民営化後の東海道本線の臨時列車(2000年以降の臨貨、甲種輸送編)
22.10.9 2コマを追加
●2000年以降の臨貨、甲種輸送 (その1)
当駅で扱う臨時列車、特に機関車牽引の列車は近年大幅に数が減りましたが、まだまだ話題の臨時列車が運転されます。まずは比較的最近撮った列車を紹介していきましょう。(当面は「構内放送」で取り扱った画像の一部の常設化を行い、随時更新します。)
(注) 拡大画像はJava Script を使用しています。セキュリティーの設定次第では正常に動作しないことがあります。
JR東→九州415系甲種 new
2008.12、JR東日本からJR九州へ415系12両が譲渡され、甲種輸送で運ばれていきました。
国鉄時代であれば、自力回送であったかも知れません。移動方法は確認できていませんが、1985年の科学万博EXPO85(つくば博)輸送の終了後に常磐線から九州地区へ転属した415系がありました。
JRの会社間の車両譲渡はそれほど多くはなく、珍しい事例となりました。
EF6654 E331系甲種 new
銀塩カメラを修理に出す機会にデジカメを導入し、運転日が延期されたE331系の甲種を撮りに行きました。ACトレインによる試験結果を反映した次世代新型車(ギアレスモーター、連接車)を迎えることは、デビュー日にふさわしいと考えたのです。
こんな思いで撮ったE331系甲種でしたが、結局のところ、現車は度々トラブルに見舞われ、営業運転に充当されたのは通算1年半にも満たないとのこと。十分に活躍したと言うには程遠い存在でした。(→一度だけ乗車した際に撮影した同系)
JR四国アンパンマントロッコ
JR四国のアンパンマントロッコ編成がJR東日本に貸し出され、東日本大震災で被災した主に東北地方に住む子供たちを招待する企画が執り行われました。同編成は往路2012.3.2、復路同7.12に碧海地区を甲種輸送で通過しました。
ところで、アンパンマンなんてどこにもないじゃん・・・。東京都の広告規制条例に抵触するとかで、白いテープでマスキングされてしまいました。都内は深夜に通過し、しかも、その時限りの非営業運転なのに、なぜここまでする必要があるのでしょうか?
診断:重症の過敏性コンプライアンス症候群ですな・・・。(苦笑)
同編成の原色キハ185
多忙だったため、同列車は近場で撮るにとどめました。その際、皆さんが構える定番ポイントより、もう1スパン東で撮りました。それは、原色PFよりも原色キハ185系のほうを撮りたかったためです。
国鉄時代の1986年、日車製の同系が公式試運転で通過した実績があります。しかし、情報がなく、仮にあっても平日で撮れずじまいだったことでしょう。その国鉄色キハ185を地元で撮ることができたのは、たとえ無動力の後打ち撮影であっても、大雨であっても、感慨深いものがありました。
びっくりEF641000がTX甲種を
2012年2回目のTX2000系甲種は2本まとめての輸送となりました。前日の関西地方からの情報で、牽引機はEF210-12(岡)と認識していました。
時間になって列車が来ました。パンタグラフが見えた時は疑いを持ちませんでしたが、次の瞬間、EF641000番台大宮更新色であることがわかってびっくり。山口県からの甲種輸送をEF641000が牽くとは考えもしませんでした。
理由はまだ不明ですが、これまでのTX甲種の実績を考えると、これも話題作りだったのでしょうか?ちなみに、稲沢で外されたEF210-12は当日の2086レ次無動で上って行ったそうです。
廃車予定タンク車輸送
北海道で船舶輸送への移行に伴って余剰となったタンク車がはるばる稲沢まで輸送され、2012.5.22に続き、再び碧海地区を通りました。前回は緑+グレーの塗装が主体でしたが、今回は黒塗装のものが多く連結されていました。
前回は同日に日車甲種、9775レが運転されましたが、不思議なことにこの日も同列車が走りました。右のホキ2000形です。タキは長大なため、安城−西岡崎へ。ホキは自宅近くにこだわって野田新町まで引き返しました。9775レまで5分ほどしかなく、かなりの冒険でした。
新製ホキ2000の甲種輸送
新日鐵名古屋製鉄所で使用される石灰石の輸送に使用される貨車、通称「赤ホキ」の老朽化に伴い、置換用の新形式、ホキ2000が日車で新製されました。名古屋臨海鉄道の東港まで甲種輸送され、使用開始後は通ることがない碧海地区を通過しました。これが貨物列車であることは誰も文句を言いませんが、この列車では貨車自体が「甲種鉄道車両」という名の貨物になります。
原色DE10に車掌車まで連結され、ここに載せるのがはばかられるほどの国鉄っぽい列車でした。
EF641000番台が碧海エリアへ
2011年になって碧海エリアの営業列車に新たな形式(区分番台)が加わりました。
2010年末から大府まで来るようになったEF641000番台ですが、境川を超えて三河へ来るのはせいぜい次無動でした。それが、11.7.17、おそらく初めての営業運転でやってきました。お客さんはマルタイ1両という寂しいものでしたが、パンタを上げて自走して来るのは無動力よりもはるかに価値の高いものです。新形式の登場がなかなか期待できない時期に、国鉄形式EF641000番台が新たな実績を刻んだことは感慨深い思いです。
震災支援燃料列車
2011.3の東日本大震災による大規模な火災によって生産能力が損なわれてしまった千葉の製油所を支援するため、四日市のコスモ石油からもタンク車が宇都宮の貯蔵施設へ向けて運転されました。本来は紙輸送のワム列車である3460列車のスジを使い、3月30日に第1便が碧海地区を通過していきました。積載状態のタンク車が通常ここを通ることはありません。
緊急の燃料列車は混乱の中、製造、輸送関係者の尽力によって走ります。石油だけでなく、関係者の思いも載せていると新聞で読み、そのとおりだと思いました。
写真は撮りっぱなしではそれまでですが、どんな列車なのかをきちんと記録しておくことで生き続けます。(構内放送2011.4.3付「記録は力なり」を再掲載)
EF651101南海12000系甲種
特急用車両の甲種輸送の機会は少なく、いざ走るとなると俄然注目度はアップします。南海電鉄南海線特急「サザン」用新形式、12000系が2編成送られました。部品、構造の共通化の意図が感じられますが、さわやかなブルーが人目を引きます。
牽引機はかつて東京機関区に所属していたEF651101号機。ブルトレや団臨を牽いてやって来たものです。貨物更新色に装いを改めていますが、なじみ深い1両の牽引で、より記録価値のある列車となりました。
青いDD51が碧海エリアへ
2009.5.10の早朝、岡崎までマルタイ輸送があり、JR貨物のDD51が牽引予定であることを聞きました。愛環、北岡崎への貨物輸送が終了して撮影時点で10年近く。その後、碧海エリアへ貨物会社のDD51がやってきた記憶がありません。ここは貨物らしく更新色を期待していると、それに応えるかのように青更新色の890号機が牽いて来ました。
登場当時は正面のクリーム色塗装から「ベニア板」などと呼ばれ、評判がいま一つだった同色ですが、既に全てが赤更新色に塗り替えられた今となっては貴重な記録です。
青いDE10+JR九州DC甲種
日本車両の新製車の甲種輸送は、西浜松常駐のDE10(愛)が担当します。(その後入換機は新鶴見のHD300に置き換え)東は西浜松、西は稲沢まで同機が担当するため、碧海地区でも見られます。2両の常駐機はいったん交代するとしばらく留まるため、同じ番号の機関車が甲種を牽くことが多くなります。2009年の夏は愛知では唯一の青色更新色のDE10である1581号が西浜松常駐となり、各種甲種輸送に充当されました。この日はJR九州のキハ220形3両を牽きました
同機は2010.4.23に稲沢を発って大宮車両所へ入場。赤更新色に塗り替えられました。
赤更新色化後のDE101581
中央に掲載したDE101581はその後の大宮車両所における全般検査時に他の更新機同様の赤系塗装に塗り替えられました。既に青色更新色はDE10、DD51とも想い出カラーになっています。
写真は日車で新製された松浦鉄道向けの気動車の甲種輸送を牽く同機です。同社向けの輸送はほぼちょうど1年ぶりとなりました。編成が短かったため、定番ポイントよりももう1スパン東側で撮りました。狭いエリアを切り抜くことで一気に季節感を強調することができます。
EF200の甲種
東海道線からEF65が減り、岡山のEF65が稲沢以東へは来なくなって以来、民営化後の形式も甲種を牽くようになりました。2008.5.23〜24の東京メトロ10000系の輸送は当初EF65(新)の予定であったと聞きましたが、実際にはEF200(吹)が充当されました。新色への塗り替えが進む頃で、オリジナル塗装の7号機との組み合わせは貴重な記録になりました。
EF651059つくば甲種
つくばエクスプレスの新規開業用車両は2004年に相次いで甲種輸送されましたが、車両の増備が行われることになりました。つくば車の甲種はMR管を接続するため、それが使用可能な機関車が限定運用されます。新鶴見機関区では試験塗装維持機、1059号機は数少ないMR管装備機で、指名登板になった模様です。
2004年の運転時にも主にEF81に取り付けられたタイプのヘッドマークが用意され、天候にも恵まれた沿線は大いに盛り上がりました。
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第1a展示室(2000年以降の臨貨、甲種輸送編その2)
第2展示室(民営化初期の頃の機関車牽引列車-へ)
第3展示室-1987年の臨時客車列車-へ
第4展示室-ユーロ塗装機+ユーロライナー以外の組合せ-へ
第5展示室-東海道本線の臨時列車(団体臨時列車電車・気動車編)-へ
第6展示室-東海道本線の臨時列車(非営業列車電車・気動車編)-へ
第7展示室-東海道本線の時刻表掲載名称付き臨時列車-へ
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