2026年3月の映画  戻る

ナースコール HELDIN
2026年 スイス/独 96分
監督・脚本 ペトラ・フォルペ
キャスト レオニー・ベネシュ(看護師フロリア)
メモ 2026.3.30(月)テアトル梅田
感想
スイスの公立病院。遅番で出勤した看護師のフロリアはさっそく老婦人のオムツ替えを手伝い、早番の担当者からささっと引継ぎを終える。
今日は看護師がひとり病欠でふたりで特別室の1人を含め25人を担当する。ふたりで分けフロリアが面倒を見るのは13人。おまけに研修生に仕事を与えなくてはならない。
 
体温、血圧を測り薬を配り点滴を用意しというルーチンの他に次々と電話はかかってくるわ、患者の話は聞かなあかんわ、ナースコールに駆けつけなあかんわ
急に入院患者が増えるわで息つく暇もない。たいへん。
 
眼鏡を捜すのと、検査結果を聞きたい患者のためにドクターを捕まえてと、それに延命治療を望むかどうかトルコのおばあちゃんのために通訳も呼ばなと
あー耳栓もあった、と映画を観ている自分自身いくつ覚えてるかとたえず反芻する。ずーっと緊張が続く。
モルヒネの希釈って看護師さんがするんですね。薬事部かと思ってた。水道水ってのもびっくり
シリンジに薬を入れて点滴に入れてとかミスができない医療行為の隙間にフロリアは患者に寄り添う。
こんな看護師さんに見てもらえたらいいな、と思う反面忙しすぎていつ事故が起こるかと怖い。まあもう医療事故で逝くのもいいかも。娘もあっさりでよかったわと訴えたりせーへんやろうし。
AIが浸透しても、生き残るだろう職業の筆頭に看護師、介護士はあがる。ただ職業は残るかもしんないけど優秀な人は残らないかもしれない。
 
ハハは2年ほどの間に頭を打ったり肺炎になったりと4つの民間病院に入退院した。新しくてきれいな病院ばかり。ここ10年くらいの間に病院の建て替えが進んだみたい。
これから団塊の世代が去って私がお世話になる頃には色々燃え尽きてしまって無いかもしれん。(お世話になる事はありませんようにとせつに祈る)
ハハはおお年寄りやったせいか、看護師さんもバタバタやなかった。目に付いたのは事務方の多さ。
案内係、入院受付、会計とか医療従事者より多いみたいに見える。システム化されているはずやのに、これでいいのか。
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プロジェクト・ヘイル・メアリー PROJECT HAIL MARY
2026年 米国 156分
監督 フィル・ロード/クリストファー・ミラー
キャスト ライアン・ゴズリング(グレース)/サンドラ・ヒュラー(ストラット『落下の解剖学』)/ケン・レオン
原作 『プロジェクト・ヘイル・メアリー』
メモ 2026.3.27(金)大阪ステーションシティシネマ
あらすじ
太陽と金星の間に帯が出来ているのが発見され「ペトロヴァ・ライン」と名付けられる。帯は太陽のエネルギーを食っちゃって、地球に届く量が減少し寒冷化に向かっているという地球規模の一大事。
これは太陽系だけやなく、他の恒星にも同様のことが起こっている。ただひとつ、くじら座のタウ星系だけは免れていた。
感想
上下2巻800頁余りの長編をコンパクトにかつ見どころは逃さず期待たがわず、良くできている。造型も◎
SFのダイナミックな映像を期待するとだいぶ違う。こまごまとあれを作ったりこれを作ったりの地味な話やから。
私はブツを作るエンジニア、現場のひとが好きやから十分満足、ラストも原作通りでかわいいな。映画『オデッセイ』のラストはもうひとつやったから、こっちの方が好き。
ロッキーの視点もちょっと加えてあって、ここんとこ映像ならでは。一人称小説は「オデッセイ」と同じく記録映像を撮るシーンのひとり語りで補っている。
ライアン・ゴズリングはちょっと気弱やけど面倒見のいい分子生物学者がイメージ通り。プロジェクトリーダー役のサンドラ・ヒュラーは鉄の女であり柔らかいところもありでこれまた良くて、えらいこっちゃの話ながら楽しかった。
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オーロラの涙 ON FALLING
2026年 英国/ポルトガル 104分
監督・脚本 ローラ・カレイラ
キャスト ジョアナ・サントス(オーロラ)
メモ 2026.3.25(水)テアトル梅田
あらすじ
ポルトガルからの移民でスコットランドのでっかい物流倉庫で働いているオーロラ。職種は「ピッカー」。インターネットで買われた商品をピックアップするのが仕事。
ひたすらカートを押して歩いて棚から商品を捜しだしハンディターミナルでバーコードを読む毎日。疲れ果てて家に帰ると後は食べて寝るだけ。
感想
「ノマドランド」「夜明けまでバス停で」と違って、住むところも仕事もあるねんけど、蓄えがほぼない。毎日へとへとになるまで働いて、贅沢なんかなんもしていないのに、ちょっとしたことで危機的状況に陥る。ロープを見るとドキドキして他の商品に思わず変えちゃうほど優しいひとやねんけどな。
元々引っ込み思案で内気な性格のせいなのか、それともTVもない生活やらか、同僚の輪の中に入っていくことができない。助けも求められない。
この映画は、ポルトガルからスコットランドに留学した監督さんの実体験が元になっているそうです。
孤独とお金に詰まっていることのどちらが苦しいか。お金か。お金は多くを解決する。が、はした金では足らない。
 
こまかい事やねんけど映画を観て知ったことは、英国の電気料金は家の大きさで決まっていて使っても使わなくても同じ額なので節電しない。って話を以前読んだことがある。そうかーそやからシェアハウスでは回り持ちで電気料金を払うことができるのか。使用量を測らなくていいし、住民で割らなくてもいい、手間がかからないから合理的っちゃあ合理的。
それともうひとつ、物流倉庫では同じ様な商品がいろんな棚に置いてあって分散している。理由は、同じところに置くと人気のある商品にピッカーが集中して滞留を起こし効率が悪いかららしい。なるほど。
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レンタル・ファミリー RENTAL FAMILY
2025年 米国 110分
監督 HIKARI 光
撮影 石坂拓郎
キャスト ブレンダン・フレイザー(フィリップ)/平岳大(多田)/山本真理/柄本明(長谷川喜久雄)/宇野祥平/安藤玉恵/ゴーマン・シャノン・眞陽(ミア)
メモ 2026.3.21(土)大阪ステーションシティシネマ
あらすじ
日本に来て7年。芽の出ない俳優フィリップは「レンタル・ファミリー」会社を経営する多田と知り合う。
「白人男性ってニッチなんだ」と多田は獲物を逃さない。
だますんやなく、ひとを幸せにするために演じる、舞台と一緒だろという誘いにフィリップは乗ってしまう。
感想
「37セカンズ」のHIKARI監督作品。
「原始のマン」の時とかわらない大きな笑顔のブレンダン・フレイザーが主演。日本の善いところを巡る物語で、誠実かつ不器用そうなブレンダン・フレイザーを見れてよかった。
大きなブレンダン・フレイザーが、せせこましい国で縮こまって暮らしている。
多田(平岳大)のぽろっと出たセリフ「日本人にはセラピーは合わない」「100年住んでも日本はわからない」も面白い。
確かに日本人にはセラピーは合わないかも、奥ゆかしいから(^^)
一方、外から見て日本ってわかりにくいのかな。一神教(ユダヤ教、キリスト教、イスラム教)の人たちには理解不能かもしれない。
ラストは日本人なら「ああ、そうやった」と思うけれど、外国人には新鮮、意味深か。よく出来ていた。
ミアの父親は連絡が取れないというより米国の精子バンクかもしれん。うーん、そう考えれば最初の人も精子バンクを利用するかも。
少子化という割に、夫はいらんけど子供は欲しいという優秀な女の人に政府は応えない。
男女不平等になるからか。人工子宮が出来たら飛びつきそうやのにな。
 
ミアの小学校での「廃品から作る動物」の授業を見て、今でもやってるの? と思う。
ちびさぼが小学校で廃品から作って家に持って帰ってきたのがコレ↓
名前は「ないどう」(無い動物やから)
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
後ろ姿には尾っぽらしきものもあります。
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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しあわせな選択 
2025年 韓国 136分
監督 パク・チャヌク
キャスト イ・ビョンホン(ユ・マンス)/ソン・イェジン(イ・ミリ)/イ・ソンミン(@ク・ボムモ)/ヨム・ヘラン(@の妻)/チャ・スンウォン(Aコ・シジョ)
メモ 2026.3.16(月)心斎橋キノシネマ
あらすじ
ユ・マンス(イ・ビョンホン)は幸せだ。高校を出てから25年務めている製紙会社では紙幣やロトなど特殊な紙も扱う熟練技術者。
部下にも慕われ仕事にやりがいがある。
家にはきれいな妻と息子、娘がいて、荒れていた生家を買い戻し自分で手を入れ温室も作った。憩いの場所だ。
犬も二頭いる(ゴールデンリトリバーに見える)。庭でバーベキューなんかしちゃって、ああ幸せ。
感想
最近功成り名遂げた俳優さん(デミ・ムーア、レイチェル・マクアダムス、エマ・ストーン)の限界突破みたいなお姿を拝見したのですが、イ・ビョンホンもか。
笑った。
紙を無くす方向に傾いている世界やのに、紙を作る仕事に執着する男たちを理解するため、他の俳優さんも仕事に対する男の矜持、プライドを熱く語っておられた。
なるほどなーそうなんや。
失業中で訳わからん怪しい夫への奥さんの理解ある姿にも納得の説明があり、とても脚本がいい。
監督は『オールド・ボーイ』のパク・チャヌク
原作はドナルド・E・ウェストレイクの『斧』
原作は1997年作でそれから30年近くたち、映画のラストは更にリアルでブラックになっている。
 
イ・ビョンホンの子供役のふたりがかわいい。表情がいい。
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ブゴニア BUGONIA ”再生” 昔、死んだ羊から蜂が生まれると思われていた とか
2026年 アイルランド/英国/カナダ/ 韓国/米国 120分
監督 ヨルゴス・ランティモス(「ロブスター」)
キャスト エマ・ストーン(製薬会社の社長ミシェル)/ジェシー・プレモンス(テディ)/エイダン・デルビス(テディの従兄弟ドン)
メモ 2026.3.2(月)大阪ステーションシティシネマ
あらすじ
製薬会社の社長ミシェルはベンツで帰宅したところを、ふたりの男に襲われ拉致される。
目を覚ますと拘束されて地下室らしき所に監禁されていた。
男のひとりがとんでもないことを言い出す。とても正気とは思えない。
ミシェルは優秀な頭脳をフル回転させ、このイカレポンチの説得にかかる。
感想
カーストのてっぺんに鎮座しているエリート女バーサス底辺でうごめいている男たち。男は不満の爆弾を抱えた陰謀論者(イルミナティ)
わりとゆったり始まるけれど、後半は怒涛の様。やー面白かった。
韓国映画のリメイクだそうです。
 
 
以下はできれば映画を観られてから読んでください。
また訳の分からないずれた話やねんけど、先日70作品ほどの書展を見に行った。ある大きな作品の真ん中ぐらいにちっちゃな印が押してある。カメラで写してみると長さ8ミリ、幅5ミリくらいかな。字はわからない。
あれは何???? そばにいてはった作者のひとに聞いてみる。
なんと訂正印やねんて。「事なし」とかの字が彫ってあるらしい。一文字間違ったので訂正印を推して、書の最後に師匠がちっちゃな字で「これこれが正解」と書いてある らしい。
世は事もなし。
ほお、訂正印なんかあ。と感心した次第をなんとなく思いだす。
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