。これにともなって、4月までに75歳以上になる人には、3月中に後期高齢者医療被保険者証が送られているはずです。この制度では、75歳以上の人すべてが、ひとりひとり被保険者となります。このため、今まで会社などの健康保険の被保険者だった人も、その被扶養者だった人も、後期高齢者医療制度の対象者になります。
 保険料額は所得に応じて決まり、基本的には年金から自動的に徴収されます。年金額が月額15000円より少ない場合には、別に自分で収めることになります。
  これまで扶養家族として保険料を納めていなかった人で、新たに保険料負担が生じた場合、減免措置が受けられます。
 (1)健康保険や共済組合などの扶養家族だった人で後期高齢者医療保険の対象者(75歳以上)になった場合、2年間は所得割額が免除され、均等割額が半額となります。それも、9月までの半年間は徴収されません。
 (2)国民健康保険に加入(74歳まで)の場合、2年間は所得割額が免除され、均等割額が半額となります。この場合は申請が必要です。
 所得による違いや自治体での措置もあるので、詳しくは居住地の役所にお問い合わせください。
  被爆者の場合、保険料は自己負担しなければなりませんが、医療費の自己負担分(原則1割)は、被爆者健康手帳によって公費負担されますので、今までどおり自己負担はありません。
 この新保険制度は、保険料が今までより高くなることが多いほか、手抜きの診療体系導入によって必要な治療が受けられなくなるなど、さまざまな問題が指摘されています。高齢者にふさわしい医療制度を要求しつづけることが大事です。

2008年3月号より

 新しくなる原爆症認定基準 過去にかかったがんは認定されますか
 【問】私は平成10年に左乳がんになりました。平成16年までは通院して検査を受けていましたが「もう大丈夫」といわれて、現在は通院していません。
 平成11年に原爆症認定の申請をしましたが、却下となりました。
 被爆したのは、長崎の稲佐町2・3キロです。今度新しくなる原爆症認定基準では、申請すれば認定されるでしょうか。

*  *  *

 【答】現行法で原爆症として認定されるためには、(1)申請する病気が放射線が原因である=放射線起因性 (2)現在その病気の治療を受けている=要医療性、というふたつの条件があります。
 今回出されることが予想される新しい認定基準で見ると、あなたの乳がんは放射線に起因していることになります。しかし、現在乳がんの治療は受けていないため、原爆症として認定されることは難しいと思われます。
 このような方はたくさんおられると思います。
 集団訴訟で被爆者の主張が認められる判決がつづき、今回の大幅な認定基準改訂のうごきとなりました。しかし、まだまだ問題もあります。原爆被害の実態に合った原爆症認定制度にするため、被団協と原告団、弁護団は、3月中にさらに厚生労働省との協議をつづけることになっています。

2008年2月号より

 【問】私は昨年10月に肺がんの手術を受けました。広島に原爆が投下されてから3日後に、疎開先から自宅のあった東白島町(爆心地から約1・5キロ)に帰った入市被爆者です。報道によると、原爆症認定基準が変わるようですが、私の場合は原爆症と認定されるでしょうか。今までは、入市被爆の場合はほとんど認定されないと聞いて、あきらめていました。

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 【答】現在厚生労働省が検討している、新しい審査の基準では「(1)3・5キロ前後で被爆した (2)原爆投下から100時間以内におよそ2キロ以内に入市した (3)100時間を過ぎて入市した場合でも1週間程度滞在した」という条件のいずれかにあたる被爆者が、がん、白血病、副甲状腺機能亢進症になれば、積極的に認定を行なう、としています。
 しかし、これは最終的に決まったものではなく、4月からの実施をめざして、現在作業が続けられているところです。
 あなたの場合は、100時間以内に、2キロ以内に入市していますから、今出されている方向で新しい基準が決まれば、原爆症認定がされるものと思います。申請は今でもできます。