2020年3月の映画  戻る


特急にっぽん 
1961年 85分 日本 東宝
監督 川島雄三
原作 獅子文六『七時間半』
脚本 笠原良三
出演 フランキー堺(コック・喜ぃやん)/団令子(ウェイトレス・サヨ子)/白川由美(ステュワーデス・今出川さん)/小沢栄太郎(社長)/中島そのみ(中国服の女・ヤエ子)/沢村貞子/滝田雄介(息子)
メモ 2020.3.15(日)「日本映画専門チャンネル」録画
あらすじ
新幹線がなかった頃の日本。東海道線「東京→大阪」間は特急「こだま」が6時間半かけて走っていた。
車内は1等もあれば2等車もあり、食堂車もあれば飛行機みたいにCAさんもいてはるの。
映画「ゴスフォード・パーク 」みたいに『小間使い」組vs『食堂』組の対立もあってね。
乗客乗務員様々な人間模様を乗せててんやわんやのコメディは走る。
感想
短気なコック達がドタバタしてサイレント映画の様な趣もあり嬉しい。1961年のこだまに電話もあるねん。
あー、なんかしらみんなが単純でご陽気で辛気臭いことなしが楽しい。このご時世に、ほっとする。
 
ミスター・ソン・ガンホって、どことなくフランキー堺さんに似てると思う。
そやから、全然違うお話やけど「パラサイト 半地下の家族」の最後も、「私は貝になりたい」みたいに感じたんやね。
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星屑の町 
2019年 102分 日本
監督 杉山泰一
原作・脚本 水谷龍二
出演 太平サブロー(ボーカル天野)/ラサール石井(市村)/有薗芳記(五郎)/小宮孝泰(山田修)/でんでん(西)/渡辺哲(込山)
以上「山田修とハローナイツ」
戸田恵子(キティ岩城)/のん(愛)/菅原大吉(リーダの弟・山田英二))/小日向星一(英二の息子・啓太)/相築あきこ(愛の母・浩美)/柄本明(愛のおじいちゃん・六造)/春風亭昇太(店長)
メモ 2020.3.14(土)テアトル梅田
あらすじ
売れない歌手と半分素人の「わわわ〜」のコーラスの寄せ集まりグループ、ヒット曲もない「山田修とハローナイツ」は細々としたドサ回りで糊口をしのいでいる。今日の舞台はリーダ山田修の故郷。小学校で幕が開く。
感想
歌あり涙あり笑いありの昭和のムード歌謡ショー♪。ただ、楽しい。
愛(のん)のしろうとっぽい初々しさもキティ(戸田恵子)のあでやかな舞台もいいな。ビバ! たとえ小学校の体育館であろうとも生って引き込まれるやろね。
のんは、「グッモーエビアン!」の頃から見かけ変わんない(「あまちゃん」見ていないもんで)
ほんでもってあらためて「しまった、しまった、島倉千代子さんって歌上手やってんな」という事を認識した。
 
元は舞台劇ってこともあってか、大荒れの控室のシーンが舞台の演出のように感じる。わざとなんかな。
それは定点カメラっぽい映像なのかアップが少ないところなのか役者さんの演技としゃべり方なのか、わからへんねんけど。
全体を映している場面が多いからかな。
 
最後、愛から啓太への話の内容は明らかにされない。
映画を見終わった後、一緒に観た従姉は「あの女の子もいずれは故郷に帰るんやろね。」って言ってたから
「故郷に帰ってくる日まで待ってて」やと思ったようやけど、
うちは「私の事は忘れて幸せになって」やったように思う。どうやろね
啓太役の小日向星一っていう俳優さんは小日向文世さんの息子さんらしいです。
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37セカンズ サーティセブンセカンズ
ベルリン国際映画祭「パノラマ部門観客賞」「国際アートシアター連盟賞」
2020年 115分 日本
監督・脚本 HIKARI
出演 佳山明(ユマ)/神野三鈴(お母さん)/大東駿介(介護士)/渡辺真起子(風俗嬢)/板谷由夏(編集長)/尾美としのり(叔父さん)/渋川清彦(ポン引き)/石橋静河(理学療法士)
メモ 2020.3.3(火)大阪ステーションシティシネマ
感想
性は、まあ、秘め事なんやろうけど、
ないことになっているような「障がい者の性欲」をお話にからませ、脳性まひの23歳の女性が自らを奮い立たせ母親の庇護から脱出し外の世界へと車椅子で歩み始める姿を描く。
 
母ひとり子ひとりのお母さんは、心配のあまりほんとは娘を目の中に目の届くところに置いておきたい。
それでも、娘ひとりで外出させる。それなりの勇気を出してはるねん。気持ちわかるわ。
そやねんやけど、娘の好奇心と成長のスピードは加速する。時がきたんやね。追いかける長い手はないねん。これは母親の子離れの話でもある。
 
主人公のユマはオーディションで選ばれた方だそうです。
カメラの前でも自然体でお母さんが部屋に入ってきた途端、内心のどきどきを隠し外面は何食わぬ顔でPCのエロ画面を切り替えるシーンがうまかったなー。
 
HIKARIという監督さんは米国在住の方だとか。
 
障がいっていっても千差万別。
ユマの障がいは「ジョゼと虎と魚たち」のジョゼ(池脇千鶴)の様かな。湯船から出ることができない。
障がい者の性は「そこのみにて光輝く」でも少し描かれてた。
以前読んだんやけど、ほんまかわからへんねんけど「ラブドールがあって、障がいのある息子と私は救われました」って話を読んだな。
 
ユマの仕事のコミックと言えば、今年とうとう一線を越え電子コミック・書籍を読み始める。
自分が決壊しないようにそろりそろりと足を踏み入れたところ、
世事にうとい私は日本にこんなにきれいな絵が書ける作家さんが、こんなにたくさんいてはるのにびっくり。コミケも大盛況やもんね。ユマ頑張れ!
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