■ひびきヶ原塚駅第6展示室

民営化後の東海道本線の臨時列車(非営業列車電車・気動車編)
21.11.21、28 315系とHC85系の日車出場をトップページから移転常設掲載

●非営業列車集

臨時列車は営業運転ばかりとは限りません。さまざまな目的で運転される非営業の列車が存在します。縁の下の力持ちとして働いている事業用車を中心に、碧海地区では不定期でしか見られない形式(過去の車両を含む)を集めてみました。

(注) 拡大画像はJava Script を使用しています。セキュリティーの設定次第では正常に動作しないことがあります。
315系第2編成の公式試運転new
落成後の公式試運転を行う315系C2編成

幌や併結対応の連結器が省かれており、8両固定編成単独での使用が想定されているものと見られます。315系の製造が発表された頃、同好の方との沿線での世間話として、増解結を省きたいという意向があるようだという説を聞きました。実際にそのとおりになっていると感じられます。人件費の削減のほか、保安機器の高度化によってイニシャル、ランニングコストが高騰している先頭車を削減する意図があるように思われます。

HC85系が碧海エリアにnew
日没が迫る中、ASA3200で何とか撮れたHC85。目的は不明ですが、試運転列車扱いであった模様

キハ85系置換用に開発されたディーゼルハイブリッド車HC85系が落成試運転列車として碧海エリアを通過したのは日付が2019.12.5に変わった深夜のことです。高山線、紀勢線を中心に2年近く試運転が続けられてきましたが、21.10.22〜11.11にかけて製造元の日本車両に入場しました。22.4.18、量産化改造のため再度入場しており、このときは軽度な改造であった模様です。
 21.11.11は日没が迫る中、念願だった自宅に近い撮影地で捕えることができました。

セントラルライナー用313系
試験用新型台車の取り付けを終えて神領へ帰る313系セントラル車

2012.5.20、日頃は東海道線を走ることがない中央線「セントラルライナー」(2013.3ダイヤ改正で廃止)用313系8000番台が姿を現しました。目的は日本車両で開発された試験台車を中間車に取り付けるためで、1週間後の5.27に出場しました。同社の新製車公式試運転ダイヤが予想されましたが、幸田の長時間停車を省いて前倒しで来るのを警戒して早めに行ったのは正解でした。

MLながら185系化訓練
訓練運転を終えて返却される185系10連

青春18きっぷシーズンに運転される「MLながら」は、2013年夏の運転後、使用されていた189系に廃車や転属が発生しました。そして、噂どおり185系への置き換えが決まり、訓練運転が行われました。碧海エリアは11/19〜21、11/26〜29、12/3〜5、12/12(送込)、13(訓練)、17(返却)に通過しています。そして、12/21から営業運転が始まりました。
 なお、185系200番台は国鉄時代に甲子園臨として碧海エリアを通った実績があります。

371系出場試運転
名古屋工場を出場し、試運転を兼ねて静岡区へ帰る371系

小田急との相互乗り入れによる特急「あさぎり」は2012.3ダイヤ改正で小田急60000系MSEに置き換えられ、JR371系、小田急20000系RSEが撤退することになりました。371系は2011.3.22に名古屋工場での検査、ATS-PT取り付け改造を終えて出場していたため、1年後に本来の役割を終えるとは意外でした。
 「あさぎり」退役後は団体用に改造されるとの発表がありましたが、工事が行われることはなく、2013年5月には乗務員訓練で何度も見られました。結局愛知県の東海道線では営業運転に用いられることはなく、中央線の臨時急行に使用されたくらいで持て余されてしまいました。

新製313系公式試運転
新製313系公式試運転

2011年から2012年当初にかけて、313系2両編成が大量に製造され、神領区へ配属されました。これらに押し出される形で313系セミクロス、ワンマン仕様車、3000番台が大垣区へ転属し、飯田線の119系を置き換えています。
 真新しい車体と、全て閉じられたブラインドが「納品前」の電車であることを物語っています。
 パンタグラフがたくさん付いていることを表現したかったのですが、サイド気味に撮るとかえって目立ちません。

キハ25形第2ロット
日本車両で新製、試運転を行うキハ25形P3〜P5編成

2010.11.10に第1ロット4両が完成、出場した武豊線用新形式気動車キハ25は、その後、試運転や乗務員訓練を行っていましたが、2011.2.23に第2ロットの6両が日車から出場しました。313系そのままの外観はファンとしてはたいへん残念ですが、武豊線でのデビュー後は碧海エリアを通過する機会はほとんどないものと予想され、6両が連なったシーンも貴重な記録となることでしょう。
 第2ロットも一部は2011.3.1に武豊線での営業運転を開始しました。

新型総合試験車
デビュー間もない頃、各線で訓練が行われていたキヤ95系

架線、信号検測はクモヤ19350とJR西日本から借用のキヤ191系、軌道検測は各種機関車牽引のマヤ34で実施されてきましたが、全ての機能を持った総合試験車キヤ95系が開発されました。同系の第1編成は1996年にデビューし、社内各地で訓練運転などが行われました。
 同系を初めて迎えたのは現在野田新町駅になっているポイントですが、この時も本格的な検測ではなく、訓練ないしは性能試験の目的であったと思われます。

119系交番検査回送
交番検査を受けるため大垣へ回送される119系。時には5連に!

静岡車両区の所属であった飯田線の119系は豊橋運輸区の常駐であることには変わりありませんが、大垣車両区の所属になって以降、交番検査のため碧海地区でも時々見られました。運転開始当初、碧海地区は昼過ぎの通過でしたが、その後、早朝6:30頃となり、さらに、2009.3改正からは刈谷15:06頃と、好条件の時間帯になりました。
 時には5両まとめて送られることもありましたが、100km以上ある豊橋−大垣の往復が回送とはちょっともったいない気がします。

クモヤ145廃車予定車回送
廃車予定車として回送されるクモヤ145-112(海シン)

工場への入出場が編成単位になって、牽引車は本来の用途ではほとんど使われなくなりました。冬季の霜取り列車として細々と使用されてきたクモヤ145-112がついに廃車予定車として西浜松へ自力回送されました。JR東海所属の同車を撮ったのは最初で最後となりました。
 ひどく色褪せた痛々しい姿ですが、ダブルパンタに重厚なモーター音は最後の力走にふさわしいものでした。

海シン最後の381系引退
パノラマグリーン車クロ381-13(海シン)を先頭に浜松へのラストラン。

神領区(海シン)の381系は2006年9月から最後の1本になっていましたが、2008.5.6の臨時特急「しなの81・84号」が最後の営業運転となりました。そして、その翌日には早くも廃車予定車として浜松工場へ回送されました。長野オリンピック時、383系への置き換えから約10年。よくぞ生き残ってきたものです。
 381系は我が国初の振り子電車として名古屋−長野間の所要時間を飛躍的に短縮した輝かしい功績があります。しかし、その引退は公表されることもなく、あまりにもあっけない最期となりました。

”スフィンクス”試運転
まるでスフィンクスのようなキヤ97系ロングレール輸送車

2008年3月下旬に完成したキヤ97系ロングレール仕様車はなかなか姿を現しませんでしたが、381系最後の廃車回送の翌日、ほぼ同じ時間に碧海地区を通過しました。
 走行中は折りたたまれるレールスロープと、首のように高く立ち上がったコクピットがとても個性的ですが、その姿はスフィンクスのように見えます。誰が言い出したのかはわかりませんが、うまいことを言うものだと、感心しました(笑)
 2日間連続早起きして出迎えました。

定尺レールキヤ快走
雨の中、レールを積んで東海道線を東上するキヤ97系

2008.4より機関車牽引のチキから任務を引き継いだ定尺レール用キヤ97は名古屋港からDE10に牽かれて名古屋まで来ると、今度は自力でレールの輸送先へ向かいます。
 レールを満載していても、機関車牽引時代よりもかなり速いスピードで通過していきました。
 余談ですが、列車種別は当初しばらくは試運転列車として扱われ、その後、工事列車扱いとなりました。工事列車というよりも、レールも社用品と考えて配給列車にしたほうがしっくりくるように思います。この際形式も「キル97」に変えて・・・(笑)

電気検測試験車(1)
交直両用色のままだった頃のクモヤ193系50番台(海カキ)

ユニークな電気検測試験車クモヤ495系は金沢運転所から出張してきていましたが、JR東海へ引き継がれることを前提に国鉄時代末期に大垣電車区へ転属になりました。在来線には交流区間がないため、民営化直前に直流専用クモヤ19350系に改造されました。本家のクモヤ193とは全く異なるもので、元形式との関連でクモヤ195系のほうがふさわしかったのではないでしょうか。
 この日は珍しく土曜日に中央線で検測が行われ、検測パンタを上げたところが撮れました。

電気検測試験車(2)
浜名湖鉄橋を渡るクモヤ193-50系。

直流専用化後もしばらくは交直両用色のまま使われた19350系は88.9頃、やっと新性能直流事業用電車の規定色である青+黄色の警戒色に塗り替えられました。
 検測は大半が平日に行われましたが、電車区への返却回送はしばしば土休日にも当たり、その姿を捕らえるチャンスが得られました。
 この日は青春18きっぷを使って埼玉から撮りに来ましたが、激しい下痢に見舞われ、度々トイレへ走ったことを思い出します。しかし、青い同車を撮ったのはこの1回だけで、苦労が報われました。

383系量産先行車公式試運転
日本車輌で新製され、試運転を兼ねて回送される383系量産先行車

JR東海の新製車はその多くが日本車輌で製造されます。自社内で受け取ることが可能なため甲種輸送は行われず、試運転を兼ねた自力回送が行われます。出場はほとんど平日ですが、新振り子電車383系の量産先行車は珍しくも土曜日に出てきました。シングルアーム式パンタグラフがまだ目新しい頃です。
 当時の資料によれば、この日、日本車輌を出た同編成は豊川(試9972M)豊橋(試9511M)大垣(試9512M)名古屋(試9821M)多治見(試9822M)神領の経路で試運転を行いながら所属先の神領区へ入っています。

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第1展示室(民営化後の東海道本線の臨時列車-2000年以降の甲種輸送編その1)

第1a展示室(2000年以降の臨貨、甲種輸送編その2)

第2展示室(1988年以降の頃の機関車牽引列車-へ)

第3展示室-1987年の臨時客車列車-へ

第4展示室-ユーロ塗装機+ユーロライナー以外の組合せ-へ

第5展示室-東海道本線の臨時列車(団体臨時列車電車・気動車編)-へ

第7展示室-東海道本線の時刻表掲載名称付き臨時列車-へ

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