Web風土記ふじいでら
Top menu タイトル・藤井寺市の桜名所 site map
 藤井寺市紹介のサイトを創ろうと構想を練りだした時、是非とも入れたかったのがこのページです。学校でWebページを担当していた
時にもつくりたかったのですが、画像が容量を喰うので断念していました。市内にもある桜景観のすばらしさを数々の画像で見てほしいと
思っていました。
 市域の狭い藤井寺市ですが、それでも毎年春になると私達の目を楽しませてくれる桜名所が何ヵ所もあります。市域の規模の割には、む
しろ多いと言ってよいでしょう。市域が狭いことで、逆に短時間に数ヵ所を見て廻ることができる利点があります。
 そんな知る人ぞ知る藤井寺市の“桜名所”を紹介してみたいと思います。場所の選び方や各場所の紹介の仕方は、専ら私の独断と偏見に
よることをお断りしておきます。じっくりと楽しんでいただけることを願っております。
            藤井寺市で桜の見られるおもな場所 指指しアイコン の出るところはリンクページが開きます
藤井寺市の桜名所地図
 リンクページで紹介している場所の桜の状況を、まずは一覧表で見ていただきましょう。おおよその規模が想像できると思います。桜の
本数は
2014年4月の調査による数を基本として、その後順次修正していますが、現地調査の過程で若干の数え間違いがあったかも知れな
いこともお断りしておきます。場所によってはその後の枯死や植樹による多少の変動もあり、完全には正確な数を把握し切れていません。
特に本数の多い場所については、目安として見ていただければと思います。
 桜の季節を迎えるたびに、現状確認と撮影をしようと思い各地を順次廻って見ていますが、残念ながら、桜の本数が減っていたり、樹勢
が衰えていたりする様子があちこちで見られました。中には数十年を経た古木が根元から伐採されている例もありました。近年堺市や南河
内地域で広がっているクビアカツヤカミキリの幼虫による被害が次々と報告されています。藤井寺市内でも被害が増えてきており、この虫
害対策として根元にネットを巻いた様子も多く見られました
(この件は後述)。これ以上桜の木が減ることのないよう祈るばかりです。
 ここ数年、虫害による枯死が各地で続いているため、下の表の各場所の本数も全体に減少傾向にあります。また、枯死による減少のため
桜景観が失われていて、紹介のリストから外さざるを得なくなった所がありました。
 
リンク  桜 の 見 ら れ る 場 所 桜 の 本 数
アイコン・指さしマーク  大井水みらいセンター (下水処理場) 151 285
 大水川散策公園   28
 落堀川散策公園 (大和川堤防の法面を含む)   106
アイコン・指さしマーク  津堂城山古墳・津堂八幡神社  -  156
アイコン・指さしマーク  道明寺天満宮 (門外法面等を含む)  -  140
アイコン・指さしマーク  野中宮山古墳 (宮山児童公園を含む)  86  131
 野中神社 (境内・階段脇)  41
 元市立藤井寺南幼稚園野中分園西側法面   4
 アイコン・指さしマーク  カラ池西側歩道 (津堂)  14  86
10  市立津堂市民野球場 (進入路を含む)  53
11  元市立野外活動広場 (津堂)  19
アイコン・指さしマーク 12  梅が園善徳保公園 34 72
13  道明寺東小学校前市道法面  38
アイコン・指さしマーク 14  古室山古墳 (後円部北側)  41
アイコン・指さしマーク 15  蓮土山道明寺 (境内・参道)  -  21
アイコン・指さしマーク 16  伴林氏神社(ともばやしのうじのじんじゃ)  -  23
アイコン・指さしマーク 17  アイセル・シュラホール(市立生涯学習センター) -  19
アイコン・指さしマーク 18  ブクンダ公園  - 
アイコン・指さしマーク 19  古室八幡神社  - 
アイコン・指さしマーク 20  そのほかの桜があるところ  -  - 
 表で挙げた場所のほかにも、地元の人々にとっては大事な桜名所があちこちにあると思います。「そのほか」として加えてあります。
 道明寺南幼稚園の園庭や道明寺東小学校校庭、ひかりこども園のホール園庭などは、自由に入って眺めることはできませんが、かなり場
に合った眺めになっています。学校では、道明寺中学校や藤井寺北小学校の桜並木も道路沿いにきれいな姿を見せてくれます。

 UR都市再生機構・サンヴァリエ春日丘や府​営​藤井寺​道明寺​住宅の敷地内で見られる桜は、どちらも公営住宅地の一角に育ってきた桜で
す。どちらも近年に建物が高層化されたため、住宅地発足当時とはすっかり景観が変わってしまいました。近代的な高層住宅のそばで咲く
桜も意外と絵になっているように思います。団地に住む人々にとってはほどよい癒やしの景観になっているのではないでしょうか。
 藤井寺市役所の桜は、数は少ないのですが現代的な高層建物の前にあることで、インパクトのある桜として存在感を示していました。旧
庁舎の完成が
1965年10月だったので、これらの桜が植えられてから50年以上経っていることになります。残念ながら、市役所の桜は枯死
してしまい、2022(令和4)年3月には替わりの4本の苗木が植えられました。
 川北公園は府営住宅に隣接する公園ですが、小規模公園の割には立派に育った桜が見られます。遠くからでも北岸堤防の上に桜のかたま
りとなって見えており、「あれはどんな所にある桜だろう?」と思わせます。この辺りでは貴重なお花見スポットではないでしょうか。
 最近桜の木が育ってきて、けっこうな桜景観となっているのが、道明寺駅近くにある総合福祉施設「どうみょうじ高殿苑」です。敷地内
に自由に出入りすることはできませんが、玉手橋から道明寺駅への通勤・通学路に接しており、通行する人の目を楽しませてくれます。
 そのほか、四天王寺小学校・同東中・高校も取り上げていますが、ここの桜は植樹されてからまだ年数が浅く、まだ小ぶりの桜です。校
舎正面の道路沿いに11本の桜が並んでいますが、10年ほど経てばけっこう見応えのある桜並木となることでしょう。将来性を見込んで
紹介しておきました。

桜の木が大変なことに!-広がってきたクビアカツヤカミキリの被害 
 ここ数年で、クビアカツヤカミキリによる食害で枯死する桜の木が各地で
増えています。桜だけではなく、桃・梅など同じバラ科の果樹も同様の被害
を受けており、桃・梅の有力産地である和歌山県などでは強く警戒されてい
ます。既に一定の被害も出ているようです。
 クビアカツヤカミキリは、中国・朝鮮半島・ベトナムなどに分布する昆虫
で、国内では特定外来生物に指定されています。成虫や幼虫を見つけても、
飼育や持ち運びが禁じられており、その場で捕殺する必要があります。
 クビアカツヤカミキリは生きている樹木の樹皮の割れ目に成虫が産卵し、
孵化後に幼虫が内部に食入していきます。樹皮がまくれている古木などが産
クビアカツヤカミキリ 桜の根元にたまったフラス
クビアカツヤカミキリ
 (左)おす (右)めす
 桜の根元にたまったフラス
  イモムシのような形が特徴的
卵に好まれる傾向があり、樹皮が平滑な若木への産卵は少ないようです。幼虫は冬季には活動を休止して越冬し、約2年に渡って樹木の内
部を喰い荒らします。6月頃から羽化して成虫になり、樹木内部から脱出していきます。幼虫の期間が長いため、気づくのが遅れると手当
が間に合わず、樹勢が回復できない木は枯死するしかありません。
 やっかいなことに、クビアカツヤカミキリは高い繁殖力があり、1匹のメスが100~300個もの卵を産むそうです
(飼育下では300~1000個
とも)
。外来であるこの昆虫にはこれという天敵がおらず、幼虫も樹木の内部で成長するため鳥などに捕食されることがありませんつまり
成虫にまで育つ確率が高いということです。この特性を考えると被害を防ぐには、産卵をさせない、孵化した幼虫は成虫にさせない、など
が重要となります。
 飛び回っている成虫を見つけるのは困難で、直接害を与える幼虫の発見が大切になります。幼虫が樹木の内部を食害し出すと、樹皮の外
側にフラス
(木くずや糞の混合物)を排出します。上の右写真のように根元に落ちてたまっていることが多く、幹の途中にある場合もありま
す。クビアカツヤカミキリのフラスはうどん状に固まるのが特徴で、切れたものはイモムシ状の形をしています。これらの特徴から、クビ
アカツヤカミキリの幼虫の存在を判別することができます。フラスが少量たまっている段階で発見できれば、木の枯死を防げる確率は高く
なります。多くの人の目で、フラスの存在に早く気づくことが大切になります。多くの市民の協力が必要でしょう。
 幼虫の存在がわかった場合はすぐに対策が行われます。フラスの排出孔を見つけて殺虫剤を注入し穴をふさぎます。時には樹皮を剥がし
て直接幼虫を捕殺することもあります。よく見られる、幹の根元に巻いた防風ネットは成虫への対策です。羽化して出て来た成虫が他の木
へ移動することを防ぎます。また、メスの成虫が樹皮に産卵することも防ぎます。ネットをわざと樹皮から離してゆるく巻くのは、メスの
成虫が樹皮に近付けないようにするためです。いろいろな対策の手立てが講じられていますが、発見、薬剤注入、ネット巻き、伐採など、
いずれも人手を必要とし、費用もかかります。被害防止とともに経費を抑える意味でも、自治体の素早い対応が望まれます。
 クビアカツヤカミキリの生態や防除対策については、大阪府立環境農林水産総合研究所が手引き書を製作して啓発・指導しています。大
阪府での被害発生が早かったこともあり、同研究所の研究成果や手引き内容には優れたものがあります。詳しくはそちらのサイトをご覧く
ださい。 アイコン・指さしマーク
 「クビアカツヤカミキリ被害対策の手引書(改訂第4版)」  アイコン・指さしマーク「地方独立行政法人・大阪府立環境農林水産総合研究所
拡大する被害地域-大阪府の場合
 国内で初めてクビアカツヤカミキリの被害が確認されてのは2012(平成24)年、愛知県名古屋港でした。2015年には東京・群馬・大阪・徳
島で確認されました。2017年和歌山、2019年奈良・三重、2022年兵庫と、近畿地方でも次々と範囲が拡大しています。2022年末には13都
府県にまで広がっています。国立研究開発法人「森林研究・整備機構森林総合研究所」の研究によれば、日本各地で採集されたクビアカツ
ヤカミキリの遺伝子解析の結果、同じクビアカツヤカミキリでも主な分布地域の間で遺伝的に異なっていることが明らかになりました。
 
 つまり、被害地域の分布の急速な拡大は、国内各地にクビアカツヤカミキリ
が別々に持ち込まれたことによって起きた、ということなのです。
 大阪府内では、2015(平成27)年に大阪狭山市で初めて確認され、2020年には
11市町村、2022年3月では16市町村、2024(令和6)年2月現在では 22市町村
でクビアカツヤカミキリによるとみられる被害が確認されています。
 右の被害分布地図を見ると、わずか5年の間に急速に被害地域が拡大してい
ます。南河内地区では、2017年に5市町だった被害地域が、2022年には全市町
村に拡大しています。市域の狭い藤井寺市にあっては、被害の拡大が極めて短
期間で進んだことが推察されます。
 私は毎年桜の季節になると、桜景観の様子を確かめ、また写真撮影をするた
めに藤井寺市内の各地を回っています。ここ数年間の状況として、毎年どこか
の桜名所で新たに伐採された切り株を目にします。また、伐採はされていない
ものの、一輪の花も咲いていない枯れ枝ばかりの木も目にします。まことに悲
しい光景としか言いようがありません。もう少し早く対策の手は打てなかった
のだろうかと、残念でなりません。
簡単ではないクビアカツヤカミキリ対策
 私の個人的体験ですが、2022年の晩秋、久しぶりに立ち寄った澤田八幡神社
大阪府における被害状況
 大阪府における被害状況     文字入れ等一部加工
   「クビアカツヤカミキリ被害対策の手引書(改訂第4版)」
    (大阪府立環境農林水産総合研究所 2022年6月)より
の境内で入口近くの2本のソメイヨシノの根元に大量のフラスを見つけました。クビアカツヤカミキリのフラスだとすぐにわかりました。
ネットは巻いてなく、何も対策は取られていません。枝には多くの葉があり紅葉していたので枯死はしていないようでした。普段は無人の
神社なので管理者がわからず、市役所の関係部署にメールで連絡しました。後日返信があり、神社管理者に連絡して対策の仕方を指導した
旨の報告を受けました。今年の春
(2024年4月)に澤田八幡神社に立ち寄ってみましたが、目に入ってきたのは満開の桜ではなく、二つの大き
な切り株でした。私が通報した時点で、すでに手遅れの状態だったようです。市の担当部署も、市営の公園や市立施設、市道などでの害虫
対策に手一杯で、私有地や民営施設の桜の状況にまで気を配る余裕はないのが実情なのでしょう。害虫対策だけが日常の業務ではありませ
んから。この一件は、クビアカツヤカミキリ対策では、いかに早く幼虫の存在を知るか、つまりフラスの発見が重要かを教えてくれます。
 クビアカツヤカミキリ被害対策について府内の自治体や府民に啓発・指導している府立環境農林水産総合研究所
(羽曳野市)の広大な敷地
内には多くの樹木があり、立派な桜並木もあって近隣の住民には昔から親しまれたお花見スポットでした。以前近くに住んでいた私も家族
でよく訪れました。小学校低学年の遠足でもよく利用されます。私も引率して行ったことがあります。
 現在でも私は同研究所
(環農水研)の横を日常的に車でよく通るのですが、ある頃から桜景観が変化していることに気づきました。2024年
(令和6年)4月9日の朝日新聞に、クビアカツヤカミキリによる桜の被害を伝える記事が載りました。記事には、同研究所で
3年前、十数
本あった桜並木が数本を残し、伐採された。」とありました。私の目に映る桜景観も変わるはずです。クビアカツヤカミキリ被害対策の研
究・指導機関である環境農林水産総合研究所の施設内ですら、このやっかいな昆虫の被害を防ぐことができなかったのです。この被害は、
クビアカツヤカミキリとの闘いがいかに困難なものであるかを象徴しています。とても「何とかなるだろう」のレベルではありません。
 それにしても、年々減っていく藤井寺市内の桜の木を見ていると、もっと有効な手立てはないものかと、もどかしく思えてきます。しか
しながら、現実的な対策としては上記で述べたような対策を地道に実行していくしかないのが現状です。自治体の地道な努力や市民の協力
によって被害の拡大が止まり、再び各地できれいな桜景観が見られる日の来ることを祈るばかりです。

桜景観を写す-意外と難しい写真撮影 
 20数年来、藤井寺市内各地で桜景観の写真を何度となく撮ってきましたが、自分で満足できる写り具合だったのはそんなに多くはあり
ません。目の前にある桜の木の1本や2本を撮るのはまだしも、一定範囲の桜景観を撮影するのはけっこう難しいものだと思っています。
動かないものを撮るのは簡単なことではないか、そう思っている方も多いかも知れませんが、実は案外そうでもないのです。
 一般的な風景写真を撮る場合にも言えることですが、桜景観のような動かないものだからこそ問題となる難しさがあるのです。被写体が
人なら、立つ場所やポーズを選ぶことができますが、風景や建物の場合はそうはいきません。動けるのはカメラ側の自分だけです。まずは
どの位置から撮影するのか、その選択が重要になります。同じ桜景観でも、撮影位置が変わることで写った写真の印象がガラリと違ってく
ることがあります。撮影ポイント候補がいくつかある場合、どこから撮るのが良さそうか、その選択は最も大切と言えるでしょう。
 次に問題となるのは、何時撮影するのか、という「時」の問題です。これには、「季節・月日・曜日・時間帯」が要素となりますが、桜
景観の場合は季節は決まっているので、問題となるのは日と時間帯でしょう。
 日は桜の咲き具合を見て判断することになりますが、時間帯
は別の要素が絡んできます。太陽光の当たり具合です。午前と
午後で日光の当たる向きが変わるような桜の場合は、判断が必
要となります。順光での撮影と逆光での撮影とでは、色合いや
コントラストにかなりの違いが出てきます。正午前後に撮影す
るのが最適な場所もあります。これらの選択は意外と重要なポ
イントです。
 時間帯にはもう一つの重要な要素が重なります。「天候」で
す。これは選択するのではなく、合わせるしかありません。
道明寺 道明寺
 道明寺      2013年3月29日  道明寺      2013年3月30日
 写真と言えばカラー写真が当たり前になっている現在、桜景観の撮影では「天候」が最も重要かつ難しい要素であると言えるでしょう。
上の2枚の写真は道明寺山門前の桜景観ですが、2日連続で撮影しました。違いは「天候」です。曇天で白っぽい空の写真と、晴天で青空
の背景で見る桜、この違いが歴然としています。日光の当たっている方が色合いも良く写ります。3月29日は曇りの日でしたがほぼ満開だ
とみて撮影に行きました。しかし、翌日は快晴となったので再度撮影に行きました。もし、この前後の数日間が曇りや雨の日ばかりだった
ら、青空の下で咲く満開の桜は撮影できなかったことでしょう。満開の時期と天候は撮影者にはコントロールできません。
 晴天の青空を背景として満開の桜景観を撮影する、それができるチャンスは実はそんなに多くはないのです。満開前後には雨天や曇天が
続いていて、その年は狙っていた写真は撮れないままで終わることも珍しくありません。いくつもの要素がタイミング良く重なった時だけ
美しい桜景観の写真が可能となります。しかも、同じ藤井寺市内でも、場所によって満開の時期は微妙にズレます。そんなこんなを考える
と、まずまず気に入った写真が撮れるのは、良くても2,3年に一度ぐらいのものです。桜景観の撮影は意外と難しいのです。

大井水みらいセンター 藤井寺北小学校 四天王寺小学校・東中学校・東高校 津堂城山古墳 道明寺天満宮 野中宮山古墳 伴林氏神社 梅が園善徳保公園・道明寺東小学校前道路 道明寺 カラ池・市民野球場・野外活動広場 ブクンダ公園 アイセル・シュラホール 古室八幡神社 藤井寺市役所 道明寺東小学校 小山藤の里町 道明寺中学校 道明寺南幼稚園 サンヴァリエ春日丘 ひかりこども園ホール どうみょうじ高殿苑 古室山古墳 川北公園 府営藤井寺道明寺住宅
menu site map