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 ◆◆◆ 道明寺天満宮 ◆◆◆
 どうみょうじてんまんぐう
  藤井寺市道明寺 1-16-40  Tel:072-953-2525
     近鉄南大阪線・道明寺駅より西へ約
300(神門下まで) 徒歩約5分
                 土師ノ里駅より南東へ約600
(神門下まで) 徒歩約10
    駐 車 場:境内に無料駐車場
(参拝者用)
老舗の桜名所
 道明寺天満宮は、藤井寺市内の桜名所の中では最も老舗と言ってよい
でしょう。シーズンには多くの参拝客が訪れます。
 道明寺天満宮の公式サイトでは
境内に約200本の桜があるというこ
とですが、私の調査では神門外側法面の木も含めて
140本でした(2014
)来訪者が見ることのできない場所に桜がある様子もないので、この
数で合っていると思います。古木が枯死して伐採された跡も何度か見た
ので、以前にはもっと多くの桜があったのだと思います。枯死した桜の
代わりに植えられたと思われる幼木も数本ありました。
 桜が多いのは境内南東部の駐車場で、土俵を囲むように桜の木が並ん
道明寺天満宮拝殿前の様子
 @道明寺天満宮拝殿前の様子                  2020(令和2)年4月
でいます。鳥居の立つ参道や天壽殿前、駐車場東側の段下などにも多く、これらの場所で数十本はあります。神門外側の法面にも立派な古
木があり、駐車場進入路の脇や拝殿の周辺でも桜が見られます。ほとんどがソメイヨシノですが、違う種類も何本かあります。
変わってしまった桜景観
 ふた昔ほど前の頃なら、藤井寺市内の花見名所を問われたら多くの人が道明寺天満宮を真っ先に挙げたことでしょう。それほど多くの市
民に知られ親しまれていた桜名所だったのです。ところが
、その往年の素晴らしい桜景観は、現在では残念ながら一変してしまっています。
ここ数年で多くの桜の木が枯死してしまったのです。2020年頃には藤井寺市内でも広がっていたクビアカツヤカミキリ幼虫の食害により、
立派に花を咲かせていた多くの古木が次々と枯れてしまいました。クビアカツヤカミキリの成虫は桜の樹皮のくぼみに卵を産み付けるので
古木ほど被害を受けやすいという実態があります。立派に花を咲かせていた大きな木ほど先に枯れていくという悲劇です。
 写真Aは、長年親しまれてきた道明寺天満宮神門前の石段の様子です。満開の桜の下で石段を上り境内に入って行く、というのがこの場
所の花見のスタートでした。写真Bは2025(令和7)年春の同じ場所の光景です。石段の両側にあったソメイヨシノの古木は姿を消し
てしまい
ました。この大きな変化は、ほんの
2,3年の間の出来事だったのです。似たような変化が境内のあちこちで起きています。
神門に昇っていく石段と門前の桜1
A神門前の石段と門前の桜(南より) 2018(平成30)年3月   B神門前の石段と門前の様子   2025(令和7)年4月
 道明寺天満宮は道明寺駅から近いこともあって、昔から多くの花見客が訪れていました。シートの上で御馳走を囲み楽しそうにに花見を
するグループがいくつも見られました。ずっと以前には、夜にはライトアップもされて、夜桜を楽しむ人々でも賑わいましたが、現在は行
われていません。騒音をはじめとして、様々なマナー低下が増えてきたことが影響したようです。
 枯死によって桜の木は減ってしまいましたが、お花見ができる場所としては変わりありません。お花見の賑わいは以前ほどは無いかも知
れませんが、長い天満宮の歴史の中ではほんの一時のことだと思います。将来を見据えて適切な対応策や整備が行われ、いつの日か再び境
内が桜で包まれるような光景の見られる日が来ることを祈りたいと思います。
 なお、道明寺天満宮では境内での牛食が禁じられています。天神信仰では牛は祭神の使いとされている動物です。祭神である菅原道真公
と牛にまつわる伝承や縁起がいろいろとあり、天満宮や土師社では牛が神使とされました。各地の天満宮に決まって臥牛
(地面にふせた牛)
の像が置かれているのはそのためです。道明寺天満宮にも寄進された臥牛像が何体もあります。花見の時期に限らず、境内で食事をする際
には気を付けましょう。                           アイコン・指さしマーク「道明寺天満宮−菅原道真と天神信仰」
 
満開の桜の下で楽しむ花見客1 満開の桜の下で楽しむ花見客2
             C    満開の桜の下で楽しむ花見客(駐車場)     D  2018(平成30)年3月(EFも)
参道はまるで桜のトンネルのよう 参道の両側には寄進された燈籠や様々な碑が並ぶ
E参道はまるで桜のトンネルのよう
  参道の奥に鳥居があり、くぐると正面が社殿である。
F参道の両側には寄進された燈籠や様々な碑が並ぶ
 写真C〜Fは、虫害による被害が起きる前の桜景観です。今となっては、懐かしい天満宮の桜の姿としてご覧いただきたいと思います。
 拝殿に向かう参道は、たくさんの桜の枝でおおわれています。まるで桜のトンネルのような石畳を進むと、参道の両側には寄進された多
くの燈籠や記念碑、歌碑、塚などが並んでいます。燈籠は江戸時代のものがたくさんあります。所々にソメイヨシノとは違う桜も見られ、
色合いに変化を付けてくれます。参道の中ほどには、毎年桜の満開に合わせたかのように鮮やかな新緑を見せてくれるカエデがそびえてい
ます。天満宮で大きな祭事がある日にはいつも出店が並びますが、花見の時期にも食べ物や
ゲーム、苗木などの店が見られます。毎月25日
が「天神さんの日とされていて、この日には骨董市も催されます。25日という日が祭神の菅原道真公と縁が深いことによるもので、道真
公の誕生日も亡くなった日も
25日だったそうです。ついでながら、道明寺天満宮の電話番号も「2525」です。
                                           アイコン・指さしマーク 公式サイト「道明寺天満宮」
もう一つの花の名所
 3月末から4月上旬が桜の見頃ですが、道明寺天満宮にはもう一つの花の名所があります。拝殿の脇をもっと奧の北側へ進むと、本殿の
裏側に立派な「梅園」が広がっています。その年の天候にもよりますが、2月末から3月初めにかけて満開の梅が咲き誇ります。公式サイ
トによれば、約
80800本の梅の木が植えられているそうで、「大阪みどりの百選」にも選定されています。
 梅を愛した道真公にちなんで、各地の天満宮では梅の木が大切にされています。京都の北野天満宮や福岡の太宰府天満宮がそうであるよ
うに、道明寺天満宮も桜よりもむしろ梅の名所としての方が有名かも知れません。道明寺天満宮の神紋は梅鉢紋となっており、旧道明寺町
地域にある道明寺小学校、道明寺東小学校、道明寺南小学校の道明寺3校の校章も梅鉢紋をベースとしたものになっています。
 2月中頃から約1ヶ月間「梅まつり」が開催され、その間に様々な催しが行われます。梅の愛好家による盆梅展も開催されます。期間中
の2月
25日は道真公の命日であり、例祭である「梅花祭」の日です。なお、梅まつり期間の梅園入場は有料です。

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