被団協新聞

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「被団協」新聞2012年 10月号(405号)

2012年10月号 主な内容
1面 2世の思いを出し合う場に 10月3日に被爆2世交流会
日本被団協提案など3つの方向性 「原爆症認定制度在り方検討会」が討論
地域での共同、署名、学習会 国の償い実現で支援団体が提案
日本被団協第368回代表理事会 「国の償い」「認定制度」など討論
2面 座標 沖縄戦国家賠償訴訟
中央相談所講習会 東北ブロック、福島で開催
アメリカが核実験 Zマシンで5回目/日本被団協が抗議
現行法改正 国会議員賛同
『日本被団協50年史』 熊本が新たに40セットを普及 ―― 公共図書館へ
非核三原則法制化 意見書採択
原爆被害への国の償い実現運動募金のお願い
3.11後の来館者 広島平和記念資料館
非核水夫の海上通信98
3面 原爆展だより 県庁で、市役所で、診療所で、全国各地で開催
町立図書館などが主催の原爆展で 被爆2世図書館長が講演/滋賀県多賀町
“継承”願いDVD制作 追悼平和祈念式を収録/宮城県はぎの会
写真展「被爆2世108人の肖像」を終えて
4面 相談のまど
被爆者手帳取得の証人さがし
被ばく者とともにたたかっていかねば 被爆者の声をうけつぐ映画祭

2世の思いを出し合う場に 10月3日に被爆2世交流会

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日本被団協二世委員会(9月6日)

二世委員会が初会合

 7月の代表理事会できめた二世委員会(委員長・中村雄子事務局次長)の初会合が9月6日午後、東京・港区のKCDホールで開かれました。

  被爆2世6人を含む委員11人が出席、今後の活動など話し合い、10月3日に予定している2世交流会は、それぞれの思いを出し合う場とすることなどをきめました。
 委員会発足にあたって挨拶した日本被団協の田中熙巳事務局長は、2世の要求実現へ被団協としてどう援助するかなど議論を重ねてきたが、「親の活動を手伝うなかで、2世が引き継がなければならないとの思いが生まれた」との九州ブロック講習会(昨年12月開催)での2世の発言に触発され、2世委員会を発足させることになった、親(被爆者)と2世がともに考え行動することが大事だと考えている、とのべました。
 初会合で、委員それぞれが自己紹介し、この間の取り組みを交流しました。現状の理解を深める重要性や2世の会を発足させた経験、2世協議会の活動などが出され、10月の交流会は初めてのとりくみで、2世がそれぞれどのような思いを抱いているかを交流することが大事だとなりました。
 活動にあたっての財政問題も切実なことが話し合われました。

日本被団協提案など3つの方向性 「原爆症認定制度在り方検討会」が討論

 第14回原爆症認定制度在り方検討会が9月7日厚労省会議室で開かれました。6月の前回検討会で出された「中間とりまとめ」の論点を神野直彦座長と厚労省が、(1)日本被団協提言、(2)山崎泰彦委員提案、(3)その他、の3つの方向性に整理し提起しました。これをもとに議論し、次回以降具体的制度を検討することになりました。

 会議の冒頭、藤田一枝厚生労働大臣政務官が挨拶し、行政と司法の乖離をどう埋めるか知恵を出してまとめて欲しいと求めました。
 神野座長は、中間とりまとめは、ほぼ3つの方向性をもった議論と考え整理した。どれを選ぶということではなく議論を生産的に進めるための整理だとのべました。
 議論では、(1)現行法の放射線起因性にもとづく認定制度を残すと司法との乖離は埋められず、引き続き裁判が提起されることになる。破綻した現行制度を改正する必要がある(田中熙巳委員)、(2)放射線起因性で科学性を否定することはできない、原爆起因性とすると熱線、爆風、精神的なものを救うことができる(草間朋子委員)、(3)原爆症とは断定できないが否定もできない、準ずるものとしてグレーゾーンを提起した(山崎委員)などの意見が出ました。
 予算の総枠を念頭に議論する必要があるとの意見に対し、予算の中で制度を検討するのは本末転倒、あるべきを論じた上で、どれだけかかるかを検討すべきだ(田中委員)との意見が出て、神野座長は、手当の体系の議論であり、予算制約が主たる目的ではないとしました。
 次回検討会は9月27日午後2時からです。

第14回原爆症認定在り方検討会で示された3つの方向性

 原爆症認定制度在り方検討会座長案(各項、末尾の( )は、編集者注)
(1)現行の原爆症認定制度を廃止し、全ての被爆者に基本的な手当(現行の健康管理手当相当額)を支給することとしてはどうか(日本被団協提言)
(2)裁判例等を踏まえた放射線起因性が無視できない程度のグレーゾーンを設け、医療度・介護度等により段階的な手当を設定することとしてはどうか(山崎委員提案)
(3)法令で基準を明記することも含め審査基準を客観化し、相当程度判断が固まっているものを行政認定に取り入れることとしてはどうか(その他)

地域での共同、署名、学習会 国の償い実現で支援団体が提案

 日本被団協が2015年までの達成を目標にとりくんでいる原爆被害への国の償いについて、支援団体から運動強化のため地域での共同や学習会など積極的な提案がありました。8月末、在京役員が支援各団体を手分けして訪問し懇談した際出されたものです。
 懇談したのは日本生協連、日青協、全地婦連、日本原水協、日本原水禁、全日本民医連、全国空襲連の7団体。
 被爆証言と原爆展を共同で開き、映像も流し、「核兵器全面禁止」「現行法改正」署名を訴えてはどうかとの提案をはじめ、いつまでに頑張ろうとの目標を提起するなど動く契機が欲しい、支援団体合同の学習会を開いてはどうか、地域に合った共同を探ってみたい、理事会や総会で被団協の要請を提起したいなどの提案がありました。


現行法改正要求パンフが好評 千葉県原水協が10月に学習会

 千葉県原水協は、日本被団協がとりくんでいる国の償い実現運動を共同して推進するため10月8日に学習会を開きます。
 県原水協では、千葉県友愛会からの協力依頼で署名を一定数集約しましたが、その後進んでおらず、課題になっていました。学習会を決めた常任理事会では、「被爆者に寄り添う行動」が議論になり、事務局長が「ふたたび被爆者をつくらない決意を世界に」パンフを説明しました。
 出席者から、「なぜ被爆者が国家補償を求めているのか、必要性がわかった」「原文にふれると理解が深まる」「現行法の制定過程がよくわかる」などの感想がだされ、地方議会での意見書採択の参考資料に活用したいと30部注文する理事もいました。

日本被団協第368回代表理事会 「国の償い」「認定制度」など討論

 被爆者中央相談所の第35回定期総会が、6月7日東京のホテルジュラクで開かれました。
 被爆者手帳の所持者が減少し相談事業を長年背負ってきた役員が少なくなる中、医療や福祉・介護制度が高齢者に厳しいものになっている現実を踏まえて、改善された原爆症認定制度の活用をはかること、現行法の活用をはかること、相談事業の充実をはかることなどを確認し、今年度の事業計画を決定しました。
 新法人法に基づく法人に移行するかどうかは、移行期間と定められた来年11月までに検討していくことにしました。

座標 沖縄戦国家賠償訴訟

沖縄戦で国の責任問う

 太平洋戦争末期の沖縄戦で戦禍に遭った民間被害者40人が8月15日、国に損害賠償と謝罪を求める「沖縄戦被害国家賠償訴訟」を那覇地裁に起こしました。
 日本の軍隊による「集団自決(強制集団死)」など戦闘行為で住民が死傷したことを「不法行為」として国の責任を問うています。日本軍の行為による被害に対する国の責任を問う集団訴訟は初めてです。
 瑞慶山茂弁護団長は「裁判所は『受忍論』を改めるべきだ」(琉球新報8・15)と強調しています。

一般空襲被害者も

 原爆被害をはじめ一般国民の戦争被害に対して国は「受忍」(がまん)を強要して、謝罪も補償も拒否してきました。
 「国をあげての戦争による『一般の犠牲』として、すべての国民がひとしく受忍しなければならない」(原爆被害者対策の「基本懇意見」)というのです。
 日本被団協は「ふたたび被爆者をつくるな」「原爆被害は受忍できない」と訴えて、原爆被害に対する国家補償への法「改正」要求運動を進めています。
 一般空襲被害者(全国空襲連)も「受忍」を拒否、裁判と合わせて「空襲被害者等援護法」の超党派立法運動を進めています。
 沖縄戦訴訟は「受忍」拒否の新たな広がりです。

未来をふさぐ「受忍」

 戦争被害「受忍」政策は、戦争を否定した憲法の下で許されるものではありません。また「受忍」政策は過去の戦争被害だけでなく、現在・未来の世代にもかかわる問題です。
 過去も未来も、戦争被害は「受忍」しない、戦争否定の憲法を守れ、という世論と運動の国民的広がりをつくりだしましょう。

中央相談所講習会 東北ブロック、福島で開催

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 震災で昨年できなかった東北ブロックの被爆者相談事業講習会が、9月9日〜10日、福島市高湯温泉の花月ハイランドホテルで開催され、東北5県から19人の被爆者と支援者が参加しました。
 9日は、福島わたり病院の齋藤紀医師がチェルノブイリと比べながら低線量被爆の問題点と被爆者の健康管理について話し、伊藤直子相談所理事が介護保険制度の活用や原爆症認定申請での留意点等を説明しました。10日は、田中熙巳日本被団協事務局長が、現行法改正、被爆の実相普及等の被団協の重要課題について解説。いずれも質疑で内容を深めることができました。


アメリカが核実験 Zマシンで5回目/日本被団協が抗議

 アメリカが「Zマシン」による核実験を、今年4月から6月の間に行なっていたことがわかりました。この核実験は、2010年11月に初めて行なわれ、今回で5回目。
 日本被団協は9月20日「核兵器の使用を前提とした実験つづけ」ることに「強い怒りをもって抗議する」として、オバマ大統領あての抗議文を在日米大使館にFAXおよび郵送しました。

現行法改正 国会議員賛同

 現行法改正賛同国会議員、7月から9月20日までの報告分は、秋野公造議員(参・公明・比例)でした。これで賛同議員は衆参あわせて54人となりました。それぞれ地元の国会議員に働きかけ、賛同を広げましょう。

『日本被団協50年史』 熊本が新たに40セットを普及 ―― 公共図書館へ

 総会での決定に基づいて『日本被団協50年史』の普及が各地ですすめられています。熊本県被団協では、募金をもとに資金をつくり、県内40カ所の公共図書館すべてに寄贈しました。
 運動の継承のためにも被爆二世や支援者に、積極的に普及しましょう。

非核三原則法制化 意見書採択

 非核三原則の法制化を求める地方議会の意見書採択、7月から9月20日までの報告分は以下のとおりです。

原爆被害への国の償い実現運動募金のお願い

 日頃より日本被団協の運動に大きなご支持、ご支援を頂き深く感謝申しあげます。
 高齢化し、残された時間も少なくなった被爆者は、2015年(被爆70年)までに、原爆被害に対する国の償いと核兵器の廃絶を趣旨とする法に現行の「原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律」を改正するため全力を挙げています。この運動は、未来にわたってあらゆる核被害を拒否する意思をもったもので、実現すれば核兵器も戦争もない世界を願い「ふたたび被爆者をつくらない」ことを国が誓うことになります。
 地方から中央行動(国会、政党、議員要請)に参加する被爆者の行動費などを含め、運動を大きく進めるための資金として、2000万円の募金を目標としています。
 不況の中たいへん恐縮ですが、皆様のご支援、ご協力を心よりお願い申しあげます。
 郵便振替〈番号〉00100-9-22913〈加入者名〉日本被団協

3.11後の来館者 広島平和記念資料館

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被爆アオギリの前に立つ小泉喜代子さん

 広島平和記念資料館でピースボランティアを15年間続けている小泉喜代子さんのお話です。

* * *

 昨年の震災以来、広島にも被災地から避難してきている方がいます。資料館を訪れた福島からの避難者にガイドをした時に「広島でなら、白い目で見られない」とつぶやかれ、はっと胸をつかれました。いわれなき差別が、原発事故の被害者にもあるのですね。
 関東からやってきたという、ファッション雑誌から飛び出してきたような装いの若い女性たちが、放射能への不安を訴えることもありました。原発事故の影響で、修学旅行生や見学者からの質問が具体的になったと感じています。
 若い人たちの、もっと勉強したい、詳しく知りたいという姿勢を頼もしく思いますが、誤った知識で風評被害に加担してはいけないと感じ、気を引き締めています。


原爆展だより 県庁で、市役所で、診療所で、全国各地で開催

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静岡県庁
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千葉県庁
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横浜駅
【宇佐市】7月14日〜9月2日、大分県宇佐市民図書館で新「原爆と人間」パネルを展示。1500人を超える来場者があり、「ひばくしゃのおもいがこめられていたのでこころにのこりました」(小学生)など感想も多数寄せられました。
【静岡県】7月23日〜8月1日、県庁別館21階展示ホールで、県被団協主催、県・市共催で「原爆と人間」展を開催。紙芝居やアニメなどを上映し1000人以上が来場しました。
【静岡県西遠地区】8月3日〜15日浜松市役所、8日〜16日浜松市のなゆた浜北、21日〜9月4日湖西市アメニティプラザで、県被団協西遠支部主催で「原爆と人間」展を開催。3会場あわせて80通以上の感想文がよせられました。中にはポルトガル語のものもあり、10月初旬までに文集にまとめる予定です。
【四日市市】7月26日〜8月31日、みえ医療福祉生協四日市で事業所廊下に新「原爆と人間」パネルを展示しました。診療所や介護事業所の患者、利用者、職員が毎日見学していました。
【千葉県】千葉県原爆被爆者友愛会は、8月6日〜9日、県庁の県民広場と多目的ホールで「平和のための原爆展」を開きました。9日の長崎原爆投下時刻にあわせて庁内放送が入り、職員と来庁者全員が黙とうをする場面もありました。450人余が来場。アンケートには83人から回答があり被爆証言を初めて聞いたという回答が2割ほどありました。
【和光市】8月20日〜26日、埼玉県和光市中央公民館でくらしと年金懇話会主催、和光市後援、しらさぎ会協賛で「原爆と原発展」を開催、255人が来場しました。「じっくり時間をかけて見る良い内容」などの感想が寄せられました。
【神奈川県】神奈川県原爆被災者の会は8月24日〜8月27日、県生協連、県原水協とともにJR横浜駅東口の新都市プラザで「原爆と人間展」を開催。13000人ほどの見学者が訪れました。子どもを連れた母親や若いカップルも多く、熱心に見学していました。
【甲州市】8月27日〜9月3日、山梨県甲州市役所で、市民団体「子どもたちに平和と未来を手渡す仲間の輪」が「ヒロシマ・ナガサキ原爆と人間パネル展」を開催し、115人が来場しました。「子どもたちに語り継いでいきたい」などの感想が寄せられました。

町立図書館などが主催の原爆展で 被爆2世図書館長が講演/滋賀県多賀町

 滋賀県多賀町で、同町立図書館などが主催して「ヒロシマ・ナガサキ原爆と人間展」が開かれました。8月1日〜19日まで、同図書館も入っている町の施設「あけぼのパーク多賀」で、日本被団協制作の新パネルを展示し、18日には被爆2世の図書館長西河内靖泰氏(58)が「ヒロシマ・ナガサキから学ぶ核のない未来を求めて〜ノーモアヒバクシャ記憶遺産を継承する被爆2世からのメッセージ」と題して講演しました。
 この展示に先立って同図書館では新パネルとパンフレットを購入。西河内館長は「開催を急に決めたため準備期間が短かったのですが、地元紙が取り上げてくれたり、町の有線放送で流したりして、かなりの方にみていただけたと思います」と話しています。

“継承”願いDVD制作 追悼平和祈念式を収録/宮城県はぎの会

 宮城県原爆被害者の会(はぎの会)がDVDを制作しました。7月に行なった第26回宮城県原爆犠牲者追悼平和祈念式の模様を収録したもので、合唱団の合唱、高校生の朗読、中学生の平和宣言など、様々な年代の市民が被爆の実相を伝える内容になっています。頒価500円。連絡先=木村事務局長(022-243-2158)まで。

写真展「被爆2世108人の肖像」を終えて

これからも撮影を続けます/吉田 敬三(写真家)

 8月に東京のペンタックスギャラリーで開催した「被爆2世108人の肖像」写真展には約3500人の来場者がありました。
 写真展会場で初めて被爆2世と接する方も多く、「入市被爆」という言葉が読めず、その意味もわからないという質問もありました。また車椅子姿の2世の写真を見て「やっぱり」と納得される方がいたり、あるご婦人からは「娘夫婦に子どもができないのは娘の連れ合いの親が長崎で被爆しているせいではないか」と尋ねられたり、被爆2世だから何かあるという偏見が当たり前のように存在することに驚きましたが、これまで被爆者・被爆2世とまったく接する機会のなかった方々とゆっくり話ができたことが今回の写真展の成果だと思います。
 福島から避難されているご夫婦からは「来て良かった。この写真展を見て本当に安心しました。だってこれは私たちの未来ですものね」との感想をいただき、私たちが思っている以上に被爆2世に対する期待も大きいと感じました。偏見や差別をなくすため、同じ生活者として身近に被爆2世が存在することを今後も写真を通じて社会に伝えたいと思います。
 これからも東北や四国など未撮影地を重点に全国を回って撮影と写真展を続けていきます。

相談のまど
要介護3 風呂場を改修したい 補助は受けられますか

 【問】現在公営住宅で一人暮らしをしている80歳の老婆です。最近、以前からのリューマチがひどくなり、日常生活で大変不自由をしています。介護保険で要介護3の認定を受けています。
 今の住居はかなり古く、浴槽が高くて入浴ができません。風呂場の改修をしたいと思い、業者に見積もってもらうと60万円かかるということでした。介護保険から出してもらえるものもあるようですが、年金も少ないので、何か他に補助はありませんか。

* * *

 【答】介護保険法による住宅改修、浴槽改修などは、改修の内容などで支払われるもの、支払われないものなど複雑です。
 介護保険の他に、自治体が補助しているところもあります。補助額や対象などは自治体によって異なります。
 参考までに申し上げますと、浴槽をユニットバスに替える、浅めの浴槽に替えるなどは対象外です。手すりを付けて浴槽の出入りをスムーズにするなどは対象となります。水道の蛇口の交換なども対象となる可能性があります。
 これらについては自治体や介護保険のケアーマネージャーに相談してください。

被爆者手帳取得の証人さがし

 静間 幹雄さん 昭和3年9月生まれ、山口県豊北町出身。
 静間さんは当時、二等飛行兵曹として、戦艦日向に乗船していました。所属は海軍呉第81突撃隊(嵐部隊)第1大隊第2中隊の伏龍特攻隊で、21891という番号がありました。昭和20年8月5日に呉に入港していました。
 8月6日の原爆投下の後すぐに、軍の命令で陸路広島市内に救援に入りました。その後5日間、死体を集めて焼く仕事を続けました。
 隊長の「みやけ」さん、よくかわいがってくれた「しおやだいすけ」さんの名前を覚えています。終戦後、隊が解散する時にみやけ隊長から「今後何らかの体調不良が出るかもしれない、その時は嵐部隊に連絡をするように」と言われましたが、その時はどういうことか理解できませんでした。
 連絡先=山田晶子(本人の娘)東京都調布市柴崎1-63-1-301

被ばく者とともにたたかっていかねば 被爆者の声をうけつぐ映画祭

 「被爆者の声をうけつぐ映画祭2012」が9月14日から16日まで、東京・明治大学リバティタワーで開かれました(主催=映画祭実行委員会・明治大学軍縮平和研究所。後援=日本被団協他)。原爆、原発を題材にしたドキュメンタリー・劇映画合計11作品が上映され約640人が参加しました。上映後にはゲストのお話があり、被爆者が証言した回もありました。感想を紹介します。
 「原爆がこれほど被害者を苦しめたのかと、日本政府とアメリカ政府に怒りを感じた」「日本政府の外部・内部被ばくに対するいいかげんな指針を知り、怒りを覚えた」「被爆者の『福島の原発事故が残念でならない』という言葉が心に響いた」「私たちが被ばく者とともにたたかっていかねば、世界の未来はない」「戦争を知らない世代の私たちが、あの戦争は何だったかを問い直さなければ」「小学校の教員になる私は、子どもたちにどう伝えていくか考えたい」